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2007年2月19日 (月)

インライン・ビジネス

今日は隔週で書いているぷろこんエッセイからの転載です。テーマは先週
(2007年2月12日-17日)書いた成長経営のエッセンスです。

インライン・ビジネス

古来、人間にとって根源的な疑問は2つであったと思う。1つは、外に向かって
自分の住んでいる世界は何なのかということ、2つ目は内に向かって自分自身
は何なのかということである。

『時空に映る免疫学』 桂義元教授(京都大学退官 日本大学)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsi2/Newsletter/JSI_Newsletter_vol6no1_p4.html
               
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あらゆる仕事はインプット(入力)とトランザクション(処理)、そしてアウトプット
(出力)で成り立っている。

これはわたしの先輩が常々言っていたことだが、一見当たり前なこの一文を
どう理解するかによって、ビジネス創りのあり方が180度変わる。その真髄を
理解すれば、お客さまに「はまる」ビジネスが生まれるが、表面しか理解せず
にいくら仕事をしても「はまらない」のである。

「はまる」ビジネスとはお客さまの仕事のインプットの中の本質的なニーズを
くみとり、相応しい処理をしてアウトプットを提供する。「はまらないビジネス」
とはお客さまの仕事のインプットを表面的に受け止めて、自社のサービスや
商品はお役に立ちますので買ってくださいというもの。

なぜこんなことを考えたというと、その先輩が開発した、企業の人材育成に
関わる商品(サービス)がいくつかの企業や団体で圧倒的にウケていると
聞いたからである。内容は詳しくは書けないのだが、なぜ今まで類似の
サービス(世の中にゴマンとある)に、このような視点がなかったのだろう?と
さえ言われている。

ウケている理由をひとことで言うならば、仕事のインプットとアウトプットの
ギャップをきちんと埋めるからだ。始まりがあって終わりがあるのが、あらゆる
仕事の基本だが、その終わりはまた次の仕事の始まりである。終わりのかたち
が、次の始まりのかたちになってなければ、次の仕事はうまくまわらない。
従来はインプットとアウトプットのサービスが個別に存在していたのを、真ん中
の処理というサービスでしっかり結びつけたのである。

そのサービスがはまったもうひとつの理由は、それが「道具」に徹している点で
ある。業種を問わずどの会社でも必要とする、人材開発の基本的な道具となり
うるので、お客さまは融通無碍にそれを使うことができる。釘を叩いたり抜いたり、
モノを壊したり、テコに使ったりとひとつで何役もこなす万能ハンマーを思い浮か
べればいいだろう。特定の企業だけでなく、多くの企業、多くの部門で使うことが
できる。

ただし道具は人を選ぶものである。ある企業ではそのサービスを200%活用で
きるが、別の企業では100%かも知れない。普遍的な道具とは、ほんらい
そういうものなのである。実はコンサルタントも同じである。わたしはあるクライ
アントでは100%と言われたが、別の企業では・・・おっとやめておこう(笑)。
道具にまで達したサービス(商品)が理想形である。

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先週(2007年2月12日~17日)のブログでは成長経営事例をとりあげた。
読み返すと内容は舌足らず&拙速なところがあるが、経営成長の本質を考える
機会になったので、まとめてよかったと思っている。

四国高松市にあるヒューテックという会社の事例では、同社の理念がたった
一行、「品質管理のインライン化をお手伝いします」に凝縮されていると書いた。

この一行は「製造工程中に製造品の欠点を検出する」、つまり製造中に検査を
一緒に実施するサービスシステムを提供しますという内容である。こういう
ことが言い切れるには、対象となるお客さまの生産工程、生産設備、そして
生産品目に深い知識と見識がなければならない。お客さまの現場に知悉して
いなければならない。

この会社の品質管理のインライン化サービスの位置づけを考えるために
作ったのが下図である。インラインという言葉は、お客さまの中へというイメージ
が強く出ていて気に入ったので、借用させていただいた。

Inlinebiz03  

タテ軸にインラインレベルを取り、下にあるほど顧客の中にどっぷりつかること
なるので「深い」。上に行くほど顧客を高い視点で見ることができるので「浅い」
となる。断っておくが上が良くて下は悪いという意味はない。その企業のビジネス
モデルが上寄りか下寄りか、というように考えてほしい。

横軸は成長経営の三段階である。「顧客要求に適合するビジネススタイル」から
「創造的な提案ができる段階」、そして「革新的な商品を出せる段階」である。

ヒューテックの場合、インラインレベルが深く、お客さまの要求に適合するサー
ビスを提供しているので左下のポジションといえる。ここだけにとどまって
しまうと、特定の親企業に便利な下請け会社で終わってしまう。もちろんそれ
でも悪いことはないが、特定のお客さんへのサービスだけに依存して生きな
がらえる保証は今の時代、存在しない。

ゆえにヒューテックは、樹脂フィルムや紙業界で積み上げたインライン品質管理
ノウハウを水平展開して、つまり他業界でも使えるように普遍化したのだった。
同社が成長経営へ飛躍したのは、インラインレベルを上げたゆき、他業界(電子
フィルム業界など)への創造的提案につなげ、そして革新的なサービス商品と
して標準化できたからである。

この視点で見ると、ブログで取り上げたもうひとつの製造業、長岡市のプロデュ
ース
も理解しやすい。長年、カスタマイズ事業で泥をかぶってきた。だがその
ノウハウを3Dアプリケーションという、業界を絞り込んだ創造的な商品にまで
育て上げた。さらに水平展開して、適用できる業界を増やして売上をn倍増させた。

それぞれの段階で注意事項はある。「顧客要求適合/オペレイティブ」段階では
深いインラインレベル、つまり顧客を知り抜かなければ競争力はない。「創造的
提案/クリエイティブ」段階では、創造性とは普遍化に向かう作業であるという
認識がなければ、創造的な提案が生まれない。さらに「革新的商品/イノベイ
ティブ」段階では、一定のインラインレベルを残さなければ、つまり顧客の現場を
知らずには、地に足が付いた商品開発ができない。

成長経営のかたちは、四角形、台形、三角形に変化する、と覚えてもらえれば
いいだろう。ではこのシェイプをつくる原動力は何なのだろうか。

それは、「あらゆるビジネスは顧客に育てられる」というものである。顧客をどう
理解するかによって、四角のままか、台形になるか、いつか三角形を創れるか、
分かれ道となる。

 Inlinebiz04

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人間の成長にも同じことが言える。

ある狭い業界や職能をひたすら追求する。職能・スキルを深めてその道の専門
家になるものだ。もちろんそれもありだ。誰でも最初から幅広いスキルなど持て
るわけもないから。

だが一寸先は闇の世の中、自分のスキルや知識が何年持つのだろうか?そう
いう恐怖心を感じる仕事人は、いつもそのことを考えているはずだ。

だからどんな業界にも通用するように自分を台形にし、いつしか三角形を創造
できるよう、自分を研ぎ澄ます努力が必要である。もちろん、自分を台形にすると
いうのは、体形が台形になって、お腹からお尻がメタボリックになるというもので
はない(笑)。

冒頭に引用した免疫学の教授の一文にあるように、自分自身は何なのか、世の
中はどう変わってゆくのか、その2つの接点をどこに求めればいいのだろうか、と
いう「自分客観化作業」を繰り返すしかないのだと思う。

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

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