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2007年5月の32件の記事

2007年5月31日 (木)

クールビズ2007

今日は明日(2007年6月1日)から始まるものがテーマである。それは・・・ビジネス街のクールビズ!

ひと足先にネックのクール化を実行している人もチラホラ見受けられるが、本格的には6月1日からの会社が多いだろう。クールビズが定着し出してから3年目を迎え、今やドゥエボットーニのシャツも普通になった。 もはやクールビズという言葉自体に新規性は無い。

だがシャツだけクール(涼しい)でいいのだろうか?それがほんとうのクール(かっこ良い)だろうか?未だ課題はある。他人の視点、女性の視点、我が鏡を見ても・・・。今日のテーマはクールビズ2007で昨年までのクールビズをぶっ飛ばそう。

【勝手にアドバイス Vol.179 クールビズ2007】
丸2年前だからクールビス元年のことだ。同僚のム~氏は真顔で悩んでいた。クールビズをしたときに(つまりタイを外し襟のボタンを外したとき)、胸元のシャツを見せるべきか見せないべきか、それを課題化していた。シャツが見えないVゾーンのほうが、女性はセクシーかと思うか、同僚の女性TAMさんに訊いた。

TAMさんは誰にも悟られないほど(だいたい100分の3秒ほど)、かすかに気だるそうな表情をした。めざといわたしはそれを見逃さなかった。さすがにこの業界で生き抜いてきた彼女である。にっこりとして「どっちでもわたしは素敵だと思うわ♪」と言った。それゆえにム~氏の悩みは深まったかどうかわからないが、結局彼はVネックの下着を何枚か購入したと思われる。

 Ita0605112Vゾーニング。

そのことを思い出したわたしは、今年、同僚のまゆさんに同じ質問をぶつけてみた。すなわち「襟首からシャツが覗いているのは気になるものか?」と。まゆさんは、「ん~・・・」としばし考えたのち、こう言った。「胸から見えるのが、認識票とかファイテンだったら許せるわ」。

彼女曰わく、おじさんならおじさんらしくしろ!というメッセージだったのだ。ちゃらちゃらしたネックレスなんてお呼びじゃない。認識票だとベトナムの影をひきずる男だ。ファイテンの磁気ネックレスならおじさんらしくて可愛いわ!と。たかが襟首、されど襟首。

 0760010001138370345 RAKUWAネック ニューソリッド

【働く女性へのアンケート調査では】
昨年(2006年)7月、インテージが実施した「クールビズに対する働く女性の意識調査」によれば、「クールビズに求めるのは「清潔感」で、働く女性の8割が肯定派―。京浜・京阪神の企業や団体に勤務する女性を対象にしたネット調査で、そんな結果が出た。クールビズに賛成(「やや賛成」30.4%含む)という女性は76.7%に上る
http://www.intage.co.jp/news/2006/nr060727.html

男性のステキなクールビズファッションの必要な要素は、1位「清潔感」(77%)、2位「爽やか」(51%)、3位「涼しげな色合い・清涼感がある」(48%)となっている。清潔で爽やか、言ってみれば、15歳ゴルファーのはにかみ王子のようなさわやかさが求められるのだ。

  Graph_200608_26_005

2005年の首都圏のOLに聞いたサンケイリビングのアンケート調査はもっと痛烈である。
・ワイシャツにネクタイを外しただけだと、汚職で捕まった社員のよう。(メーカー・37歳)
・シャツの襟や袖にピシッとアイロンがかかっていないのはNG(旅行業・27歳)
・スタンドカラーのシャツはやめて。できそこないの占い師みたい(メーカー・37歳)
・スーツの上下をジャケットのようにして違う組み合わせにして着るのは、違和感大あり(小売業・36歳)
・「チョイ悪セクシーオヤジ」みたいな人がいるが、「違う」と思う(商社・35歳)

http://www.sankeiliving.co.jp/mrs_report/letter/20050715_2.shtml

【オヤジも抵抗している】
イオンではノーネクタイは「だらしなく見える」と抵抗のある男性客からの要望に応えて、芯を薄くしたネクタイや、織り目の粗いネクタイが売れているという。三越でも麻素材やニットタイが動いている。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/K2007051201820.html?fr=rk

 Ok20060511092357773l2 軽やかなタイ。

個人的には開襟オヤジになりたくないし、そう見られるのも嫌だ。だからわたしはクールビズに抵抗をしていた。だが、あえて薄手のネクタイを買うというのも・・・屋上屋を重ねるような気がするが。

【サスペンダーやポケットチーフで】
JR名古屋高島屋ではボタンダウンシャツ+サスペンダーを売り込む。

 約3年前から全国的に定着傾向にある「クールビズ」だが、昨年ごろから定番化しつつあるボタンダウンシャツの開襟、ノーネクタイスタイルだけでなくポケットチーフやカフス、ピンズなど、小物で変化を楽しむ傾向も人気が高まりつつあるという。
http://meieki.keizai.biz/headline/389/ 

 1177997277_photo ちょいゆるめ。

サスペンダーの中心価格帯は6,300円~8,400円。小物で単価アップをねらうというねらいもあるだろう。オシャレ感があるが、問題は自分に似合うかどうかだが。

【勝手にアドバイス】
クールビズ2007商戦の主戦場はシャツからニットタイやサスペンダー、チーフやカフスに移っている。半袖のカッターシャツを開襟して、そこから吸湿に優れる丸首クレープシャツの丸見えをどうこうという時代ではないようだ。

わたしはクールビズ2007のポイントは、「服だけの問題ではない」ということだと思う。清潔感あるシャツ、汗っかきではない(非メタボリックな)体質と体形、趣味の良さとワンポイント、そしてファッションとは「やせ我慢」でもある。暑くても涼しい顔の紳士な振る舞い。こういう要素が総合的に問われるのがクールビズ2007である。今日は以上です。

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2007年5月30日 (水)

立って、骨が多くて、ジッパーでポン!それは何?

雨が降ったり止んだりのグルーミィな天気の一日でした。もう梅雨入り何だろうか?こういう鬱陶しい日はなんとなく心もふさぎがち。わたしはどうして言葉ってこんなに伝わりにくいのだろう?と思いあたることがいくつもあった日でした。反省もしますが、それもこれもカラリとしないこの天気のせいだろうか。

そんな雲を吹っ飛ばせ!というねらいもこめて、今日は心にぽっと咲かせるをテーマにしたい。コンビニの350円傘はあんがい丈夫で重宝するが、それでは満足できないのがモノ心。たかが傘、されど傘。

【勝手にアドバイス Vol.178 立って、骨が多くて、ジッパーでポン!それは何?】
まず最初にご紹介するのは「Stand Umbrella」である。文字通り立つ傘。

 250 大きくしてみて。

使わない時のことを優先して考えた初めての傘
傘が立ててあると思い、持ち手から下へと目を移す。とそこにあるはずの傘立てがない。あるのは、思わず笑ってしまうほど控えめな存在感の三本の脚。呆気にとられてしまいつつも、なるほどと唸ってしまう、畳むと自立する傘です。

出典 http://www.100per.com/

Stand Umbrella(スタンドアンブレラ)」はデザイナー坪井浩尚さん の作品。電車の中でも使っていないときは邪魔になるのが傘。ええぃ!自分で立っていろ!てな命令をしてもしなくても、とにかく自立してくれる傘である。その特異な火星人のような足はABS樹脂である。

【試作に次ぐ試作であった】
坪井さんによれば、安定して自立し、かつ安全の両立には、重心位置や三本足の形状など試作に試作を繰り返したという。しかも持ち歩くことを考えれば邪魔になってはいけないし、重くてはもちろんだめ。アイデアは良くても、モノづくりをする上では苦労があったという。

Stand_umbrella01 独り立ちは4200円。

白状するが、通勤電車の中で傘が邪魔なので、持ち手の柄をズボンの胴回りに差し入れて本を読んだこともある。いとみっともない。この三本足は電車の揺れには倒れるだろうが、自立ニーズは大きい。

【骨が多い傘】
先日雨の日にCherryさんと歩いていた。するとある男性が持っていた傘に目がとまった。どこか優雅な雰囲気がある。あとでCherryさんと話したときに、雨なもので何気に傘の話になった。「さっき、あの傘、見ました?」 わたしはピンと閃いてウンとうなずいて「あの、唐傘みたいに骨がたくさんあったやつでしょ?」と。つまり骨の多い傘。

 C137205  24本傘。

他にもいくつか種類があるが、あんがい安くて2000~3000円から購入できる。骨が多いだけでなぜ魅力を感じるのだろうか?確たる答えはないが、わたしの印象は「骨が多いと、どこか優雅で繊細」。持ち手を優雅な人!と演出し、引き立てるような感じがある。

 17151911_sl_1hm_06_21268_sam1  これは16本傘。わたしは男ですが惹かれる柄。

【ジッパーでポン!】
自立してくれなくても小さくなってくれれば鞄にすっぽり。最近の傘はずいぶん小型軽量が進んだが、この傘は小型軽量にプラスして質実剛健の丈夫さがある。

 Img10042174024
http://www.rakuten.co.jp/nuts/432490/650001/

知る人ぞ知るブランドのクニルプス(KNIRPS)は、折りたたみ傘の代名詞の会社。折りたたみ傘は1928年にHans Haupt(ハンス・ハウプトさん)によって発明され、それを世界初の製品化に成功したのがクニルプスである。「X1」は直径940mmと充分な大きさながら、たたむと直径60mm、長さ175mmと小さくて、このようなジッパーケースにポンと収まってしまう。

  Photo_64  ペンケースな収納。

【おまけで、賢い傘立て】
Cherryさんから教わったのは、この長短兼用の傘立てである。これはとても賢いデザイン。
 
 Img23512937  これが・・・ Img20631433こうなる。

家の玄関には長い傘を入れる傘立てはあっても、折りたたみ傘を置いておく場所がないことは多い。そのまま置くと、靴に倒れかかって靴まで濡れるなど具合が悪い。アンブレラホルダーBICOは4500円。

【傘といえば身近な発明品】
だれでも一度は「こんな傘が欲しい!」と発想してみたことがあるのが傘。特許庁の検索エンジンで特許・実用新案の公開件数をサーチしてみた。「」というキーワード、平成5年以降の公開公報から検索で、8,240件(特許 6,148件、実用新案 2,092件)だった。

ちなみに、同じ条件で「カッパ 700件」「レインコート 110件」「傘立て 240件」だったので、雨関連では傘の発明件数は多い。

雨関連以外はこんな感じ。「眼鏡 7,500件」「手帳 1,300件」「コンタクトレンズ 2,400件」「ボールペン 2,900件」「携帯電話 35,000件」「マウス 17,000件」「コンピュータ 26万件」「バッグ 24万件」。
http://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/be_search.cgi

【勝手にアドバイス】
傘という誰でも使う日常用具には、まだまだ発想の余地がありそうだ。素朴にこんなのがあれば!という発想が効きやすい商品である。「立っていて」「優雅に」「ペンケース」・・・良い発想です。わたしなりに3つほどジャストアイデア。

①強風でひっくり返っても元に戻る「形状記憶傘」。くらげ傘なんてネーミングで。
雪の日専用の傘(雪の結晶模様が凍結して透けて見えるなんてロマンチック)。
③駅売り
新聞を耐水紙で印刷する(雨の日には駅売り新聞を耐水紙で印刷して販売する。雨が降ったら新聞をアタマにする光景からの発想)。

今日は雨に打たれて以上です。

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2007年5月29日 (火)

開け、家!

わたしの実家は都内の下町。そこに引っ越したのが幼稚園くらいの頃だった。実家の家には、小さいけれど縁側(えんがわ)があった。縁側のどんづまりには浄化槽式のトイレ(深くて引き寄せられそうで怖かった)、手前には足踏み式のミシンが置いてあった。たった間口3mほどの廊下兼縁側は、子ども心には宇宙への入り口だった。小さな庭には木もあり草もあり青蛙がいた自然があった。

縁側と庭を行き交ったのは、スイカの種であり、猫であり、庭の焚き火の煙や雪つぶて。風鈴やすだれがパーティションだった。親に怒られたときのくやし涙もこぼれた。繁華街で迷子になってひとりで歩いて帰ったときの嬉しい涙も落ちた。脱ぎ捨てた靴やサンダルはいつもごろんとひっくり返っていて。小さな昭和の風景があった。

 Sany0379 人さまの写真ですが、こういう光景がウチにもあった。

ノスタルジーに浸ったわけでないけれど、Open Houseという展示会のニュースに触れたとき、今どきの家は閉じるばかりで閉鎖系だと思った。開放系にはオープンな思い出が良く似合うように、閉鎖系にはクローズドな思い出がよく似合うだろうか。もっと家は外に開くべしというのが今日のテーマ。

【勝手にアドバイス Vol.177 開け、家!】
カリフォルニア州パサデナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで、2007年7月1日まで『Open House: Architecture and Technology for Intelligent Living』が開催され、そこで10の環境にやさしい家の展示がある。そのテーマは日本語でいう「オープンハウス」ではなく、開け、家!である。いくつか見てみよう。

【Open the House!(開け、家!)】
ほとんどどんな天候でも体温を一定に保つ衣服というビジョンをもとに、"Open the House!"プロジェクトは、エアコンで制御された閉ざされた空間から建築を解放する」がコンセプトである。

Openhouse_openthehouse2

文字取り「開いた家」である。エアコンを追放し、経済的な建築を目指すというもの。熱さ寒さは特殊繊維でつくられた保温・吸湿に優れた服で凌ぐというアバンギャルドなデザイン。アメリカ版縁側だろうか

【Jellyfish House(クラゲの家)】
クラゲのネーミングは、この家が土壌を改良する浮遊物のような家から。湿地に建て、レース状の建築構造で雨水を集め、排水を濾過(ろか)し、有毒な土壌を改良するという。家自体が環境を改善するというコンセプトで作られた。

 Openhouse_jellyfish

建築廃材、シックハウス、過敏症、ダニやほこり・・・人間を守るべき家が環境や人間にやさしくないのはよくあることだ。このコンセプトはそれを180度転換して、「環境を良くする家」というもの。

【Seoul Commune 2026(ソウル・コミューン2026)】
デザイン・コンシャスな韓国人デザイナーからの提案は「緑と一体になった公園の棟」。コンセプトは公園と居住棟を一体化するというものである。

 Openhouse_commune

「公園の棟に住む」のはソウルという都市部の人口と建物密度の改善策でもあるという。通常の都市開発であると緑化エリアと居住エリアは区分されているがそれを一体化させてしまおうというところが新しい

【Thinking Ahead!(将来を考えよう!)】
このデザインをつくった建築家は、将来とは老後のことだという。誰もが年をとり、そして死ぬ。老人ホームより自宅でピースフルに死にたいだろうと。

 Openhouse_rojkind

このコンセプトハウスには、気分を高める照明や、超音波検査を行なうシャワー、ネットワーク接続されたビデオ画面付きのフロータリウム(液体に浮かぶセラピーを行なう設備)などが組み込まれている。

【キース・リチャーズのドクロ】
実際にはこんな家には住めないだろうと多くの人が思う。吹き込む風でCDのライナーノーツが飛んでいっては困る。蚊の殺生ばかりしててもブログが書けない。家の中に生えてきた木に鳥が住んだらどうしようとか(その時はぜひ青い鳥を飼いたい)。・・・なんて現代人の今の生活主義の不安が先になってしまう。

だが封切り仕立ての『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』に出演するキース・リチャーズは、指のドクロでも有名である。なぜそれをいつもはめているのか。彼曰く、「ひと皮むけば人間なんてみな同じドクロに過ぎないぜ」。薬指に注目。

 Img_1418288_30874587_1  My all time hero.

ひと皮むけば、家とは自然と居住環境を分け隔てる人口のコンセプトに過ぎない。現在のマンションの原形はほんの40年前に住宅公団という御上の都合と業界の要請から作られた、きわめて「人工的なもの」なのだ。こんな人工的な出来合いのコンセプトを是とするから、シックハウスやアレルギーや、孤立する子どもや予測不能の情動に、わたしたちは悩まされているのではないだろうか?

【勝手にアドバイス】
そうは言っても、全室がナチュラルだと現代人にはしんどいならば1室だけナチュラルないしジャングルにするのはどうだろうか?ちょうど宇宙船の船外活動のように、中立空間でハッチを閉め、外気づくしの家に入るのである。そこは言わば現代の家という機密空間からの大気圏外である。

密林コンセプトでアマゾン化する部屋を作ってもいい。青い鳥や渡り鳥がいっぱい訪れる部屋もいいな。いつでもテント設営もよし(妻と喧嘩したらそこで寝れるしね)、禅寺のごとく柱だけの日本間もよし、猫遊技場もよし(Cherryさん、どぉよ?)。

自然と背中合わせで、愛が成長し、前向きなエイジングを迎えられる笑顔の生活。それがほんらいの家であったはずだ。今日は以上です。

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2007年5月28日 (月)

強烈な反省論

寒かった今日は、隔週で書いておりますぷろこんエッセイより転載です。
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よろしくお願いします。

強烈な反省論

一般に企業の業績悪化と社内の危機感は相関しない。むしろ逆相関の関係
だと言ったほうがいい。つまり、業績の悪い会社ほどたるんだ雰囲気である
ことが多く、業績のよい成長企業のほうががぴりぴりしている。
      『2年で会社を変えられますか V字回復の経営』 三枝匡著

514t12mkgzl__ss500_代表作。

            VVVVVVVVVVVVVVVVVV

変われる会社と変われない会社、その境目はどこにあるのだろうか?

