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2007年2月25日 (日)

クリント・イーストウッド リアリズムなアイコン

明日、2007年2月25日(日本時間の26日午前)は第79回アカデミー賞の授賞式である。ハリウッドのお祭りと言えばそうだが、今年の注目は通算8本目と言われる外国語の映画の作品賞にノミネートである。それはもちろん『Letters From Iwo Jima 硫黄島からの手紙』である。その監督もいわずとしれたクリント・イーストウッド

往年の映画ファンにとってクリント・イーストウッドは、マカロニ・ウェスタンであり、ダーティ・ハリーである。近年の監督作品ではさまざまな顔を見せているとはいえ、クリント・イーストウッドには荒野や大きな口径の銃が似合う。

 Nm_good_bad_070207_ssh 夕陽。 Nm_dirty_070207_ssv  44口径。

先日、インタビューをあまり受けないことでも知られるイーストウッドのABC Nightlineのインタビューを聞いた。ふと思い出したのは『マジソン群の橋』を撮った頃、レポーターからの「次回作は?」という質問に「良い(脚)本をもってきてくれ。いくらでも撮るぜ」と答えていた。65歳のあれから11年、確かにいくつも撮り、また賞も取ってきた。まさに映画の鉄人である。休日でアカデミー賞前夜の今日のテーマは、クリント・イーストウッドのリアリズムな姿勢に学ぶ。

 Apg_eastwood_070207_sp  ゴールデングローブ賞は受賞!

【勝手にアドバイス Vol.127 クリント・イーストウッド リアリズムなアイコン】
まず2007年2月8日付けのABCのインタビューから。

The films, Eastwood says, are not anti-American, but anti-war.
"War is not mankind's most noble effort, and we should try to cure it," he said.

イーストウッドはこういう。「ふたつの映画は反米ではなく、反戦映画だ。戦争とは人類がなすべき高貴な努めではない。そこを改めなきゃなない

さらに。
"I think [in] every war, no side is completely immune from atrocity," Eastwood said. "I've talked to many [veterans of the Battle of Iwo Jima.] … I said, 'How many prisoners did you take?' And they'd say, 'We didn't take any.' And I went, 'Oh, OK.' It was kind of left unsaid."
あらゆる戦争には残虐さと無縁なものではないオレはたくさんの硫黄島を経験した退役軍人と会話した。で、こう聞いた。‘捕虜は何人ぐらいだった?’‘何人も捕虜にはしていないよ’て言うんで、オレは‘そうか’と言ったが、口にはできないたくさんのことがあるんだ

もひとつ。
He said it was clear that the United States should extricate itself from the war in Iraq.
"The big question is how and when," he said. "It seems like the predicament we're in now is it's a bad situation regardless of which side you favor."

イーストウッドはこういう。米国はイラクでの戦争から撤退すべきなのは明白だ。「問題はいつ、どのように実行されるか」 「駐留か撤退かどっちの主張をするにせよ、米国がとても悪い状況にあり、窮地に立たされているのは明白じゃないか

これは硫黄島の映画インタビューがテーマである。だがこのコメントである。さらにフランスのル・モンド紙に語ったインタビューで、イーストウッドはこう話している。

 「米国が今ほど分断されたことはない。私はイラクへの介入は優先課題ではなかったと考える側だ」と、現ブッシュ政権の対応を批判する」
 「政治家たちは最前線にいる者の運命より、自らのちっぽけな権力を行使し、保持することに関心があるhttp://www.asahi.com/culture/movie/TKY200610200085.html

【イーストウッドというリアリズム】
イーストウッドが話した「The films/ふたつの映画」とは、念のため『Flags of Our Fathers 父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』である。この2つの映画のテーマは、インタビューにあるように反戦であるが、そのベースにあるのは彼のリアリズムな視点であろう。その視点は、もちろんこの映画に始まったことではない。

リアリズムな視点その1: 映画『Unforgiven 許されざる者
1992年公開の「最後の西部劇」と言われる、クリント・イーストウッドの監督、主演作品である。アカデミー賞は作品賞、監督賞、助演男優賞(ジーン・ハックマン)、編集賞(ジョエル・コックス)の4つを受賞。

