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2006年9月の13件の記事

2006年9月30日 (土)

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編、最後の第6回:「郵便ポスト」

【勝手にアドバイス 旬ネタ ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編】

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編、最後の第6回:「郵便ポスト」である。

インターネットの普及で、ベルリンの壁のように崩壊する建物・商売はどんどん増えるだろう。
今週の「勝手にアドバイス:旬ネタ編(旬のネタを連続テーマで書く)」は、ネット時代で遅かれ
早かれ無くなる建物を取り上げる。その「建物候補」は次の通りだった。************************************************************************
・図書館: ネット情報、バーチャル書籍などをめぐる図書館の存在意義 →終了
・証券取引所: 場立ちも消え、もはや建物だけが遺された。→終了
・東京タワー: ネット時代に電波のバベルの塔は果たして着工できるのだろうか?→終了
・役所: 民営化、サービスの多くのネット化、それでも建物が必要だろうか? →終了
・不動産屋: 事務所は必要だが、お店はバーチャル化 → 終了
・郵便ポスト: 必要なのはポストではなく「投函というサービス機能」 →終了
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【ポストが減るのは時間の問題】
民営化をして「やはり」と思わせたのは、郵便ポストの収集回数の削減である。発表した郵便ポスト4万本早朝収集を10月16日から減らすいう発表があった。投函ポストは全国に19万本あり、1日に3回以上の収集はそのうち7万本。早朝午前7時頃の時間帯にある1回目の収集を中止するもの。この収集業務は外部委託(といっても関連団体のようなものだが)であり、外部委託費を30億円も削減できるという。民営化の成果である。

まずは回数の削減だが、郵政公社は集配拠点局の再編も進めており、集配自体も合理化するので、いずれもっと大胆な策、つまりポストの削減も打ち出してくるだろう。すでにローソンAM/PMで赤いポストを見た人も多いはずだ。ゆうパックの収集と一緒にできるので合理化である。

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【投函という機能から考えれば】
アメリカでは自宅のポストに、投函したい郵便物をチョイとはさんでおけば、集配人が持っていってくれた。そもそもそれは違法というかイレギュラーなのかも知れないが、郵便物を出そうと思ってカバンの中に1週間も持ち歩く癖のあるわたしには、とても便利だった。

問題は郵便の料金体系が複雑すぎることであり、それがゆえに郵便局に行かざるを得ないのである。郵便物の送付にいくらかかるかわからない。料金を調べても、ぴったりの金額の切手がコンビニには置いていない。こういうことがまかり通っているから、郵便はますます減る。

企業のダイレクトメールなどで使われる「郵便料金計器」。料金を前納・後納・別納などで行うものである。もちろんこのマシンも、海外ではインターネットに接続されており、支払いをクレジット/振込みで行っている。また米国のStamps.comでは「電子切手」発行するサービスをネット上で展開しており、2005年に62百万ドルの売上高を達成している。郵政の民営化後は、こうしたサービスも導入されなくてはならない。

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【ユニバーサルサービスは否定される】
退陣した小泉政権のテーゼは「格差社会こそ掟」であった。安部政権の「美しい国」ではどうかわからないが、民間業者であれば、採算が取れる地域に進出するのが当たり前である。現時点でも郵便事業は地方は赤字、黒字は三大都市圏だけである。不採算な地域に進出しなさいという株主がいるだろうか? 

民営化で不採算な過疎エリアは切り捨てか、さもなくば宅配便のように均一料金でなくなる。あるいは「ポストを出してもらいたかったら出資してください」ということにもなるだろう。その序章が「収集回数の削減」である。

【勝手にアドバイス】
アメリカでは街角の収集ポストの盗難が多そうである。コンクリで設置していても、クレーンでなぎ倒し、現金や個人情報を盗む。夜間のポストに投函することも危険が伴う世の中である。ポストもコンビニの方が安全なのである。人件費を削減しよう!として抵抗にあうならば、いっそ建物(ポスト)自体をなくすことから考えてみよう。

必要なのは「投函する、受け取るというサービス機能」であって、ポストではない。集配機能であれば自宅のポストにも付けれられるし、インターネットでもサービスが受けられる。投函という機能から考えれば、宅配便にはすでに戸別集荷サービスがある。東京23区内なら郵便も集荷してくれる。今後大規模マンションには宅配便だけでなく、郵便の収集ボックスも設置されるだろう。駅のコンビニでコンタクトレンズだってCDだって受け取れる時代である。

たとえば、東京メトロのどこの駅でも受取指定のできる私設メールボックスを置く。メールボックスに配達された郵便物を、パスワードで開けて受け取るなんてことも可能だろう。ネットのメールがモバイルなら、郵便もモバイルでもいいだろう。

今日は以上です。「遅かれ早かれ無くなる建物編」、お読みいただきありがとうございました。明日はかなり柔らかい話題で「浅尾美和さん」、明後日はぷろこんエッセイでテーマは「ジェラシー」です。
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2006年9月29日 (金)

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編、第5回目は「役所」

【勝手にアドバイス 旬ネタ ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編】

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編、第5回目は「役所」である。

インターネットの普及で、ベルリンの壁のように崩壊する建物・商売はどんどん増えるだろう。
今週の「勝手にアドバイス:旬ネタ編(旬のネタを連続テーマで書く)」は、ネット時代で遅かれ
早かれ無くなる建物を取り上げる。その「建物候補」は次の通り。***************************************************************************
・図書館: ネット情報、バーチャル書籍などをめぐる図書館の存在意義 → 終了
・証券取引所: 場立ちも消え、もはや建物だけが遺された。→ 本日
・新東京タワー: ネット時代に電波のバベルの塔は果たして着工できるのだろうか?→ 終了
・役所: 民営化、サービスの多くのネット化、それでも建物が必要だろうか?
・不動産屋: 事務所は必要だが、お店はバーチャル化 → 終了
・郵便ポスト: 必要なのはポストではなく「投函というサービス機能」
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【パスポート電子申請の怪】
そもそもこのサービスは3年前に開始して、この10月に廃止するので、今さらいじめても仕方ない。しかし象徴的な事件である。

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①電子申請は全国すべてでやっていなかった。
関東地方では埼玉、栃木、群馬、茨城。東北以北は宮城県のみ(!)。東海・信越・北陸もゼロ。関西は和歌山県のみ、あとは岡山、香川、福岡、長崎、熊本、宮崎。合計12県でしか実施されていなかった。
②住民基本台帳カードとICカードリーダー
住民基本台帳の電子化参加自治体に住み、IC住基カードを持ち、そのカードの読み込みができるICカードリーダーと、もちろんパソコンが必要。
③導入3年で133件、1件あたり1600万円。
逆算すると開発費は21億2800万円となるが、経費が運営経費も含むなら、ソフトウエア開発投資は12県で10数億円だろう。

開発費が仮に10億円だとして、1県平均5~10ヶ所の申請所がある。全国で250ヶ所あるとして、平均1億円の事務所&人件費がかかっているとして、250億円。目標設定は、投資対効果。この運営経費の削減率/額であろう。

旅券発行数は旅券統計によると全国で360万件(2005年)。仮説として運営費250億円と、この数値を採用すると、一件あたりの発行コストは約7千円となる。7,000対16,000,000ではまるで計算ができない。電子申請なのだから、各県の何割か電子化すると直接コストがいくら引き下げられ、運用が本格化する2年度から「人員削減でいくらコストを引き下げる」という目標が(あれば)発表されていないのは、納税者への裏切りである

もちろん言うまでもなく、住基カード自体の発行さえ滞っている。言うまでもなくICカードリーダーが自宅にある人はよほどのマニアである。

お役所のつくるシステムで「これはお見事!」と喝采するシステムは記憶にのぼってこないが、ここまでのユーザー視点の欠如はたいへんなものである。このシステムを国の永久保存物に指定して、外務省のロビーに展示陳列すべきであろう。

【長崎方式】
自治体のIT化では長崎県が有名である。「e県ながさき戦略」を策定し、平成17年度~18年度を計画年度として、「ITの地産地消」をめざしている。地産地消とは「地元生産-地元消費」のことであるが、ITの分野では地域のIT産業の育成とともに、県民のIT識字率もアップさせ消費を促進しようという試み。

電子県庁システムについては次のものが稼動中。平成14年~15年度の2年間で、従来、大手IT企業に一括発注方式をしていたシステム開発を100件に分割発注して、地場企業による48件の受注をさせたという。大幅なコスト削減も実現されたという。

 ①電子申請システム
 ②地図情報及び交通機関の経路検索システム
 ③公共施設予約システム
 ④文書管理システム
 ⑤旅費計算等の庁内庶務システム

前田建設の社員という経歴の島村さんというSEがいるからこそ、といわれているが、彼が庁内の役人に手取り足取りで業務フローを書かせて、システム導入につなげたという苦労話がコンサルぽくて興味深い。また、岡山の情報ハイウェー構想にならうと、離島が多い長崎県ではコストが莫大になるので、警察の専用線を光ファイバーに改修してもらって、VPNで県のシステムを相乗りさせたという、アイデアもいい。

その長崎県の職員削減目標は、平成13年~18年4月までに全職員の6%にあたる320人削減を目標にかかげ、外部化とシステム化で292人を達成したそうである。民間企業の大ナタの人員削減に比べれば「たった」だが、6%でも立派なものである。
http://www.pref.nagasaki.jp/minaoshi/pdf/keikaku-jisseki.pdf

【市庁舎建築に費用対効果が問われることがあるのだろうか?】
ずいぶん前で恐縮だが、平成7年に竣工した静岡県伊東市市庁舎仕事で初めて訪れたときの衝撃が忘れられない。建物の断面は、土地柄を反映させて、「舟のかたち」をしているという。総費用は100億円。美術モニュメントも随所にあるのだ。

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伊東市の人口は7万5000人、竣工時からは5000人ほど増えている。ところが市税収入は竣工後の平成9年度の159億円をピークに、平成16年度は122億円まで低下している。地方交付金などを含めて歳入232億円の自治体である。一般企業で売上高100億円の企業が80億円の本社ビルを建てるだろうか?