もう何年もコンサル稼業をやっているので、うまくいったプロジェクトとうまく
ゆかなかったプロジェクトの両方をいくつも経験してきた。プロジェクト開始前
に、うまくゆくと予想したプロジェクトと、うまくゆかないかもと腹の底で感じた
プロジェクトがあった。自称感の鋭いわたしの予想はたいがい当たっていた。

それなら「うまくゆくようにやるのがプロだろう?」「お前は料金泥棒か?」と
言われるだろうが、手がかゆいところに届かないときもある。かゆいところが
わかっていても・・・。

かゆいところとは、今どき流行りのはしかではないが、疱疹(ほうしん)ができて
いたり、赤くなっていたりする。だから疱疹を早めに鎮痛させるか、大きくなって
しまっているなら、とらねばならない。

だが肌が敏感でない人もいるように、かゆいことや疱疹に敏感じゃない会社も
ある。あなた、ここがかゆいはずですよ!かいてあげましょうか?鎮静しないと
だめですよ!だが誰でも赤の他人には肌をかいてもらいたくない。クリームを
付けてもらいたくない。赤の他人扱いのうちは、お客さまがたとえかゆくても、
わたしたちもかかせてもらえない。改革プロジェクトの心理戦はこういう側面が
ある。

ましてかゆくても、自ら手を伸ばそうということにさえ怠惰な会社であれば、
疱疹はそのままで放置されてしまう。いや「あえて放置しておこう」という、負の
積極的な意思さえ働くものである。

            VVVVVVVVVVVVVVVVV字

このあたりのことをまっすぐ指摘し、現場の改善に内部からも手を染めてきた
のが三枝匡氏である。冒頭に引用させていただいた『V字回復の経営』の一文
にあるように、打てば響く会社も、たるんだ雰囲気の会社もコンサルティングを
されたが、現在は製造業のミスミで、創業者の田口弘氏の後継者として事業
拡大と成長を実践している。

先日(2007年5月17日)わたしは「新・現場力の論理」というセミナーを聴講し、
その中で三枝氏の講演に心を奪われた。今は経営者なのであまり講演を引き
受けないという話もあった。氏の話をその日の聴講者だけのものにしておく
のは非常にもったいないので、わたしの感じた講演の核心を紹介したい。

核心と感じたのは「強烈な反省論」である。

            VVVVVVVVVVVVV字VVVV

企業の変革とは、マイナスのモメンタム(勢い)をプラスのモメンタムに変化させ
ること。このままではどんどん奈落の底に向かって行くマイナスの坂にいる。
それをどこかの地点で、ぐぃっとプラスの坂に転じさせなければならない。氏は
変革の死の谷を越えるという表現をしていた。

プラスに転じるためにタスクフォースや、われわれのような会社が入るとコン
サルティング・プロジェクトと呼ばれる変革チームが発足する。各部署から
優秀な社員が集められる。現状分析、市場分析、事業領域の再検討、技術
デザインの修正・・・さまざまな視点から、変革への道筋をつくろうともがく。
ところが時は日々うつろい、成績は毎月締められる。数字に変革効果が表れ
ないと、果たして改革は進んでいるのだろうか?とチーム内にも疑問がもた
げる。一般社員からは何をやっているんだ?という声も聞こえてくる。

マイナス坂が、プラス坂への交点にさしかかるまでの不安である。

まだマイナス坂なのだろうか?それともプラス坂に転じたのだろうか?交点が
見えないのであせる気持ちが出てくる。エセ改革者は、その不安に耐えかねて
「オレは最初からうまくゆかないと思っていたよ」と評論家ポーズを取りだす。
耐える者もいる。

耐えて不安を払拭し、プラス坂への交点までがんばり抜く力とは何だろうか?

三枝氏は「プラス坂に昇るために考え抜いておくこと」が準備だと言われた。
考え抜くとは分析だろうか?知識だろうか?知恵だろうか?いずれも必要では
ある。だがどこか腹に響かない要素である。不安の払拭には直接的には関係
がなさそうである。不安を払拭するのは、頭の作業ではないような気がする。

三枝氏は最も必要なことは「強烈な反省論」と表現した。

オレも悪かった。いやオレこそ悪かった。ゼロからやり直そうや。こういう声が
社内の多くの部署から聞こえてこないかぎり、改革は絶対にうまくゆかない。
ミスミでは社内の資料は三部作だそうだ。それは「強烈な反省論」「変革シナリ
オ」そして「アクションプラン(実行計画)」である。

変革シナリオやアクションプランがうまく描けないときは「どうもまだ強烈な反省
論が足らないな」と言い合って反省をし合うそうである。反省なきところに改革
なし。業績回復もない。

            VV字VVVVVVVVVVVVVVV

わたしのこれまでのコンサルティング・キャリアで、もっとも強烈な反省論が
あったのは、某社でのプロジェクトである。構造改革をしないかぎり明日は
無いという状況がそうさせたのであるが、必ずしも全社に反省論があったわけで
はない。自己保身もあれば、無関心もあった。責任転嫁も節々に見られた。
だが当時のプロジェクトメンバー一人ひとりには反省論が強烈にあったから
こそ、プロジェクト自体が強烈な反省論に満たされた。その結果、反転のきっか
けをつかみ、業績回復軌道に乗ることができた。

そのときの最終報告書には、強烈な反省論を忍び込ませてあった。それは
責任論である。三枝氏も講演で言っていたが、強烈な反省論とは、実は一行で
済ますこともできる。「XXXXが責任を取って辞めてください」である。

かゆいところはだいたい一箇所である。そこをかくのは、強烈な反省論が
あってこそできるのである。

            VVVVVVVVVVVVVVV字VV

強烈な反省論が必要なのは、事業改革だけではない。個人の目標にも通じる
ことでもある。それはもがいて悩むということ。これはあんがい体力を消耗する
し、堂々巡りになると心理的にはつらい。

強烈に反省するためには、竹のししおどしに水が溜まり、こ~んと響くまでに
時間が必要なように、時間がかかることではある。だが溜まったはず水が、
いつの間にかお尻に開いた穴から、ちょろちょろと漏れていないとも限らない。
穴を指でふさいだり、指をずらして水を抜いたりするのが、ストレスマネジメント
というのだろう。

 E1  Koooo・・・n

個人的な強烈な反省論とともに・・・わたしの年では反省も手遅れ。でも開き直れも
しない。ししおどしでは足りず滝に打たれるべしでしょう。今日は以上です。

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2007年5月27日 (日)

±0の深澤直人デザイン

今日(2007年5月27日)日曜日は7月上旬並というとても暑い日でした。その暑さの中、わたしは表参道をゆっくり歩き、ヒルズのデルフォニックス(文具)に立ち寄り(だが何も買わず)、裏道にIDEE Shop(家具、雑貨)を見つけて立ち寄り(だが何も買わず)、その時間が来るのを待っていた。

 Photo_62  Shop_ecarteimg_070425
  http://www.delfonics.com/                  http://www.idee.co.jp/shop/ideeshop/

それと言うもの、1冊の本に9000円を支払うのだから、今日は文具も雑貨もいいでしょう、と思ったから。1冊の本とは、 ±0 STOREで購入する深澤直人氏の作品集「NAOTO FUKASAWA」である。なぜここで買わなきゃならないかといえば著者、すなわち深澤直人氏のサイン会があるからである。

今日の勝手にアドバイスは、そもそもはCherryさんにそそのかされて(言葉悪いかしら?)買う羽目になった深澤直人本をめぐり(だが買ってよかった)、氏のデザイン哲学を考えてみた。日曜日にはうってつけのテーマである。

【勝手にアドバイス Vol.176 ±0の深澤直人デザイン 】
青山の子どもの城方面に歩き、ちょいと裏道にある±0 STOREに入った。予約番号は33番。9000円の本を買って(Amazonならもっと割引されているのに)、限定100名のサイン会の始まりを決して広くはない店舗で待った。写真でしか見たことのなかった深澤デザインの品々が陳列されていた。

 Alomatop もっとも有名なデザインのひとつ。

深澤直人さんデザインの加湿器がMoMA永久保存作品に
http://www.shibukei.com/headline/4059/

深澤オタクのわたしは、陳列品はほとんど知っている品ばかりだったが、知らなかったのが22型液晶テレビのリモコン。これは逆さまにしたチューブのかたちなのである。資生堂のTSUBAKIのトリートメントそっくりなのである

 Img1_21リモコン A293400h_lトリートメント

商品をもっとお知りになりたい方はこちらへ。
http://www.plusminuszero.jp/index.html

【サインもらったぞ!】
深澤直人氏と言えば日本を代表する工業デザイナー。サイン会では氏を目指すようなデザイン科学生みたいなやつらばかりが多くて、ロートルのわたしはすこし肩身が狭かった。だがそこいらのオッちゃんのようなスニーカーを履いた氏は丁寧にサインと握手をされていた。写真を撮ることはできなかったので、代わりにサインを写真に撮りました。

 002_hon 本。  001sign サイン。

Cherryさんに見せる約束はしたが、結構重いので運搬がたいへん。内容もちゃんと読めば(英文)重いことが書かれている。

【深澤デザインをめぐるコンセプトマップ】
深澤氏や原研哉氏といったデザイナーはコむつかしいことを言ってよくわからない、ということもよく聞かれることである。だが、うんちくのないデザインは表皮のデザインに過ぎない。深澤氏のデザイン・ウンチクには、デザインを超えた世の中の真実が詰まっている。だからわたしだけでなく多くの人が惹かれる。

たしかに理解するのは簡単でない。だが本質的なところからの言葉表現が多く、それが氏のあらゆるデザインに表現されている。そこでわたしなりの考えから、氏の思想をコンセプトマップにまとめてみた。

  Photo_63
  コンセプトマップ

【その説明をば】
まずWithout Thought(考えない)とActive Memory(共有されている記憶)。よく氏が引き合いにだす「傘を立てかける」という話は、雨が降って「わぁ降られた~」と言って着いた家の玄関に傘立てがなかったとする。床にタイルの目地でもあれば、そこに傘の先端を置き、壁に傘を立てかけるでしょう。

それは「考えなくしてやっている」行為であり、同じ日本人とか、いや同じような傘を使う民族であれば、みんな同じ行為をする。その行為はアクティブに共有されているのである。それが考えないことと共有である。

同じようなことはたくさんある。スナック菓子を食べて、その袋を湿気らないようにくるくるっと巻くのは、みんなやっているでしょう(今ちょうどわたしはそうしていたのです_笑)。ヒトの無意識な行動からデザインをしなさい、というのが第一の主張である。

【客観写生】
次に下にいって、客観写生ですが、これは俳人高浜虚子の言葉である。深澤氏がカリフォルニアで仕事をする中で、悩んで行き着いたのが日本の古典であった。そのうちのひとつの『俳句への道』(高浜虚子著)で、高浜虚子は、俳句とは花なり鳥を写し取る事である、そのありのままを写し取りなさいとする。そうすると、自分の主観を離れて、自由に写し取ることができる。それが一歩進むと、実は作者自身を描いていることになるという主張である。

ありのままを描き、主観的な交錯があって、またありのままの客観にもどる。それが俳句道だという。

深澤氏はこのことから、ありのままの人間観察をObservationと言って、ワークショップで進めてきた。ありのままを見つめることのむつかしさ。商品開発やデザインに少しでも携わったことの或る方なら、きっとわかると思う。自分が邪魔をする。だが自分らしさを求められる。それは相克でありパラドクスである。これで悩んだら高浜虚子を読んでください(笑)。

【行為に溶けること、First Wow】
これは深澤氏の言葉ですが、行為に溶けるデザインがもっとも優れている という。人の五体や無意識が生みだす行為をデザインが邪魔をしないこと。行為にデザインが溶けること。氏のデザインの中では、無印のCDプレイヤーがその表現でしょうか。

 4547315778829_m

First Wow, Later Wowとは、最初に「わぁ!それだね!」「これいいね!」という感動と、あとでの「う~ん、やっぱいいね」という分析的な感動には差があって、デザインでは絶対にFirst Wowと取りなさいという鉄則である。

それはデザインだけではない。コンサルの仕事でも最初のアラームが後まで引きずることはあります。最初の直感で企画を修正すればよかった・・・・という後悔は何度かあった。

そう、愛こそFirst Wowです。収入や堅実性や優しさでレーダーチャートを書くのも現実的ですけれど、突出した衝動こそ愛だと思う。もっともどちらのWowを選ぶべきか個人次第。

【真ん中には輪郭】
どんな絵にも輪郭がある。輪郭から描く人とそうでない人がいるでしょうが(わたしは輪郭描き派で、人の絵は足から描くという変わり者です)、デザインとは輪郭であるというのが深澤氏の結論のようである。

つまり、ヒトは内部からの「生きるぞ!」という外部に向かっていく力(氏は張りと表現する)と、外部環境からの圧力(空気、社会ルール、仕事、ストレスなどあらゆること)で保たれている。そのウチとソトの間にデザインは位置するという。

 4887062605  デザインは結局ヒト形に行き着く。

【勝手にアドバイス】
最後はちょっとむつかしくなりましたが、ぜひデザインを「カッコいいね!」「カワユイ!」で片付けないで、なぜそう思うのか、なぜそう感じたのか、自分なりのウンチクを少しずつ考えてほしい

そうすると、その商品のかたちや色、サイズや素材、そして使い手のからだや心理にも、感性がとても高まってゆくでしょう。商品を開発される方は、自分なりのコンセプトマップをつくられるといいと思います。今日は以上です。

【お知らせ】
2007年5月27日付けのThe Japan Timesの16面に、ささやかながらわたしのコメントが掲載されました。
テーマは「Let's form a line(なんで日本人ってこんなに行列好きなの?)」というテーマで、1.5ページにわたるなかでわたしも数行のコメントで貢献?しました。以前書いたブログ(行列マーケティング)がきっかけで、記者の方に取材されまして。こんなこともあります。

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2007年5月26日 (土)

15 Worst iPhone Concepts

結構おもしろデザインがあるので、今日のおまけのブログです。

Iphonerotary_1  ほんとにこれほしい!

 原文こちら。http://www.productdose.com/article.php?article_id=5893

『Productdose』の「15個の最悪なiPhoneコンセプト」では、Apple社のこれまでの発表に基づいて作られた、楽しいコンセプトのギャラリーを見ることができる。これらのモックアップはかっこわるいものが多いが、コメントはキラリと光っている。たとえば、「世界最強のチップ計算機」など。
http://wiredvision.jp/blog/gadgetlab/200705/20070523012920.php

明日もおまけがあるかもしれません!The Japan Timesにわたしの名前が小さく出るかしら・・・と。出ないときはご容赦ください。

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ミニュームプレーンに心を飛ばされて。

読者でプラモデルラジコンをつくったことがある人、手を挙げてください!

ハイ」とわたしは片方の手を挙げます。小学生の頃、プラモデルづくりが日課でした。朝早起きして、家族が誰も起きていない静けさの中、何カ所か組み立ててから学校に行ったっけ。そうそう、ファン招待に当選して、静岡の田宮模型までひとりで行ったこともありました。小5ぐらいでした。戦車、船、飛行機、ジープ・・・神楽坂のプラモデル屋のオヤジとは、戦闘プラモデルを通じた戦友だった(笑)。

そんなわたしには高価でなかなか手が出せなかったのがラジコン。無線コントロールの模型である。昔はオイルを入れてエンジンを回して、ブーンと飛行機を飛ばしたんです。だから高価だし、飛ばすにはプロの技が必要だった。

だがラジコンの雄、京商が開発したミュームプレーンは、誰にでも本格的な飛行ができる、夢のラジコン・セスナである。今日の勝手にアドバイスは飛んでゆきたい心をテーマに。

Logo_11 京商ロゴ。

【勝手にアドバイス Vol.175 ミニュームプレーンに心を飛ばされて。】
全長325mm、重さ(軽さ?)18gのラジコン飛行機が、京商から6月20日に発売される。名前はミニュームプレーン。そのサイズと本格的な飛びに発売前からファンが熱くなっている。それもそのはずである。従来のラジコン飛行機とはまったく違う発想から開発されたからだ。

京商は5月10日、室内用ラジオコントロール(R/C)飛行機「ミニュームプレーン セスナ210センチュリオン」を発表した。インドアタイプのトイ系飛行機が人気を集めるなか、R/Cメーカーの同社が満を持して投入する本格派だ。開発を担当した同社シー&スカイグループの濱崎剛志氏は、「ミニュームプレーンのキーワードは、“いつでも、どこでも飛ばせる”こと。しかし、トイ系飛行機ではなく、京商ならではの本格派を目指した」と話す。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0705/10/news086.html

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本格派とは何か? 第一にスケールモデルであること。京商が創業当時にヒットを飛ばしたのもセスナ機モデルだったというが、オモチャとはいえ忠実にスケールダウンされていること。第二に3チャンネル飛行が可能なこと。スロットル(スピードコントロール)、エレベーター(上昇、下降)、ラダー(左右旋回)がそれで、実機に近い操縦が行えるという。第三にその価格(1万9950円)で3チャンネル飛行が可能なものはなかった。

【とにかく飛ぶ姿を見てみよう】
ウェブサイトに公開されている4分17秒の驚異のフライトをぜひ見てほしい。

 L_ts_kyosho09
http://www.kyosho.com/jpn/fun/special/minium/index.html

動画共有サイトにも同じものがある。(英語版)
http://3.upload.dailymotion.com/Christophe_RC/video/x1w7km_kyosho-minium-plane-indoor


Kyosho Minium plane indoor
a?¢a??a??a?-a??a??a??e!?e?? Christophe_RC

凄いのは全長1mぐらいの机の上からでも飛び立てたり、小さくても宙返りを何度でもできる操作性である。

【興味深い技術開発】
まずねらいはインドア(といっても小さな体育館サイズはあった方がいいだろう)で気軽にゆっくり飛ばすために、「秒速3m以下。機体重量を10g」という目標値から設定した。このハードルがいかに高いかは、通常のトイ飛行機用のサーボモータがすでに6g/個あるというところからもわかる。開発者の濱崎氏は各部の重量を逆算して、最小・最軽量の開発を目指した。そのため機体も部品も、すべての経験をリセットして開発にあたった。
 
 L_ts_kyosho05  スチロール製の機体重量はわずか4.5g

サーボモータは携帯電話の振動用モーターを採用。着信時にぶるぶる震えるやつだ。もちろんトイ飛行機に使われたことはない。搭載バッテリーは小型軽量リチウムポリマー(リポ)電池。おもしろいのは飛行機を置く台座に充電機能が付いていること。台座に単三電池を入れておき、そこにリポ電池を差し込んで20分で充電完了!コードレス電話みたい。こういう機構もなかった。

Photp06右手にリポ。Photp05電池充電。

さらに操縦をする無線コントロール方式は、ブルートゥースと同じ2.4GHz帯。受信機ユニットを小さくするために採用した方式で、これもトイ飛行機初だという。
参考 http://www.kyosho.com/jpn/fun/special/minium/development/index.html

