« 問題研究の人間学 2.セイリ的には問題だろうか? | トップページ | 問題研究の人間学 4.結局のところ問題は何なのか? »

2007年4月25日 (水)

問題研究の人間学 3.誰にとっての問題なのだろうか?

2007年4月23日から書き出した今週の勝手にアドバイス_旬ネタは「問題研究」がテーマである。今日はその三回目。問題解決ではなく、「問題研究」としたところにがあると考えている。

なぜなら問題解決というステップは「すでに問題が提示されている」状態であり、脳トレ次第ですばやく解けるようになるのである。それに対して問題構築というステップは、問題をつくる段階である。解くよりも作る方がむつかしいのは、生徒と先生の関係を思い描けば理解できるだろう。

より重要なのは、問題が発生する状況を考察することである。それができれば、問題の根幹が「なあんだ、そんなことだったの!」ということになる。今日は「誰にとっての問題なのか?」という視点を考えてみたい。

【勝手にアドバイス旬ネタ: 問題研究の人間学 3.誰にとっての問題なのだろうか?】
「そりゃ問題だ!」と誰かが叫ぶとき、それが誰にとっての問題か、突き詰めると明白じゃない場合が多い。ここ数日、東京地方はぐずつき気味の天候が続いている。革靴には雨は大敵である。ちゃんと乾かし、型くずれしないようにシューキーパーを入れておく必要がある。その昔は丸めた新聞紙をぎゅっと詰めたものである(昭和の時代の情景が目に浮かぶ)。そうしたケアの甲斐もなく、靴が嫌な匂いがするようになってしまった。それは誰の問題だろうか?

 Photo_44  MSの画像サイトにくたびれた靴がないもので・・・

①不快に思う本人自身の問題
②誰かを不快にさせると思う本人の問題
③本人の同居人にとっての問題
④誰かを不快にさせると思う本人の同居人の問題
⑤靴を脱ぐお店にランチに出かけた同僚にとっての問題
⑥靴磨きを頼まれる職人にとっての問題
⑦靴修理を頼まれる職人にとっての問題
⑧リフレクソロジーのセラピストにとっての問題
⑨靴の匂いを取らない靴を販売したメーカーの問題
⑩同居する犬にとっての問題

ひとりの足の臭さから展開する「誰にとっての問題」だけでもバラエティがある。

①(自分が不快)と②(誰かに不快さを与える恐怖心)の違いは大きい。①をいくら声高に叫んでもあまり売れない。②に力点を置くことで商品は売れる。「誰かが不快ですよ」という恐怖心に訴求して売っている商品は多いのである。④もまた「誰かに不快」であり、臭い靴が靴箱や土間にあることで、来客を不快にさせると思う恐怖心である。⑥~⑧あたりは何か新しいサービス発生の可能性がある。

自分が不快なだけでは、せいぜい靴の防臭スプレーを買うぐらいだ(600円~)。⑤のランチ時の不快さの防御対策としては携帯スプレーがあるだろう(400円~)。だが夫の足の匂いが妻の問題になり、来客を想定した家全体の問題になるとき、もっと抜本的な対策として、高価(6000円~)な「芳香・除湿・抗菌キーパー高級シダーシュートリー」といったより本格的な対策が取られる。
http://www.rakuten.co.jp/actika/408337/

 D 600円~  Img1024631219 面積的にも6000円

まして夜の和室での接待を考えてみれば、の匂いが原因で接待先のお偉いさんが不快さをあらわにするとすれば、出世にも影響がある(ちと大げさかしら)。匂いが所属部門や妻子の問題にもなりかねない。