その伊東市のインターネット対策もすごい。「インターネット市民募集」というサイト。インターネット市民の定義もよくわからないが、その市民にならないとホームページにも意見が書き込めないそうだ。恐ろしや、電子市役所。

【勝手にアドバイス】
退陣した首相にならって言えば、電子サービスもいろいろなら、自治体もいろいろ。悲惨なくらい職員を減らし、雑巾がけも職員がやる自治体もあれば、財政にメドが立たなくても豪華な舟に乗るところもある。

パスポート電子申請の怪を繰り返さずに電子化を進めるにはどうすればいいのか? 住民基本台帳情報はすでにデジタル化されている。なぜそれに参照許可の権限を与えて、外務省側でアクセスするということができなかったかが問題だろう。省壁の存在、ICチップカードの使用促進というメンツ、シンボル事業、などであろうか。

市民の視点に立てば豪華な庁舎より、サービスの自動化である。出張所は全廃して、申請業務をすべて電子化すべき。国の情報化にはEAとかむつかしい理屈も必要だろうが、長崎県をみればEAなんて思想がなくても6%は減らせるのである。

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2006年9月28日 (木)

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物 第四回:不動産店舗

【勝手にアドバイス 旬ネタ ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編】

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編、第4回目は「不動産店舗」、いわゆる駅前不動産もそうだし、大手不動産企業の店舗も同類である。ビルの1階で良い立地で顧客を待ち構えるビジネスモデルはもう通用しない勝負の分かれ目は情報量と情報網である。

このインターネット時代で未だに駅前不動産が生き残っている駅があるが(駅前にフルーツ屋があるところもあるが、むかし駅を降りて贈答品を買う習慣のなごりである。不動産屋も存在も今やそれに近い因習的な感じがする)。彼らは不動産の売買や賃貸契約締結というより、不動産管理や駐車場管理という生業で生きているのではないだろうか。現に不動産で伸びている会社は、駅前立地ではない。

【住まい手の視点で情報の提供】
まずHomesという、株式会社ネクストが運営するサイト。不動産物件情報を無料閲覧できるサービス業務を目的として設立された会社で、不動産関連の情報サイトではあのリクルートも抑えてNo.1と言われる。新築、中古、賃貸なんでもござれ。特に眼を引くのは、「Home'sリサーチ」と銘打たれた消費者調査のサイト。「ご近所づきあいに関するアンケート」「首都圏地下鉄12路線ランキング(私の路線はブービー賞)」「家賃のカード払いの要望度合い」など、なるほどと思わせる切り口の消費者調査があって、会社の姿勢が感じられる。そのビジネスモデルにも良心が感じられる。

つまりHomesは不動産会社ではなく不動産の情報提供会社なので、売らんかなという不動産業者にはない視点がある。

【賃貸住宅をインターネットで探す人が増えている】
Homesが実施した調査で、「2005年度中に賃貸住への住み替えを行ったエンドユーザを対象に、住み替え実態についてのアンケート」がある。 「住み替えを意識して具体的な情報収集をしていた時期に利用した情報源について(複数回答)」の質問では、当然ではあるがインターネットからの情報がダントツであり「不動産ポータルサイト」と「不動産会社のサイト」が他の情報源を大きく引き離している。

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これは昨年95年の調査であるので、96年はもっと伸びていると思われる。もちろん不動産情報サイト会社がこのアンケートを実施しているという点を割り引く必要もあるかもしれない。それにしてもネットで検索せずに、チラシを集めるのだろうか?ネット無しには不動産ビジネスが成立しないということが実証されている。http://realestate.homes.co.jp/contents2/research/20060614/

【不動産もロングテールの時代】
以前にこのブログでコンバージョン住宅を取り上げたことがあったが、そのとき読者の方から「東京R不動産」というサイトがあるよ、教えてもらった。とても惹かれているサイト。Homes(ネクスト)が情報提供会社なら、こっちは住まいへのこだわりがスタート。

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人はそれぞれに、違ったこだわりや嗜好を持っていると思います。
一風変わった物件も、人によっては、それが宝物のような空間かもしれないのです。
重要なのは、そのマッチングだと思います。

こんな会社案内も風変わりだが、物件探索の切り口もおもしろい。「レトロな味わい」「眺望GOOD」「水辺/緑」「別荘/海外」「with ペット」「改装OK」「戸建て/一棟」「お得なワケあり」「天井が高い」「デザイナーズ」「オマケ付き」「倉庫っぽい」「屋上/バルコニー」。

「ワケあり」を探ってみると「期間限定の秘密基地 (かなり湿気が多そう)」、窓をまたがなければ入れない、秘密の小部屋のある「江戸川橋事務所(シリーズ第二弾だという)」も最高である。横浜市保土ヶ谷区の土地、「プロゴルファー猿のクラブのようなこの形状」という想像力豊かな表現もオカシイ。誰が買うのか。だが500平米で3000万円は安いだろう。この会社、元広告マンら、不動産外の方がたの設立だとかで、このようにユニーク。
http://www.realtokyoestate.co.jp/estate.php?n=3056

【おまけ~間取リストの本】
これで思い出したのは『間取りの手帖』という謎の本である。奇妙な間取り図と珍妙なコメントだけ。「観音開きフェチ」「サイケデリック・キッチン」「住んでいる人の顔がみたい」などなど。この三日まじめなこと力説してしまった反動として許してほしいが、この本は笑える。それを衝動買いしたわたし自身も笑い飛ばせる。

【不動産のプロ向けの市場分析専門企業】
アトラクターズラボという「不動産市場分析が得意なエリアマーケティング企業」というコンセプトの会社。わたしはウェブのない昔、マーケティング・リサーチャーだったので、朝日新聞の民力とか東洋経済の地域経済総覧、地域の都市計画図、家計調査などさまざまなエリアマーケティング資料にまみれたことがあった。そういう苦労なしに、「駅力」「地域の年収調査」「駅別賃料水準」「空室率」など不動産がらみのデータがすぐに入手できる。

こういうサイトがあると、不動産会社の存在価値は何なのだろうかと考えてしまう

【勝手にアドバイス】
駅別に情報を抱え込んで、足を組んで顧客を待つ時代ではなくなった。インターネットはロングテールの魔力をもっている。つまり、散在している供給と、散在している需要を、瞬時にマッチさせる力があるのだ。

一件一件の仲介手数料や敷金・礼金を考えると、大手企業ではロングテール需給に手を出せない。だがネットの力があれば、不動産屋だけでなく、業界外からも情報を武器に参入が容易だという、好事例が不動産業界である。

不動産はにわかに景気が良くなっているが、この景気の良さにまぎれて、情報事業に投資せず昔のやり方で事業をする不動産会社の明日は無い思う。駅前だけでなく、大手不動産会社ほど危ない時代に入りつつある。

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2006年9月27日 (水)

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物 第三回:証券取引所

【勝手にアドバイス 旬ネタ ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編】

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編、第3回目は「証券取引所」である。

インターネットの普及で、ベルリンの壁のように崩壊する建物・商売はどんどん増えるだろう。今週の「勝手にアドバイス:旬ネタ編(旬のネタを連続テーマで書く)」は、ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物を取り上げる。その「建物候補」は次の通り。***************************************************************************
・図書館: ネット情報、バーチャル書籍などをめぐる図書館の存在意義 → 終了
・証券取引所: 場立ちも消え、もはや建物だけが遺された。→ 本日
・新東京タワー: ネット時代に電波のバベルの塔は果たして着工できるのだろうか?→ 終了
・役所: 民営化、サービスの多くのネット化、それでも建物が必要だろうか?
・不動産屋: 事務所は必要だが、お店はバーチャル化。
・郵便ポスト: 必要なのはポストではなく「投函というサービス機能」
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写真は1990年ごろの東京茅場町にある東京証券取引所である。いわゆる場立ちが大勢フロアに立ち、取引を手のサインで伝え合っていた。システム化の進展で、99年に東証から場立ちが消え、その後は要塞のような巨大なスペースだけが残された。

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その巨大なスペースは今では「東証Arrows」という総称で再活用されている。場立ちのスペースは「マーケットセンター」という名称で、東京証券取引所のマーケット部門が売買監理業務を行っている。その説明サイトに実に面白いコメントがある。

『直径17メートルの巨大なガラスシリンダーが市場の透明性・公正性を象徴しています』

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物理的に透明であれば公正な取引が保証されるとはとても思えない(笑)。まあ場所が余ったイメージ展示。

「マーケット・エクスペリエンス・コーナー(架空の持ち金1,000万円で、投資体験シミュレーションができる)」「東証プラザ(東証の沿革紹介)」「インフォメーション・テラス(有価証券報告書などの紙の資料が読める)」、さらに「証券史料ホール(説明省略)」となると、あの巨大なビルディングを持て余していということが、よ~くわかるだろう。
http://www.tse.or.jp/arrows/index.html

【東証の中期事業計画】
あらためて株式会社 東京証券取引所の企業概要を見てみよう。

資本金 115億円
発行済株式数 2,300,000株 
従業員数  738名 
事業内容 ・ 有価証券の売買、有価証券指数等先物取引又は有価証券オプション取引を行うための市場施設の提供、相場の公表及び有価証券の売買等の公正の確保

同社では中期事業計画もとりまとめている。そこには「現行システムの能力増強(システム障害の再発防止及び能力増強策に必要な設備投資)」、「次世代売買システムの稼働に向けた検討及び開発」「売買監理体制の強化(売買監理業務の質的向上、売買監理に関するルールの整備)」「安定的な市場運営の確保のためのバックアップ体制の構築」などが戦略課題に挙げられている。

【なぜ東証は上場したいのか?】
昨年来、東証は自社を証券取引所に上場させたいとしてきたが、システム停止事件もあって物議をかもしている。

ある有識者懇談会がとりまとめた「わが国証券取引所をめぐる将来ビジョンについて」という資料を見ると、海外の取引所が自分の取引市場に上場するのは、取引所の合併による「システムの集約・標準化」、「経営拠点の共有化による合理化」「市場規模の拡大による競争力強化」とされている。

昨年来の東証の不安定なシステム稼動を、より安定的なシステムとして稼動させるための設備投資、といえば何となく納得できそうではあるが、ところが資金調達をのぞくと、東証は単独で上場したい(他の証券取引所と合併するなどの話もセットではない)、しかも東京証券取引所持株会社の下に監査機関会社と市場運営会社を置くという「屋上屋を重ねる組織体」であり、これで効率性がアップするとは思えない

また現在東証無借金経営とされ、設備投資も自己資金でまかなってきた優良企業なのである。上場に際して公募増資は行わず、自社株の売り出しを行うという。それでも上場をするという意義がどこにあるのだろうか?

