1%のカーボンニュートラル
カーボン・ニュートラルという言葉を聞いたことがあるだろうか? 英国のオックスフォード大学出版局が発行しているオックスフォード辞典では毎年新語を増やしているが、2006年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」がこれだった。
その言葉がねらうところは、「生産及び消費生活にバイオマスを使おう」というもの。バイオマス(植物や生物資源)は成長過程で光合成により二酸化炭素を吸収しているので、バイオマスを燃やして二酸化炭素が発生してもイーブンであり、大気中の二酸化炭素を増加させることにはならないという考え方。
ビジネスからニュートラルな週末の今日は、カーボンニュートラルな商品と企業を取り上げたい。
【勝手にアドバイス Vol.111 1%のカーボンニュートラル】
今年の冬は暖冬型というよりも、もう暖冬しか来ないというほど、世界各地で気温が下がらず雪も降らない。ゴア元副大統領の『不都合な真実』ではないが、かなり不都合なことが起きつつあることは、人類の共通の認識になりつつある。事業も立派に継続しつつ、カーボンニュートラルな企業を目指す道はないのだろうか?
【monaccaの1%】
事業を何とか継続しつつ、しかも気高い理念を打ち出しているのがこちらの事例。
monaccaは売り上げ額の1%を森に還元します。
monaccaというユニークなネーミング、ユニークな形状、ユニークな材質のバッグがこれ。
高知県馬路村、杉の間伐材から作る新しい木のカタチ「MONACCA」。薄くスライスした杉を何層にも重ねあわせ出来上がる軽くて丈夫な木の素材は、職人の手によって座布団やバックにカタチを変え、普段の暮らしの中に何気なく溶け込みます。
高知県馬路村のHPより。
商品も気になるが、もっと気になったのが「monaccaは売り上げ額の1%を森に還元します」という言葉。この村の面積の96%は森なんだそうですが、もともとは杉の生産地だった。しかし全国各地の多くの森と同じように、林業が衰退し間伐(かんばつ)されない森林ばかりになってしまい、森の生命が衰弱している。そこで間伐材を使った商品展開を、デザイナーの島村さんと共同で行っている。
森に生かされていることから「売り上げ高の1%」を基金に積み立てる。間伐材は従来は割り箸に使われていたが、安価な中国製などに押されて市場から消えた。細くて節があるので、薪やチップ、変わったところでは封筒などもあったが、一般に販売される製品としては使われにくかった。
だが馬路村では平成12年に三セクを設立し、お皿やウチワ、そしてmonaccaなどの開発を続けている。売上はまだ小さいだろうが、それでも1%を積み立てるというのは、とても立派なことである。理念や執念がなければできないことだ。
このサイトがmonaccaについて詳しい。わたしは買いたいと思っている。
【セールスフォース・ドットコムの1%】
『セールスフォース,温室効果ガス排出削減への取り組み「Earthforce」を発表』という記事があった。
セールスフォース・ドットコムとは、マーケティングに関係する方々には馴染みのあるSFA(営業支援)やマーケティング支援(CRM)などのソフトウエアを開発・導入する会社であり、この分野ではトップ企業である。
この企業の1%宣言が、いかにも米国企業!という匂いもするが、わかりやすいし、影響力のある大企業なら望まれる姿勢だと思う。同社の社会貢献型ビジネスモデルのリーディングカンパニーという宣言。
労働時間の1%、株式の1%、利益の1% という1%モデルを掲げ、このそれぞれを、社会をより良くするためや、特に地域社会の子ども達のためのプロジェクトに提供しています。
労働時間の1%
●全世界のセールスフォース・ドットコムの社員の85%が社会貢献活動に参加し、総労働時間の1%相当を
社会に還元する(年間6日のボランティア休暇を付与)
株式の1%
●会社保有の株式の1%を社会貢献活動資金として割り当てる
●200人以上の個人からの寄付
利益の1%
●世界中の200ヶ所以上の非営利団体や慈善団体に対してセールスフォース・ドットコムのサービスを無償提供
利益の1%、たとえばわたしなら年間のコンサルティング作業の1%相当を「タダでやる」ということである。年間3000時間だとしてその1%は30時間、3~4日無償で働くというものである。喜んでやりますし、現に「中小企業振興公社」の案内にはそんな旨で登録もしている(連絡はまったくないが)。わたしは中小企業診断士でもあり、その資格維持には年間6日中小企業のために働けという更新要件がある。タダで中小企を指導して資格維持、コンサルタントという職務の性質上、非常にマッチすると思うので、ぜひご連絡を!御社の売上高の1%UPに貢献するというレベルではやりませんから(笑)。
セールスフォースドットコムのCEO マーク・ベニオフの宣言。
「企業の価値は、ビジネスでの主導権を握るためだけではありません。その企業がビジネスを行う地域社会はもちろん、世界のためになることをしていくことが真の企業の価値です。」
【カーボン・ニュートラルの見える化】
朝日電器から新製品として『エコワット』という簡易電力量表示器が発売される(日本経済新聞2007年1月27日)。
家電製品とこの製品をコンセントでつなぐと、「電気料金」「使用時間」「使用電力量」だけでなく(同社の製品ではこれらは実現してきた)、「二酸化炭素排出量」まで表示するという。冷蔵庫の温度を下げればCO2が上昇し、エアコンの使用量が増えればCO2が増えるという、地球環境けん制商品である。ウチの地球温暖化寄与レベルがわかるという商品。
この商品、CO2が見えるのがいい。欧州でも日本でも雪が降らずに、さまざまな冬季競技で開催が延期がされるという「見える化」が現実にあるが、一般家庭でも購入製品別に「こんなに二酸化炭素を出しているンだ!」という見える化があると草の根レベルのけん制になる。
【勝手にアドバイス】
個々の家庭で環境保全をしても・・・という向きもあるだろうが、今日は「海中でもCO2濃度が上昇している」という報道もあった。
企業活動も家庭活動も、成長を目指しつつもどこかで環境を少しずつ考慮する(たとえば1%でいい)時代に入ったのである。企業もしかり、消費者もしかり、1%を環境改善のために拠出することを考えたい。
今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!
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