うつぶせ寝グッズに観る「素直な」商品開発
あなたはうつぶせ寝派だろうか、仰向け寝派だろうか?どちらですとお答えになろうと、寝床ではこっち向いたりあっち向いたり、ゴロリゴロリしているのが健康のあかし。
たった15分、ウトウトして机にうつぶせて寝る気持ちよさ。これはベッドや布団ではなかなか味わえない、短くも深い眠り。zzzzz・・・
と午後ウトウトしかけていたら、フランスベッドからの新製品のニュースを読んで目がぱっちり。思わず「これはいい!」とうなずいてしまった商品開発から、今日の勝手にアドバイスは「うつぶせ寝」がテーマ。
【勝手にアドバイス Vol.85 うつぶせ寝グッズに観る「素直な」商品開発】
フランスベッド(本社:東京都新宿区)は、いびきを軽減し、床ずれを予防するうつぶせ寝専用ベッド「健康うつぶせ寝専用ベッド」を2006年12月中旬に発売する。マットレスに“呼吸穴”を設けて、うつぶせに寝ても呼吸しやすくした。
ありそうでなかったのがこの窪み。よだれがたまったらどうしよう!と思ったが、そこはもちろんちゃんと工夫されているようだ。
【製品コンセプト】
今回発売する「健康うつぶせ寝専用ベッド」は、ベッドフレームとマットレスから構成しており、マットレスの頭を置く付近に円形の呼吸口を設けて寝ている間も呼吸をし易くして快適なうつぶせ寝を実現します。呼吸口の下部にはメッシュ仕様のフィルターを設置し、物の落下やベッドの下からの埃の吸引を防止するとともに、取り外しが可能なため掃除が楽にできます。
いろいろ変則モノあり。
どうやら鼻と口を入れる部分は取り外して洗浄(洗濯かしら?)が可能なようだ。これで枕をわざわざどけて、うつぶせ寝をするあなた(わたしはそうしている)にも朗報。
【素直な商品開発の発想】
ウンチクとして「うつぶせ寝(腹臥位)療法は、気道を確保して、いびきやせきの軽減、床ずれの改善ができる」という主張をフランスベッドはしている。『うつぶせ寝健康法―日野原先生も毎日実践!』という本もあり、「イビキ、睡眠時無呼吸症候群、肺炎、脳梗塞の予防」などを主張されている。
いくら先生が高名でも、著者より名前が大きい・・・。
だが、わたしは直感的に、そういう科学(シーズ)は裏づけであって、そもそもの発端は「うつぶせ寝って気持ちいいよね」「どうして今までうつぶせ寝ができるベッドが無かったんだろう」という「素直な発想」から企画したように思えてならない。この点はいずれフランスベッドに問い合わせてみたいが。
【うつぶせ寝グッズは案外多い】
これは「ちょっと寝 うつぶせ枕」として紹介されている商品。その商品説明文のさわり。
逆U字の本体に顔を乗せるという、こちらもちょっと特殊な枕である。顔の輪郭をこの枕で支えることで、口と鼻は宙に浮いた状態となり、気道はきちんと確保されるので安心だ。
よさそ。
価格は1980円と失敗しても損がないレベルである。他にもいくつか類似の商品あり。
【顧客への共感がスタート地点】
『シニアビジネス』(村田裕之氏著)で、村田さんは睡眠障害に悩むシニア向けの商品開発について「なぜ眠れないのか、眠り方のどこが問題なのか、どうすればもっと快適に眠れるかのアドバイスが、不眠で悩む顧客にとっては有益なはずだ」と書いている。シニア分析では一人者の方、その好著です。
「顧客の潜在需要に『共感』するテーマ選定力が大切だ」と主張されている。
好著。
短い時間でいいから深い睡眠がとりたい。睡眠障害のある人には切実な問題なのである。それが「うつぶせ寝」や「短い時間オフィスで仮眠」で実現できるなら、その方々にはこうしたちょっと変わった商品でも「福音書的な商品」になる。
【勝手にアドバイス】
「うつぶせ寝」には、仰向け寝に対してどこか「呼吸とか姿勢とか良くない」という罪悪感ないし迷信があった。
しかしそれは、単に「既存の商品ではうまくそれができない」だけなのを、「身体に良くないこと」と盲信してしまっていただけだった。うつぶせ寝はひとつの例に過ぎない。今ある商品が当たり前と思ってしまうことで、商品開発に自ら壁を作ってしまっていないだろうか。
①顧客の習慣や生理に共感しようじゃないか。
潜在ニーズを探せ!とよく言われるが、その立場になろうとしてウンウン唸っても、フォーカス・インタビューしても、製品化のアイデアはなかなか湧かない。疑い深いわたしは、ニーズという用語がどうもクセ者だと思う。
ひとつの提案。顧客ニーズの「ニーズ」という語を使用禁止にする。代わりに「顧客の習慣」、「顧客の生理」などと言い換えてみよう。
②正規な使い方をしていないモノはないか?
もうひとつのアプローチは、正規の使い方をしていないグッズを探すことである? 「仰向けに寝る設計の布団で、うつぶせに寝る」のは正規の使用法ではない。ちょっと使いにくいからと言って、ほんの少し改造しているような商品がないだろうか。そこに商品と少しだけずれた、あるべき生理やあるべき習慣がある。
これと似ていることだが、せっかく許された膝枕(ひざまくら)で、すやすやと寝入ってしまうと正規の関係構築につながらない(こともある)。
今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!。
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