【取引所の経由なしで株式の売買ができるシステム=私設取引システム
従来は東証など取引市場で売買をするものを、90年代の金融自由化政策を受け、取引所の経由なしで株式の売買ができるシステムを構築した。カブドットコム証券この9月15日から先行してサービスを開始している。

カブドットコム証券に口座を持つ顧客は、午後7時半~午後11時、インターネットを通じて、東京証券取引所などに上場する300銘柄を売買が可能。株価は夜間市場の売買によって決まる。 今のところ出来高は「昼間の1%」程度とされている。

だが同社の斉藤社長はこういう。「東証(東京証券取引所)のような証券取引所が、夜間も動いているイメージ」「株価を決めることができるというのは、これまで証券取引所の“特権”でした。しかし今回、当社がPTSで開設する夜間取引市場は、この「株価を決めることができる」という意味において、“証券取引所”と同等ということができます。ここが、今までの夜間取引市場とは最大に異なるところです

【勝手にアドバイス】
今の東証のサービスはいわば古臭い銀行と同じ、9時から5時だけの開店状態。しかも昼休みがある。帰宅後にニュースをチェックして、インターネットで夜間売買できる利便性は高いので、いずれ株価は夜決まるということになる

その私設取引システムが今後普及すると証券取引所に求められるのは、「不公正取引を監視・規制する売買審査」に代表される公平性である。上場審査や廃止基準の厳正な運用はもちろんだが、価格形成や注文状況をリアルタイムに監視することが求められる。証券取引所自身のシステム投資よりも、比重は市場参加の証券会社の監視投資に移る。

上場益のかわりに、あの茅場町の要塞ビルを証券会社やアナリスト会社に貸して、それで証券化もして、市場から投資資金を集めるという手はどうだろうか?恐竜展示のような東証マーケットセンターの維持に費用をかけるよりよほどGoodアイデアだと思います。

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2006年9月26日 (火)

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物 第二回:新東京タワー

【勝手にアドバイス 旬ネタ ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編】

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編、第2回目は「新東京タワー」。

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墨田区が打ち出した「すみだタワー」のイメージ図(錦糸町方面から)。約610メートル、敷地面積は約8100平米。地上450メートルの展望施設のほか、商業施設などを作る計画(出典はすみだタワー公式サイト)。

 第二東京タワーは、2011年の地上デジタル放送完全移行に向けて計画されているもの。地デジが使用するUHF帯は従来のVHF帯よりも直進性が高く、高層ビルなどが受信障害を起こす可能性があるうえ、地上波デジタル放送の目玉ともいえるワンセグ放送の直接受信環境を整える必要もあるためだ。現在の東京タワー(333メートル)を大きく上回る600メートル級のタワーとする計画で、総工費は500億円に及ぶという。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0503/29/news077.html

新しい600M級のタワーで、ネット上には建築ラッシュみたいなニュース&コメントが多いのだが、わたしの素朴な疑問

こんな大きなタワーで何を受信するのだろうかそもそも爆発的に普及しているインターネットは、全体を統括するコンピュータが存在しない分散型のネットワークとして広がってきた。世界のサーバコンピュータのパケットリレーで通信するものだ。それなのに、なぜ今さら、たかがテレビ中継のために、バベルの塔が必要なのだろうか?

【地上デジタル放送】
2011年7月に現在の地上アナログ放送、地上アナログBS放送が終わり、それぞれデジタル放送に移行する。この放送をUHF帯で送信するために、各エリアごとに放送局(放送塔)が必要になる。放送塔は東京・中京・大阪の大都市圏を中心に必要になる。その計画はもう浸透しつつあり、地上デジタル全国推進会議では、全国各地の地上デジタルカバー率(現状と計画)がエリア別に掲載されている。着々と進んでいるのである。

【今の東京タワーではダメなのか?】
受像機の仕様はこれまでのアナログTVではダメになるとしても、アンテナ自体は、電波がUHF帯なので、マンションなら屋上にあるUHFアンテナで充分である。そこで、面白いサイトがある。「地上デジタル放送はどのくらい遠くまで受信できるのか?」 http://park12.wakwak.com/~bmx7jq9/

関東各地で、今の東京タワーからの地上デジタル放送をどのくらい遠くで受信できるのか?という実験結果である。富士山が望める最遠地点はどこか、という試みと似ている。

東京タワーからの出力が低かった昨年(2005年)前半の時点では、30Km圏でも相当に受信が困難だったという。読者のお住まいの地域をアイコンか地図上の○をクリックしてみてください。どこの局が映るか映らないか、非常に詳しく調べられている。

このサイトによると『現在、東京タワーの出力が第2段階へと増力。受信可能エリアは飛躍的に広がっています。東京環状(国道16号)内ではほぼ問題なく受信可能。また、それ以遠でも東京都青梅市や埼玉県東松山市、茨城県牛久市、千葉県印西市などでも受信可能でした』そうですので、30Km圏はほぼ受信可能、一部の40km圏でもできるようになっているそうである。つまり、今の東京タワーからでも、設備増強次第でなんとかなるのである

現に、東京タワーを運営する日本電波塔では、現在の東京タワーを改修して現在より30m高い地上360mの位置にデジタル送信アンテナを設置させる案も示した。こっちは40億円で済むそうなのに。

【結局、ワンセグのためだけなのではないか】
「ワンセグ」は、地上デジタル放送の6メガヘルツの帯域を13のセグメントに分けて送る日本独自の放送方式によって実現したサービスで、13の真中のセグメントひとつだけで映像、音声、データが得られます。このため「簡易な情報処理」や「低消費電力」が欠かせない、携帯電話・移動体端末でのテレビ放送の視聴が可能になります。
http://www.d-pa.org/1seg/index.html

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ワンセグは携帯とは違うシステム、電波帯を使っているので、別途、放送塔が必要になる。そのシンボルが新東京タワーである。新東京タワーの必要性を『地上波デジタル放送の目玉ともいえるワンセグ放送の直接受信環境を整える必要もある』とうたっているように、新タワーの目玉はワンセグなのである。勝手な推測だが、放送利権をもつ企業連合が、ワンセグを推進したいために新タワーを建設したいという構図が、透けて見えてくる。

【ワンセグもまた国内仕様】
電車内で視聴している人をチラホラ見かけてきたワンセグであるが、通信規格は日本独自。実は欧州方式が世界の主流であるが、NHKを中心に開発費用を投じてきたので、その開発コストを視聴者に広く薄く課金をして回収もしたいのかと怪しんでしまう。

それでは、日本国内に特化した仕様で「海外市場で売れない携帯電話」の二の舞にならないのであろうか?

【インターネット時代にワンセグが普及するのか?】
デジタルでもアナログでもどっちでもいい。果たしてワンセグ・モバイルで、「リアルタイムにTVを見たい」層がこれからも増加するのだろうか?

わたしにとっては、もう「ゴールデンタイム」なんてものは死語である。ワールドカップも欧州チャンピオンズ・リーグもみんな日本時間で夜中。日本-米国間のネットワーク・トラフィックの夜9時以降は、youtubeで何割も占められているという実態もある。それなのに、なぜ今、テレビのバベルの塔に500億円を投じるのだろうか?

【勝手なアドバイス】
悪いことは言いません、建設計画は撤回しましょう。結局は視聴者に、広く薄く、それとは見えないように課金されるのである。そのときワンセグが爆発的な人気を博しているとも、ぜんぜん思えない。壮大な無駄になるだけである。

石原都知事が反対していることが、なぜ認可されるのか疑問だし、新東京タワーをめぐる動きを見ていると、国益という大きな視点が欠落して、業界益を優先しているように見えてならない。そのお金で動画サイトを買収した方がよほどリターンが高いだろう。

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2006年9月25日 (月)

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物 第一回:図書館

【勝手にアドバイス 旬ネタ ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編】

ネット時代で遅かれ早かれ無くなる建物編、第一回目は「図書館」。もちろん建物がなくなるというより、その求められる機能が変容しているというのがメインテーマだ。だが、今の市町村図書館、多くの大学図書館が、本来のあるいは時代の求めに応じたサービスを提供しているとは、とても思えない。

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・図書館: ネット情報、バーチャル書籍などをめぐる図書館の存在意義
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・新東京タワー: ネット時代に電波のバベルの塔は果たして着工できるのだろうか?
・役所: 民営化、サービスの多くのネット化、それでも建物が必要だろうか?
・不動産屋: 事務所は必要だが、お店はバーチャル化。
・郵便ポスト: 必要なのはポストではなく「投函というサービス機能」
***************************************************************************

【図書館の現状】
2005年の公共図書館数は次の通り。
都道府県立 64
市区立 2040
町村立 827
広域市町村圏 2
私立  21
合計 2951
http://www.jla.or.jp/statistics/2005pub.html

これには学校図書館、専門図書館などは含まれていない。2000年時点が、都道府県66、市区立1,570、町村立973、広域市町村圏4、私立26、合計2,639だから、ざっと1割以上の増加である。町村合併もあったので変動はある。

公立小中学校の図書館は深刻な状況である。蔵書数が文部省の定めた基準に達している学校は2004年度末で3割台だという。蔵書を購入する予算、地方交付税はますます細る傾向にある。多くの図書館で児童の家庭からのリサイクル本でまかなっているのが実情。

