ネット時代の顧客クラスタリング:関連のねじれ(洋服はユニクロ、腕にはロレックス)は分析可能か?
【勝手にアドバイス:旬ネタ クロスクリック・マーケティング vol.4】
勝手にアドバイス:旬ネタ、そろそろ疲れが見えてくる4日目のテーマは、顧客クラスタリングと関連購買における「ねじれ」についてである。
今週の掲載予定テーマは次の通り
1.関連幻想を捨てよう: クロスクリック・マーケティングとは。
2.クロスクリック・ショッピングモール: クロスセルにもアップセルにも耐えうるショッピングへ。
3.ネット時代の顧客クラスタリング:画像・デザイン・カラーでサーチできる時代へ。
4.ネット時代の顧客クラスタリング:クォリティ~関連のねじれ(洋服はユニクロ、腕にはロレックス)は分析可能か?
5.ネット時代の顧客クラスタリング:マインド~癒しサイト、癒しグッズ、癒しサービスはクロスクリックされるのか?
6.いくつかのクロスクリック・レコメンデーション:たとえばwine&songs、tickets&flower・・・
ねじれとは、ここではストレートではない購買スタイルという意味ぐらいと思ってほしい。田舎の金持ちは百貨店に長靴でやってくるとか、洋服がユニクロでも時計は高級腕時計をしていると言われる。日本橋三越に手ぶらでやってきて、各階をめぐり「これとこれ、ください」と外商担当に申し付けて(そこでは支払いもせずに)立ち去るのが本当の金持ちと聞いたことがある。真偽はさだかではない。
つまり貧乏人だと「一品豪華主義」、金持ちだと「かけるところにはかける」言われる消費スタイルである。「一分の隙もない」の逆で「隙だらけ」、レベルがばらばらの消費性向はまさに「ねじれ」である。
【リッチなカメレオンとプアなカメレオン】
78万世帯の富裕層(金融資産5億円以上は6万世帯で、1億円~4億円が72万世帯という)が注目される一方で、格差社会、下流層などプアに関する本も売れている。消費者はカメレオンのように変幻自在だから、クラスタリングなどしても追いきれない、という見解が多いといわれる。だが「消費者=カメレオン」であることと、「リッチなカメレオン」であるか「プアなカメレオン」であるか、その二つは別の生き物として扱うべきだろう。
消費性向について、カメレオンがリッチかプアか区分するのは「クラスタ」、その体色を変幻に変えることを「関連」と整理してみるとわかりやすいのではないだろうか。仮にクラスタはリッチからプアまで何階層かに分かれているとしよう。関連は次の3つに集約できる。
A.大衆的な関連
B.クラスタ内の関連
C.個人的な関連
A「大衆的な関連」とは、季節やイベント、習慣や生活スタイルで、ほとんどの人が同じ関連想起をもつもの。珈琲にクリープ、ビールにスルメのようなセットである。もっとも一般的な関連づけで、日本人なら同じような行動・経験をしているという具合で関連をセットしやすいが、販売現場では陳腐なありふれた提案になりがちである。
B「クラスタ内の関連」は、特定の購買性向を持つ集団(クラスタ)に対して関連が効くもの。そのクラスタしか反応しない関連想起である。テキーラにチョリソー、ローリング・ストーンズとボ・ディドリーというように(やや)マニアックな関連である。同じ日本人、同じ世代でもかなりの差異がある。
C「個人的な関連」とは、文字通りある特定個人の中だけに通用するプライベートな関連想起である。わたしの場合なら、神様とキス、安物のスコッチと涙の砂浜・・・わかられては困るのだ。誰にもわからない、思い出や体験の中での関連だから・・・(失礼をば)
商売での分析対象、関連づけ対象のメインは、もちろんBである。だがちょっと待てよ。Amazonのおすすめは「Bレベル」なのだろうか?それとも「Cレベル」でやっているのだろうか?Aぽい気持ちでベストセラーを検索するときもあるぞ。
つまりA・B・Cは突き詰めれば「混合」しないのだが、同じような購買でも「混在」しうるのである。もちろん同じお店/サイトで混在している。だが「今Aでクリックしています」とは誰も言わない。曲づくりのためにHなサイトを「取材」していたというのと、個人的関心からHなサイトを「品定め」していたのでは、CとBの違いがあるというわけ。
ただしAレベルの関連と、Bレベルでの関連づけは単価的にも商品的にも違いがあるので、販促実務では「どちらをねらっているのか」明確にすべきである。
【業界/商品の壁がねじれを生じさせている】
食業界の人は食の嗜好や買物行動から、オーディオ業界の人はミュージックの嗜好や音楽デバイスから、消費者を分析する。もちろん収入階層や年齢層、職業などからもクロス分析はするが、主体はその業界、その商品からの嗜好分析である。業界の枠を超えない分析をすると、むしろ消費者が見えないということもある。
有名な例はコーラのブラインドテストであろう。銘柄目隠しテストでニューコークの味を決めて、大失敗という話。コーラを飲むのは、とてものどが渇いたとき、スポーツの後などシチュエーションがあるのに、コーラだけの飲食というありえない設定で、それもメーカー商品開発者が注目する場の(非現実的な)テスト会場で味を決めてしまった。消費者はアンケートのために生きているわけではない。
わたしにぁ、どっちもどっち。
最近の自動車開発では、想定されるオーナー像を決めると、そのオーナーのモデルタイプの人を決めて、彼/彼女のライフスタイルを24時間追いかけるということもしているそうだ。それは自動車という商品がライフスタイルの真ん中にあるものなので、自動車というの枠を取っ払って、オーナーや家族を丸ごと分析しようという、そこから自動車の内外装をチューニングしようという商品開発アプローチである。
【ねじれの結論をコンピュータで出すよりも・・・】
洋服はユニクロ、腕にはロレックスは分析可能か、という命題に立ち返ると、結論としては可能であると思うし、近い将来Googleが世界市民のクラスタと関連性をググってくれるのは確実である(としておこう)。
わたしが興味のあるのは「分析」ではなく「Aha!」であり、「クロスクリック」で生まれる売上増の「ホホぅ」である。明日から2回はもうクラスタ分析はやめて、クロスクリックを誘発させる「クロスクリック・メディア」を考察したい。即ち・・・・。
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Hな誘い(marketing-brain宛にたくさん来る。撲滅してほしい)
ネットと消費者の媒介メソッドはこ~なにあるのだ。並びがこれで正しいかわからないし、落ちがあればcherryさん、ご教授よろしく。だけどアレは何気なく隠してます(笑)。
だからネットビジネスはおもしろい。今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!
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