« 『オー・レフ!』 | トップページ | ホーム・スワッピング »

2006年10月18日 (水)

HondaのスタイリングDNA。

今日の勝手にアドバイスは先ごろHondaから発売された新SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)、CR-Vのスタイリング・コンセプトについて。

【勝手にアドバイスVol.55】
Hondaから先週、新CR-Vが発売された。そのスタイリングは初代と、そのデザインを踏襲した2代目から、ガラリと変わった。
左から初代、2代目、そして3代目。

Crv_g1_1_th  Crv_g2_12_th   125623

【商品の概要】
初代のCR-VはSUVに強みを持ついすず自動車との技術提携の成果として1995年に発売された。Hondaらしく、従来にない『アーバン・カウボーイ』というカテゴリーをつくり、荒地ではなく都会派の乗用車フィーリング4輪駆動車というコンセプトがウケた。

従来の4WD車をイメージを引き摺る批評家からは、2000ccというパワー不足や、4輪駆動がリニア方式でない点で「ホンモノのSUVではない」と評価されたが、消費者は悪路を走るわけでなく都会を走る。カウボーイスタイルではなく、パーティにも行く。Hondaのコンセプト読み勝ちで、北米や欧州でもヒットした商品になった。

2001年に発売された2代目はフルモデル・チェンジであったが、スタイリングは初代を踏襲してあまり変わらなかった。上の写真もあわせて見比べてほしい。

200pxhonda_crv_silver_vr  2300pxhonda_crv_black_vr  3e0002_010300100301
初代                 2代目              3代目

ところが2006年10月に発表された3代目はガラリと変わって、全体に丸みを帯びたグラマーでマッシブなフォルム。側面のウィンドウのラウンド形状は同じHondaのストリームに似ている、乗用車ライクなイメージをだした。

【キャッチコピーはスタイリングをメインに】
キャッチコピーは『ただずまいだけで見えてくる力』。

二段構えになったフロントビューと全体のフォルムを意識させるコピー。そのスタイリングへの意気込み、開発責任者の堀越満氏の語りを抜粋しよう。

ロサンゼルスのロデオドライブを訪れたとき、高級ブティックの前に、あるSUVが停まっていたのですが、それを見た店員が『Oh, Nice Car』と。それを目の当たりにし、New CR-Vも颯爽と走っているだけで目立ち、主張のあるデザインにしたい、そして、絶対『Nice Car』と言わせてやるんだ、と一緒にいたデザイナーと意気込みました。

スポーティで躍動感のあるイメージを表現したいと考え、スタイリングをつくり込んでいきました。その象徴的な部分がラウンドしたウインドウ・シェイプが斬新なサイドビューであり、精悍な顔つきをしたフロントまわりの2段グリルです。

このNew CR-Vは、フォーマルでもカジュアルでもまったく問題のないスタイリングとなっています。たとえば、上質なホテルに乗っていく場面でも格好良く映えますし、キャンプ場でもOKです。公私両面にわたって使いこなせるクルマだと思います。

Oh, Nice Car!と言わせてやる。遊び心を沸き立たせる車の開発者には、こういう情念がなくてはならない。

【開発者DNAの受け継ぎ】
以前、あるHondaの社員の方にこう質問したことがある。
「Hondaでは、意識的に2代目はキープ・コンセプトなんですか?」

オデッセイも、ステップワゴンも、初代と2代目はスタイリングもコンセプトも大きく変わらないだが3代目ではガラリと変えている。わたしはこれをずっと疑問に思っていた。

彼の答えはこうだった。
「ええ、そうです。なぜならヒット車ならば、2代目でガラリと変えたら初代を買ったお客さんに失礼だし、2代目では開発者を育成したいんです」 
「育成というと?」
「2代目では開発陣を若手主体に切り替えるのですが、初代の開発者たちのノウハウを受け継ぐにはキープコンセプトがやりやすい。しかし開発2車目となる3代目ではゼロから作らせる。お客さんも3代も同じデザインでは飽きますから」

自動車の開発責任者は重量級開発と言われ、1台やると廃人同然とも言われることさえある。廃人になる前にノウハウを渡してもらえば、会社の開発DNAも継続できるのである。

【勝手にアドバイス】
わたしの母は「婿養子が三代続くと家が潰れる」と言っていた。わたしの母方の親戚家はまさにそれだった。戦前から戦後にかけての老舗企業が3代続いたところで倒産した。しかし一方、「三代続くと財産ができる」ということも言うらしい。それは婿だから勝手なことができず、放蕩せずに「締まる」という意味である。

Hondaの開発フィロソフィーは、いずれにせよ「婿養子は二代まで」を具現化したものとも言える。初代でひとつ、大きな汗を流させる。次はキープコンセプトの開発でノウハウを後継者に引き継ぐ。その次は後継者がゼロから創る。その繰り返しが開発魂のトーチを受け継ぐ。自らが切り拓いた新マーケットであればあるほど、その成功体験に染まることもあるので、それをきっぱりとリセットしてしまうというねらいもある。

こういうことは「社内制度にすれば」などと簡単に考えがちだ。だが情念やプライドを持つ(開発者という)人間がからむことである。制度なんていう単純な問題ではなく、それをDNAにしなくては定着・持続させることはできない。そこにHondaという会社の強さ、若さを見える気がする。

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

|

« 『オー・レフ!』 | トップページ | ホーム・スワッピング »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: HondaのスタイリングDNA。:

» ■インフォカート最新新着情報!! [情報商材のインフォカート]
一般の書店では入手できないノウハウを集めて見ました。いろいろな情報・ノウハウの新着『情報商材』です。あなたの収入確保にも役立つと思います。 [続きを読む]

受信: 2006年10月20日 (金) 21時34分

« 『オー・レフ!』 | トップページ | ホーム・スワッピング »