【今までの飛行機とどう違うのか?】
いままでのラジコン飛行機とどう違うのだろうか?ラジコン飛行機にはエンジンとモーター方式があり、どちらかと言えばエンジン=本格的、モーター=初級者だろう。

エンジン飛行機は15~140クラスという区分があり、ミニュームプレーンよりかなり大きい。
15クラス (全長)850mm (全幅)930mm 1.3kg ~ 140クラス 1613mm 1842mm 6.0kg
(ほかにも40クラス、50クラス、90クラスがあり、段階的に大きくなる)

 3024  京商40トレ-ナ-カルマ-ト(5~6万円)

モーター飛行機では、わりと小型の飛行機でも、京商の「EPPスホ-イSu-31 M24」は、全長840mm、全幅820mm、全備重量 約300~320gと数倍の大きさ・重さである。

 3020  EPPスホ-イSu-31 M24 (2~3万円)

いずれにせよ、障害物の無い河原でブーンと飛ばすという模型である。模型オタクの土臭いおもちゃという感じである。だがミニュームプレーンは体育館やちょっとした広場で簡単に遊べる。従来のトイ飛行機とはまったく違うものと言っていい。
参考サイト http://www.shintani-1.co.jp/shop/beginner/b-1.html

【勝手にアドバイス】
たかが玩具、されど玩具。このミニュームプレーンは前例否定の技術革新が詰まっている。従来のトイ飛行機のサイズと重さを否定し、かつ実機に忠実なデザインという本物感。前例の無いモーターや無線方式の採用。入門用ではあっても飛行能力と操作性に妥協しない開発者の執念(開発には2年を要した)。そしてヒット間違いなしの価格設定(2万円弱で購入後すぐ飛ばせる)。

01s 開発者の濱崎さん。

京商の企業理念は「あそびにマジメな会社です」。マジメに遊ぶことが前例否定の執念の商品開発につながる。なかなか飛べないわたしも、これなら飛ばしたいと思わせたgootきた商品である。今日は以上です。

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2007年5月25日 (金)

顧客LOVE 5.大人の関係

顧客LOVEというテーマで今週(2007年5月21日~)は5回のブログを書いた。お読みいただきありがとうございます。

わたしはCRMという言葉が嫌いだ」という、コンサルティング・サービス会社に属する人間として、まずいのではないか?と思われるようなフレーズからスタートした。わたしがそう書いたのは、CRMが「顧客リレーションを考えること」や「顧客価値を再編すること」ではなく、CRM=パッケージ・システムというハコを導入するだけで終わりというニュアンスが強いから嫌い、という意味である。

CRMがお客さまをもてなすのではなく、現場一人ひとりがお客さまをもてなし、その道具としてCRMがあるのである。この場合のCRMとはむしろCRT(Customer Relationship Tool)というレベルの位置づけである。下図に顧客LOVEを定義する図を作成した。

Crm

真ん中の「小さいCRMサイクル」が、世の中一般で言われるCRMのシステムの持つ販売促進機能のサイクルである。その機能は赤い矢印でまわる「顧客サイクル」の中の一部となり、お客さまと企業の関係づくりの一面で役立っている。だが自社と顧客との関係を本質的に顧客志向にするのは、外周の青い矢印で描いた「ありたいCRMサイクル」である。ビジネスモデルと言い換えることもできる。

真のCRMとは、顧客志向のビジネスモデルづくりである。そう考えるとき、営業企画やマーケティング部門だけが販売促進を(CRMないしCRTで)するということが、単なる部分最適活動でしかないのがわかるだろう。

【勝手にアドバイス 旬ネタ 顧客LOVE 5.大人の関係】
大人の関係と銘打って紹介したいのが資生堂のダイレクトコミュニケーション活動である。2007年5月16日に行われた「ダイレクト・マーケティングEXPO」での資生堂お客さまセンター所長の高山靖子氏による講演を主体にまとめる。

高山氏は、資生堂の社是から、コーポレイト・メッセージ、そして現場のダイレクト・コミュニケーションまで、資生堂の一貫的かつ抱擁的な取り組みをご紹介されたいへん感動いたしました。同社の取り組みの全体像を配布資料から一部抜粋させていただきます。

  Dm1_takayama  高山さん。

【ダイレクトコミュニケーションの全体像】
資生堂のお客さまとの接点は「ウェブサイト」「ウェブ美容セミナー」「お客さま窓口」「店頭」の4つのチャネルがある。

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これは資生堂の企業倫理行動基準(The Shiseido Code)に基づいたものだという。そのCodeとは次の取りである。

 Ch01_01
 2.私たちは、お客さまに対して、質の高い情報を提供します。
 3.私たちは、お客さまの満足と信頼が得られるように行動します。
 4.私たちは、お客さまの声を積極的に聞いて、今後の行動に生かします。
 5.私たちは、資生堂グループのブランド価値を高めることに努めます。
  http://www.shiseido.co.jp/ideals/code/chapter1.htm

この企業倫理行動基準の第一章をスタート地点にして構築を進めているのが、同社のダイレクトコミュニケーションである。

【豊富な情報提供がなされるウェブサイト】
まずウェブサイトは消費者の自己完結型の情報提供と取得というものである。

 美容に関するご相談:「美容ディクショナリー」「デリケートな肌の方へ」
 商品に関する問い合わせ:「商品ブランド別取り扱い店検索」「よくある質問」「通販」
 宣伝・広告に関する問い合わせ:「よくある質問」 
 ホームページに関する問い合わせ:「ウェブサイト利用条件」
 環境・リサイクルへの取り組み:「CSRレポート」「ガラス瓶リサイクル」
 化粧品Q&A:「緊急トラブル」「成分と安全性」「容器」「有効期限」等々

【お客さま窓口】
このように包括的かつ網羅的に情報を取得することができる。だが誰もがウェブサイトからきちんと情報を取れない。そこでお客さま窓口社員、入力・発送スタッフが、フリーダイヤル、メール対応、手紙やFAX対応をしている。それがお客さま窓口である。

  Pic_image01  ある日のお客さま窓口風景。
 
お客さま窓口の申し出受理状況は、年間13万人、延べ22万件(昨年度)としている。ざっと400人/日、600件/日である。こうして寄せられた情報はデータベース化され「ボイスネットC」というシステムで、ネット経由で全国で情報共有がなされる取り組みも実施されている。

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【需要開発のビューティWebホームセミナー】
ここまでのことは大手企業ならレベルの差はあれど着手しているだろう。わたしが興味を惹かれたのは、化粧品という商品特性ならではという「美容セミナー」というサービスである。資生堂のファンづくりと社会貢献をねらい、全国で11万人以上の企業、学校、サークルや老人ホームなどに実施している。

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これは資生堂の化粧品を実際に使いながらお手入れやメーキャップが学べるセミナーである。気兼ねなく質問できる女性数名に聞いてみたが、お化粧を学んだという人はあんがい少ない。見よう見まねで上手になるか、店頭で一度化粧をしてもらったくらいという人が多かった。マスカラは30代になってようやく恐怖心が薄れた♪という人もいた。確かになぜまつげパーマなんて出来るのか?不思議でならない。

このセミナーをウェブ化したのが「ビューティWebホームセミナー」である。これはネット会員になってセミナーへ申し込みをして、1000円のセミナーキットを購入する。キット(テキスト、化粧水、乳液等)が届いたら、ウェブサイトで受講をするというもの。ちょうど紫外線のきつくなるころ。夏の紫外線対策とトータル美白ケアが開催中である。http://www.shiseido.co.jp/bwhs/index.htm

Top06 Top14
 
 http://www.shiseido.co.jp/bwhs/index.htm

このビューティWebホームセミナーは需要開発型のセミナーである。ネット会員アンケートによると、3人に一人が資生堂の商品を購入したという。

 受講1ヶ月後に商品をチェックに店頭へ行ったか? → 行った 47%
 お店に行った人が、商品を買ったか? → 買った 76%

【社会貢献型美容セミナー
さらに資生堂では全国の高齢者施設や医療機関で美容セミナーを実施している。年間1800箇所、29000人もの規模である。

老人ホームのおばあちゃんに綺麗になって元気になってもらったり、肌の障害者や視角障害者のために、資生堂のOB人材(ビューティ・ボランティアと呼ぶ)を活用して実施している。

【大きな心、大人の関係】
このように見ていくと資生堂のお客さまとの関係つくりの取り組みが、社是に始まり包括的かつ一貫性があることがわかる。恋愛マトリクスⅢを応用してそれを表現したのが下図である。

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お客さまが資生堂をn番目と捉えようとも、契りではなく自由愛と捉えようとも、包括的にお客さまをカバーするのが同社の顧客LOVEである。CRMとはモノを売り込むという取り組みではなく、どのようなお客さまでも包容力をもって包み込むことが理想形。CRMをどう捉え実行するかによって、企業やブランドイメージもつくられるのである。

今週は以上です。旬ネタでは「カスタマー・バリューのフロンティア」から4回連続で、リサーチや顧客のことについて書き続けた。実はこの素材をベースに本を著したいと企画しているからだ。実現しそうな場合はお知らせします。お読みいただきどうもありがとうございました。

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2007年5月24日 (木)

顧客LOVE 4.誠意の関係

今週は顧客を愛するというテーマ。さまざまな恋愛模様を図式化するという脱線を繰り返しながらも、4回目である。今日のテーマは誠意の関係として、誠意ある顧客リレーションを考えてみたい。

誠意とはそもそも何だろうか。顧客と会社の間の誠意を考える前に、愛から考えてみよう。そう、愛の始まりは誠意なのである。一過性の行きずりの愛で無いかぎり、愛は誠意から始まるのである。それには同意をいただけるでしょうか・・・。

ところが誠意が愛へ昇りつめるときもあれば、途中で誠意が消滅することもある。それは誠意が愛にならないことがあるからだ。それでも誠意が残るときに「しつこい人ねえ!」と言われてしまうのである。

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だが、しつこい人ねえ!と言われても、しつこく(一方的にも)誠意を出し続けると、いつかほだされることもある。愛に昇りつめる路線に戻ってくることもある。しつこいだけの人か、ほんとうに誠意があるのか。しつこいが愛になる路線に回帰するためには、誠意あるしつこさも問われるのである。

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ああ・・・あの時、もっと誠意をたくさん見せれば愛路線に入れたのだろうか?片思いを乗り越えられたのだろうか?そうしなかった、いやできなかったのは、「誠意の変形」と「誠意あるしつこさ」の間で揺れ動いて、身動きが取れなかった・・・そんなことだろうか?思い思いに考えてみよう。

【勝手にアドバイス 旬ネタ 顧客LOVE 4.誠意の関係】
お客さまと企業の関係もまた同じところがある。最初から求愛できればそれに越したことはないが、たいがいは最初は誠意を見せることから始まる。誠意が通じないことも多々ある。それを売れないとも言う。

誠意という言葉は、こと企業社会においてはポジティブワードではない。むしろネガティブワードである。

 誠意ある対応をいたします・・・
 誠意をこめて社会に尽くします・・・
 誠心誠意、XXXXをいたします・・・・

 
誠意には詫びる言葉がよく似合う、のか知らないが、不祥事や事故が起きてそれに対して、記者会見や新聞紙上等で「誠意」を見せる場面に追い込まれて誠意を出すことが多い。企業によっては絞っても絞っても出ないこともあるし、全社を挙げて誠意を探してとりまとめるところもある。誠意を見せるためにプロジェクトチームを立ち上げる場合もある(気をつけてほしい。プロジェクトとは「時限」である。誠意もまた時間限定なのであろうか?)。

初期対応にまずさはあったが、しつこく誠意を見せようとしているのは、石油ファンヒーター事件の松下電器産業である。

【21年~15年前のナショナルFF式石油暖房機を探しています。】
同社のホームページのTopページは、今日(2007年5月24日)現在でも石油暖房器具の回収のお願いである。http://panasonic.co.jp/

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1985年(昭和60年)から1992年(平成4年)製のナショナルFF式石油温風機及び、石油フラットラジアントヒーターには事故に至る危険性があります。当該対象製品を未点検のままご使用になりますと、一酸化炭素を含む排気ガスが室内に漏れ出し、死亡事故に至るおそれがあります。
http://panasonic.co.jp/appliance/info/important/heating/index.htm

この事件が騒ぎになったのは2005年の12月、それから1年と半年近くが経過している。不覚にも同社のHPのトップがいつから「石油ファンヒーター回収」だったのかチェックできなかったが、恐らく同じ期間がこの案内にあてられていたと思われる。

【中村社長(事件発生当時)のコメント】
この事件に関する中村社長のインタビュー・コメントである。

これまで私は松下電器は松下幸之助の経営哲学を実践する会社だ、「スーパー正直会社」だと言い続けてきましたが、それを大きく裏切ることになってしまった。亡くなられた方、ご遺族の方々には誠心誠意尽くしてまいります。そして、「一刻も早く、また最後の一台を見つけるまで、できることは何でもやる」という覚悟でいま回収作業に打ち込んでおります。
http://www.takarabe-hrj.co.jp/ring_004_2.htm

誠心誠意はネガティブワードで使用されているのはともかく、スーパー正直会社でなければならないという中村社長の言葉、わかりやすく強烈なメッセージである。この事件では死者は48人にものぼり、パロマリンナイの事件に比べて、責任も補償スケールも格段に大きい。だから当たり前、しかも松下電器という大広告主に対して、マスコミは突っ込みが足りないという指摘もあった。

遺族の方々の気持ちを逆なではしたくないが、初動は遅れても中村社長というリーダーが誠意を見せたというのが、企業の誠意としては印象的であった。

財部(引用元のインタビューア):
たとえば三菱自動車をはじめ、過去にもいろいろ不祥事がありました。理想的にはゼロにすることがいいのでしょうが、物をつくっていく以上、何かの欠陥なり不良が生ずる可能性は絶えずあるわけで、だからリコール制度もある。中村社長は、過去に問題を起こした企業の対応がどのようなものであったか、頭にはいっているのですか。

中村:
他企業さんのことは頭にありません。私も人間ですから、何とかうまくおさめる方法はないかなと考えないこともありませんが、それじゃだめなんですよ。正直に、公表すべきものはすべて公表して、行動であらわして、少しでも信頼を回復していくしかない。

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長い期間にわたろうとも回収活動を持続すること、つまり「しつこさ」である。企業活動においては、それが失われた信頼の唯一の回復手段である。松下電器はこの鉄則を外さなかったし、今も外れていない。この事件に関して今や喧伝されることはないが、この継続力はもっと注目されてもいいだろう。

【誠意を示す活動とは何だろうか?】
誠意を示す活動をランダムに挙げてみよう。

 お客さまを知りたいと欲すること 
 お客さまを知る努力を継続していること
 お客さまについて知ったことをおろそかにしないこと
 売る前に、お客さまの問題解決視点があること
 経営姿勢に誠意が感じられること
 経営者に誠意が感じられること
 厳しい状況でも乱れずに誠意を維持すること

コンプライアンスという取り組みは「起きたときにXXXX」に堕してもダメ、「起きないようにXXXXで縛る」ことだけに堕してもダメである。それはテクニックでも社内ルールでもなく、「愚直さ」である。お客さまを向いた誠意に他ならない。時にブレるときがあっても迷えばそこに戻る原点だと思う。

明日は顧客LOVEに全方位に取り組まれている資生堂事例をとりあげたい。お読み頂きありがとうございました。今日は以上です。

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2007年5月23日 (水)

顧客LOVE 3.仲間の関係

勝手にアドバイス旬ネタ、顧客LOVEというキーワードで書いている今日は三回目。初回に書いた恋愛がリニアか双曲線かで、普段は浜松方面で働くQさんと雑談をした。雑談からの悪ノリで二つのバリエーションを挙げてみたい。

 3_4

まず恋愛リニアのバリエーションが上の図である。この図の赤い矢印が顧客LOVE活動であり、愛のレベルのプラス領域に入る前に、矢印がマイナス領域に突入してしまう。企業活動としてこのようなパターンは、大々的なプロモーションをかけたが収益が出ずに赤字で終わるもの。映画ビジネスがこのパターンである。映画では興行的には推定7割くらいまでがこのパターンで、残りの3割で利益を出すというものと言われる。
もちろん、男性側から見た恋愛投資活動の7割~8割も、このROIがマイナスのケースにあてはまるのである

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次に恋愛双曲線のバリエーションをつくった。上下の双曲線が顧客LOVE活動であり、その重なり(論理積という)部分をグレーにしたが、ここを「恋は盲目領域」と名付けた。今わたしは上向きの双曲線上にいるのであろうか?それとも下向きの双曲線上にいるのだろうか?恋のさなかには、下向きか上向きかが見えないのである。だからこそ恋は盲目と言われる。だがいずれ上か下か、時間軸の中で定められた運命に従って・・・・

こんなことばかり書くわたしは、恋愛コンサルタントではなくマネジメント・コンサルタントである。

【勝手にアドバイス 旬ネタ 顧客LOVE 3.仲間の関係】
今日のテーマは仲間の関係である。仲間とは何だろうか?企業とお客さまが仲間関係にあるというのは、ひと言でいえば「インサイダー」ではないだろうか?その会社の新商品を待ちわびて、どのような商品が出るか、個人的な情報チャネルや噂、さらには公開特許資料などから類推をして、早く出ないかな、出るのであればどんな商品なのかなと、ファンいやインサイダー同士で盛り上がるのである。

こういう関係を築いている企業でもっとも有力なのは、現時点ではAppleをおいて他にない。

【Appleインサイダー】
まず直近でAppleインサイダーの首を長くしているのがiPhoneである。

iPhoneの発売を前に、Appleの次の動きを示唆する特許申請書類が公開された。
申請文書には、iPod Nanoの背面にタッチスクリーンが搭載されたような絵が描かれている。iPhoneで使われるタッチスクリーンのインターフェースが搭載され、オプションでQWERTYキーボードや電話帳ダイヤラーを表示することができるようだ。この文書は、次のiPhoneが、現在発表されているものより、薄型で小さくなる可能性があることを示している。

http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20348594,00.htm

 Applleipodandiphonenanowithto 特許図なので。

こんなフェチなニュースを美味しそうに食べるAppleインサイダーたちは、Apple insiderサイトでも「AT&T to serve up iPhone with pre-paid service?ATTがiPhoneでプリペイドサービス提供か?)」では、どうやら内部資料らしいものが流出し、現物が画像化され掲載されている。出所のサイトには22件もコメントが寄せられるという関心の高さである。

Apple insiderサイトで、われわれ日本でiPhoneを待ち望む者に失望な記事もある。「No CDMA-compatible iPhone for at least 5 years - report」。つまりCDMA方式のiPhoneは、少なくても5年後にしか出ない(つまり日本には5年は上陸しない)という残念な話である。世界標準から外れた日本は、まさに携帯鎖国である。それはともかく、ここを読めばAppleのフェチニュースが先んじて読める。

こういうフェチニュースがどこから入ってくるかと言えば、Anonymus Mailer(匿名メール)という窓口があり、ここへの(計算された)投げ込みもあるのだろう。だが投げ込みとそれに反応するのも、仲間内の楽しみなのであろう。

Iphonerotary これは開発してもらいたいが・・・・。

【インサイダーサイトを作らせる動機とは何だろう?】
Appleというブランド・魅力ある商品力だから、愛がはぐくめるのであろうか?昨日(2007年5月22日)の事例のフェリシモのように、盲目愛をビジネスモデルにまでするから、愛がはぐくめるのであろうか?一流ブランドや洗練されたビジネスモデルでなければ、仲間愛ははぐくめないのだろうか?

