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2007年1月15日 (月)

旬ネタ:1.Apple iPhoneという製品機能で携帯を‘再定義’

先週来のわたしにとってのビッグニュースは、相次ぐ胴体切断などという物騒な話ではなく、何と言ってもiPhoneである。

Indexhero20070109_1  ため息。。。

やってくれました!という ため息のでるデザイン、携帯機能の秀逸な集約と拡張、そこから垣間見える電化ライフスタイルの変革の匂い・・・。Appleならではのデザインもさることながら、ひとつの商品として稀なほどのエキサイティングを感じさせてくれました。

Apple iPhoneに匹敵するエキサイトした商品やサービスと言えば、ノートPCの「初代ダイナブック」、自動車のHonda「初代シビック」、音楽ならやはりSonyの「初代ウォークマン」・・・・。皆さんのiPhoneの印象はいかがでしょうか?

iPhoneが日本市場に投入されるかどうかは微妙ですが、今週の勝手にアドバイス旬ネタでは、Apple iPhoneをお題として、製品とサービスで消費者行動や意識、市場チャネルを仕切りなおす事業戦略のあり方を概観したい。報道からの事実と、わたしの想像をべースに、彼らが進めるであろう戦略を分析することで、業界の殻を打ち破る変革の目を養おうというのが趣旨である。

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2007年1月2回目の「勝手にアドバイス 旬ネタ」構成予定
1.Apple iPhoneという製品機能で携帯を‘再定義’→本日
2.Apple ロックインの電化ライフスタイル
3.携帯2.0~チャネル・キャプテンの行方
4.料金政策にビジネスモデルが凝縮される
5.Apple iPhoneは‘黒船’になれるか?
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【勝手にアドバイス 旬ネタ: 1.Apple iPhoneという製品機能で携帯を‘再定義’】
同時期(2007年1月10日前後)に行われたCES(Consumer Electronics Show)では、今年で最後になるビル・ゲイツ会長のキーノート・スピーチには中途の退席者も出たというが、スティーブ・ジョブスは今年もやってくれた。キーメッセージは「Appleは電話を再発明する」だった。

 Iphonetitle20070109  

iPodに似ながらも大幅に進化させたタッチパネルのデザインだけでも、相当に「再発明」であるが、タッチスクリーン内に鮮やかな色彩で並んだ機能をつぶさに見ると、Appleの戦略が垣間見れる。それは機能面、顧客のロックイン(囲い込み)、チャネルの再構築、そして料金政策に表れるだろう。

【従来の携帯電話の機能】
まず下図を見てほしい。現在の携帯電話の機能は「通話」「メール」「カメラ・動画」「ウェブ」、そしてさまざまな「差別化(お財布、地デジ、音楽など)」の各機能に分かれている。どのメーカーのどの製品も、おおよそ同じ機能をベースにしている。

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<拡大> 

iPhoneが提供する機能もおおむね一緒だが、従来の携帯メーカー/キャリアとは大きく異なる点がある。それは機能を提供する「切り口」とも言えよう。まずAppleといえば「初代iMac」以来、デザイン・カンパニーである。それを裏切らない、他社製品とはまったく違うデザインという切り口。

次に機器としての機能は、「コミュニケーション」としてひとくくりに考えられていると言っていい。誰かとの通話やチャットや動画、メールやボイスメールというコミュニケーション、ネットとのコミュニケーション、カメラやGPSという環境とのコミュニケーション。

さらに重要なのがAppleロックインという切り口。音楽、テレビ、PCとの連携、ソフトウェア、プロテクションプランなど、iPhoneという製品をきっかけに、Appleで消費者のライフスタイル・シェアを根こそぎ奪取するとうねらいが見えてくる。これが彼らが言う「電話を再発明する」意味だと思う。

02iphone_1  
<拡大>

従来の携帯メーカーの提供してきたのが電話+関連機能のデバイスであるとしたら、Appleがやろうとするのは「電話+ライフスタイル」という、まるで次元の違う戦略を打ちだしている。

【携帯デザインを再定義した】
そのiPodライクな秀逸なデザイン。シャープのW-ZERO3のようにペンタッチ入力ではなく、直接指で操作する。何より、スクリーン内にほとんどの操作機能があるというデザインがすごい。

 Noqt_calls20070109_1

このタッチスクリーンの良さは、自由なデザインが可能になる点である。言い方を変えれば、ハードに依存せずソフトを刷新できることにある

iPodユーザーならわかるが、iTunesでiPodのソフトウェアを更新すると、「あれ?前はこんな機能はなかったよね」という追加機能が現れる。この快感は何ともいえない。購入後もユーザーとメーカーがキープ・イン・タッチしてますよ!という強力なメッセージになるのである。ウィンドウズにもアップグレードがあるよと言うが、セキュリティ機能アップでパッチを貼るなどメーカー保証の範囲。ほんとうに画面を変えるには、追加投資が必要である。

携帯にボタンやスイッチを物理的に配置してしまうと、これと同じことをやろうとしてもなかなかできない。表面に何もないこと(タッチパネル)が逆に何でもできるのである。デザインで携帯の機能進化を保証したというのがiPhoneのいう「再定義」でもある。

【コミュニケーションは2.0に向かって新化する】
iPhoneのコミュニケーション機能がどういう方向をめざしているか直感では「Web1.0からWeb2.0へ移行させる」ととらえるべきだと思う。次回以降でもう少し深く考えたいが、携帯電話というのはメールやボイスメール(留守番電話)で2.0的な要素をすでに活用している。Web2.0とは、この稿では、ネットワーク/ウェブ上にデータやソフトウェアを持ち、必要なときに呼び出せると定義する。

つまりAppleは社名から「コンピュータ」を取ったとはいえ、携帯とコンピュータを同調させるというコンセプトを引きずるはずだ(これはAppleの携帯電話の提携相手のCingularの技術上の都合もある)。むしろそこを携帯キャリアとの差別化ポイントにする。

PCないしテレビ(tvという製品も発売する)やDVDなど、ストレージは自宅やネット上におき、iPhoneはそれを呼び出すデバイスというのが基本コンセプトに他ならない。

【Appleロックインという強力な武器】
Web2.0、いや「携帯2.0」をめざしつつ、Apple製品で顧客をロックインする(囲い込む)のが、Appleのマーケティング展開戦略であると想定される。

2006年11月からの番号ポータビリティ/MNPを思い出そう。あのとき争点は、数円単位の通話料金や基本料金のカバレッジの小さな字、果ては「誇大宣伝」の責任のなすりつけあいという、顧客不在の業界内での争点しかテーマにならなかった。

Appleの持ち込む差別化の争点は、携帯キャリアの自社の台所事情を引きずっていない分、スケールが大きい、顧客に訴えるものとなると思う。

Pic11  Appleはどこに行くのか。

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

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