人口ひとりあたり公共図書館数でいうと、日本は立ち遅れているといわれているが、むしろ蔵書の中身や図書館の機能が立ち遅れているのではないだろうか

【図書館の本来の機能】
図書館の機能は「ベストセラー書の貸し出し」にあるのではなく、「市民に対する知識や情報の提供」にある。だが、多くの市町村図書館は単なる貸本屋にすぎないのが現状。

日本では、パブリック・ライブラリーの役割があいまいである。文化振興、教養を高める、知識の伝達・・・・それはそれでいいのだが、どうも基本コンセプトがしっかりしていないように思う。だから絵本と雑誌とベストセラーだけの図書館が多くなってしまう。

古い話だが、ケネディ大統領の「消費者の利益保護に関する大統領教書(1962年)」では、「消費者主権」の原則として「安全が守られる権利」「選択の権利」「知る権利」「知らされる権利」を上げている。公共図書館の使命は「知る権利」にこたえること、「知らされる権利」を損なわないこと、にあるのではないか。

「知ること、知らされることは、消費者/市民の権利である」を守るのが公共の知の基本である。

【本格的な図書館のよさ】
10年ほど前、しばらく米国に駐在していたとき、よくカリフォルニア大学アーバイン校の図書館に通ったが、圧倒的な文献量、ゆったりとしたスペース、古い文献にも手軽にアクセスできる仕組み、真剣に勉強する学生多さが印象的であった。

あのレベルに達する公共図書館は少ない。首都圏でもほんの数件だと思う。まして知の集積たる大学の図書館で、館利用を一般公開しているところ自体が少ない。それで知の普及役とは言えない。さみしい大学。

【デジタル・アーカイブの構築】
印刷物の保存という観点から、大日本印刷なども取り組んでいるデジタル・アーカイブ事業がある(文書のデジタル保存、公開)。同社の「大学図書館、期待と課題」というエッセイから先進大学の事例。

・龍谷大学学術情報センター:「貴重書画像データベース」として所蔵する古典籍資料の全ページ画像をデータベース化。奈良絵本、科学書、医学書、芸能書、哲学書、仏教書。
・琉球大学附属図書館:「沖縄学」というカテゴリ関連資料のデジタルアーカイブ化、公開
・大阪市立大学学術情報センター:阪神大震災画像のデータベース検索
・富山大学附属図書館中央図書館らによる小泉八雲資料のデジタル化、「ハーン総合検索」。

こういう稀少なアーカイブづくりこそ大学図書館の役割でもある。
http://www.dnp.co.jp/artscape/artreport/hyakkei/0609.html

【国立国会図書館の役割の変容】
世界中の知にインデックスをつける」と豪語するGoogleの規模ではないが、日本の国立国会図書館でも「電子図書館中期計画」で、文書の電子化、電子図書の編纂、さらにウェブサイトまでも収集をしている。

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前に勤めた会社で国会図書館の蔵書の搬送という案件があったが、今や蔵書の搬送は、ほんとうに脇役になりつつある。物理的に堅牢な建物ではなく、電子的に堅牢なシステムが主流になりつつある。

【インターネットと図書館の融合】
マルチメディア図書館と標榜する市町村図書館もあるが、マルチメディア=CD-ROMの検索サービスのことではない。

たとえば、米テキサス州ダラス市は、すべての市立図書館で無線インターネット接続サービスの無償提供を開始したそうだ。26館ある全ての図書館で,ノート・パソコンによるインターネット・アクセスが利用可能となった。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20060922/248749/

インターネット・カフェなどという勉強しずらい環境ではなく、すべての市立図書館にホットスポットがあれば、モバイラーにはとても便利である。

勝手にアドバイス】
公共図書館に勝手にアドバイス。もう建物への投資ではなく、考えるスペース、利便性、文書化の資金を投じてほしい
①行政資料の入口としての機能強化。市民の知る権利を損なわないこと
②蔵書数より学習環境の改善を。PC持込スペースや学習ブース整備にお金をかけるべし。
インターネット(接続機器と無線LAN)環境の整備
④地域情報、専門情報の電子アーカイブ化の推進

Google副社長のヴィントン・サーフ氏が語っているが、「ネットユーザーはまだ世界人口の16%です」。だが、世界の知がネットに載っているパーセンテージはもっと低いのではないだろうか。知にまつわるビジネスはますます巨大である。

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2006年9月24日 (日)

金持ちオヤジという雑誌ターゲティング

【勝手にアドバイス Vol.45】
今日の勝手にアドバイスは「ちょい悪オヤジ雑誌」がテーマ。昨日の足長オヤジの余勢だ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
~blogの構成は3つ、だいたい2週間サイクルでほぼ毎日書きます~
【勝手にアドバイス】 気になる商品・サービス・店舗の「もっと売れる勝手なアドバイス」。
 読者からのコメント、取り上げてほしい商品・サービス・店舗も募集中!
【勝手にアドバイス:旬ネタ】 勝手にアドバイスを、旬のネタを連続テーマで書きます。
【メルマガ:ぷろこんエッセイの転載】 1本/隔週でお届けする「コンサルタントの本音エッセイ」
【@Work】 日本系コンサルティング会社の生の日常風景
※特定商品の宣伝・広告・論評・推奨が目的ではありません。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

【“ちょいワル”元編集長が新事業】
 「ちょいワルオヤジ」などの流行語を生み出したファッション誌「LEON」元編集長の岸田一朗氏が新会社「KI&Company」を立ち上げた。21日に東京・港のコンラッド東京で発表会を行った。新会社は11月にウェブマガジン「@ZINO(アットジーノ)」、来年3月に男性向け月刊誌「ZINO(ジーノ)」を創刊する。「紙媒体とウェブサイトを融合した複合型ライフスタイルメディアの構築」を目指すとしている。

  Mmitea000021092006_1_0_ba  ちょい悪の生みの親 岸田さん。

 ウェブマガジン「@ZINO」は無料会員制で「ショッピングアシスタンス」と名付けた店舗・商品紹介サービスを導入する予定。当初は「自らe―コマースを手がけるわけではなく、読者の購入したい意思を販売店に伝える」(岸田氏)という。「ZINO」と「@ZINO」は年収5000万円程度とLEONよりも高い所得層を想定ターゲットとしている。
引用元 http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITea000021092006

悪を演じられるのも金だよ金、ということなのか、年収5,000万(!)以上の層となると(一応断っておくが資産ではない)、数万人といったところだろうから、極めて絞り込んだターゲットといえる。何冊売れるのか心配になってしまう。 

【統計的に見るターゲット】
資産1億円以上の資産がある世帯は全世帯の約2%、78万世帯ほどに過ぎない。ちょい悪オヤジの雑誌のターゲットも拡大解釈すれば50万人ぐらいとなる。

一方長者番付から見る高額所得者の分布は、企業経営者43%、医師15%、芸能人1.3%なとやはり、という結果である。社長と医師がメインのように見える。ところが企業経営者(会長、社長)の平均年収は大企業でも3,000万円台。ZiNOが狙うのは、仕事ひと筋で趣味の浅い社長はのぞき、医師やその他になるということだろうか。
以上、アブラハム・マーケティングという富裕層相手のビジネスに特化している会社のサイトから。

【金持ちの生態】
わたしが聞いた話だが、金持ち相手のサービス例として良く聞くのが「身なり」ではわからない、という点である。百貨店の人に聞いた話しで、(金持ちは)「ジャージでやってくる」(横浜の某百貨店で聞いた話)、「長靴を履いていたら金持ちと思え」(川越の某百貨店で聞いた話)。要は姿かたちでは判断できないし、むしろ身の回りや日々の生活にはケチだから、けっして気取った格好をしていない。だが手首や指や首に巻いた貴金属類だけは、金持ちであることを裏切らないそうだ。

ちなみに横浜の某百貨店では、「富裕層専用の入口、エレベータ」があるのだ。「驚いた」のだが、話を聞くとその百貨店の元社長が、なんと自分用に作らせた入口だったという。それが今ではお客さま用になったのだった。よくはなったのだが。

【先行するSeven Hills】
ZiNOの発刊がまだ先であるので、まず先発している「金融資産1億円以上の資産家のためのマネー&カルチャー誌」であるSeven Hillsの訴求内容から見てみよう。

「SEVEN HILLS」は“The magazine for high net worth individuals”をコンセプトとした、世界を舞台に活躍する資産家のためのマネー&カルチャー雑誌です。2002年10月の創刊以来、確実に購読層を獲得し、富裕消費者層はもちろん、富裕層をターゲットとした事業展開を図る企業の皆様にもご愛読をいただいております。

   Cover

月刊誌で2006年9月号の内容は、「ウェルエイジング(加齢に抵抗するのでなく自然に年齢を受け入れる)」、社交ダンス、BVLGARI、バリ島、クルーズ、投資哲学などが構成されている。基本的に年間購読で1800円/月ぐらいである。日経新聞のおまけでついてくるPrivのようだ。

【ちょい★はにかみオヤジを演出】

Seven Hillsが資産運用をメインにしているのに対して、ZiNOは、寄付など「お金の使いかた」を伝授するというところが新しい。LEONがファッションや時計や車ばかりだったの対して、ZiNOは「モノからはちょっと卒業して、人生の意義を問おうじゃないか」というノリである。

格好よく寄付するオヤジ、がテーマになるのだろうか。まるでビル・ゲイツだが、きっとそのあたりが想定メイン・ターゲット像だろう。

【勝手にアドバイス】
LEONにしてもNIKITA(岸田氏のプロジュースで創刊)にしても、ブツ欲と(自己)美意識と鼻に付く強がりが嫌いだった。だからわたしはLEONの読者ではない。せいぜい立ち読み程度だった。

ZINOがどういう雑誌かまだわからないが、ブツ欲だけでなく、社会に貢献するライフポリシー(生き方の主張)があればいいと思う。そして外面(ファッション)だけでなく、内面(知性)を磨くことにも貢献してほしい。そういう意味では(わたしが昔読者だった)エスクワイアとSeven Hillsを足して2で割るというところだろうか。