最後の西部劇と言われるゆえんは、ガンマンたちの人間的な実生活、体調不良で撃ち合いに遅れるガンマン、撃つ・撃たれるシーンのリアリズムなどが描かれている、きわめて人間くさい西部劇だからである。まちがいなく黒沢映画の影響が色濃く伝わってくる作品であった。現に、ほんらい『硫黄島からの手紙』は日本人の監督に撮影してもらうというプランがあったが、そのときイーストウッドがつぶやいたのは「黒澤がいれば」という言葉だったという。

リアリズムな視点その2: 2年間のカーメル市長 
クリント・イーストウッドが1986年から88年まで、カリフォルニア州のカーメル市(Carmel-by-the Sea)の市長であったことは有名である。月給200ドルで保安官職を請け負ったと言われたが、そもそものなれそめは1971年の監督デビュー作「恐怖のメロディ」の撮影で、カーメル市でロケをしたからであった。

 Apr_mayor_070207_ssv  市長イーストウッド

そのイーストウッドが、カリフォルニア州知事になったアーノルド・シュワルツネッガーに送った言葉。
"Politicians have to make unpopular decisions. Schwarzenegger is going to understand the nature of his job. I wish him good luck, he's going to need it. It's going to be difficult for him."
政治家は大衆から嫌われる決断も下さねばらない。シュワルツェネッガーにも仕事のそんな性格が分かってくるはずだ。運がよくなきゃ務まらないので、幸運を祈ろう。難しい仕事になるぞ」
http://www.japantimes.co.jp/shukan-st/entertainment/newsmakers/newsmakers.htm?f=actor&f=actor&fn=ne_ac_018

この発言もリアリズムである。だてに政治や反戦に発言をしているわけではない。もっともカーメル市はガンマンのいない、のどかな小さな静かな街らしい。その風景を描写した一文。

(カーメル市は)電線もなくネオン看板もなく信号もない。ファスト・フードの店もブランド・ファッションの店もない。もちろんスターバックスもなく、アート・ギャラリーだけで60もあるという町並みは、バランスのとれた清潔な店舗ばかりである。つまり、アメリカなのに、刺激的な商魂も通俗なサウンドもなく、知的な節度と上品な感性に統一された一種の理想化されたドリーム・タウンなのだ。
細越麟太郎 『ミステリー・マガジン タフガイ伝説で舌つづみを打つ』
http://www.ne.jp/asahi/tokyo/furokukai/hosogoe510.htm

 Carmelcarmel1bb Carmel-by-the Sea
 リアリズムというよりツーリズムだが。

【東京映画祭プレミアでの仁義】
クリント・イーストウッドが他の大きな映画祭の魅力的な誘惑を断ったことは、本当に健全なことだと是非とも言いたいですね。というのも、カンヌにしろ、ヴェネチアにしろ、トロントにしろ、みんなが彼の『父親たちの星条旗』のプレミアを狙っていたのですから。ところがイーストウッドは他のどこでもなく、東京を選んだ。『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』の二部作のプロジェクトに着手し、その後、このプロジェクトをここTIFF(東京映画祭)で初公開したいと望んだことは、彼にしてみれば非常に首尾一貫したことだったと言えるでしょう。

これは、2006年10月21日から29日まで行われた「第19回東京国際映画祭」で「コンペティション」部門の審査員メンバーを努めたマルコ・ミュレール氏のインタビュー録である。興業面を考えればカンヌもベェネチアもあっただろう。だがイーストウッドは、2つの映画の特性、映画製作の視点から考えて、きわめて率直かつ妥当な、配慮のある決断をしたのだった。

【Oscar goes・・・】
先のグラミー賞では、イラク戦争を仕掛けたブッシュ大統領を批判したディクシー・チックスが主要な賞を総なめした。グラミー賞では、ディクシー・チックスを紹介したジョーン・バエズ(反戦活動で有名)は「言論の自由と闘ったブレイブ・ウィメン」と彼女たちを紹介していた。グラミーにしろオスカーにせよ、近年は政治的・社会的なトレンドや雰囲気を反映した投票が行われている。明日もほぼ間違いなくクリント・イーストウッドと思われるが。

 200pxfirst_iwo_jima_flag_raising  旗は立つか。

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

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