教訓は問題を広げて考えようということ。本人だけでなく誰かの問題してしまおう。そうすると問題からニーズが発生し、サイフの紐も緩むものである。

【靴のICタグ事例】
今やいろいろなところでICタグが使われるようになってきた。先行事例としては「靴売場にICタグを導入」という三越百貨店の事例がある。

 P01 風格があります。

婦人靴は、売場と顧客を結ぶサプライチェーンが最も途切れやすい。サイズや色、形が多様なため欠品が多く、在庫確認にどうしても顧客を待たせてしまう。一方販売員は、顧客の要望に応じて売場と靴の倉庫を何往復もしなければならない。百貨店協会の調査によると、1回あたりの平均の接客時間は、靴が売れた売れないにかかわらず、約13分かかるというのだ。
http://japan.zdnet.com/sp/feature/solutionIT/story/0,2000056697,20087138,00.htm

サイズが多く、商品入れ替わりサイクルも早いとなると欠品率が高くなりがちで、婦人向け洋服の欠品率が4~8%であるのに対し、婦人靴は15~16%とほぼ倍近い欠品率になってしまう。
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/special/2006/02/10/7144.html

これらの記事によると、三越の商品本部商品企画部のマネジャーがサプライチェーン上で重要だと考えたのは①品切れを起こさないこと、②顧客を待たせないこと、である。そもそも靴売場は、他の売場に比べて在庫スペースが売場より大きいという特殊さを備えている。「この靴いいわね~サイズある?」と聞くと、店員が調べに裏に行くシーンがよくあるだろう。在庫とスピードが命なのである。

もちろん成功事例の記事であるから、顧客満足もUP、店員効率はUPという結果なのだが、ここでは「在庫とスピード」を追求するのが「誰にとっての問題か?をいったん考えてみよう。

①店舗
②店員
③店舗マネージャー
④卸会社
⑤物流センター
⑥お客(ウィンドウ・ショッパー)
⑦お客(ウィンドウ・リサーチャー)
⑧お客(パース・オープナー)
⑨お客(バーゲン・ハンター)
⑩コンサルタント

いろいろな立場がある。雑誌の事例はきれいに書かれているので、裏がなかなか読めない。そのときは立場を替える(誰にとって問題か?)と新たな発見がある。立場を変えて「自分の問題」として考える

【もしも私が店員ならば・・・】
店員(=私)にとっての問題」としてみよう。そのときの問題は、なぜ私は接客のスピードアップとクロージング率とアップを両立できないか?となる。

「私はランニング(倉庫と店頭)が遅いのではないだろうか?」
「私は探すのが遅いのではないだろうか?」
「私は在庫の在りか、棚の位置を熟知していないのではないだろうか?」
「私はお客のサイズをうまく測れないのではないだろうか?」
「私はお客の色やデザインをうまく誘導できていないではないだろうか?」
「私はお客と接客よりもダベリが多いのではないだろうか?」
「私の背が低いことが悪いのだろうか?(倉庫で上の段の在庫にリーチできない)」

Back01 Back02  Back03

よくある「本文と写真は関わり合いがありません」、のたぐいです(笑)  
出典 http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/special/2006/02/10/7144.html

ランニング力が弱いなら、社員研修では体力アップである。探すのが遅いのはICタグや二次元バーコードで対応できそう。在庫の在りかは整理とシステム両面。サイズ測定はシューフィッティング力。顧客の好みを絞り込むのは観察力。ダベリは良し悪し。背が低いのは仕方ない。

このようにシステム化以前の問題が多々ありそうなことがわかるだろう。誰かの問題にすると、思いがけない問題が出てくるのである。

【三越さんでのICタグ導入効果】
ただ三越さんの場合は相当な効果があった。次の通り。
・売場と倉庫の往復回数の削減=導入前20回、導入後15回)
・接客時間=(前)13分、(後)6分
・売れたケースの接客時間=変化なし。
・売れなかったケースの接客時間=回数と時間が大幅に減少。
・売れたケースの「お調べ回数」(試着したり、問い合わせたり)=導入前1.7回、導入後3.1回

0509_zu02
出典 http://japan.zdnet.com/sp/feature/solutionIT/story/0,2000056697,20087138,00.htm 