いいえ、企業とお客さまの仲間愛を小さく発芽させ、大きく育てることは、どんな企業だってできる。そのふたつほど事例を挙げたい。

【浦和レッズでのサポーター同乗】
サッカーの浦和レッズはACL(アジアチャンピオンリーグ)の試合を5月9日にインドネシア・ソロでペルシク・ケディリと戦い、その帰国にあたり、チャーター便を利用した(それはその週末にJリーグ首位攻防戦があったからだ)。

浦和レッズのサポーターの熱さは有名だが、わたしが注目したのは、レッズサイトの次の一文である。

チャーター機は席数116。ケディリ戦の応援に向かった200人以上のレッズサポーターが乗るには不十分でしたが、貴重な便を少しでも活用するため、選手・スタッフ、クラブやJリーグ・サッカー協会関係者、担当メディア一行に加え、一般の方にも乗っていただきました。

選手を休ませよう、混乱を避けようとすれば、サポーターを同乗させるということはしないだろう。だが浦和レッズでは何人かのサポーターでも(翌日出社の人も多いはずだ)同乗させたのである。これに感激しないファンがいるだろうか?

 Reds チャーター機です。 Images_2 redsマスコット。

浦和レッズを地方の「小さなフットサルのチーム」、チャーター機を「移動バス」に読み替えてみよう。小さな企業でも似たようなことができないだろうか?浦和レッズが他のJチームに比べ、なぜ「同胞」を多く抱えているか、チームのこうした工夫を参考にしよう。

【国立商店】
国立商店は知る人ぞ知るバッグの製造販売元である。有名な吉田カバンを何分の一にもスケールダウンした規模(同ジャンル)だが、その商品開発姿勢に共鳴するファンは少なくない。わたしはまだ購入したことがないのだが、次で出るモデルをねらっている(生産を多くしないので早めの申し込みが必要なのだ)。

同社のサイトを見ると、そのモデルの開発状況が、こと細かに書かれているのだ。その細かさは設計者や開発者の息吹が伝わってくる。素材をこうして、何ミリDリングを移動させ、B5サイズのノートPCのこれこれmmのサイズが入るようになりました・・・。こういう感じだ。感動的な細かさなのである。

「次に出るモデルの発売をお知らせします」というメール案内に一文添えて申し込んだ。返信メールを引用させてもらおう。

 2wlb_top00_m  前のモデル。

こんにちは、国立商店のXXXX(店長さん)です。
2Way Light Brief 2007につきまして、発売開始時のご連絡をご希望してくださるとのこと、
かしこまりました。どうも有り難うございます。(とても嬉しいメッセージも残してくださり、
こちらにつきましても有り難うございます!)
それでは発売開始しましたら、すぐにご連絡をさせていただきますね。

簡単なメールですが、予約前の時点で「仲間」をつくる工夫がここにある。こんな簡単なことが(でも効果的なことが)できない会社が多い。

【ほんとうの顧客リレーションへ】
わたしは浦和レッズや国立商店の取り組みこそCRMと呼ぶべきだと思います。CRMとは仲間愛づくりの「キモ」を直視することです。決してむつかしいことじゃない。なぜそれがDM(やキャンペーン告知だけ)になるのか疑問です。実は多くの企業でそうなってしまう理由があります。次週のぷろこんエッセイで触れたいと思っています。

今日は以上です。

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2007年5月22日 (火)

顧客LOVE 2.成長の関係

昨日(2007年5月21日)から書き出した、勝手にアドバイス旬ネタのテーマは「顧客LOVE」である。

顧客LOVEとは「押したり引いたりあきらめたりの活動」であると規定した。押したりとはCRM業界(というものがあるかわからないが)では、ダイレクトメールやキャンペーン告知のことを指す。引いたりとは、相当に魅力的な商品を開発し、ティーザー的に告知をして逆に連絡をもらうくらいの関係づくりである

その業種業界の特性や歴史、顧客のもつイメージにも左右されるが、CRMとは何をやることなのか?ということはあんがい置き去りにされている。システムでキューブをつくって、XXXの条件のお客さまに△△△のプロモーションをかけることをリアルタイムに可視化して・・・というハコ(システム)ができることはわかった。

ではウチの会社では、CRMを何をするものとして考えて、何を目標にして、どう仮説して、何を誰がやって、その結果をどう受け止めて何に反映させるか?こういうことが置き去りになることが、いまだにある。

キモの部分が置き去りになったため。CRMがほんらい持つべき機能が進化することがほとんどなかった。ゆえに単体のパッケージ・ソフトウェアとしての販売が減り、ERPやデータベースシステムにCRMが飲み込まれつつある。CRM開発会社が丸ごと買収される例もある。CRMという言葉に依存して思考停止になったことには、内外問わずシステム開発者に猛省が求められる。

【勝手にアドバイス 旬ネタ 顧客LOVE 2.成長の関係】
昨日説明が中途になった「恋愛マトリクスⅢ」の説明を補足したい。

 02_14

縦軸は契りの愛(一般に結婚)と自由愛とした。横軸は「最後からn番目の女」にとどまるか、何としても「最後の女」になろうとするのかで区分した。それを具体的に把握するため画像を追加した。

 D: ここは自由愛を解き放って散った愛の流刑地だろうか。
 C: 天才野球選手Roy Hobbsを撃ったHarriet Birdのポジションが近い。
    Royは撃たれた傷のせいで投手としてカムバックできず、打者として花火の中、散った。
 B: n番目ばかりの市川海老蔵さん(笑)
 A: 誰を持ってきても差し障りがあるので、画像は貼れなかった。

【フェリシモのセレクションとコレクションとは】
今日取り上げたい事例はフェリシモ。知る人は極端にハマっている通信販売サービスである。サービスの紹介を簡単にすると、コレクションとセレクションの二つがある。

Header_felissimologo

[コレクション] 
お届けスタイル: ストップのご連絡をいただかない限り、毎月1回お届け。(コレクションと同送で1回だけ
お届けする商品も含む)
・お届けデザイン: 色、デザインはフェリシモにおまかせください

色、デザインはフェリシモが選らんで送るというのがミソである。何が届くかわからない、ワクワクした気持ちで毎月のお届けを会員は待っているのだ。届けられるグッズはフェリシモ・オリジナル。グッズが売られているのではなく、フェリシモのセレクトが買われているのである。

[セレクション]
・お届けスタイル: コレクションと別送で、1回だけお届けします。(コレクションと別送で複数回お届けする商品も含む)
・お届けデザイン: お客さまがお選びいただいた商品をお届けします。

 Imgdispcontents  フェリシモサイクル。
 
セレクションはお客さま自身が「これ欲しい」を選べる仕組みである。コレクションあてがわれるもの、セレクションで欲しいもの、この押しかけと引きつけの絶妙なバランスが同社を通販以上の通販にしている秘訣である。

この二つのビジネスモデルは「ブランドの細分化(ウェブカタログを含めば14誌)」「参加型マーケティング(商品開発に読者が参加できる)」で実現されている。フェリシモのプランナー起点の提案力と、お客さま起点のものづくりという一体感づくりの仕掛けである。いや仕掛けという言葉は似合わない。お客さまとの一体的な成長である。次の一文を読んで欲しい。

【モニター会に参加したある女性ユーザーの声】

 モニター会というと、なんだか物々しい感じだけど
 新商品の試着と、後はほとんどが雑談。
 「こんなんで、ほんとにお役に立ってるの?私たち」とお聞きしたら
 「雑談の中にこそ、商品開発のヒントがあるのですよ~」
 とおっしゃったので、あっさり真に受けて遊びに行ってます。

 今回もぞくぞくと、工夫満載の商品が登場したよ。
 この春から始まったmemiシリーズ、
 今までのシンプル路線よりフェミニンになり、
 フリルや刺繍が入って、とっても私好み。
 大冒険のペパーミントグリーンやコーラルピンクも、
 着てみると結構似合ったりして・・全部買いたい!あ、お金が。

出典:http://mayu-blog.tea-nifty.com/mayucotoba/2005/06/post_83fb.html

こんな感じで「フェリシモ大好きっ」というユニークリーダーが増殖してきた。フェリシモのカタログは300円ぐらいで販売されているが(注文すればカタログ代は注文から差し引かれる)、隅々までくまなく舐めるように読む女性がほとんどだと言われる。

【フェリシモが目指すこと】
同社が目指してきたのは「売買関係を超えたお客さまとの新しい関係性」である(同社中期事業計画より)。それを恋愛マトリクスⅢで表すと、B地点からD地点への進化なのである。

 03_8

フェリシモは、よくある、囲い込もうとしてカタログをせっせとおくる他社とは違う。カタログを買っても買わなくてもいいし、コレクションもいつでも停止できる。会員制度の契り愛と引き寄せる自由愛、どちらも自由ですよと言っている。だがのびのびと自由愛をまんきつしている内に、いつの間にか横軸のn番目のブランドから最後のブランドに移っているのである。それが業績好調のフェリシモの顧客LOVEである。だが、どうも女性が男性に罠をかけるときの常套手段のように思えてならない。そう思うのは果たしてわたしだけだろうか?

今日は狐につままれて以上です。

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2007年5月21日 (月)

顧客LOVE 1.恋愛マトリクスからの考察

わたしはCRMという言葉が嫌いだ。

Customer Relationship Management、顧客関係管理。とても無機質な「関係」という表現が嫌いだ。CRMがやろうとすることも、購買額や頻度や時期だけでお客さまを区分して、販促活動をする・・・というような対応療法で効果が出るなら簡単でいい。現実は違うでしょう。わたしは何度そのセリフを聞いたことか。

お客さまをデータベースにすることで完結することとは何だろうか?その時点までの購買結果を蓄積することでわかることは、買った人がどれだけ買ったか、買っていた人が買わなくなったことだけである。まだ買わない人を買わせることについて、システィマティックな的な解決策があるわけではない。

顧客価値という言葉も、売り手から見ると「購買額のクラスター化する基準」である。買い手からすれば「わたしの求める価値を実現してくれる商品やサービス」である。お客さまが本質的に何をしたいか、お客さまに本質的にどうサービスすべきか、そこからスタートしようという匂いが「CRM」というフレーズから個人的には感じにくい。だから「CRMの案件がある」と聞くだけでぞっとする(笑)。

かのマーガレット・サッチャー元首相は高らかに宣言している。

「社会などというものは存在しない。存在するのは男、女という個人だけだ」と。さらにつづけて「家族」をそこに付け加えた。
新自由主義 その歴史的展開と現在』 デヴィッド・ハーヴェイ著 作品社

サッチャー氏はこの言葉から「民営」を進めたが、わたしは顧客志向の「本質化」をこの言葉から始めたい(ちょっとおおげさだが)。「お客さまとは個人であり家族である。お客さまをどれほど愛せるか。どう愛を表現できるか、どう愛していただけるか」 このように考えたい。  

CRMシステムの「Relation/関係」には、男女関係の「密になり疎になる」ドラマチックな匂いがないといけないのである。愛はエスカレーションする(アップグレードや顧客ロイヤルティのアップ)かしぼむか(離反、浮気)、お客さまとの戦いでもある。だが、現在の愛がそのまま持続するという仮説に基づく「顧客生涯価値」というのはどう考えてもうさんくさい。もっともそれは浮気な男心ゆえかもしれないが(笑)。

ビジネスである限りマネジメントはしなくてはならないので、強いて表現すればLoving Customer in Managemet、略してLCM?だろうか。それだと言いにくいので「顧客LOVE」がはまっている。

顧客LOVEとは顧客を追跡したり盲愛したりすることだけではない。ましてストーカーのように読まれないDMやメルマガを何通も送りつけることではない。何よりもお客さまから愛してもらうこと。愛してもらえるかどうか未来を判断することである。だから顧客LOVEとは、恋愛活動にように「押したり引いたりあきらめたりの活動」である。

今週の勝手にアドバイス 旬ネタは「顧客LOVE」という切り口から、企業と顧客の愛憎関係、密疎へのきっかけを考えてみたい。顧客は浮気と言う前に、自社の顧客政策を振り返ってみよう。どんな求愛をしてきただろうか?ネタの予定は次の通りである。

1.恋愛マトリクスからの考察 → 本日
2.成長の関係 (事例 フェリシモ)
3.仲間の関係 (事例 アップルinsider)
4.誠意の関係 (事例 松下電器)
5.大人の関係 (事例 資生堂)

【勝手にアドバイス 旬ネタ 1.顧客LOVE 恋愛マトリクスからの考察】
また恋愛マトリクス(笑)かと、あきれた方もいらっしゃるかも知れない。なぜならわたしは過去二度にわたり恋愛マトリクスをつくっているからだ。それは「すれ違い許容度と仕事類似度のマトリクス」、「愛していると言ってほしいか、ほしくないかマトリクス」である。念のため、わたしが愛に枯渇しているかどうかは別問題である。

今週は恋愛マトリクスⅢを軸に書くが、その前に「顧客LOVEはリニアか双曲線か」を考えてみたい。

【リニアの顧客LOVE】
まず図1を見てほしい。縦軸は愛のレベルを表し、下から上へ高まる。単位は円、お金である。横軸は愛の持続時間を示している。左から右にかけて付き合いの時間が長くなるという意味である。多くの企業で顧客LOVEとは、左下から右上に伸びる直線=リニアのプロセスを想定している。

Photo_57 図1  

図2では、お金と時間をより具体的に表した。左下の領域が破線なのは収益未満の段階を表している。右上の領域で、x時間かけてYだけ利益が出たことを示している。このX~Yの囲みの中は、過去の収益データからの顧客セグメンテーションである。X~Yを越えてさらに成長する破線は期待価値、いわゆる顧客生涯価値というものである。顧客は果たしてこのようにリニアな消費活動をしてくれるものなのか?

2_4図2

【双曲線の顧客LOVE】

もうひとつ、愛は双曲線であるという見方ができる図3は双曲線が対角線上にあるもの。左下がすれ違い領域、右上は恋愛領域である。前者は見込み無し、後者は見込みあり。愛とはほとんどがこれかもしれない。

1_3 図3

図4では双曲線を上下に置いてみた。下の曲線からは時間と共に一定レベルまで愛は高まるが、やっぱり冷めていく。上の曲線は、最初の恋愛時点では愛は高まるが、時間の経過と共に冷静になり、ええい結婚するか!ということでまた高まる(高まるって言うの?)。ま、結婚でなくても略奪とか駆け落ちでもいいのか。

2_5 図4

何が言いたいのかといえば、お客さまの心理を考えるとき直線思考には弊害があり、それは愛が一直線ではないからである。愛はうつろうもの、という大前提のもとで顧客を動的に区別するべきではないだろうか。

【映画『ナチュラル』から生まれた恋愛マトリクス】
たいていの人が知らない古典映画で申し訳ないが、ロバート・レッドフォードが野球選手Roy Hobbsに扮した映画が四半世紀くらい前にあった。その映画では、レッドフォードは若い天才ピッチャーで、ちょうど早大のハンカチ王子こと斎藤佑樹さんのような注目選手だった。誰もがメジャーに入れば成功間違いなしの選手なのだ。

 7359330 ラストシーンもよかったぜ。

その注目ルーキーは、アメリカの片田舎の町から、恐らく西海岸の一流球団に入団するために長距離電車に乗った。昔のこと(1930年代ぐらいの時代背景だったと思う)だから数日かかるのである。その旅の途中で、ひとりの女性と知り合った。いや単に女性の方が、レッドフォード投手を勝手に見初めたのだ。彼は比類無きヒーローだからだ。

彼女はレッドフォードの投宿するホテルに訪れた。なんと、会うなり拳銃を取り出し、レッドフォードを撃ったのだ。バン!と腹に命中した弾丸。彼は一命を取り留めたが、もう投手としてデビューすることはできなかった。その後日談がこの映画のメインだ。

女性はどうなったか彼を撃ったあとすぐにホテルの窓から身を投げて自殺した。わたしはなぜかこのシーンを強烈に覚えている。このシーンを同僚のまゆさんに話したとき、彼女はこういった。

「それはね、女は男の最後の女になりたいからよ
「最後のお・ん・な・・・」
「そうよ。女はそういうものなのよ」

【顧客LOVEの恋愛マトリクスⅢ】
その会話からつむぎだしたのが、次の恋愛マトリクスⅢである。

 01_21

縦軸は愛を示し、契りとは結婚と考えてもらっていい。自由愛は読者の想像にまかせたい。横軸は「最後からn番目」か「最後の女」を表している。Aで「あなただけよ~♪」なんてだまされている男性は多い(その証明は困難である)。Bは哀しい女性像が目に浮かぶ。

まゆさんの言うように「最後になりたい」のであれば、CないしDが目標である。Cは結婚、Dは愛の流刑地かも知れない。この二つは紙一重なのかもしれない。

ほんものの愛と同じくらい厳しい視点でお客さまのことを考えてこそ、愛(顧客には満足、売り手には収益)は深まる。今週はA~Dのポジションやその移動について、いくつかの事例を見ながら顧客LOVEのかたちを考えてみたい。今日は長くなったのでここまでです。

明日も書きますのでよろしくお願いします。

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2007年5月20日 (日)

ミス・ディウイーに恋するサーチエンジン

探しものが見つからないときはイライラするでしょう。そそかっしいわたしは、ある一枚のミーティング・シートがどこを探しても見つからず、会社に置いてきたかと思って、休日にわざわざ探しに会社に行ったこともある。結局会社にもなく、いつも持ち歩いているノートにはさんであった。なんたるアホウよ!別のシートと重ねて折ってはさまっていたので気づかなかった。

そんな探しモノ嫌いのわたしが気に入っているのが「イライラしないでね!」とジェスチャ混じりに語りかける、美しいミス・ディウイーのサーチエンジンである。

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こんな楽しいサーチエンジンだったらずっと喋っていたい(笑)。マイクロソフトでも(失礼)こんな遊びがある。今日はミス・ディウイーを見つめながらサーチエンジンをテーマに。

勝手にアドバイス Vol.174 ミス・ディウイーに恋するサーチエンジン】
このサーチエンジンサイトは、マイクロソフトが2006年11月から開設したもの。ミス・ディウイーという美しいスマートな女性がビデオ映像で登場する(600種類以上あるという)。彼女はさまざまな表情や仕草、そしてジョークを入れて語りかけてくる。

 Misdewey01 検索結果は右に。

検索ワードを入れないと、「ハローゥ!いるの?何してんの!早く書き込みなさいよ!と催促してくる。右下のBEST of DEWEY を選択すると定型ワードが自動で入力され、ミス・ディウイーが銃を撃ったり、ナイフを研いで投げたりする。

 Misdewey000 そこにいるの?