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2006年9月23日 (土)

男の美脚スーツ

【勝手にアドバイスVol.44】
ジョギングを終えて帰宅途中、エレベータで美脚女性と一緒になった。脚の長く見えるジーンズをはく若い女性。一定の長さの女性が美脚ジーンズをはくと、余計に長く見える。うらやましい。
そこで今日は、週末なのでファッションの話題。男だって脚を長く見せたいんだ!美脚スーツをテーマにしたい。

【コナカの完全子会社になる九州地盤のフタタでは】 
そのフタタのサイトにある美脚スーツの説明は次の通り。価格はおおむね49000円。

後ろポケット位置を上げことで脚長効果を演出
②後ろのウエストラインを上げ、前をげることでヒップアップ効果
③ズボンの膝の設定ポイントを高くして、脚を長く見せる

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なるほど、とは思いますが、この広告だけでは、リクルート用かR25世代向けだけで、カッコ良く見せたいちょい悪オヤジとか、ちょい太りオヤジ向けではないのだ。

【はるやま メンズ美脚プロジェクト】 
2004年に業界にさきがけて「足長スーツ」を売り出しヒットを飛ばした紳士服はるやまでは、今着ているスーツを美脚スーツにリフォームしてくれるサービスがある。

①ヒザ位置を高く!
美脚の最大のポイントはヒザ位置。通常パンツのヒザ位置は股下の長さの1/2になるがヒザから下が長いほうが足長に見えます。モモ巾を細くしヒザ位置を高くすることで美脚効果バツグンです。(1890円なり)
②スソデザインでスッキリ!
モーニングカットで足長に見せる。スソも余り過ぎるとせっかくの美脚効果も半減。ノークッションか軽いワンクッションが足長に見える。 (945円なり)
③胴まわりはスッキリライン!
通常ジャケットのおなか回りの余裕はこぶし一つはいるくらいだが美脚を目指すならば胴まわりは少し細めが良い。 (ジャケット加工なのでちょっと高くて、2625円)

これはよいリーズナブル&サービスだと思うが、擦り切れスーツでは無理でしょ。と思われてしまうのが欠点だろうか。

【足長パンツを科学する】 
テイラー・カスカベという三重県八日市市のテイラーのサイトはとてもシック。そのブログ調のサイトの記事から「本当の足長パンツ」を紹介したい。

足長パンツの条件とは「ノータック 」「細身でタイト」「膝から下が真っすぐ」、そして「ウェストラインが背中側に向かって高くなる」。フタタの説明と似ている。

  普通23_2      足長   23_3   細みシルエット 23_4

左が普通のスーツのシルエット。足は短く見える。
中は足長パンツで、膝裏部分まで絞り込み、その下を真っ直ぐ踵まで延ばす。ふくらはぎで角度が付くので、その分、太くなる。
右はひと時代前の細身のズボンのシルエット。これだと細くはなるが、昔のスリム・ジーンズのように脚のワンキョクをなぞった形になって、歩きにくくなるそうだ。

足長タイプ23_5   細身シルエット  23_1

左が足長タイプ、右が細身シルエット。テイラーには裏技があって、膝の部分に加工をほどこすことで処理できるようだ。
結論としては、足長タイプを出来る限り細くすることが、自然な足長シルエットへの道である。このサイト、非常にわかりやすいし、これ以外の読み物も良心が感じられて良い。
http://www.tailor-kasukabe.com/index.html

【イージーオーダー店は美脚に対応していない】 
たとえばイージーオーダーの大手ビッグジョン。上着の襟、ベント、ステッチなどにはこだわりがあるが、肝心の美脚にはオーダーがないのだ。前につくったとき、聞いてみたのだが「?」って感じでした。だから他のイージーオーダーでも似たり寄ったりだろう。丸善で作ったときでさえ、そういうリードはなかった。あるのかも知れないが、たいていのLeonじゃない男たちは、説明能力が欠けているのだ。

の数ガイド: 5個=激賞;4個=卓越;3個=優れもの;2個=ライバルに鼻差;1個=マニアック

【勝手にアドバイス】
①まずイージーオーダーのお店でも、「足長説明力」と「足長裁縫技術」をつけてほしい。顧客満足は上がると思うし、リピート力アップになります。即効性あります。
「足長=吊るしスーツ」を購入というチョイスだけでは、さびしいじゃないですか。イージー/パターン・オーダーの方が、やはり着心地はいい。
②既製服でもY体中心に「足長スーツ」を拡充したらどうでしょう。ウォーム・ビズ&レッグ・ストレッチなんて、ウケないでしょうか。
③足長は服だけのことではなく、姿勢も大きな要素だと思う。わたしは日々のストレッチだけでなく、骨盤体操やヨガの準備体操もどきをして、姿勢を良くすることを続けてきた。今時の若い女性にも「がに股」が多いのだが、姿勢をよくして歩き方を良くすることも、足長には必要なことである

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2006年9月22日 (金)

ネットユーザー白書2006

【勝手にアドバイスVol.43】
来月に株式会社アイ・エム・ジェイ(ヘラクレス上場のインターネットビジネスの関連企業)から発刊される『ネットユーザー白書2006』のプレスリリースがあった。15歳~69歳までのインターネットユーザー1700人弱の実態調査。なかなか興味深いユーザー分析もありましたのでとりあげます。

【ネット行動クラスター】
インターネットでの行動タイプを分析した結果、現在のインターネットユーザーはおもに、7つの行動タイプに分類できると考えます。

①とにかくアクティブ。ゲームやコミュニケーションでも活用「アクティブユーザー」
②自ら情報発信はしないものの商品情報収集にネット口コミなどを重視する「ROM型ショッパー」
③コミュニケーションもショッピングもネットを生活に活用「ネットライフ層」
④ブログでの情報発信や自身のコンテンツをネットで発信する「自己表現志向層」
⑤チャットやメッセンジャー、オンラインゲームなどにはまる「バーチャルコミュニケーター」
⑥ネットリテラシー高くないもののSNSで人間関係を維持「SNSフォロワー」
⑦なんとなく、あれば便利程度のネット活用「ノーマル層」
引用元: http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/20/13350.html 

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ネット行動から見ると7つの行動パターンに集約しており、わたしのようなメルマガもブログもSNSもの、自己満足型の「自己表現志向層」が右上象限(アクティブな象限)のトップにある。多いのは10代とされているが、10代でも18%弱だから、実はかなり年代はバラけるのではないかと思われる。

「ROM型ショッパー」が、ネットプライスあたりでバンバン買ってしまう浪費型のユーザーだろうか。M紀子さんかしら。特に女性はネットマーケティングのターゲットNo.1の層。ブロードバンド環境、インターネットを泳ぐユーザーの増加によって、右側の象限(積極的なネット派)が半数以上を占めることがわかる。

【ネット接触時点の世代からの区分】
このリポートでは次の8つの世代区分をしている。

①「電脳生活世代」  1985~1991年生まれ(現在15~21歳)
②「ネット娯楽世代」  1980~1984年生まれ(現在22~26歳)
③「つながり世代」  1975~1979年生まれ(現在27~31歳)
④「ネットコンビニ世代」 1968~1974年生まれ(現在32~38歳)
⑤「メディア乗継世代」 1959~1967年生まれ(現在39~47歳)
⑥「ネット格闘世代」  1950~1958年生まれ(現在48~56歳)
⑦「ネット手ほどき世代」 1942~1949年生まれ(現在57~64歳)
⑧「スローメディア世代」 1937~1941年生まれ(現在65~69歳)

こっちの区分はなかなか興味深い。世代別マーケティング分析では、その世代がどんな事件やどんな流行、どんな映画や漫画に共通体験を持っているかをチェックして、世代の共感を呼ぶイベントやキャンペーン案を開発することが多いのである。それのネット体験版の分析表といえるだろう。

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図が小さくて見にくいだろうが(引用元にはPDFがあるので興味がある方はダウンロードされたし)、横軸に現在の年齢をおいて、パソコン、インターネット、携帯、ワープロなどに接触した年齢の幅を○をつけて示している。

わたしは⑤の乗り継ぎ世代である。わたしの○をプロットしてみよう。会社でのパソコン接触は20代後半(70年代後半)、ノートブックの記念碑的モデルであるダイナブックJ-3100SSを購入したのは29~30歳(90年)。インターネットは34歳(94年)、携帯電話はオクテで39歳(99年)、ワープロはエプソンの名機PC286(懐かしい)を使ったのは90年頃だった。あのクソ重いマシンを自宅に持ち帰って仕事をした猛者もいた。

わたしの○はことごとくこの図からは左に外れているので、ネットコンビニ世代に近い(つまり若いのである、エヘン)。

15~21歳世代の体験が他の7区分と大きく異なるのは、すべてのデバイスの最新版を「同時体験している」ことである。つまり、デジタルが、もの心ついてから白物家電のように「普通に存在している」ということだ。しかもどの世代よりも使いこなす。

その傾向はおおむねR25の主力世代(20代後半)まで続く。ところが28歳~35歳ぐらいの世代になると、デジタルに触れた年齢に個人差が見て取れる。この新人類を含む世代では、思いのほかデジタル体験には多様性がある(つまりオタクと非オタク差が激しい)のは発見だ。

【世代別プロフィール】
この白書では、①の電脳生活世代を「ネットを趣味のひとつとして遊び倒す」としているが、うまい表現である。ただしお金を持っていないので、ネットショッピングは低い。
③のつながり世代は「出会い」、つまりSNS利用が突出している。適齢期ということだろう。
⑦の「ネット手ほどき世代」は、団塊の世代が中核であり、ネットは苦手という人も多い。だがeトレード比率は平均より7ポイント高く、ネットでの株式売買もやっている。

世代で差異が大きく出るのは携帯ネット利用率。①では33.5%、だが④のネットコンビニ世代で18%、以降の年寄り世代はぐっと落ちてゆく。

もちろん東京証券取引所なぞすでに建物があるだけで、せいぜい2年で、株取引の99%がネット取引になるだろう。3年後にはSNS経由で結婚するカップルが、見慣れた風景になっている。