三越では卸業者時点で靴商品の外箱すべてにICタグを付け、入荷検品を行い在庫をする。製品型番別にサイズ、色の在庫量がリアルタイムで把握でき、店員の持つPDAにデータが反映されるので、裏スペースまで走らなくても在庫がわかる。さらに店頭に置く端末で、お客様自身が商品のタグを読みらせて、同じ商品のサイズや色の確認ができる。移ろいやすい女心を逃さない、素晴らしいシステムである。

Mitsukoshi02 自分で自分の靴くらい並べなさい!(て言われた)

【原因に飛びつかず、「誰か」に飛びついてみよう】
問題=SWAっ原因となるが、そうすると誰にとっての問題があいまいになりがちである。誰かのことを考えれば、違う地平線が開けますでしょう。ぜひやってみてください。

今日は以上です。お昼にアマンさん(と言うと失礼だよね♪)に「毎日たいへんですね♪」と言われましたが、そのひと言で救われました。こんな駄文・拙文なので書くのは楽です。むしろ読んでいただくのが大変かしら。その日のちょいお楽しみ頂ければ幸いです。

|

« 問題研究の人間学 2.セイリ的には問題だろうか? | トップページ | 問題研究の人間学 4.結局のところ問題は何なのか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/158074/6210004

この記事へのトラックバック一覧です: 問題研究の人間学 3.誰にとっての問題なのだろうか?:

» うぶ毛 リカピン [うぶ毛 リカピン]
59%の発毛率で話題独占中の発毛促進剤リカピン! [続きを読む]

受信: 2007年4月26日 (木) 13時40分

» 発毛促進剤リカピン [発毛促進剤リカピン]
59%の発毛率で話題独占中の発毛促進剤リカピン! [続きを読む]

受信: 2007年4月26日 (木) 14時13分

» エススリムティー [エススリムティー]
飲めば飲むほど痩せられる!安くて簡単、カフェ感覚で痩せられる今までに無いダイエットティーが遂に発売!今回お試し特別価格にて販売実施中! [続きを読む]

受信: 2007年4月26日 (木) 14時47分

» エススリムティー [エススリムティー]
飲めば飲むほど痩せられる!安くて簡単、カフェ感覚で痩せられる今までに無いダイエットティーが遂に発売!今回お試し特別価格にて販売実施中! [続きを読む]

受信: 2007年4月26日 (木) 15時49分

» 営業精鋭兵の短眠起業塾 [キャッシング]
学歴もなく、フリータから何かのマグレで超一流企業に受かった私は営業マン。初めは右も左も分からなかったが、そんな私が会社で健康的な短眠という武器を使いCCNA、CCNP、弁理士資格を筆頭に次々と難関資格を撃破して営業成績をあげ、また株で着実に資本を増やし起業していく姿をリアルに描く。その姿は常に現実と抗い、既存の体制を揺るがすスタンスを持つ。また独自の人生哲学とより豊かな人生を送るための商品などを語りたいと思います。... [続きを読む]

受信: 2007年5月 3日 (木) 00時48分

» アサヒフードアンドヘルスケア、CVS限定のダイエットサポート食品「スリム アップ スリム デイリー」 [リバウンドしない楽ちんダイエット]
アサヒフードアンドヘルスケア、CVS限定のダイエットサポート食品「スリム アップ スリム デイリー」から2アイテムを発売マイライフ手帳@ニュース (プレスリリース)スリム アップ スリムデイリー」シリーズは、“手ごろな価格”と“携帯に便利”な容器で、気軽にどこでもバランスよく栄養を摂りながらカロリーコントロールができるダイエットサポートのお手軽アイテムだと説明する。今回発売となる「スリム アップ ...... [続きを読む]

受信: 2007年5月 7日 (月) 23時12分

« 問題研究の人間学 2.セイリ的には問題だろうか? | トップページ | 問題研究の人間学 4.結局のところ問題は何なのか? »