もっとほっておくと、退屈してメモをほっぽりなげやがる(笑)。このサイトはマッキャンエリクソン・サンフランシスコと開発会社のEVDがWindows Live Searchを用いて開発。今のところ英語のみであるので、日本人で使用する機会のある人は限られるのが惜しい。

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登場している女優はJanina Gavankarさんで、インド人とオランダ人のハーフだとか。エキゾチックな顔立ちはそのせいか。The L Wordというレズビアンたちを主役にしたドラマで準主役で出演中。

 2007022f122f632fc0104663_22584123 セカンドライフにも。

【検索はGoolgeのひとり勝ち】
マイクロソフトがこんなサーチエンジンサイトを作るのも、検索サイトはGoolgeのひとり勝ちであるからだ

日本では進出が早かったせいもあり、yahooが5割のシェアを占めるが、それはむしろ特殊市場。米国ではGoogleが5割、yahooとMSNが2割程度である。ヨーロッパの多くの国では7割がGoogleと言われる。かく言うわたしは95%Googleを使っている。マイクロソフトがいくらLive Searchなど良い技術を開発しても、Googleの牙城が崩せないのである。
参照 http://g.1o4.jp/ 他

Yahooの検索事業部長を務める井上俊一氏は自身のブログにこう書く。

今USではYahoo!もMicrosoftもみんながGoogleになろうとしてる頑張っているように見える。非常に危ない状態にあるように見える。Googleになろうとしても、Googleを追い越すことは出来ないのに。
出典 http://inoue.typepad.com/

氏が「Yahoo!はYahoo!ならではの道を行きましょう」と書くように、つまり差別化が必要なのである。
Googleと同じことをしていてはダメなのである。そのyahooでは検索エンジンを下図のように位置づけ、「ソーシャルサーチ」で勝負を挑もうとしている。それはWebページ以外のさまざまなコンテンツやSNSの情報、ヤフーオークションなどを串刺しで検索結果を出したり、マイランクというユーザー個人の特性に応じたプッシュ型のお奨めを組み合わすものである。

 051118_yahoo02
 出典: http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20091218,00.htm

エキサイトも差別化を図ろうとしている。ひとつには2007年4月から始まったデザイナーズ・ポータルがある。

  Dp シンプルでGoot。

デザイナーズポータルとは、機能やコンテンツはそんなに多くなくてもいい、毎日使うものだから、とにかくデザインにこだわりたい!という人に向けたトップページ。気鋭の若手デザイナーによる、今までにないデザインにこだわったポータルサイトです。
http://www.excite.co.jp/design/

これもGoogleが「サーチと広告にフォーカスし、稼いだお金でさらにディストリビューション・パートナーを増やしたり、ユーザーへ新しいサービスを提供する」(井上氏)という王道を行き、他のポータル・サイトが消滅する危機感からの差別化策であろう。

【勝手にアドバイス】
技術的にもニーズ的にも、サーチエンジンにとって今は端境(はざかい)期にあると思う。

たとえばAmazonのお奨めはかなり精度が上がってきたとはいえ、購入や探索目的外のサーチワードまでが組み込まれて、お奨め精度が下がることもあるし、あらゆる記録が残るので嫌な感じがする。たとえそれが美女の人工知能でガイドされるにしても、微妙である。

それに、サーチエンジンやポータルサイトがパーソナライズされればされるほど、自分の好みや興味という狭い範囲からのサーチに留まるところにも疑問がある。新聞を一面から社会面まで読むことは、広い見識やアイデアの発想の上で意味があるのだ。検索だってアクシデンタルな出会いがあってほしい。偶然性とパーソナライズとは両立するのだろうか?

ということで、当面わたし個人としては、ミス・ディウイーが日本語で喋って「ほら、何してんの!早く入力しなさいよ!と叱られてみたい(笑)。今日は以上です。

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2007年5月19日 (土)

所有2.0 サイバー・クローゼットの時代

まだ衣替え済んでいないという人はいないだろうが、今年も天候は不順だった。クリーニングに今週出します!という人もいるだろう。往復もたいへんならクローゼットにしまうのもたいへん。

そしてもう6月のブライダルシーズンである。背開きドレスを着るために、6月の花嫁でなくても「ブライダル・エステ」に参入する人もいる(結婚式は出会いのチャンス!ですよね)。そんなときは年1回か2回しか着ないドレスを出して使用して、クリーニングに出して防虫して・・・これも手間である。

手間いらずのクリーニング付きのパーソナル・クローゼットサービスがある。単なる保管ではなく「所有2.0」と標榜しているドレスファイル。今日は便利な衣替えサービスを取り上げたい。

 Dressphile_logo

【勝手にアドバイス Vol.173 所有2.0 サイバー・クローゼットの時代】
ドレスファイルでは1年の準備期間を経て、サイバー・クローゼットのサービスを2007年4月2日から提供し始めた。同社のサービスは次のとおり。

買うたびに増えてゆく洋服や靴、上手に整理できていますか?ドレスファイルであなたのクローゼットが空になります。ドレスファイルは、ファッションアイテムを預けて、Web上で管理できるオンラインクローゼットです。
引用元 http://dressphile.jp/whats/index.html

 Mycollection

預けたアイテムは写真入りでデータベースに登録され、必要な時にWeb上から写真を指定するだけで宅急便で家に届く。つまり実態クローゼットはドレスファイル社のアパレル倉庫にあり、それを所有者がいつでも仮想クローゼットウェブサイトで管理ができるというシステムである。

預けた服は一品一品バーコードタグを付けてクリーニングして保管、皮靴も専門工場で水洗いして保管してくれるので、ブーツなども安心して預けられる。ウェブサイト上のDBへの写真はスタジオで一品一品撮影をしている。

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 ドレス撮影         靴撮影             データベース化 

クリーニングして保管するなら、一部の大手クリーニング店も実施している。だがその出し入れは電話などでやらなくてはならないし、ウェブサイト上に自分の仮想クローゼットがあるわけでない。保管するだけならトランクルームがあるが、「あのドレスを」となると自分で取りに行くしかない。こういう隙間ニーズを拾い上げたサービスである。

保管料金プランは3パターン。50アイテムで月額2万9000円/月(保管料)、25アイテムで1万7000円(同)、基本料金0円の1アイテムあたり月額780円プラン。クリーニングと集配料金(集荷は1梱包あたり500円、配達は1回あたり500円)が発生する。

【需要はどうなのだろうか?】
同社社長の西氏によれば、サービスインして間もないが、25アイテムや50アイテム保管が多いだろうという当初の思惑よりも、大事な1アイテムの保管依頼が多いという(東京IT新聞 2007年5月15日号より)。

他人のクローゼットをのぞきたいという欲望は誰にもあるかも知れない。でもある人(女性)は、「わたしのクロゼットは黒ばっかりだから、のぞいても何も見えない」(笑)という人がいた。真っ黒けじゃ見えないね。だが同社の西社長によると「所有2.0」を標榜するのは、他人のクローゼットをのぞきあうことを考えてのことだという。たとえば「会員同士でアイテムを公開しあう」「アイテムを売買や交換する」ために。

将来的には、所有物の個人データベースを会員間で公開し合うことで、SNSぽいことを考えているのである。

【元々はニューヨークの先行サービスがある】
ニューヨークにあるGarde Robe Onlineという会社がこのサービスの先発会社。ドレスファイルはそれを日本版にしたとしている。

Garde Robe Onlineのスタッフは預かった洋服の写真を撮影し、サイズや素材などの情報を付与した状態でオンラインクローゼットに追加してくれる。保管してある洋服が必要になったらこのウェブ上のカタログから24時間いつでも配達指定することが可能だ。
引用元 http://www.100shiki.com/archives/2004/11/_garde_robe_onlinecom.html

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彼らは自社のサービスをCyber Closetと呼んでいる。もちろん高い家賃のニューヨークでクローゼットを満杯にするより預けてください、というのがサービスの主軸だが、ニューヨークにたまに訪れるセレブなどを対象に、「パーティドレスがいつでもスタンバイ」という使い方も多いそうである。

居住地は西海岸、パーティなどに東海岸に呼ばれるとする。カジュアルな服装で出かけ、Cyber Closetでドレスをピックして、パーティへ。使用後はまたCyber Closetに預けて「また来年くるわね」と、飛行機で西海岸へ軽快に飛び立つ。こんな具合だ。

欧米のセレブだけでなく、本社がニューヨークにある外資系企業の重役(たとえば普段は日本に居住)にも便利なサービスなのである。

【勝手にアドバイス】
①自分の持ち物をデーターベース化するという発想
以前HomeExchangeという休暇に自宅を交換し合うサービスを紹介した。ウェブ上で自宅の写真を公開して借り手を募る、あのサービスを「家2.0」と言えなくもない。家だけでなくドレスや家財道具などひっくるめてより大きな視点で見れば、西社長の言う所有2.0なのである。そこに新需要がある。

②データベースにすると意外なことができる
最近着たドレスの記録があればいつも同じドレスを着ることを避けられる。「あの結婚式ではこれを着ていった。来週の結婚式では、出席者は前と一緒だから『またあれ着てきた・・・』言われちゃうわ」

自分が着たドレスのランキングを取ったり、お気に入り度合いをiTunes Storeのように★の数で表すと、iClothesストア(倉庫って意味よ)ができる。一般人はしなくてもテレビに出るような人には便利だろう。

③質屋を中抜きもできる
たとえば娘と母親、姉と妹がドレスを貸し借りすることはあるだろう。著名なモデルやセレブがオートクチュールでつくらせたドレスを公開して、希望者にサイバークローゼット上でレンタルや売却することもできる。衣装持ちのお天気お姉さんにはありがたいサービスである(やばい買い手はゴマンといるかも)。

ドレスだけでなくバッグや服飾雑貨を扱えば、質屋を中抜きする個人売買の商売になりそうだ。

最後にひとこと。ドレスファイルからドレスを取り寄せて、「あ!半年前は着れたのに・・・」というサイズ問題は解決してくれない。今日は以上です。

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2007年5月18日 (金)

シンクロナイズド・キャッツ&LOVE

荒れたり晴れたり曇ったりの一週間だった。週末金曜日の今日も、風が強くなってきた。わたしの今週と似ている。待ち会社からの連絡はなく、ある仕事発注主には袖にされ、それでもある追い風も吹き、待ち人からの連絡はいただき、参加した2つのセミナー(ダイレクト・マーケティングEXPOの『基調講演』と一橋ビジネスレビューフォーラム『新・現場力の論理』)はとっても勉強になった。強いて言えばフラクタルな一週間だった。

そんな具合だったので、週末のブログは本能的にAha!と叫んだ話題をとりあげて、うっぷんを晴らしてみたい。それはシンクロナイズド・キャッツ。猫写真家(それだけで食えるのか?)の荻窪圭さん の被写体テーマである。猫はたしかに似たような動き、すなわちシンクロするのである。その姿態がかわゆい。

フラクタルな週にはシンクロナイズド・キャッツがよく似合うと文豪が言ったかどうか知らねど、今日の勝手にアドバイスはシンクロナイズド猫から人間観察へ。

【勝手にアドバイス Vol.172 シンクロナイズド・キャッツ&LOVE】

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猫は1匹でも可愛い。1匹でも面白い。でもこれが2匹、3匹になるともう大変なのだ。
シンクロ状態を狙うのだ。何しろヤツらときたら、1匹1匹は全然違う性格のクセして、ときどきチップを上げたくなるくらい、動きをきれいに合わせた演技をしてくれるのだ。もしかしたら、誰かの動きがほかの猫に伝染してるのかもしれない。

引用元 http://ascii.jp/elem/000/000/034/34522/

これは写真家兼ライターの荻窪さんの飼い猫だそうです。見事なシンクロというかシンメトリー。いいですねぇ。左右対称猫てのはおもしろい。姿態は伝染する・・う~ん、仲良ければそれもありそうです。

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荻窪氏がシンクロ野良猫と名づけた写真。氏によれば「公園にて野良猫二匹のシンクロナイズドの構図。毛繕いを始めた2匹の動きが妙にシンクロしてるのに気付き、しゃがんで低い位置から撮影。やはり猫を撮るときはローアングルが基本」だそうだ。プラス、昼間だがフラッシュをたいている。わあ、今どきフラッシュを「たく」と表現すると、年下の誰ともシンクロできそうにないですね。

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巻き貝猫。これわたし命名。勝手にネーミング(笑)で荻窪さんすみません!。でもこれも好きな写真です。シンクロ・ナイス!という構図。カレンダーにしてくれないだろうか

【こんな写真を撮る人って誰だろう】
写真だけでなく文章もおもしろい荻窪圭さんて誰か、知らなくてごめんなさい。荻窪さんは基本的にIT系雑誌のライターさんだが、プロフィール紹介にある趣味もおもしろい。

おもなしゅみ:自転車。サッカー観戦。フットサル。地図(古地図含む)。デート。情事接続。ネコと昼寝。

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興味を惹かれたら氏のHPやブログをば。飛び猫の動画とかおもしろい。
http://www.asahi-net.or.jp/~ax1k-ogkb/
http://www.digiblo.jp/db03/archives/2006/04/20060426_0938.html
http://www.asahi-net.or.jp/~ax1k-ogkb/part2.html

【わたしは何に感心したのだろうか?】
猫ってシンクロするじゃない」荻窪さんの切り口はとても斬新で、そこに惹かれたのである。多くの人が同じことを感じていても、それを言葉にはできなかった。それを言葉と画像と動画に表現する取り組みがおもしろい。そこに打たれました。

本稿がなぜマーケティングに関係するんだ?というところをご心配されているかも知れないが、本能的におもしろいものがコトラー先生の言うAha!、つまりマーケティング体験なのである。消費者のAha!とマーケーターのAha!はシンクロしなくてはならないのだ。

荻窪氏の切り口はアーチスティックではあるが、商品やサービス開発者にはそれこそが必要な資質である。それは、多くの人が感じることを素に切り取る能力。マーケティングのAha!に通じるものである。

【勝手にアドバイス】
たとえば本屋に行きます。丸善に行けば、たまには洋書のコーナーに行く。ペーパーバックの本棚の前に行くと、あらら、人のシンメトリーがあるじゃないですか。それは・・・みんなアタマを左右どちらかに30度くらいかしげている

なぜか。洋書(英語)の本は背表紙が英語横書きだから、アタマをかしげると見やすい。斜めにしないと読みにくい。ならば、どうして斜めにスタックする本棚が無いのだろうか?(そういう本棚は知っているが、本屋では陳列効率が悪いのか、普及していない)。

コンビニエンスストアでもシンクロナイズドを見かける。それは雑誌立ち読みの人たち。猫以上にシンクロナイズドでしょう。みんな同じような顔、スタイルなのである。

店主の立場になって、立ち読み撃退するにはどうしたらいいのだろうか?自分たちがシンクロしている!ということに恥じらいを持たせてはどうだろうか?つまり雑誌陳列の上に、凹面鏡か凸面鏡をおく。立ち読み者がふと顔を上げると、立ち読みする自分を直視することになる。半分くらいの人はそのアホ面が嫌になって、そそくさと引き上げることにならないだろうか?

