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2006年10月26日 (木)

コーズ・リレイテッド・マーケティング vol.4 お金だけではない 従業員への効果、企業価値の向上

コーズ・リレイテッド・マーケティング vol.4は「従業員への効果、企業価値の向上」をテーマにしたい。当初のテーマ(時間を寄付する)をちょっと変更しました。

【コーズ・リレイテッド・マーケティングの従業員効果】
コーズ・リレイテッドの先進国である欧米における従業員へのサーベイから、その効果をみてみよう。

1.2003年のトップMBAスクール11校の卒業生への調査
 ・回答者の97%が「コーズ・リレイテッドを社会的使命として実施する企業で一定割合まで寄付したい」
 ・寄付の可能割合は所得の14%(平均値)
 スタンフォード大学のサイトより。

2.デロイトの2004年の調査
 ・ロケーション、給与、福利厚生、責任の大きさが同レベルならば、72%の米国人がチャリティを実施する企業を選ぶ
 ・チャリティ・寄付行為は企業にとって大切なことと考える米国人は92%
 ・社員にボランティアの機会を与えることを大切であると考える人は87%
 ・チャリティ・寄付行為が企業価値のアップにつながると考える人は61%
 ・企業の従業員のモチベーションアップにつながると考える人は58%
 CSRWIREのサイトより 

3.米国のエグゼクティブ調査
2000年の米国のエグゼクティブ対象の調査では、従業員の忠誠心にコーズ・リレイテッド・マーケティングが役立つと考える人は85%もいる。
多民族国家である米国や欧州だから・・・ということもあるだろう。だが・・・

【経団連のCSR調査における位置づけ】
経団連が2005年に実施した会員向けアンケート調査「CSR(企業の社会的責任)に関するアンケート調査結果」によると、対象企業572社中、75%の企業が「CSRを意識した経営を実施している」と返答している。その内容は「経営ビジョン」「理念」「社員の行動規範」など、制度が中心である。

取り組み分野としても「コーポレイト・ガバナンス」「コンプライアンス・遵法」「環境」「安全・品質」「個人情報」という順序であり、「社会貢献・地域貢献・メセナ活動」は6~7番目と軽視されているといえよう。形つくって魂入らず、でないことを祈りたい。

【ボランティア休暇なんてあったんだ!】
国内では、95年の阪神・淡路大震災の被災地支援に全国から人々が集まったことを契機に「ボランティア休暇制度」が取り入れられてきた。

しかし厚生労働省の平成16年の「就労条件総合調査」によると、従業員数1000人以上の企業では約2割の企業が導入しているが、それ以下の規模となると1割にも到底満たない。1000名以上の導入している企業でも、ボランティア休暇を有給扱いの企業は7割、その内訳で全日有給の企業は多くない。

【日本の現状はお寒い】
コンプライアンスにせよ内部統制にせよ、企業側に「やっておきなはれ」意識がある。経団連にせよ、企業幹部にせよ、社会貢献には「お付き合いムード」がまだまだ主流だ。ざっと調べた限りでは、国内調査は参考になるものが少なかった。わたし個人としてはそう感じる。もっと上手にPRをすれば元が取れるのに・・・と思ってしまう。

わたしなりにマズローの欲求五段階説ぽく、コーズ・リレイテッドによる企業価値向上を考えてみた。

顧客の評価がよくなる(クレームも風当たりが柔らかくなる?)
②社員間で事業活動の価値観を共有できる(嫌な奴が減る)
商品力やサービス力がアップする(気持ちが良ければサービスも良くなる)
人材獲得に好影響がある(良い人材をひきつける)
⑤自分の会社を誇れる(業績アップ!)

【従業員の意識調査で計測もできる】
さまざまな機関が従業員の意識調査を行っているが、日経リサーチの手法「組織活性化診断調査」を紹介する。

「日経リサーチの提供するフレームに沿って、組織活性化の際、どこに問題があるか明らかにし、対応策を立案するためのプライオリティを、ご提示いたします。・・・(中略)・・・中分類10項目と働きがい総合indexとの相関分析により、働きがい向上においてどの要素が重要となるか明らかにします。

G_1  G_2

継続すれば自社の社員のモチベーションの変化も客観測定ができる。

【社会貢献ポータル】
最後に、日本企業でもやってるよ!という証として、「社会貢献ポータル」を紹介。ここでは、さまざまな企業の「マッチングギフト」が紹介されている(Matching Giftとは、社員とその勤務する企業とが共同して行う社会貢献であり、社員が自発的に行った寄付に対して、勤務する企業も上乗せして寄付をし、社員の社会への貢献を会社側が増額する仕組みである)。

大塚商会では、社員有志が給与から天引きで1人月100円ずつ出資して、その合計額と同額をマッチングギフトで会社も出資した「ハートフル基金」を災害時支援や障害者支援、環境保全を中心に活用している。

沖電気では社員の気持ち「OKI 愛の100円募金」に会社がマッチングギフトする形で、長年にわたり日赤へ「愛の献血運搬車」等を寄贈している。

株式会社デンソーは、1998年にマッチングギフト制度を導入した。この制度を活用したマッチング件数は年々増加し、初年度の47件から、2005年度の申請件数は469件となった。

さらに阪神大震災の影響も受けた関西電力の事例が載っており、全従業員を対象に「地域共生・社会貢献」に関する意識調査では、73%の従業員がボランティア活動への参加意欲を持ち、36%が実際にボランティア活動に参加しているそうである。

良いことやっている企業もある。今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

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うーん。ブログって難しい・・・でもハマリそう(笑)旦那がいないうちに更新w [続きを読む]

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