« marimekko 自然がモチーフ | トップページ | 勝手にアドバイス 旬ネタ 「・・・ならでは」の伝承 1.ユナイテッド・アローズ 理念ブックの伝承 »

2007年3月11日 (日)

ディクシー・チックス Shut Up and Sing

Cherryさんに勧められて読み出した本『実践講座ライフスタイル・マーケティング』はおもしろい。今さらセグメンテーションなんて・・・と思っていたが、読み出すと的を得る分析がいくつもあって楽しい。日本人を8つのセグメントに分けて、それがなかなか当たっている。

ライフスタイル別の特徴として、好きなタレント、有名人というのがある。

 「良識」 本田宗一郎、吉永小百合、松井秀喜
 「アチーブ」 Mr.Children、B'z、オダギリジョー
 「プレジャー」 Mr.Children、Orange Range、ダウンタウン
 「規範」 氷川きよし、高橋英樹、吉永小百合
 「クール」 市原悦子、氷川きよし
 「平穏」 明石家さんま、黒木瞳、松嶋菜々子
 「ナイーブ」 Orange Range、ダウンタウン、ナイナイ
 「やりくり」 久本雅美、仲間由紀恵、青木さやか

この本の著者企業(ODS)のサイトにある簡易アンケートをやると、わたしは「アチーブ型」なのだが、オダギリジョーはかっこよいと思うが、Mr.Children、B'zなんて・・・何せ洋楽派だから。

と、ほとんどマクラにならないですみませんが(笑)、今日のテーマは洋楽、ディクシー・チックス。ミクシィにはチックスのコミュニティがあるがたったの500余名。カントリーを超えたカントリー、今年のグラミー賞を総取りなのに、日本での知名度は低い。来日すれば間違いなく一大ムーブメントになるのに。

それを先取りして、先週Amazonから届いたDVD『Shut Up and Sing』の感想&考察を書きたい。

【勝手にアドバイス Vol.135 ディクシー・チックス Shut Up and Sing】
Shut Up and Sing』は、2003年の「あの事件」から2006年の新アルバム(Taking the long way)発売までのドキュメンタリー映画である。この3年間のディクシー・チックス(マーティ、エミリー、ナタリー)やバンドの面々、マネージャー、プロデューサーやチックスの家族たち、そして事件に助言した弁護士までが出演する、単なるプロモーション映画を超えてとても異色のコンテンツが収められている。

【あらすじ】
映画は2003年のスーパーボウルでの国歌斉唱をディクシー・チックスが歌う場面から始まる。年に一回のスーパーボウル、国歌を歌えるのはたった一人(グループ)だけという、まさに頂点の栄誉から一転して、ロンドンでのコンサート。時はちょうどブッシュ政権のイラク戦争の開始時期と重なり、ロンドンでは大規模デモもあった。そのコンサートでナタリーが、「we're ashamed that the President of the United States is from Texas(わたしたちテキサス人は、米国大統領が同郷出身ということを恥じる)」とMCで発言した。皮肉にもその発言の前に歌ったのは、「Travelling Soldier」というベトナム戦争従軍兵士や残された恋人たちの哀歌だった。

Cap005    

これをきっかけに保守的なカントリーソングファンが一斉にディクシー・チックスを排斥する行動に出た。米国ではイラク支持が大勢で、ブッシュ政権の支持率も絶頂だった。チックスのCDが捨てられ、踏みつけられ、ラジオ局ではチックスの曲が禁止された。最初は単なる失言として処理できればと考えていたチックスも、予想外の反応に対して、逆に謝るものかと開き直り、発言の自由を主張した。雑誌の広告ではプロテスト・ヌードまで展開した。だが排斥は脅迫にまでおよび、襲撃を宣言するメールが寄せれるにあたって、コンサートでのセキュリティが強化されたこともあった。当然、保守的な街では、コンサートそのものがキャンセルされたことも多かった。