そして、人間の究極のシンクロナイズドと言えば、荻窪さんのご趣味である「情事接続」だろう。キス場面を考えると(いや思い出すと)シンクロナイズドでもあり、シンメトリーでもあり、どこかアシンメトリー(非対称)でもある。どぎまぎして何を書いているかよくわからなくなったなあ。

カップル、夫婦なりたて、夫婦解消、夫婦でもどり・・・・マーケティング的には、人同士のシンクロとシンメトリーにニーズの束があることがわかってきた。これ以上は秘密です(笑)。それぞれでお考えください。
今日は以上です。

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2007年5月17日 (木)

「キャンプは嫌いだ」 ワンダース+PUMAコラボ

今週は野球に始まり、日なたでごろん、そしてユニーク椅子と書いてきた。言ってみれば、オモテから一歩家の中へ入ってきたところだ。今日は雨模様だったので、オモテよりもウチの中にとなりがち。でも晴れれば外にも出たい!そんなウチの中でもオモテの気分を持ちたい!というアンビバレントな思いをかなえてくれる「ラウンジキャンプ」商品がある。

スポーツ用品のPUMAから、2007年5月15日発売開始された7つのラウンジアイテム、オランダ人デザイナーであるマルセル・ワンダース+PUMAコラボが今日のテーマ。

Homebuttonface   Nav_logo  Wonders & PUMA

【勝手にアドバイス Vol.171 「キャンプは嫌いだ」 ワンダース+PUMAコラボ 】
まずこの2007年5月より発売開始された商品アイテム。

オランダ人デザイナー、マルセル・ワンダースとPUMAの新しいプロジェクトは、休日のキャンピングスタイルを塗り替えてしまうに違いない。両者のコラボレーションによる、7つのラウンジアイテム - テント、トローリー・クーラーボックス、バブルマット、ビーチボール、トートバッグ、タオル、フリップフロップ - が登場した。
引用元 http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_325/

Chn11_rpt325_tent1050_white_500 Chn11_rpt325_bubblelounge_white_500 
    優雅なテント¥63,000                          バブルマット¥9,450  

  Chn11_rpt325_beachball_white_300           Chn11_rpt325_case_white_bigwheel_side_50 
     ビーチボール¥2,625             クーラー機能付きのトロリー¥34,650

どうも普通のキャンピング・アイテムとコンセプトが根本的に違うような気がする。キャンプ用品と言えばデザインより機能が優先され、雨風に耐えるヘビーデューティ、あるいは多機能でコンパクトな便利グッズというのが普通である。ところがここにあるのは、機能面は保証されているとしても、デザイン・グッズなのである。

【デザイナーのマルセル・ワンダース氏のコンセプト】
PUMAのワールドWebサイトから引用しよう。

"I hate camping," says world-renowned Dutch designer Marcel Wanders, "but I love lounging in style,"Whether it's at the beach, in the park, on the roof or at a concert, there's a nothing like a good party atmosphere.
引用元 http://www.puma.com/pindex.jsp

拙訳 「キャンプは嫌いだ」 世界的に有名なオランダ人デザイナーのマルセル・ワンダースはこう言う。「だけど優雅なのんびりってのは好きだよ」 それがビーチでも公園でも屋根の上やコンサート会場でも、楽しいパーティ雰囲気にしたるのって一番だね。

とこんな具合なので、ワンダース氏は「ラウンジアイテム」というネーミングを付けたのかもしれない。

Puma09  アーバンキャンプ。

【ワンダース氏の作品】
いくつかワンダース氏の作品を見てみよう。

 Acceggvasepg4img1
 Acceggvasepg4img2 上下分割ですみません。
 
  これはどうやら花瓶である。氏の作品には花瓶(Vase)が多く、いずれもオブジェ性が強いデザイン。

    02_13  
  これはどうやら椅子らしい。座ってぱりぱりっと壊れちゃったらどうしよう(笑)。

【PUMAのねらいは何だろう】
記事をチェックして浮かび上がってくるねらいは「PUMAらしさ/PUMAぽさの打破」である。

PUMAといって、そのブランドにどんなイメージが湧くだろうか?国によってそのプレゼンスの度合いが違うだろうが、正直言ってNIKEの圧倒的なスポーツアスリートイメージも先端商品イメージには劣る。アディダスの知名度にも科学的な商品開発力にも劣る。PUMAではセレナ・ウィリアムズのような著名テニスプレイヤーのアイテム開発、F1レースなどに関連する商品開発もしてきたが、PUMAってサッカーシューズでしょ。それでピリオドというようなイメージがある。

だから2004年には世界的デザイナー フィリップ・スタルク氏と提携しフットウェア・コレクションを発売するなど、企業イメージ&ブランドイメージの革新をはかってきた。今回のマルセル・ワンダース氏との提携もその流れであろう。同じ分野の商品でも、まったく違うPUMAらしくない商品開発をするために、奇抜なデザインやアイデアで注目される氏を起用した。

それが「I hate camping」というコンセプトワードから始まるこの商品アイテムである。キャンプっておもしろいけど蚊には刺されるし、眠れないし、不潔だし・・・キャンプ好きの彼氏に振り回された人も多いだろう。都市居住者で優雅にキャンプするという、これまで無い需要層の開拓をするのがこの商品群であり、PUMAという会社を変える起爆剤にという思いなのであろう。

【勝手にアドバイス】
①外部の奇人の血を導入する
既存の枠組みを取っ払おう!と口で言うのは簡単だが、その会社や業界の文化に染まっている人に「枠を外れた発想」はできない。壊すのは給与所得者がやれる仕事ではないのだ。

②わたしは「パソコンが入ってます!」といういかにもデザインのバッグが嫌い
今使用中のスタルク・デザインのバッグは気に入っている。TUMIなど機能優先のバッグはまったく惹かれない。「今のパソコンリュックが嫌いだ」と言ってのけるデザイナーにこそ、優雅に背負えるバッグをデザインしてもらえるはずだ。

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 スタルクのデザインしたバッグ。わたしのはこの写真より随分くたびれている。

③構造改革も商品開発も、揺らすこと
ブランドだって定期的に揺らさなくてはならない。それは自己否定という難業である。苦しいがそれこそが経営者のやる仕事なのである。

今日は以上です。

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2007年5月16日 (水)

椅子と発想

今日は座ってブログを書かせていただきます。

と言っても、いつも立って書いているわけではない。このところ新丸ビルに行ったり、野球のことを書いたり、ごろんとするために隣の公園まで歩いたり、ちょいと足を使った感じがしている。通勤電車の中ではだいたい手帳を開いてブログメモを書いているので、まさに立ち書きである。

だからたまにはひと息いれさせて頂き、(バーチャルに)座らせてもらおうという魂胆。それも、変な椅子を発見したからである。この椅子兼座椅子みたいなヤツに座ってみたい。それで今日のテーマは「椅子と発想」。

【勝手にアドバイス Vol.170 椅子と発想】
この分割できる椅子の発想には膝を打った。椅子の座部分を取り外して、ローポジションの座椅子に、残った足がテーブルに変身するのである。

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この商品を開発したTreychair.comのサイトにはこうある。
More than a chair.
Trey’s unique design is one-of-a-kind. At first glance, it appears to be a normal desk chair, but with a quick pull of the release lever Trey transforms into much more than a chair.

椅子以上の商品である。そのユニークなデザインはほかに例がない。ちょっと見では普通のデスクチェアだが、リリースレバー操作でデスクチェアからトレイとチェアに分割ができる。つまり普通に読書や仕事しているときには、パソコンデスクに向かう椅子として使用し、座の部分を取りはずすとちょっと高めの座椅子とテーブルになるというわけ。以上、拙訳でした。

ホームページでは動画で、椅子とトレイの分割の説明がある。わりと簡単に切り離しができるし、椅子を載せるのもワンタッチに見える。動画はこちらを見てほしい。値段は239ドル(約29,000円)。
http://www.treychair.com/index.asp

 Pricechairpromo 35tr4712   

わたしが素朴に感じたのは、なぜこんな分割をするなんて発想をしたのだろう?

【椅子と言えば・・・建築家の中村好文さん
中村さんは建築家としても著名だが、室内の造作家具の設計者・アイデアマンとしても著名である。施主の要望に応じて本棚、階段、キッチンはもちろん、子どもの隠れ家や宝物箱まで作ってしまうという、楽しき建築家さんである。わたしと同名であるところも好感度が高い。

中村さんにはたくさんのユニークな椅子作品があるが、まずこのウサギさんの椅子とタマゴのテーブル。実にかわいらしい。

 Usagi 謎謎。うさぎさん4脚で、足何本?

次の椅子は「たためるからって、座り心地を犠牲にしちゃったんじゃ意味がない」という考えから作られたと紹介がある。たしかに見た目の座り心地は、折りたたみ椅子にはない良さそうな雰囲気がある。狭いニッポン家屋の便利品と言えばそれまでだが、どうしてわざわざ折りたたもうと考えたのだろうか?(音楽堂で使われているそうではある)。一脚10万円と安くはない。出典 http://tokyomachi.exblog.jp/320451/

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現在の受注製作元はこちら。http://www.kobo-mandm.com/frameset.html

オマケで、二人掛けのたためる椅子。「この椅子をたたむときの大どんでん返しは、あっと驚いてしまいます」とサイトにはある。写真は紹介されていないが、現存するこの椅子は実家のソバの目白の建築研究所にあるそうなので、いずれ調査をしてみたい。

 B0015157_10341595 これも折りたたみ椅子。

【商品開発の始点】
こうしてユニークな椅子作品を見ると、椅子を開発するときに、椅子から考え始めてはいけないということがよくわかる。むしろ「座るっていろいろあるんだな」「座る人もいろいろなんだな」ぐらいにゆるく考えることが大切なのである。

座るっていろいろあるんだな。

 考えるために座る
 手紙を書くために座る
 足をしびれさせないために座る
 くつろぐために座る
 議論するために座る
 考えないために座る
 病気を治すために座る
 笑いころげるために座る
 聴くために座る
 愛するために座る ・・・・などなど。

座る人もいろいろなんだな。
 
 仕事人
 遊び人
 学び人
 教え人
 肌がかゆい人
 歌を歌う人
 落ち着かない人
 大工仕事が好きな人
 お行儀の悪い人
 愛したい人
 猫をめでたい人
 猫にひっかかれた人 ・・・・などなど。

どんな言葉をまず座面や肘掛けにおいてみるか。そこからが開発の始点である。

 「背もたれがハンガーになる」
 「肘掛けが膝まくらポジションになる」
 「靱帯を鍛える椅子である(サッカー選手用)」
 「椅子にiPodを挿入して重低音が響く」
 「椅子からフェロモンの香りが出る」
 「猫が存分に爪を研ぐことができる」 ・・・・などなど

椅子に限らず、開発対象物の原初的な行為から発想や、実際にはどんな使われかたをしているのか、ありのままを観察するのが始点である。原初的な行為は、あんがい現代では見失われていることもある。昔、人間はどのように座っていただだろうか?今の座るという姿勢は、いつから普通になったのだろうか?あんがい最近のことなのではないだろうか?昔の座り方と何が違ってきているのだろうか?そんな問いかけをしたい。

今日は以上です。

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2007年5月15日 (火)

日なたでごろんも、野バイルも、ソーラー充電なら。

今日はひと雨降ったあと、良い天気になりました。青空ぽっかりでしたね。こういう天気になると、報告書を捨て(いえいえ)、パソコンも捨て(ムリかな)、企画書も捨て(捨てられることもある)、野に出たい!という気持ちになります。会社の隣の大きな公園の芝生でごろんとなりたいと。

ま、コンサルなぞいつでもゴロンとなってしまうかも知れない職業なので、せいぜい精進するしかない(なのにどうしてなりたいの?)。だから、気ままにゴロンとゆかないときには、気持ちだけゴロンとなって、お日様を浴びると喜ぶグッズにたっぷり日光を浴びさせよう。

それはソーラーグッズ。携帯型のiPod nanoと同じくらいの大きさのソーラー充電器が、リンクスインターナショナルから発売された。これがカッコ良くて、今日のテーマは久しぶりにグッズ紹介&勝手にアドバイスといきたい。

【勝手にアドバイス Vol.169 日なたでごろんも、野バイルも、ソーラー充電なら。】
2007年5月19日に発売になるという携帯型ソーラー充電器。間違いなくiPod nanoを意識したサイズ(幅42mm×高さ11mm×奥行き95mm)とデザインだと思う。それにしてもこんなに小さくても充電器なのである。発電効率といい、小型化技術といい、まことに素晴らしい。商品説明にはこうある。

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手のひらにおさまる小さなボディー!
「SOLAR-FINE1350」は、手のひらサイズの小型バッテリです。3通りの充電方式(バッテリ本体への充電)を採用し、どこでも最適な充電を行うことができます。また、各モバイル機器に対応した充電コネクタを備え、様々なモバイル機器の予備バッテリとして使用することができます。

http://www.links.co.jp/html/press2/news_solarfine1350.html

3通りとは、
①お日様からこの充電器に直接充電。
②パソコンのUSBからこの充電器に充電。
③一般のコンセントからも充電器に充電できる。

Mmitfa000014052007_1_1_fa  Mscon1


従来のモバイルソーラー充電器は、充電式の電池を充電するものがほとんどだった。たとえば下の写真のような商品。もしもこれを使って携帯に充電するとすれば、この機械も持ち、充電電池も持ち、充電電池を携帯に接続するデバイスも持ち・・・と三重苦になってしまう。リンクスの商品ではそれは一発である(コネクタは必要)。

 Vsaa2  従来型の充電電池ソーラー。たとえばです。
http://item.rakuten.co.jp/e-rescue/vsaa-2/

【SOLAR-FINE1350はよく考えられています。】
用途は携帯電話のほか、ソニーPSP、任天堂DS、アップルiPodなどが想定され、それぞれの接続用のコネクターが同梱されているという、かゆいところに手が届く商品開発である。

しかもこのソーラーがフル充電なら、携帯電話への充電は2回分フル補給が可能。PSPでは6~6.5時間、DS Liteでは7~8時間使用可能だという。充電時間はお日様からのソーラーパネル充電は10時間から15時間、AC充電/USB充電:約2.5時間で済む。実勢価格は8000円弱。

わたしはいつもノートPCと一緒に、携帯電話とiPodのUSBケーブルを持ち歩いている。そういう人には今ひとつありがたみは?だが、iPod nanoサイズで70gという軽さのこの充電器は、PCを持ち歩かないモバイルギア・オタク(失礼)にも、トートバッグだけモバイル・ウーマンにもウケると思う。

【冒険家というモバイルラーへの恩恵はでっかい】
この商品はどう見ても都会派向け、アーバン・ワーカー向けである。だが本来ソーラーと言えば、乾電池を持ち歩きたくないのは野山の冒険家である。山に水銀入り電池なんか持って行って捨てたら、それこそ登山家で環境保護実践者の野口健さん に怒られてしまう。

だから冒険家にもこの商品はウケるはずだ。そう考えて思い出したのは、もう何年も前だが雑誌DIMEでの冒険家の「自転車によるモバイル機器充電法」である。おもしろい試みなので覚えていた。そしてその記事をネット上で探すと、なんとありました。あいにく写真はなかった。記事によると1997年、ぴったり10年前

冒険家/九里徳泰が伝授する「自転車によるモバイル機器充電法」

これが(ブロガー注:雑誌には写真があった)人力モバイルの全装備である。携帯端末のNEC「モバイルギアMC-MK32」を中心に、デジタルカメラ「ピコナ」+単3電池4本ホルダーとピコナ用ストロボ(単3電池1本使用)、ドコモ800mHz携帯電話「D-201」と単4電池ホルダー、コンパクトフラッシュメモリー2MBとPCカードスロット用のアダプター。そしてドコモ純正「96Pカードモデム」とケーブル。左のケースは自転車発電の充電池ホルダー。電池はサンヨー・カドニカスーパー1000(ニッカド)充電式電池が入る。

何か昔の機器ばかりで、よくわからないだろうが、要は充電電池をたくさン持って行くぞ、自転車の発電器を介してNECのモバイルギア(懐かしい)を稼働させた、というようなことが書いてある(笑)。特にNECのモバイルギアは名品だった。あこがれましたよ。

 2502  モバイルギア

97年夏に北海道、旭川-宗谷岬300キロを衛星携帯を使い、モバイルコンピューティングをしました。それに必要なバッテリーは全て自転車の移動をすることにより発電。みごとに外部の電源に頼ることなく旅の移動中にいつでも、どこからでも画像、テキストの送信を行えることができました。

この冒険家の活動を読めば、10年前にはモバイル充電が冒険そのものであったのだ。だが今や、彼が宗谷岬でへとへとになっているそばで、ほんの数時間充電すればnanoサイズの充電器が、彼の冒険を冒険でなくしてしまうのだ。まったく商品開発とはすごいものだが、冒険を楽にするのはアンビバレントな想いもある。

【勝手にアドバイス】
ソーラーをベースにした商品開発で一番先に思いつくのは本体にソーラー内蔵という話。前からDoCoMoでは携帯電話に内蔵(外蔵?)する試作器を出している。今のところ商品化していないのは、リチウム電池が性能向上されたのと、燃料電池など代替電源の開発がメドが立ちつつある影響だろう。だが太陽電池はもっともクリーンであるのでがんばってもらいたい。

 Img07  デザインがちょいと。

①太陽電池を身につけよう!
ソーラー電池付きのサンバイザーは思いつきやすいが、ソーラー・ヘアバンドなぞ未来少女的でカワイイかも知れない。実質的にはソーラー日傘を作って、その電力と紫外線を吸収し、出力パワーを紫外線撃退やシミ電磁除去(?)、アミノ酸のモバイル生産など、女性の何らかの美に還元できるならば、少々の重量増加はまったくいとわないものである。

②男性の鞄の中身を拝見。
男性ですと多くの人が持つシステム手帳。もっと薄い商品化ができれば、システム手帳のしおりとしてソーラーがはまるのではないでしょうか。ほら、ジッパーの付いた厚手のシステム手帳ならすっぽり収まるでしょう。帳に日光浴をさせるなんて楽しそう

③女性の鞄の中身を拝見。
誰もが持つ化粧ポーチ。親しき仲にも礼儀ありで観察したところ、やはりアナスイの手鏡が多い。ミラーソーラー充電。アナスイの手鏡の外側にはソーラーパネルが!なんてなれば、自分を見つめる心の充電とお化粧という外面充足、どこか関連がありそう。

 Beautymirror_170 いずれアナスイ充電器の時代が来る?

だがモバイル・ソーラーを爆発的に流行らすには、この商品の半分の出力(性能)でいいので、2000~3000円を実現してもらいたい。「携帯用」「nano用」など用途を分けてもいいので半額以下のコストダウンがほしい。出かける前に「おい、携帯充電持ったか?」なんて会話が部長さんから発せられるのを目標にしよう!

今日は以上です。

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2007年5月14日 (月)

相手を直視する岡島投手

今日は隔週で書いているぷろこんエッセイからの転載です。
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相手を直視する岡島投手

彼の目は首に付いている。
 Alex Cora ボストンレッドソックスの選手の言葉 (ショートストップ)

 20070512  首で投球?

         ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

2007年5月13日、対オリオールズ戦に岡島秀樹投手(31歳)がリードする7回に
登板、1回2/3を2安打無失点、1つの奪三振で中継ぎを成功した。投げた23球の
内、ストライクが20球という安定した投球だった。これで今季メジャー登録以来、
17試合登板(通算18回)で負け無しはもちろん、打たれた本塁打は1本、失点は
その1点だけという好成績である。先発投手の松坂大輔投手(ここまで4勝2敗)
と安易に比較はできないが、両選手が所属するボストンレッドソックスの快進撃
は、ここまでは岡島投手の貢献度がまさる。

岡島投手は高卒ルーキーで読売ジャアンツに入団。中継ぎ(先発投手の後を
継いで投げる)やクローザー(8~9回の締めくくりに投げる)としてそこそこの活躍
をした。11シーズンをジャイアンツで過ごし、2006年に日本ハムファイターズに
移籍、優勝に貢献して、2007年からメジャー登録である。

岡島投手の日本での成績を「そこそこの」という表現は失礼だが、事実、決して
傑出した成績を残してはいない。ジャアンツ時代の岡島投手に関する記憶は、
「あの、下向いて投げる、コントロールの悪いピッチャーね、彼が出てくると試合が
どうも締まらない」であった。

三振を取るか、四球(ボール4つで出塁を許すこと)か、どちらか。その日のコン
ディション次第というイメージで、とても安定しているとは言えなかった。だから
ジャイアンツも11年目にしてトレードを行ったのかもしれない。ファイターズに
いたことも知らなかったが、なぜ彼がメジャーに?と思った。

なぜボストンレッドソックスで、これほど活躍ができているのだろうか?

         ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

Alex Cora選手が「彼の目は首に付いている」と言うように、アタマが前を向かない
投球フォームが特徴である。下を向いて投げれば普通はコントロールが定まらない。
いわゆるノーコンである。他の野球人も次のように辛辣である。

「彼は自動操縦だな(He's on autopilot, man.)」 J.C. Romero ボストンレッドソックス
投手
「あっち向いてホイ投法やね」 現野球解説者で盗塁の日本記録を持つ福本豊氏
「子供は真似しちゃいけません」 2008年北京オリンピックの野球日本代表の監督
星野仙一氏
岡島投手のWikiから引用させていただきました)

メジャーリーグは強打者ぞろいで、いくら剛速球でも打たれるときは打たれる。
打たれないためには球種(曲がる、落ちる、揺れるなどの投球)を豊富に持つこと
が必要だが、メジャーでの成功のカギを握るのは制球力であると言われる。

制球力とはコントロールである。思ったところに投げ込む力、相手が打てない場所に
何球目でも投げられること、これが打ち取る上で最も重要なポイントである。

だが、これこそ岡島投手の苦手とするものだったのではないだろうか?

         ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

先日、松坂大輔投手が登板した日のメジャーリーグ中継を見ていた。打たれながら
も投げ抜き、6回で降板、その後2人目に岡島投手が登板した。その投球フォームは
昔見たままにアタマは下を向いていた。だが投げるのを見ているうちに、おやっと
思った。

どこか違うのである。アタマが瞬間移動している。

ボールを手からリリースする瞬間か、その前後に、アタマが選手の方向に一瞬上向く
のである。ほんの一瞬だが、相手をすばやく直視しているのである。ずっとおじぎした
まんまではない。

わたしは野球オタクでもないし、評論家を気どれるほど野球好きでもない。比較する
岡島投手のジャイアンツ時代のフォームも、わたしの中での記憶にすぎない。だから
この指摘はまちがっているかもしれない。

だが彼はメジャーで成功するには何かしているに違いない。それがアタマの瞬間
移動であるように思えた。アタマの瞬間移動だけではないかもしれないが、戦う場を
日本からメジャーという、まったく違う野球をする場に変えたときから、フォームを
見直したのだと思う。

         ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

メジャーでは制球力が投手生命を決すると書いた。これは一般論として正しいが、
もしも剛速球を持つ投手ならば、押して押して三振を取るのが持ち味である。その
場合は、制球力より、球のスピードが彼の投手生命である。

つまり自分自身の持ち味から見て、メジャーという場で勝ち抜くにはどうすれば
いいのか?を考えることが重要なのである。

岡島投手の場合は制球力が勝ち抜くポイントだと考えた。だから持ち味を損なわ
ずに制球力をアップするための方策、「アタマを瞬間移動する」を考えたのだろう。
松坂投手の場合は、球種を増やして、決め球のスライダーをより速く見せようと
考えているようだ。それぞれの視点から見るメジャーリーグ観の違いゆえに、自らの
資質/持ち味ゆえに、対策は異なるのである。プロであるからには一般論はない。

         ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

岡島投手が「制球力が大切」だと考えたことにならって、自分のことを考える。
コンサルタントの仕事をやり抜く上でのポイントは何だろうか?喋ること、書ける
こと、聞くこと、指導すること、読むこと、教えることなど、さまざまな技能が要求
されるのがこの仕事だが、ひとつだけ挙げるならば「観ること」だろうか。

お客様やその属する業界、もっと大きな視点から市場の動き。いかに観ることが
できるか、観るためには何をすべきか、お客様と一緒に自社・業界・市場を観て、
一緒に考える。それがうまくできるためにはどうするべきか。仕事の受け方、プロ
ジェクトの運営の仕方、成果の導き方・・・一連の活動は観るから始まっている。

観るためには何をアップさせればいいのだろうか?N嬢からヒントをもらったのは
「悩む力」という言葉だった。自分が悩むだけでなく、お客さんを悩ませる。観て、
悩む。悩んでまた観る。その繰り返しである。

         ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

あなたの仕事の真ん中にあることは何だろうか?ありきたりな「XXXの知識を
得る」「XXXの資格を取る」ということをいったん忘れて、もうちょっと深いところに
何があるか考えてみよう。仕事を磨くために何が必要か考えてみよう。自分らしい
言葉でそれを表現してみよう。そこに一段上への成長要素がある。

20070513  直視する岡島投手、がんばれ!

今日は以上です。

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2007年5月13日 (日)

蒔絵師 伯兆さんに見る伝統の進化

蒔絵(まきえ)という工芸技術をご存じだろうか?

蒔絵とは、日本独自の工芸技術としてすでに1500年も昔から日本にある技法です。漆(うるし)を接着剤代わりにして純金箔、純金粉、銀粉又は螺鈿(らでん:貝殻の裏の奇麗に光る部分)等を蒔(ま)きつけて行き模様(絵)として完成させていくので蒔絵と呼ばれます。
パイロット社HPより http://www.e-bunguya.net/makie-giho.htm

 Fountainpen  祖父の形見のパイロット万年筆。鳥の蒔絵です。

蒔絵師が日本に今何人いるか知らねども、今日紹介する蒔絵師の技も見事である。それも伝統の伝承をするだけでなく、現代的なデザインの進化がある。アート日和の休日なので、今日は若き女性蒔絵師と、彼女らを盛りたてる和物の女性起業家の紹介。

【勝手にアドバイス Vol.168 蒔絵師 伯兆さんに見る伝統の進化】
まずこの蒔絵ボタン。左から「」という作品。つくし柄も見える。次は「ロザーロ」と名付けられている、宮沢賢治の愛したデザインモチーフ。薔薇(rose)なのだろうか。三つ目は「Angelos」。エンジェルのモチーフが蒔絵になっているという美しさ。いずれも3000円~5000円/個と安くはない。もちろん一品一品の手作り品であるから、受注後2ヶ月を頂いているそうである。

 4052300 4121300 4118300   
 蕨             ロザーロ         Angelos
 http://www.a-yarn.com/product/2007/03/hakutyou_eb24.html

この作品の作者は伯兆さんという女性。1972年茨城県生まれ、女子美術短期大学造形科生活デザイン教室後、父である蒔絵師「一径」に師事し、2003年に「伯兆」という号をいただき蒔絵師となる。

 Dscf1206 父 Dscf1262_1 毬詠さん(2007/06/29修正)。

【伯兆さんの作品の一端】
17年、一緒に暮らしてきた死に面した愛猫を蒔絵して下さいという依頼。もうひとつは猫のブローチである。

 Chobi1  Nene01
 猫と桜蒔絵姫鏡            猫と蜥蜴と花と(ブローチ)

「結婚15年目のお祝いに主人へお三線を贈るので蒔絵をお願いしたい」。そういう依頼で、「蝙蝠(こうもり)は吉祥文様のひとつ 夫婦を象って2羽 月夜へ」。
 
 7633 78372  
 三線(「さんしん」 2007/06/29修正しました)。垂涎のできばえ!

伯兆さんのHPには、注文依頼やこれまでの作品、そして蒔絵の作り方がていねいな画像で載っている。それを見ると蒔絵とはずいぶんと手間がかかる。2ヶ月も仕方ない。
http://homepage3.nifty.com/makieya/framepagetop.htm

【伯兆さんの作品は野庵(やあん)で注文できる】
野庵とは職人による1点ものの着物まわりの和小物を扱うお店」である。そのコンセプトは次の通り。

同じものはなく、ここにしかないものを季節に応じてご紹介していきます。職人さんをはじめとする毬詠含めスタッフ一同、想いをこめたものづくりに賛同いただける皆様の気持ちの中に存在する庵です。虫の声や草や水の匂い、季節を感じる心の中に野庵が在り続けるよう精進していきたいと思います。
出典 http://a-yarn.tea-nifty.com/shop/2006/06/post_4834.html

野庵には伯兆さん以外にも数名の作家が名を連ね、鞄作家、絵師、箸作家、彫金作家、切り絵作家などによる、鞄、根付け、かんざし、帯留、扇子や団扇など、女性主体の職人作品の一品モノ販売をしている。こういう一品和モノのビジネスも成立するのである。

その野庵、Yukoさん(着付師)と野庵庵主の毬詠(marie)さんらで運営されている。「同じものはなく、ここにしかないもの」を販売するのがコンセプトである。しかし販売(受注)するのは、かたくなに伝統を守る伝承技術ではなく、伯兆さんの作品のように注文主の要望も受け、伝統を守りつつさらに技術を進化させるデザインであり、芸術である。

   Dscf4700  Dscf7065
   Yukoさんと毬詠さん(marieさんのブログにも共感しました)

【勝手に和物ポジショニング】
マトリクス病のわたしを許してほしい(笑)。「蒔絵師のマトリクス」と名付けた。

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縦軸は「受注形態」である。カスタマイズ=一品受注生産レディメイド=標準化生産。横軸は「伝承」に留まるか、「進化」へ移行するか。カスタマイズで伝承一本槍は、いわゆる文化財で商売にはならない(しない)アートである。

そこから一歩踏み出したのが伯兆さんの一品モノ。左上は「MOTTAINAI」というテーマで書いたむす美のポジションで、伝統を標準化した商品を販売する。右上は「ソールワーク 和柄への熱い気持ち」と題して宮崎あおいさんの着るデザインを紹介した。伝統の和柄をモチーフに、洋服にまで進化させた。

どのポジションで勝負するかそれぞれの想い次第だが、重要なことは「変わらないものは廃れる」、だが「無節操に変わるものも廃れる」ということである。信念と商売のバランスが大切
今日は以上です。


【お知らせ・追記】
このテーマでご紹介させていただきました
野庵の毬詠さんから今日(2007/06/29)ご連絡を頂戴しました。ありがとうございました。わたしの不勉強・不案内かつ粗雑な性格から、2点間違いをご指摘いただき、修正致しました。

①記事中の「猫を抱いていらっしゃる方=伯兆さん(間違い)→
毬詠さんへ修正。
②記事中の「三味線」(間違い)→
三線(さんしん)へ修正。

そもそもは伯兆さんがお読みいただき、ご指摘いただいたそうでありがとうございました。
また、掲載時何ら連絡入れなかった件もお詫びいたします。すみませんでした。

毬詠さま、ご丁寧なお手紙、ほんとうにありがとうございました。週末になって一週間を振り返り、精神的にも打ちのめされたこともあった中、オアシスのようなお手紙でした。伯兆さまにもよろしくお伝えくださいませ。

いつの日か、郷様のような方に是非お誂えをご利用頂きたいと願って」とまでお手紙に書かれてしまいました(笑)。いずれ世界に一本しかない筆記具をお願いしたいと切に思います。読者の皆様におかれましても、素晴らしい蒔絵をお愉しみいただけると思います。

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2007年5月12日 (土)

ブロガーズ・パラドクスからの脱出 まずは新丸ビル

ブロガーズ・パラドクスというものをご存じだろうか? 

ブログは日記である。頻繁に書かなければならない。頻繁に書こうとすると出かけられなくなる。出かけられないとネタに困ってブログが書けなくなる。それがこのパラドクスである。

わたしがブロガーズ・パラドクスに陥りかけたとき、Cherryさんからメールが飛んできた。「一昨日、新丸ビルに行きました、それほど人混みではないし、大人のお店が多いので落ち着けます・・・・」 そうか、パラドクスにはまっていた。これはまずい。ということでさっそく出かけた。ざっと歩いただけですので店舗紹介はできません。

休日の今日は、東京1000m上空からの雑感です。

01_20  祝!開店!

【勝手にアドバイス Vol.167 ブロガーズ・パラドクスからの脱出 まずは新丸ビル】
新丸ビルの重厚なコンセプトデザインは英国の設計家の手による。

「新丸の内ビルディング」のコンセプトデザインを担当するのは、ロンドンで活躍する世界的な建築家、マイケル・ホプキンス卿。ハイテクなイメージと落ち着きある英国趣味の融合、また都市の歴史性を踏まえた設計で高い評価を得る彼の手腕は、ここ丸の内エリアにおいても如何なく発揮されることだろう。
出典 http://www.shinmaru.jp/04_about/concept.html

重厚感のある内装デザイン(手摺りまで皮で巻かれている)、ゆったりとした空間(通路も広く、ソファが至るところにある)、そしてショップ群もテナントを入居させたという感じがせず、選りすぐりの店舗を配しましたという穏やかさがある。東京の玄関口の歴史、がテーマでもある。

  Logo_sm_1  

ロゴ開発コンセプト
ロゴマークは、丸ビルとの連動性および一体感を持たせるため、丸ビル同様に“M”の文字をモチーフとし、新丸の内ビルディングの“Massive”(重厚感のある)な存在感を象徴的に表現しつつ、エレガンス、上質感も加えてデザイン化しました。

出典 http://www.shinmaru.jp/04_about/concept.html

丸の内の大地主、三菱地所の開発による。比較してみようと六本木ヒルズのウェブサイトをのぞくと、今のトップページは「スパイダーマン3」が踊っている。サイトの色づかいからみてもポップなコンセプトが伝わってくる。こちらのオーナーはもちろん森ビルである。そして東京ミッドタウンは「おもてなし」「都市機能のコラボレーション」「グリーン(緑)」がコンセプト。竹を多用した緑の多さ が印象的である。オーナーは積水ハウス、全農協、大同生命、三井不動産などのコンソーシアム。

 I8cj8i0000021jmz Com_logo 

上品=三菱地所流行=森ビルおもてなし=東京ミッドタウン・コンソーシアム。良くも悪くも、オーナーの企業イメージやコンセプトが伝わってくる都市開発である。訪れるわたしたちにも選びやすていいじゃないですか。わたしは新丸に1票を投じたい。もう1票あればミッドタウン・・・いや丸ビルにかしら。

【新丸ビルをぶらついて見て】
まだ1Fと4Fぐらいしか見ていないが、気になったお店は、手ぬぐいと和雑貨のかまわぬ、生活雑貨のBshop、デザイン雑貨のIdea Seventh Sense、素敵なシャツがあったTABLOID NEWSなど。いずれも4Fである。Idea Seveth Senseに犬段という段ボールで組み立てる雑貨があり、犬好きの老婆(母のことです)が病院で退屈しているので買うことにした。

 Dt5710350_1   Stand  ヒト段もあるが5万円。

歩くだけでも楽しいので、これから帰宅途中にぷらぷらして商品眼を鍛えよう。ブロガーズ・パラドクスがブロガーズ・パラダイスに変化するだろうか?だが、これで丸ビル、Oazo、そして新丸ビルと、東京駅丸の内に一大ショッピングセンターができあがった。このことをどう考えればいいのだろうか?

