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2006年12月13日 (水)

lalaというCD&善意交換ネットワーク

物々交換というと何を思われるだろうか。たいていは不用品の交換であったり、好みに合わない贈答品を交換したりというフリーマーケットの発展系のようなイメージだろう。

ウェブ上の物々交換は、ウェブビジネスとの親和性が高いと考えられ、何年も前からいくつかのサイトがあった。だが成功したという話を聞いたことがなかった。ところが米国のlalaというサイトは「音楽CDのスワッピング」に絞って25万人もの会員を集めているという。

その運営になるほど!と思う点があったので、今日の勝手にアドバイスは「lala」サイトを取り上げつつ、交換というマーケティングモデルを考えてみたい。

Lala  lala、Mixiと同じくなぜかβ版。

【勝手にアドバイス Vol.84 lalaというCD&善意交換ネットワーク 】
その手順である。

1.lalaに登録する(今のところ配送の問題もあり北米のみ)。
2・lalaのウェブサイトから、交換リストに手持ちの交換していいと思うCDを載せる。さらに交換を受けたいCDを書きこむ。
3.リストを見たほかの会員がlalaサイトを通じて交換の申し込みをする。
4.lala経由でメールが飛んできて、「交換に応じますか? 」と聞かれる。
5.「Agree」とメールを返信すると、lalaから交換品送付用の郵送パッケージが送られてくる。
6.パッケージにCDを入れて申し込み会員に送る
7.交換品を得た会員は、1回につき1ドルの手数料と郵送料(75セント)をlalaに払う(クレジットカード)。
8.交換品を提供した会員は、その場で交換がなければ「マイナス1品」というアカウントになる。

今のところCD二枚組みは1とカウントするようだ。またセット物は扱いにくいなど、1物対1物になりにくいものもある。だが音楽の大半は10~20ドルのCD一枚モノである。その大衆性と標準化に賭けたというビジネスなのだろう。それがヒットしている。

【lalaの信じるところは・・・】
lalaという交換サービスで重要な点がもうひとつある。これがむしろ彼らのビジネスのポイントなのかもしれない。CEOのBillのメッセージを拙訳した。

われわれのサービス上の行為が、音楽アーチストにとっても良いことなのだとお伝えしたい。MTVで伝えられるイメージとは異なり、ほとんどの音楽アーチストは大きな家にも住んでないし、車を5台も保有していない。大多数のアーチストはレコーディング収入からかつかつの生活を強いられ、コンサートや商品販売でようやく生きているのが実態だ。
わたしはアーチストがもっとCD販売から報われるべきだと考える。lalaは、前例の無い試みだが、CD交換からの収入の20%をアーチストへ還元する。

1ドルの収入の2割、20%をアーチストに出すというのだ。lalaは新譜・新品のCDも販売しているので、そちらでカバーできるということもあるだろうが、起業の意志としてとても感動した。しかもBillはこうも書いている。

わたしはそのために死ぬほど働くことを約束する(睡眠はわずか4時間、これを書いているのが午前3時31分、だから句読点がおかしくても許してほしい)。
Bill Nguyenさん記

Home_props_right  こっちは新品の販売のロゴ。

【車は少なくとも5台は持っているローリング・ストーンズ】
先ごろBigger Bang 世界一周ツアー(南米もアフリカも行った)を終えたローリング・ストーンズの面々は、車は5台以上持っているに違いないが、ニューオリンズにハリケーンが襲来したとき100万ドル(1億円)寄付した。確かそのとき日本政府からの寄付は、5000万円(ドルじゃない)かそれ以下だった。ニューオリンズはストーンズの音楽の故郷(ブルース)なのだ。

これは相当昔の話だが(1960年代中ごろか)、ストーンズの面々は、仕事が無くてスタジオで壁のペンキ塗りをしていた偉大なブルースマン、マディ・ウォーターズを見つけて、「そんなことをしていてはだめだ!」と言ってレコードの録音に参加してもらったという逸話もある。

20060218_rs1
2006年リオ・デジャネイロでのストーンズ無料コンサート風景。のどか。

ソウルの帝王ソロモン・バーグを2005年のコンサートに引っ張り出したのもストーンズの功績である。ソロモン・バーグは死にそうなほど太っていたが(笑)声は健在だった。デビュー40年経っても現役のロッカーと50年前のソウルの帝王のデュオ、『エブリバディ・ニーズ・サムバディ・トゥ・ラブは圧巻だったストーンズなりにアーチストに還元しているのだ。

【ナップスターとくらべれば】
タワーレコードと提携して日本にも上陸したナップスター。音楽交換で市場を席巻した会社である。日本への上陸は「水道の蛇口のように・・・」がうたい文句。

Pic_tap  ナップスターのサイトより蛇口拝借。

水道の蛇口のように。
24時間365日、いつでも好きなだけ音楽が聴ける。ナップスターの定額制サービスは、月々たったの1,280円から。いつでも好きなだけ音楽を楽しめます。また、ハードディスクに曲をダウンロードしてお好きな環境で聴くことも可能です。

これは確かにお得。ナップスターはそもそも米国で「私的交換は悪くない」というテーゼでスタートした会社。だからこういう蛇口理論になるのだろうが、アーチストにどのように還元されているのだろうか。HPからはその説明はない。心配になってしまう。

Signature_nap_tr  タワーレコードにもがんばってほしいが。

【交換に適するモノの要素: CDという素材の変質が少ないモノ】

CDが物々対象品としての優れている点はいくつもある。

・流通量が多く、しかも種類が多い。(選択肢が広い、交換できる可能性が高い)
・品質が経年変化しにくい(大きな傷以外は価値は変化しない)
・流通価値が大きく下がらない(1円になるCDもあるが)
・趣味の品である。(交流も生まれるかもしれないし、価値が保持されやすい)
・サイズ/容量が妥当(小さくて軽いので送付コストが安い)

【物々交換サイトの失敗】
不用品交換の弱点は「劣化」「汚損」もあるが、何より「価値のばらつき」であろう。数ある物々交換サイトが失敗したのは、交換対象品を広げてしまったことで、交換品同士に価格ギャップが生じたこと

思い出してほしい、といっても人類がホモサピエンスの頃かしら。人類の部族同士は集落同士の付き合いを始め、物々交換を発明した。ところがほどなく、物と物にギャップがあると主張する人が出てきて、そのギャップを埋めるのに貨幣を発明してしまった。これを原罪という(かどうかは怪しい笑)。

物々交換でギャップを出すのは太古の昔にもどるのと同じ。だからビジネスとしても理に適っていない。失敗はハナから明らかなのである。

【勝手にアドバイス】
モノあまりの世の中だから、交換対象のモノはどこの家庭にもたくさんある。フリーマーケットの出品物の品質という点でも、日本という国は世界でトップなのではないだろうか?それは喜ばしきことなのか・・・。

CD以上に物々交換に適するものが思いつかないが、次ぐモノとしてはコミックスゲームであろう。

最後に相当脱線。わたしはかねて人と交換したいと思っているモノがある。それはブラウザのブックマーク。これはと思う人と交換をしてみたい。たとえばCherryさん のブックマークはきっと凄く優れている交換しない?わたしのはかなり乱雑だけど(笑)。

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!。

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