その間の気持ちをぶつけた曲が「Taking the long way」「Not ready to make nice」などであり、そのレコーディング風景も収録されている。新アルバムはラジオ局のバックアップ無く発売され(結果は大ヒットだった)、コンサートも開催が危ぶまれたが、新しい顧客層の開拓もありこぎつけた。

【この映画をどう見るか?】
この映画の見どころ/観点は、いくつもの視点がある。

①無邪気な国、アメリカという観点
9/11、イラク戦争に限らず、アメリカという国はイベントに流されがちなところがある。何か事件があると、愛国心や自由主義、国益、民族主義・・・などを巡り、大きく世論が揺れる。他民族国家という存立ゆえだろうか。このディクシー・チックス事件も、ナタリー・マインズという、ロック魂のやんちゃな娘の率直な意見に過ぎない。過剰な反応で多くのラジオ局の運営、メディアにまでに影響するとは・・・。

なお、新聞でもよく見掛ける「ネオコン」とは、もともと左翼でリベラルな人々が、保守に鞍替えしたからネオコンと言われるのであって、この場合のコンサバな人々はオールド・コンサバとでも表現ができそうだ。

②プロテスト・カントリーという新ジャンルの観点
他のロックミュージシャンもナタリーの失言(?)と似たことを発言しても問題にならなかった。それはカントリーソングは、古き良き時代、故郷を歌うものというイメージがあるからだ。そのイメージを壊されたオールド・ファンには仕方ないだろう。そしてその音楽性はカントリーを超える展開力がある。

 Cap003 ナタリー・マインズ

③チックス・ファンの観点
素顔のナタリー(そばかすが多い)やエミリー、マーティが、コンサートに入る前にだんだん綺麗になっていく姿は見物である。化粧って恐ろしい(笑)。しかし彼女らの素顔、この映画の魅力の大部分だと思う。

わたしはアルバム「Taking the long way」の録音風景がとても興味深かった。デモテープを録音し(ドラム担当はレッド・ホット・チリ・ペパーズのドラマー)、プロデューサ宅に持って行くと、そこには毛むくじゃらのプロデューサーと毛むくじゃらの犬がいたりして(笑)。そして下手なロックコンサートより激しくダイナミックな演奏のコンサートの風景も収められている。日本人の思うカントリー=演歌ではまったくないので。早く生でそばかすを見てみたい。

加えて家族の姿も興味深い。3人のチックスには7人の子どもがいる(双子がふたつ)。不妊治療を語る場面や出産などのシーンもある。わたしの中ではロックの申し子のようなナタリーに、子どもがいること結びつかなかったが、ママぽくない顔を見てさらに納得してしまった。

④ドキュメンタリーか演技かという観点
ビートルズの映画「ヤア・ヤア・ヤア」の昔から、ミュージシャンの映画は「臭さ」があった。演技ぽさ、わざとらしさ、売らんかなぽさ・・・この映画でも、一部ナタリーらに演技ぽさが感じられるが、それはほんの一部である。全体は自然な流れであるし、この間のプレッシャーに押しつぶされそうになったマーティの涙には感じてしまった。ウォルター・マッソーのような顔のマネージャーも自然でおもしろいキャラクター。この映画の主演男優賞だろう。

 Cap007  マーティ・マクガイア

⑤芸人魂という観点
チックスは1989年のグループ結成である。大ヒットを飛ばしたメジャーアルバム「Wide open spaces」は1998年発売、つまり苦節10年弱の売れない下積み時代があった。マーティが映画の中で言うように、チックスとは「仕事というよりライフスタイル」なのである。簡単には瓦解しないということだろう。ほんとに仲の良い三人組である。

 Cap006_1  昔のディクシー・チックたち。

グラミー賞アルバム「Taking the long way」の中の同名の曲は、「回り道をして」だが、なかなか売れなかったことと、この間の事件からの立ち直りのふたつの意味を込めた曲である。やっとつかんだトップグループの座。こんな事件で失いたくない、むしろ事件を糧にしてもっと売ろう、何でもマーケティングにしてしまうスピリットを感じる。