【勝手にアドバイス】
わたしは比較的早くからインターネットには敏感だったので、同世代とはかなり外れた「○」の場所になるが、そのように、標準ないし平均は、あてにならない時代。層化分析もわたし自身はあまり信奉していない。たとえば化粧品通販などの企業の現場でも、層化(クラスターづくり)して、何になるの?という声が大勢である。好みとか嗜好が違えば、基本的な属性(性別、年齢、出身地、学歴など)によるクラスタリングも裏切られる。同じ年代ということの意味がまるで不明瞭になる。

標準はなくてもだが類型的な行動はあるだろう。それがこの白書のような調査分析である。だがインターネットというひとつの生活の側面からだけの分析は誤りのもとでもある。ネットですべては語れない。

ネット側から見ればこうだが、リアル側から見ればこうだ」。そういう複眼の分析態度が必要である。

ネットユーザー白書は「ネット側」の資料。これを参考に顧客を仮分類して携帯メールDMを打つ、ブログを書いてレスを見るなど、レスポンスを測る。そういう「ジャブ・マーケティングの時代」なのである。要はジャブの精度を高めるしかない。すべての業種が、顧客の思わぬ変化、思わぬ異業種の競合による変化、社会や地球環境の変化による、多重の変化にさらされている。今の商売開発は、変化への即応能力と普遍的な価値のバランスをいかにとれるかにかかっている。

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2006年9月21日 (木)

Jリーグクラブの経営状況

【勝手にアドバイス Vol.42】
今日の勝手にアドバイスは先日発表されたサッカーJリーグの経営状況がテーマ。経営成績がダントツのJ1浦和レッドダイアモンズでも営業収入は58億円(05年度)。そこらに多いクラスの中小企業に過ぎない。J2の最小の経営体は営業収入3億円という有様で、これで選手に給料が払えるのだろうかと心配になってしまう。

【クラブの経営情報を初公開 サッカーJリーグ】
 サッカーのJリーグは19日、今季昇格した愛媛を除く1、2部30クラブの2005年度の収支、利益など経営情報を初めて開示した。Jリーグは経営諮問委員会を設置した1999年から平均値や分布表などでJリーグクラブの経営状況を公開してきたが、個別の状況を開示するのは初めて
 単年度で赤字となったクラブが前年度の2から11に増加したが、各クラブが選手強化など投資に動いた結果で、鬼武健二チェアマンは「赤字は残念だが、1億円未満の赤字は短期で解消できる」との見込みを示した。負債が資産を上回る債務超過のクラブは神戸、大分など7クラブで依然、累積債務が経営を圧迫している現状も浮き彫りとなった。
引用元 http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/jtoto/headlines/20060919-00000036-kyodo_sp-spo.html

【主要チームの経営状況にコメント】

  浦和 鹿島 神戸 千葉 新潟 京都
(J2)
広告料収入 1,660 1,045 692 1,279 840 1,308
入場料収入 1,949 690 439 439 1185 245
Jリーグ分配金 549 401 250 426 266 153
その他 1,647 1,020 495 578 348 352
営業収入 5,805 3,156 1,876 2,722 2,639 2,058
事業費 4,986 2,432 2,621 2,191 1978 1,435
  内、人件費 2,342 1,368 1,500 NA 1269 NA
一般管理費 462 723 484 357 704 395
営業費用 5,448 3,155 3,105 2,548 2,682 1,830
営業利益 357 1 -1,229 174 -43 228
経常利益 371 3 -1,054 160 85 255

まず浦和レッズ営業収入ダントツでJリーグトップの357百万円の営業利益。その内訳(広告、入場料、その他)をみるとバランスが取れている。その柱は、主催試合のみならず、アウェイの試合でも毎回3万5000人が入る人気ぶりで、Jトップの1,949百万円の入場料収入である。その他のグッズ販売の貢献は言うまでもない。分配金も大きいとはいえ、人気のあるチーム=好決算なのである。

営業収入二位は鹿島アントラーズ(31億円)。近年は人気が低迷していることもあり、入場料収入は浦和の1/3に過ぎない。だが選手人件費を抑えて利益を出している様子がうかがえる。しかし一般管理費723百万円という数値はいただけない。浦和よりも3億円弱も、費用が多いわけである。これが利益圧迫となっている。

もっとも重症なのは神戸である。入場料収入よりも広告料(楽天関連と想定される)が多いというありさま。その割には選手人件費もまだ高額である。営業収入で20億円弱の会社が、経常ベースでマイナス10億円という、実際には債務超過?というような状況ではないだろうか。

案外優等生なのはジェフ千葉。母体はJR東日本と古河電工。入場料収入は人気薄なせいでわずか439百万円。広告料とJリーグ分配金でなんとかというレベルだが、一般管理費もぐっと落とし、営業利益は174億円の黒字である。経営に長けているといっていいだろう

浦和に次ぐ入場者数を誇る新潟は、入場料収入1,185百万円という浦和に次ぐ2位。商店街や企業まわり、無料チケット配りなど、集客のためにあらゆる手段を講じたといわれる。その結果が今実っている。マーケティングの勝利である。ただ、それがたたってか、管理費が高いこともあり、営業利益はわずかにマイナスの43百万円。しかしまあ及第点といえよう。

感心したというか笑っちゃったのが、今はJ2に降格している京都パープルサンガ。経営がうまいと定評の京セラの薫陶があるのか。告料収入をがっぽり、選手には少なく、管理費もぎりぎりまで絞るという苦心の経営の跡がうかがえる。

人気商売なのだから、利益が出ればいいというわけでもない。投資という側面もある。チーム名に企業名を冠することができるプロ野球なら「球団経営は赤字でもいい、投資だ」となる。

だがJリーグの根本理念は地域のスポーツ振興である。クラブ名に支援企業名ではなく、地域名称を冠するという地域密着はJリーグの基本理念である。キリンビールのように30年も「キリン・カップ」に収益を投じてくれる篤志家の企業が多いわけもない。

今のように広告収入依存度が高いままでは自立した収益構造ではない。まして広告料も集まらない地方チームでは、いつ潰れるかわからないというのが、今のJリーグの実情である。特にJ2は厳しい。潰れるということ、地域のスポーツ振興の痛手である。

【海外では】
英国のマンチェスター・ユナイテッドの集客マーケティングは、顕在顧客を熱狂度で分類し、チケット販売を戦略的に実施するだけでなく、世界各地の潜在顧客を独自の指標で推定し、国別に試合の放映権のネゴシエーションするなど多彩であった。

デイビット・ベッカムを看板スターに育て、ファンニステルロイ(オランダ)やクリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル)、朴智星(パク・チソン 韓国)など、地域的にも目配りをきかせて名選手を揃えるやり方も、単なる勝つための戦力補強という枠組みを超えた「経営」を感じさせる

今年は米国のマルコム・グレーザー氏に株式を買収されて、経営状況はかなり変化しているといわれるが、それでも人気は高い。その根底には長期戦略(ひとりの監督に長期まかせる)と収益アップ戦略(マーケティング策)があるのだと思う。

【勝手にアドバイス】
J1の低収益チームやJ2のほとんどのチームを想定して、勝手にアドバイスしたい。

①まず長期戦略について、国内の成功事例は、何といっても浦和レッズである。今や浦和は常勝チームであるが、ほんの7~8年前にはJ2にも降格したくらい惨憺たる状況だった。人気も高いとは言いがたかった。

2000年頃から、ようやく若手選手が育ってきた。そのころオフト監督という日本代表の監督も務めた氏を招聘し、山瀬(移籍)、永井、鈴木ら現在中核の若手選手にサッカーの基本をたたきこんだことが大きいといわれる

若手が育ちつつある中で監督に就任したのが、現監督のブッフバルト氏であり、ここから攻撃的なサッカーを標榜するようになった。得点もするが失点もする面白い試合である。ぐっと人気が上がってきた。大型補強もしたが、これも若手の発奮材料になった。だが優勝にはとどかなかった。優勝をあらそえるようになったのは、ここ2、3年である。

時間はかかるが「若手育成」「そのために適切なコーチ」「一定レベルのチーム力育成」、これが第一段階
選手が育ってきたら「面白いサッカー」「そのために適切なコーチ」「大型補強」の組み合わせ。これが第二段階
そしてチーム力も人気もトップの第三段階の今がある。ホップ・ステップ・ジャンプの5年中期計画だったのだろう。

②次にマーケティング側面。スポーツ・ビジネスの収入には次の4つの要素がある。

1.入場料収入 
2.マーチャンダイジング収入 
3.スポンサーシップ収入
4.放映権収入

これらを個別に考えてはダメ。たとえばチケットの早期購入に、グッズの割引券をつける。グッズの販売時にサポータークラブへの入会申込書を包装に同封する。テレビ放映ができない人気薄チームなら、思い切ってゴールシーンを中心にyoutubeに投稿して視聴者を増やそう。ニュースで放映されるくらいの映像ライセンスなら、Jリーグに融通してもらおう。サポーターグッズの商品デザインを公募してもいいだろう。

1~4を有機的に組み合わせるアイデアを出し、地道に繰り返す。チームの人気は一朝一夕にあらず。

最後に、各チームの経営情報開示はまことに低いことを指摘したい。損益計算書、資産・負債額を公開しているのは、浦和レッズだけである。

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

このブログは個人及び所属会社の活動の普及のために実施しています。記述内容は所属会社の公式見解ではありません。またその顧客やその商品などのPRや販売促進を目的としておりません。アフィリエイトと縁はありません。マーケティング・ビューからの個人的な見解であり、読者がこれに基いて何らかの活動をした結果に責を負うものではありません。報酬などを要求するものでも、やせ我慢でもありません。

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2006年9月20日 (水)

ミクシィ・ジレンマ

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~blogの構成は3つ、だいたい2週間サイクルでほぼ毎日書きます~
【勝手にアドバイス】 気になる商品・サービス・店舗の「もっと売れる勝手なアドバイス」。
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今日のブログは「増刊号」。隔週で書いている「ぷろこんエッセイ(隔週で書いている
コンサルタントの本音エッセイ」からの転載。コンサルティング、コンサルタントの価値とは
何か、どうあるべきか、顧客にはどうあってほしいかといった視点で、2500~3000字程度の
エッセイ。テーマはずばりMixi