なお、映画の中にもあるディクシー・チックスに対する抗議のプラカードに、「Shut Up and Sing/黙って歌ってろ!」。これが映画のタイトルになった。ちなみに2006年の彼女らのコンサートツァーは「Accidents and Accusations tour’ 災難と言いがかりツアー)」と名付けられている。こういう反骨さ、わたしはとても好きだ。

 Cap004 わたしと同じ月日生まれのエミリー・ロビンソン
 
【私的な勝手なアドバイス】
音楽にも(ODSによれば)8つのライフスタイルごとに好みがあるので押しつけられませんが、ディクシー・チックスというスタイル、ムーブメントに近いパワフルさを感じる。機会があればCDやDVDに触れてもらいたい。

 Cap002  Shut up and sing!

今日は以上です。ではまた明日。Click on tomorrow!

|

« marimekko 自然がモチーフ | トップページ | 勝手にアドバイス 旬ネタ 「・・・ならでは」の伝承 1.ユナイテッド・アローズ 理念ブックの伝承 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/158074/5655592

この記事へのトラックバック一覧です: ディクシー・チックス Shut Up and Sing:

» 画像・アイドル・芸能人大辞典 [画像・アイドル・芸能人大辞典]
芸能人・アイドル・画像などに関する情報をお届けします! [続きを読む]

受信: 2007年3月12日 (月) 00時13分

» おもしろ市場 [おもしろ市場]
おもしろ商品やアイデア商品など驚きの日用品を販売!ダイエットや節約などに役立つ商品を多数取り揃えておりますので是非ご覧ください。 [続きを読む]

受信: 2007年3月12日 (月) 08時21分

» アパレル市場 [アパレル市場]
ブランド服から子供服、バック、お財布などを激安価格にて販売実施中!是非ご覧ください。 [続きを読む]

受信: 2007年3月12日 (月) 08時48分

» 画像・アイドル・芸能人大辞典 [画像・アイドル・芸能人大辞典]
芸能人・アイドル・画像などに関する情報をお届けします! [続きを読む]

受信: 2007年3月12日 (月) 10時37分

» クレジットカードのステイタス [クレジットカードのステータス]
クレジットカードのステータス [続きを読む]

受信: 2007年3月12日 (月) 15時49分

» 美容液エコレーヌ [美容液エコレーヌ]
45分で10歳の若返りを実感!今話題の美容液エコレーヌをキャンペーン価格にて販売中! [続きを読む]

受信: 2007年3月12日 (月) 18時33分

» 欲しい情報を気軽に入手!!必見!! [お得な情報多数掲載!!]
高樹千佳子に初ロマンス!!イケメン男性と“アツアツ”渋谷デート [続きを読む]

受信: 2007年3月13日 (火) 12時28分

» 出演 [ オダギリジョー プロフィール@オダギリジョー出演CM ドラマ 映画紹介]
出演星野法子:鶴田真由里見健一:オダギリジョー藤堂悟史:杉本哲太中田千春:神田うの松村加奈:畑野ひろ子川上めぐみ:小池栄子吉川俊介:佐々木蔵之介工藤和彦:光石研佐伯伸二:佐戸井けん太水沢秀子:猫背椿伊藤恵子:初音映莉子山岡豊:北村総一朗里見弘子:風吹ジュンナレーション:中村正... [続きを読む]

受信: 2007年3月24日 (土) 02時51分

» 小百合恩返しの植樹「命ある限り…」 [最新芸能ニュース速報]
18年計画で財政再建をスタートさせた北海道夕張市を応援しようと、女優の吉永小百合(62)が3日、同市を訪れ、自ら提唱した桜の植樹祭に参加した。 [続きを読む]

受信: 2007年6月 4日 (月) 16時33分

« marimekko 自然がモチーフ | トップページ | 勝手にアドバイス 旬ネタ 「・・・ならでは」の伝承 1.ユナイテッド・アローズ 理念ブックの伝承 »