ミクシィ・ジレンマ

今や、会社で隣に座っていても、入ってくる情報は全然違っている。それは多くの情報
がネットを通じて入ってきているからですよね。メールのやり取りでコミュニケーション
を取って仕事も進んでいく。それと同じで、友達の付き合いの中にSNSが組み込まれ
ていくということはあるでしょうね。
『特別企画 あなたはGree派?Mixi派?ソーシャル・ネットワーキングの明日は
どっちだ?!』  2006年8月10日付け記事 
http://www.dart-books.co.jp/sns/

         @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

これは2005年8月上旬に行われたMixi(ミクシィ)の社長笠原健治氏と、Gree
(グリー)の社長田中良和氏の対談の中での会話のひとこま。およそ13ヶ月前、両社
の会員は8万人ぐらいで拮抗していた。それが、現在Greeの会員数は約20万人、
ミクシィは、すでに570万人に到達しているそうだ。

Title1

数で勝負なら、すでに決着が付いたも同然である。ただ、その会員数目標の立て方や
サイトづくりには両社の戦略の違いが現れている。

Greeの田中氏は会員数に目標はないと言い切り、むしろ少数にとどまらせながら、
日記や友人との深い付き合いができるネット上の場づくりに関心があるようだ。同社
のHPからも、Greeという場を優れた技術で創り上げるという雰囲気が伝わってくる。
ただし、わたしはGree会員ではないので、内容に立ち入ることができない。

Welcomebox

Mixiの笠原氏は逆に早い時期から社内での会員数目標を立て、それを実践すると
共に、立ち上げ時から上場を意識していたという。もっとも笠原氏は、学生時代からの
ネット起業家であり、さまざまなネットビジネスで失敗成功をしてきたという。その中
から、同社の現在の収益源「Find job!」(人材紹介サイト)にたどり着き、さらに米国
で立ち上がりかけていたSNSの面白さにいち早く目をつけたというわけだ。それが
とんでもない時価総額に化けた。

         @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

時価総額や日記メディアというコンセプトに眼がゆきがちだが、SNS(ソーシャル・
ネットワーク・サービス)の革新性は、人間関係づくりや仕事の進め方に変化をもたら
した点にある。

1.日記=自分公開メディアという革新性
何よりも、本来本来クローズドな日記というメディアを公開型にしたことが最大の功績
である。しかも日記と言っても、連絡簿であり、評論であり、告白であり、連帯であり、
この指止まれ!なのである。特定の友人とだけの日記交換もできれば、お友達探しも、
コミュニティづくりもできるという融通性がある。ブログ(ウェブ日記)ができないことを
SNSは成し遂げた。

ブログは、ネット上の無数の人から閲覧される可能性を持つものの、書いてみれば
わかるが、貧弱な内容では読者がつかない。かなりの書き手か、書き手に魅力が
あるか(アイドルのブログ)、迫真の告白(元風俗嬢の赤裸々な・・・など)でないと
だめ。ちょい書きでは続かないメディアなのだ。ところがSNSは読み手が友達ベース
だから、ちょい書きでいい。今日食べたものでも、料理したものでも、ドブ川の亀の
写真でもいい。メールより簡単に友達全部に同報できるのだから、お気軽な投稿
メディアなのである。

2.Web2.0を身近な実例にした功績
何にでも2.0をつける流行りになってしまったが、2.0とはデータやファイルが向こう側
(ネット側)にあり、いつでもPCや携帯デバイスで取り出して自由に加工ができるという
意味である。そもそも企業向けのサービスとして始まったものが、消費者向けのサー
ビスとして、日記が「向こう側にある」という状態をフツーにしてしまった。向こう側に
あることで日記で連帯という、これまでにはない仕掛けができた。

3.人間関係や仕事を変えていく
あなたのとなりに座っている人が、Mixiの会員であるという確率は何%だろうか?
570万人の会員数ということは、日本の総人口の5%ぐらい。メインは20代~30代と
いわれており、わたしのようなおじさんも含めて、仮に5000万人が対象ターゲットと
すると10%以上である。これで、仕事の進め方を変質させないわけがない。

たとえば、ある人はMixiのコミュニティから社長をみつけて営業ターゲットにしている。
Mixiの書き込みで世の中の大多数がどんな事件やキーワードに反応しているか
知って、企画を立てることもできる。長い日記コメントがつらなっているやりとりから、
テーマの議論が深まってゆき、人間性が見えるのもおもしろい。

つまり今ネット上で、SNSという口コミメディアに匹敵する勢力はないのである。

         @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

なのだが、それが株式市場に上場するとなると話が別である。IT起業の多くが、起業、
話題づくり、スピード上場、時価総額、プチ・リタイヤという軌跡を夢想するのは偶然
ではない。Mixiやはりお前もか、と思ってしまった。

子供の頃、友達とで向き合って、手の平を下にして、手を上に重ねていって、ある時、
思いっきり手の甲を叩くという遊びをしましたよね。痛かった。インターネット・ビジネス
の本質はこれと同じである。

自分の手を人の手の上にかざして一瞬上に立つ。だがすぐに別の手が上になって、
さらに上に手がかぶさる。新しい者が勝つ。さらに下の手を叩いた者が勝つ。叩かれた
者は敗れさる。すばしこい奴は生き残るし、後出しじゃんけんの要領で、後に来た者
が有利にもなる。

思いつくまま上げてみよう。ブラウザは後出しじゃんけんで勝負が決まった。ポータル
サイトは早だしじゃんけんだったように見えたが、Googleに後出しされた。オークション
は今のところ早出しじゃんけんだが明日はわからない。メールマガジンはブログに
その地位を奪われ、ブログもSNSにその地位を奪われつつある。そしてSNSが後出し
にやられるとすれば、日本でも多数のユーザーを集め、日本語サイトまで出現した
youtubeのような動画サイトだといわれる。

その怖さを知っているからかMixiは今が旬なような気がする。その理由をミクシィ・
ジレンマと呼ぼう。

         @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

株式市場の関心は500万人に膨張した会員資源の有効活用にあり、調達資金を事業
拡張に投じる同社の計画である。会員資源の活用はさしあたり次の3つであろう。

 A)マーケティング・リサーチ・パネル
 B)出会い系
 C)スター誕生系

Aとは「商品開発」「チャネル開拓」などマーケティング面での会員活用である。現在は
特定のコミュニティに対してアンケートをしている程度である。これが大々的にできれば、
規模、パネル特性、維持コストのあらゆる面で、消費者リサーチ会社の大きな脅威で
ある。コミュニティというマニア層だけでもすごい。だが、積極的にAをするという前提で
会員を集めていないので、現実的には困難もある。

B、つまり出会い系であるが、風俗系はともかく結婚情報産業は一定の脅威を感じて
いるかもしれない。だが、この分野で痛い目にあったといわれるのが笠原氏である。
Bという方向で会員に働きかけることもないだろう。

Cという方向性はどうか。Mixiは日記であり、「わたしをアピール」というのが、コンセプト
ではないので実現しにくい。サイトに動画投稿機能を持つことは投資次第で実現可能。
だがそのような計画があるとはまだ語られていないし、そもそもyoutubeに対抗すると
いう戦略も見えていない。

つまり、会員の日記サイトとして会員が拡張しても、日記以外にスケールメリットが働き
にくいのである。広告収入やプレミアム機能の会員収入は増加するが、株式市場の思
惑ほどの収益性はない。ミクシィ事業の売上高は6億円(06年3月期)であり、2割が
会員収入、8割が広告収入。07年度通期で500万人まで増加しても、プレミアム会員
が飛躍的に増えるとは思えない。知名度は上がったので広告収入は伸びるが、それも
数億円。

         @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

今のところ広告以外に有力な収益源が見出せないのが、ブログやSNSというビジネス
モデルである。

情報戦略で世界制覇をしよう!というgoogleのような高邁な野望があるなら話は別で
ある。SNSで人間関係を根本から変えようという野望こそ語ってもらいたい。余った
50億円、どこを買収しようか、では心もとない。時価総額から野心が見えない。
もっとも時価総額だけが目標と言い切ったライブドアの企業理念よりはましかもしれ
ない。

そもそも会員が日記を書き込むのは、ミクシィ社を儲けさせようというより、Web日記
メディアというオープン系ソフトウエアをみんなで創り上げようという、歴史的なイベント
参加型の気持ちもあったはず。2.0に立ち会える、参画するんだという意識である。
もちろん、そのためにシステムを維持しなくてはならない。だがその維持費や投資が
上場という入口というより、ビットバレーの既存株主の圧力による出口にしか見えない。

どうも今が旬、という気がしてならない。上に出された手で叩かれて、友だちに裏切ら
れる、なんてことがないように祈りたい。


「ぷろこんエッセイ」もよろしくお願いします。http://www2.gol.com/users/gowild/
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@Work
今日の傑作な人はM馬さんだ。彼はSEで、今追い込みであるカスタマイズ・ソフトウエアの開発中なのである。締め切り間近で追い込まれているとはいえ、どうも彼の物腰がシステムズ・エンジニアぽくない。思考というか言動が、ぜんぜんゼロ・イチではなく、限りなく0.04とか0.95のようなグレーゾーンの言動が多い。

「こういうことできるかな?」とこのプロジェクトのPM。
「それはできます!」と即座にM馬さん。
「ちょっと待てよ。そういう言い方はおかしくないか。もしも君が、XXXという前提で、XXXXという期間で、XXXとう困難はあるけど、それでもXXXでやればできますって言うならわかるが、できるっていつ、どうやって開発するの?(あと数日しかないのに)」
「・・・・」とM馬さん。

すっぽり飛んでいるのだ、何かが。だが憎めないキャラなので、「ばかうけ」を買って差し入れをした。開発、大丈夫だろーか?(ゴールは見えているようなので問題なさそうですが)。

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

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2006年9月19日 (火)

いつ発売されるのか「iPod Phone」

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【勝手にアドバイス Vol.41】
今日の勝手にアドバイスは、まだ無い商品、いつ発売されるのか「iPod Phone」がテーマ。

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どちらも想像の産物。

先週iPodが一新されるニュースがアナウンスされ、iPod nanoの新世代商品が早くも売り出された。洗濯ばさみタイプのiPod shuffleもおしゃれだが、もうひとつ、市場の噂の的であった「iPod Phone」の発表はなかった。

ほんとうだろうか?Apple Watchersならずとも興味が高まる。このニュースだけでなく、米国市場では公然たる噂となっている。だからこそこんな画像がネットに転がっているのだ。

【デマ?Apple、携帯電話を1月のMacworld Expo 2007で発表?】
・・・Appleは、以前、革新的な全く新しいデザインの携帯電話を開発する上で、技術的障害に直面していたといわれていましたが、その後、Appleは構想の規模を縮小し、Appleが2007年に発売を予定している少なくとも2機種か3機種の携帯電話の最初の製品に既製部品を採用することを選択したようです。

情報筋によると、Appleの携帯電話は、3メガピクセル・カメラや2.2インチ・ディスプレイを搭載し、iTunes/iPodの機能の搭載および連携が可能とのことです。MotorolaのiTunes携帯とは異なり、Appleの携帯電話は、保存曲数100曲の制限がなく、保全できる音楽や写真の数は、携帯電話の容量によってのみ制限されるそうです。
http://www.applelinkage.com/  2006年9月15日付け憶測+希望?記事

冷静に考えれば、すでに携帯プレーヤ機能付き携帯電話はいくつも発売されているのだから、製品そのものに新しさがあるわけでない。だがAppleというブランドとデザインが融合したところに、従来にないインターフェース(これも噂された全面ディスプレイiPodなど)で発売されるとなると、携帯電話番号のポータビリティ以上のインパクトが市場にもたらされるだろう

【ユーザーインターフェース】
ソニーの携帯やPCにもついていた「ジョグダイヤル」という便利な機能があったが、iPodのホイール・インターフェースも革命であった。まわして止める、止めてクリック。誰でも短時間でマスターできる優れた操作デザイン。

携帯電話のプッシュしにくい「ちっこいボタン・インターフェース」も、がらりと替えてほしいものである。表面からボタンが無くなるくらいのインターフェースをデザインにならないだろうか。あるいは、今度のshuffleのように、「襟やネクタイにはさめて話せる携帯電話」なんてのもいいだろう。

【ナイキのスポーツキットにヒントあり】
ナイキジャパンから、「Nike + iPod スポーツキット」が日本でも発売というニュースがあった。
http://mac.ascii24.com/mac/news/ipod/2006/09/16/664619-000.html

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ナイキの専用ジョギングシューズにセンサーを、iPod nanoにレシーバーを接続して、走った距離や消費カロリーなどの情報を収集する。データはパソコンと同期して、インターネットを通じて専用サイト“nikeplus.com”に蓄積されるというもの。

まさにWeb2.0である。データを蓄積して向こう側で処理する。その結果をPCで見ることができる。グラフをつくる、走る距離を可変させる。マラソンのプロでなくても楽しめそうだ。

iPod Phone携帯電話にも、やはりこうした2.0機能が付くべきだ

それもこれまでのPCからiPodへのデータ移行が「順の流れ」とすれば、その逆、つまりiPodからPCへの「逆の流れ」ができるのではないだろうか。

【勝手にアドバイス】
PC⇔iPod 2.0機能で実現されると思われる機能をあげる。iPodから入力したデータが、インターネット経由でPCに連動するというもの。

・スケジュール連携(outlookなど)
・ブログ連携
・ネット検索ログ連携(たとえば行く先案内ログ)
・ネットトランザクション連携(株売買など)
・チャージデータ連携(携帯クレジットやEdyなど)
・保存先の分割(iPod Phoneから購入した映画を自宅PCサイトにダウンロード)

わたしはWindowsユーザーであるが、要は.mac機能が無線状態でできる、という理解なのだろう。.macとはメールサービス、スケジュール機能、グループサービス、ホームページ/ブログサービス、写真のバックアップ/共有サービス、インターネットストレージなどのサービスを含んでいる。

そうなると実は、iPod Phoneの発売は、PCを巻き込んだ(対Windowsの)OSとPC本体のシェア争いの幕開け、ということになりそうだ。想像されるAppleの課題は、権益にうるさい世界各国の電話会社との交渉である。のりきってほしい。

今日は以上です。今後このようなマーケティング切り口で綴ります。明日はメルマガからの転載といたします。

ではまた明日。Click on tomorrow!

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2006年9月18日 (月)

少子化対策には重層的な施策が必要

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【勝手にアドバイス Vol.40】
ロイヤルベイビィにちなんで、先週か「ベイビィ関連マーケティング」を連続テーマとして取り上げ、勝手なアドバイスをしました。今日は8日目の最終回。「少子化対策には重層的な施策が必要」。

【自治体の子育て支援】
自治体、意外にがんばっている、という例をあげてみた。

出産支援例
 中央区:「出産支援タクシークーポン券(3万円分)」「 新生児誕生祝品(区内共通買物券3万円分)」
 港区:「出産費助成・・・出産費用(分娩費及び入院費等)の補助(健康保険から支給される出産育児一 時金等を差し引いた全額の助成 最高50万円まで)。
 静岡県島田市など: 出産一時金30万~50万円!の支給。

子供の医療費助成制度
 北区では15才以下の子供の医療費の3割負担分を区が全額補助
 大阪府柏原市では、5歳以下の入院、通院両方の医療費、入院時の食事療養費無料

生活補助、所得手当
 石川県:プレミアム・パスポート(18歳以下の子供三人がいる家庭に割引やプレゼント)

ただ「所得制限」がある自治体もまだ多い。お金がいるから働く、しかし働くと補助がなくなる、というのは疑問である。

世帯年収が1000万円を超えるくらいで足きりするならわかる。だが晩婚化して、収入も増えたところでの結婚というカップルが普通なのである。いつまでも所得の低い20代結婚モデルで制度をつくるのは時代錯誤である。

【子づくり支援】
国からは不妊治療として補助が出るようになった。だがこれは結構むつかしい問題をはらんでいる。

第一に不妊の原因が社会的なものか?という疑問。本人や相方の問題(栄養の悪さ、性病感染など)もあるし、不妊は加齢によるものという説もある。神様からの授かりものと言い切る自信はないが、社会現象かどうかわからないとすれば、病気ではないことになぜ補助をするのか?

第二に不妊治療はお金をかけても成果がでないこともある。成果が出たら払う、でなかったら払わない、という制度には疑問がある。一定額におさまらない治療費のどこまでを補助するのかも線引きもむつかしい。

第三に保険制度はそもそも相互扶助という考え方で成立している。人工授精体外受精までが、相互扶助という考え方になじむのだろうか?

現在全国で28万人の女性が不妊治療をしているという。これまで排卵誘発剤、男性不妊治療は保険適用であった。ところが人工授精、対外受精などは保険適用外だった。それを考えると国、自治体が子づくり支援をすることには異議はない。

だが単純な言い方だが、適齢期で結婚、適齢期で出産というのがほんとうは自然なのだと思う。不妊のすべての問題がそれ解決するわけではないが、他の動物がそうしているのに、人間だけが例外はありえない。紀子さまの高齢出産で、こうした言い方は暴言にとられかねないが。

だから出産&子育て後にスムーズに職場復帰できる支援体制こそ、結婚&子づくり支援で基本になるのではないだろうか。

【託児所~ワーキング・マザー支援】
内閣府の調査によると、事業所内の託児所の設置は進んでいない。従業員数301人以上の会社で託児所が企業内にある会社は7.5%に過ぎない。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060831AT1G3103R31082006.html

全国で託児施設を設置する企業は全国で4000社弱とされ、その運営には年間3000万円程度必要とされる。経済産業省では設置する企業の法人税を減免するという方針を打ち出した。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200608240028a.nwc

ネット上のいくつか調査も読んだが、「託児施設があると安心」「育児休業制度をとる女性・男性は定着率が高い」というのがおおよその意識である。ウチはテナントビルだから・・・ということもあるだろうが、景気も回復し、人口の都心回帰が進む中、空きオフィスを託児施設にコンバージョンして、法人契約を結ぶという手もある。

【勝手にアドバイス】
ロイヤル・ベイビィにちなんだ「ベイビィ関連マーケティング」をテーマにまとめてきた。当たり前だが、少子化対策には特効薬はない。数年~十数年かけて制度や施設、環境や人々の意識を改善していくテーマ。

過疎の地方では「移住の促進」から始めなければならない。そして「子づくり支援」「子育て支援」「ワーキング・マザー支援」など、長期的な視点での重層的な施策が必要である。

そして何より、「ちょっとしたやさしさ」こそ大切。ベビーカーを押すマザーのためにドアを開ける階段でベビーカーを運んであげる。そんなところから少子化対策をしてみたい。

最後までお読みいただきありがとうございました。Amebloで書いていた「マーケティング・ブレイン」なるブログを、こちらに引越しさせていただきました。マーケティングの話題を中心に、コンサルティング会社の日常風景も書きますので、ぜひご購読ください。

以下、Amebloでの最近1週間の掲載リストです。「ロイヤル・ベイビィ」にちなんで書きました。http://ameblo.jp/marketing-brain/

・産科病院御三家比較(山王、聖路加、愛育) 9月11日
・胎教ビジネス市場 9月12日
・ロイヤルベイビィあやかり市場 9月13日
・産科の実情(開業医不足、閉鎖医院の増加) 9月14日
・子供がほしい!~スパムドナー、人工授精の動向 9月15日
・新生児グッズ・サービス市場の動向 9月16日
・結婚情報ビジネスと出会い系ビジネスの密な関係 9月17日
・少子化対策には重層的な施策が必要 2006年9月18日掲載

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

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