【勝手にアドバイス】
①都内のオフィス街がショッピングセンター化する
汐留、六本木ヒルズの開発から、職と食と遊が大規模化してきた。わたしの働くビルにも食ぐらいは一通りあるけれど、話題を呼ぶようなお店はない。何よりも土日は閑散としている。今は、平日も土日もフル稼働するオフィス・コンプレックスが主流になったのある(もちろん家賃が高いので土日を計算せざるをえない)。

②都内の既存ショッピングセンターが劣化する
東京駅で言えば、八重洲地下街の危機感は強いだろう。これまでショッピングなら八重洲、労働は丸の内だったのが、人の流れががらりと変わりつつある。八重洲地下街の一部は改装中であり、大丸は2011年竣工をメドに移転増床計画に着手する。

だが集客上の危機感は都内全域で高まっている。ちょうどベルビー赤坂は2007年5月10日に全館リニューアルを行った。56店舗中35店舗をリニューアルし、内14店舗が第1号店ないし新業態という本気さ。この店舗規模(12000㎡)のクラスになると、丸ビルやミッドタウンの影響をもろにかぶるからだ。

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③郊外ショッピングセンターの競争力低下
新丸ビルもベルビー赤坂もそうだが、新業態の開発や地方の優れた店舗の発掘がなされており、「店舗のセレクト」が競争力の源泉になっている。その目で見ると、郊外ショッピングセンターやGMSには似たようなショップが多くてまったく退屈である。それに母の日にカーネーションを大量陳列するような企画力では・・・・店舗づくりに差がますます開くばかりである。

労働者の収入格差は開くばかりだが、店舗開発の都市・郊外・地方格差にも、ため息を吐いてしまった。

今日は以上です。ブロガーズ・パラダイス情報、お待ちしてます。

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2007年5月11日 (金)

マーケター・マイオピア 5.反省をしよう

マーケター・マイオピアという、ちょいとヒネった造語をして「近視眼になっちゃいけない」と自省するのが今週のテーマだった。今日はその最終日。そのテーマにふさわしいと言えるのかどうか、わたしは毎日のように反省している。仕事柄、読み手視点や顧客視点について。

企画書や資料の作成速度は負けないが、コンパスが悪かったり(つまり顧客への向きが狂っている)、Gootこないモノを作ったり(言語明瞭、意味不明瞭と言われたこともある)。自分の軽はずみな言動、道に迷うことや違う電車に乗って遅刻することに反省することも多い。煩悩コンサルタントである。

【勝手にアドバイス マーケター・マイオピア 5.反省をしよう】
読み手視点についての反省をふたつ挙げる。

こんな拙文でも持続して書いていると、ときどき何らかのリアクションがある。ある方(新聞関係)よりメールが飛んできた。XXXXについてブログに書かれたことについて、お話しを伺えませんか?」という内容だった。もちろん!いいですよ・・・とメールを打ち返しながら、「XXXの専門家ではないのに・・・」と背筋に冷たい汗がしたたり落ちるのは、相手には見えない。それが電子メールの良いところ(笑)。

拙文でもネット上に出すことは、読み手の時間を割く。そこに責任がある。もっとしっかり書かなければならない。ありがたい話であるが、反省1。

【ヒッキィの鉄則】
もうひとつは、最近あるきっかけがあって、本の企画案をまとめていることに関連して。わたしの第一企画案は、よく言えばまとも、素直に言えば陳腐で、論文調丸出しの内容だった。その案を判定する人曰わく、「論は誰も読みませんし、売れませんよね。郷さん(わたしのこと)のやわらかいヤツを期待してるんですよ。ほら、あの『オーストラリアの話』みたいのがいいんです」 

だそうなのである。ああ、アレをお読み頂いていたんだ!と落涙しそうになった。あれとはストーリー仕立ての成長物語の2章分を、ヘタですが楽しみながら書いたのである。書き手が楽しいのは読み手も楽しい(かしら?)。反省2。だがこっちでは「しっかり」ではなく「やわらかく書いて」と言われたのには、矛盾ではなく期待だとポジティブに受け止めた。

確かに誰しも論文は読みたくない。物語や事例を好む。コンサルティング業務にファンタジーはまずいが、コンサルティング物語にはファンタジーが必要なのである。そこでわたしは、この気づきをもたらせてくれた方の愛称を冠して、書き物にファンタジーを入れることを「ヒッキィの鉄則」と名付けた。目立つところに書き留めて張っておこう。
 
 Photo_53 矛盾君と期待君。

今週の内容はちょっと「論」が多かった。5回目にして反省するようじゃダメだ。後悔も反省も先に立たず。ビフォアでなくてはならない。

【アフターサービスではなく、ビフォアサービスへ】
伊勢丹では売場ではなく「買い場」と呼ぶと書いたが、アフターサービスもまたビフォア・サービスでなくてはならない

アフターサービスとは完了形の表現である。買った後の顧客をどう扱えばいいのだろうか?という問いかけであり、業務プロセスになる。そうではなく、次の購買のビフォア・サービスでなければならない。

アフターサービス: 購入後保証、購入後点検、購入後修理、販促&DMターゲット・・・
ビフォアサービス: 継続使用保証、継続使用点検、修理期間延長プラン、使い方や機能進化保証、買換優先購入・・・

お客様志向の意識づけからも「アフター=終わった人」というのは適切ではない。ビフォア・サービスでは嫌らしい+わざとらしいので、「ご愛顧サービス」という名称でもいい。担当従業員の(辺境)意識がガラリと変わるのではないだろうか?たかがネーミング、されどネーミングであるので。

【言葉の手鏡を持つ】
わたし自身の反省手法をひとつ開示する。その日気になった誰かの言葉を反芻する。その言葉にどんな意味があるだろうか?なぜその言葉を自分は気になるのか?それを反すうして考える。

 Photo_54  手鏡。

あるお客さんのところでセッションが終わったあと、立ち話でこう聞かれた。「ウチぐらいの規模の会社ではコンサルタントは何名入るのが適切ですか?」 とっさに考えたのは、そのPJではわたしが一人なので、ご不満なのだろうか?と。それをグッとこらえて、業種や分野によって複数のコンサルタントが入ることは稀ではないし、大企業だと事業部決裁で雇うこともある。その場では、そんなことをのらりくらり答えた。数時間後、何となく引っかかったので彼の言葉を反すうした。

彼はなぜわたしにそう言ったのだろう?彼の立場から質問を考えてみた。それで気づいたのは「お前はひとりじゃない」という意味だった。このお客さんの会社ではすでに別のコンサルタントがいて、その指導とお前の指導は、どういう関係があるのか、関係がないのか、それが質問の真意だろう。

その質問の視点から、セッション中の彼の言動や身体の姿勢、参加度合いを思い起こした。味方か敵か考えた。わたしのそのときの結論は味方であった。だから「わたしへの善意の警告」だったのだ。それはほんとうだった。逆にまだ味方未満だと思ったら、何が悪かったのだろう、言動だろうか、説明だろうか、このPJの趣旨だろう・・・と延々と考えた。言葉の手鏡を持つのが、この職業(コンサルタント)である。

【最後に】
言葉が気になるのは、もっと身近なところにもある。「今日は強風だったね、電車が遅れてるのに、よく遅れないで会社来れたね」「わたし最近(体重が)重いですから、飛びませんでした♪」(by 最近体重が増えたらしい人)。「新丸ビルに行ってきました・・・ブログのネタになりませんか」(by Cherryさん) 行きましたよ、今日はじめて。明日のテーマはそれにしました。

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言葉‭ひとつで楽しくもなるし、反省のきっかけにもなる。結局、反省することは(最初は素直でなくても)ありがとうと言えるか、思えるかどうかである。マイオピアを避けるのも自分をとりもどす、誰かへの感謝があればこそだろう。今週、お読みいただきありがとうございました。

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2007年5月10日 (木)

マーケター・マイオピア 4.忘却したフリをしよう

今週(2007年5月7日~)はマーケター・マイオピアというテーマで5回連続で、マイオピア(近視眼)に陥らない業務活動を考えている。これまで企画書=書くことに関して二度書いたので、今日は書く以外のことをテーマにしたい。今週書いてきたことのおさらいである。

1.メタ顧客になろう → 5月7日
2.反対企画書を書こう → 5月8日
3.言葉の変換器を持とう → 5月9日
4.忘却したフリをしよう  → 5月10日
 脳トレもいいけれども・・・
5.反省をしよう →  5月11日
 毎日のセルフ反省会が翌日の始点。

マイオピア(近視眼)とは、たとえ美しい大きな目でも、焦点が合わないのでオボロにしか見えないことだ。それは必ずしも悪いことばかりではない。世の中には見たくないものも多いし、目を合わせたくない人も少なくはない。闇夜にスパイダーマンが飛び交っていても、近視眼には見えないのである。

そういえばバンコクの屋台カレーは安くて旨いが、夜になると街灯も少なくて、鍋を照らすのは月光しかない。闇鍋そのものである。だからカレーがレッドかグリーンかさえもわからない。もちろん売り子が何を喋っているかわからない。カップンカーしかわからない。何が入っていてもわからないのがかえって幸せなのである(と、そんなこと書くのも、今日のランチはESTU嬢とKEI嬢とタイ飯だったからだ。ご一緒してくれてありがとう!たまにはこういうタイ験もいいだろう)。

【勝手にアドバイス旬ネタ マーケター・マイオピア 4.忘却したフリをしよう】
年を取ると近視に遠視が足されて老視になるという、+と-でも-という、公式化困難なことが視角に起きる。わたしはまだだ(と信じている)。年を取ると見えなくなること以外にも、良いことがある。それは物ごとを忘却できることである。正確に言えば、忘却力がアップするということである

加齢効果の忘却力ではない。一般の日本人の忘却力のことである。その国民的な忘却力の高さを織り込んで、週刊誌を始めとするマスメディアは、あらゆるテーマを緻密に忘却サイクル化している。

世間は彼女(筆者加筆 山本モナ)を許したのか。違う。許したのではなく、忘れたのだ。蜂の巣をつついたような大騒ぎになった出来事も、少し時間が経てば風化してどうでもよくなり、意識から消えてゆく。例えば、多くのレギュラー番組を持つ吉本興業系の名司会ぶりを楽しみながら、彼(同 島田紳助)が過去に起こした傷害事件を思い出す視聴者は稀だろう。
武田徹氏 評論家 日経ビジネス 2007年4月30日号

武田氏は東京大学先端科学技術研究センター特任教授で、その鋭い指摘を愉しませていただいている。氏は「彼女」の「事件」も、「彼」の「事件」も、人の噂も3週間(3週号分)ぐらいで消滅する、だがそれは許しではなく忘れである、それが日本の世間であると言っている。その通りだと思った。

日本人だけに特有かどうかわからないが、日本人の忘却力の高さゆえに、世界に類を見ない週刊誌・月刊誌が林立して刊行されているのである。これほどの多くの活字媒体が、忘却を織り込んで、娯楽化され消費され、あるときにリサイクルされる(あの消えたスターの今は!という記事である)。なぜなら忘却されても決して許されていないからだ。だが、ほどなく忘却サイクルに入る・・・。

忘却は消費に織り込み済みである。逆に言えば忘却は消費の源である。

 9784480063366  本論とは関係ないです。

【忘れることを業務に入れよう】
その日本人の忘却癖(忘却サイクル)をあらゆるマーケターは計算に入れる必要がある。聡い企業では忘却サイクルをプログラム化して商品開発に取り入れている。

脳トレもいいけれども、開発者やマーケターたる者は、むしろいち早く忘却をすべきである。今起きていることはすでに過去である。それを追従してもしようがあい。消費者と一緒に忘却サイクルに入ってはまずいのである。むしろ脳トレなんかせずに、消費者の先を越すためには誰よりもいち早く忘却することお奨めする。
 
【忘れることは前向きである】

医学博士で現役の神経内科医師、そして作家の米山公啓さんは、こう書いている。

実業家で成功した人というのは、すべてうまくいった人のように見えますが、実は多くの失敗をした人たちです。しかし、彼らはその失敗にくじけなかった人たちといえます。精神的な強さもあるでしょうが、私は「健忘力」の強さもあるのではないかと考えています
出典 http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/kenkou/katunou_050407.html

健忘力は、仕事をする人にはみんな必要であり、健忘するからこそくじけなかったと、精神科医の氏は説く。今日起きたことを明日に引きずっては力がでない。昨日のマイナスな出来事を明日のマイナスにしてはいけない。そのためには「忘れればいい」。

私たちは記憶することばかりにとらわれてしまいがちですが、人生には忘れてしまった方がいいこともたくさんあります。仕事上の大きな失敗や離婚など、自分の人生にとってマイナスに働くようなことは早く忘れてしまった方が、すぐに立ち直って新しい人生を歩みだすことができるのです。
出典 同

機能しない男女関係は継続よりも忘れた方が安全である。そういう忘却は一時的にマイナスだが、何にせよ目くじらを立てると良くないのである。この健忘力はマーケターの仕事にも必須なのである。

 Untitled  本論とは関係ないです。

【忘れることは新鮮である】
たとえばこういうことをしよう。休日でもじっくりと掃除機を前して、「掃除機ってどう使うんだっけ?」とあたかも何も知らないフリをしよう。ええ!どうしてこうしたら埃が取れるんだろう。どうしてカーテンレール上の埃は取れないんだろう?どうして柴犬の毛玉を吸い取れないんだろう?こう自問してみよう。

電気ポットをじっと眺めて、どうやって水を補給するんだろう?と自問しよう。冷蔵庫を開けて、どうして冷蔵庫に入れてもモノは腐るんだろう?と自問しよう。身の回りのことを一切忘却したフリをしよう。そうすると今までと違ったアスペクトでモノやコトが見えてくる。忘却は新鮮さにつながるのである

 Animalcrumbscrub  ブヒこれも掃除機。

【ビヨンド・・・・】
忘却するということはビヨンドでもある。ビヨンドとは今の状態をすべて超越して違う平原に達する、というような意味である。マトリクスを作ってみた。

 Photo_52  
   ビヨンド・マトリクス

縦軸は顧客資源であり、既存か新規である。横軸はクレームを受けたときの対応を図示し、その場しのぎで対応するか、製品をきちんと改良するかを区分けする。Aはどうも瞬間湯沸かし器などで見られたポジションであり、Bは誠意ある対応といえる。Cは飲食店で下げ膳をウェイトレスにひっくり返され、汁・油を浴びた同僚がクリーニング券を受領した事例に相当する。Dはクレームを活かして、新規顧客を開拓しよう!という最も前向きな姿勢である。

だがEポジションこそ、企業を変える商品開発を導き出すものである。クレームの本質を見る。そこから従来は視界に入ってこなかった顧客や市場を見出すというものである。これができたときが事業の第二の創業、第二の成長期になる。今日は以上です。

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2007年5月 9日 (水)

マーケター・マイオピア 3.変換器を持とう

マーケティング関連のコンサルティングをする上での反省週間にもあてようという趣旨で始めた「マーケター・マイオピア」。反省するのは、言葉上は(比較的)簡単だが、反省を文章に書くのはあんがいむつかしい。それが見に沁みた。

それはなぜだろうか?考えてみれば反省の背景、反省する筋、反省の趣旨、反省の言葉、そして、反省を活かして次に反省しないぞ宣言・・・と反省を第三者に伝えることは、かなり骨の折れる作業だからである。それを始末書に書きなさい!という上司は命じれば終わりだが、本人は反省して恐縮しているのに、反省の形式化(文章化という意味)という大作業をさせられる。これが骨が折れるのである。

どおりでみんな反省したがらないわけだ(笑)。戦争も慰安婦も反省するとたいへんなのである。「失敗学」がなぜ失敗「学」と呼ばれるか、そこにも理由がある。学問なら「ええい仕方ないか、学問のため協力するか」と渋々でも反省するからだ。これを「失敗を残そう運動」としてしまうと、まさにゴミを拾おう運動になってしまって心ある人にしか浸透しない。学と呼ぶ意味はあるのだ。

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 画像出典 http://www.ohriki.t.u-tokyo.ac.jp/S-Tech/M1/group_sippai/index.html

【勝手にアドバイス旬ネタ マーケター・マイオピア 3.変換器を持とう】
そこで企業での反省は、反省することをナレッジマネジメントやナレッジ・データーベースというレッテルを付ける。外来語という衣(ころも)で反省をシステム化しようという、反省のオートマチズムな取り組みとも言える。IT企業も賢い。

ところが聡い社員達は、「ナレッジ・データーベース」が実は「反省データーベース」の言い換えであると疑って、骨折りを渋るのである。その対抗策として、マネージャーは「反省をさせるにも何らかのメリットが必要である」と考えるが、特段のメリットが考えつかない場合に、コンサルタントの出番になる。それはありがたいことだ。

そのコンサルタントをしているわたしが、反省するのは(あんがい)むつかしいと書いてしまった。商売に影響するような気がする(笑)。だが本音派を自認するゆえ言い切ろう。反省することは簡単ではない、それは事実である。蓄積・加工・更新・共有をする上でシステムは必須だが、システムだけで反省できるわけがない

反省することが普通であると全社に浸透させるにはどうすればいいだろうか?魔法の杖のような解決策はないが、基本は「言葉」を正確に用いることである。コミュニケーション理解のレベルを上げることができれば、反省文を書くのも楽になるはずである。

【外来語利用の制限】
その上では、みんなが同じ理解をしない用語の使用制限をすることには一理ある。「外来語を言い換える」という一文を書かれている方がいる。そこから例をいくつか見てみよう。

 グローバリゼーションとハーモナイゼーション
 ボーダーレス社会のグランドデザイン

 【地球規模化】と【協調】
 【無境界/脱境界】社会の【全体構想】

無境界の社会・・・何となく意味が違うような気がするが、ボーダーレスの何が「レス」なのか考えるきっかけにはなるだろう。次の文はどうだろうか。

原文:
会議では、新しい製品コンセプトのプレゼンテーションや、インパクトのあるイノベーション戦略、支社で行われた戦略のケーススタディ、多国籍企業のスケールメリットのポテンシャルを活かしたアクションプランの策定などがアジェンダに登場する。

翻訳:
会議では、新しい製品【基本概念】の【発表】や、【衝撃】のある【技術革新】戦略、支社で行われた戦略のケーススタディ、多国籍企業の【規模効果】の【潜在能力】を活かした【実行計画】の策定などが【検討課題】に登場する。

引用元 http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000595.html

どちらがわかりやすいだろうか?たとえば「ナレッジ」という言葉の日本語翻訳が、全社員で一致することは恐らくない。人によっては単に「情報」であり、別の人には「昔の知恵」かもしれない。たいていの会社ではその違いに気にもとめないかもしれない。だが用語の本質を一致させるのは、社外の人に企画書を説明する上でも必要なことである。

 Photo_51 理解が第一。

そのために、マーケターも商品開発者も「変換器」を持ったらどうだろうか。

【変換器を持とう】
自分が書いた企画書や提案書の中の言葉、絵、表、数字・・・およそ構成されているものを、別のかたちに転換する作業が変換器である。

 文章を絵にする
 絵を文章に置き換える
 数字を言葉で説明する
 言葉を数字に置き換える
 文章を数式にしてみる
 イラストを写真に置き換える
 写真をイラストに置き換える
 文章を箇条書きにする
 箇条書きを文章にする
 たとえば・・・の文章を絵にする
 ・・・である。に例えば・・・と継ぐ 
 絵の中の色を変えてみる
 主客を転倒させる
 受け取り者と支払者を転倒させる

  
文章を絵にするのは抽象化である。絵を文章にするのは具体化である。たとえば講演などの準備でカギになるプレゼンシートには、みなさんメモを書くだろう。その行ったり来たりの作業は、まさに顧客志向である。数字の説明を言葉に置き換えているでしょう。メッセージがそれで具体化される。

イラストを写真に置き換える、またその逆は、なぜそこが写真の方がいいのか?イラストの方がいいのか?情緒的でない理由を考えさせる。主客を転倒させるのは、「反対企画書」に通じる(2007年5月8日のブログ参照)。

こうした言葉の変換器を自分の中に持てれば、企画書が自分視点だけに留まらず、海中に落とされた錨(いかり)のように、顧客視点、自社視点、社会視点の海流に行きつ戻りつするのである。その海中浮遊の感覚こそ持つべきだろう。

  Photo_3  錨。

今日は以上です。

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2007年5月 8日 (火)

マーケター・マイオピア 2.反対企画書を書こう

昨日から書き始めたマーケター・マイオピア。今日はその二回目でテーマは企画書である。企画書とはいっても、その書き方(企画がそもそも必要か、目的は何か、実現可能か、具体的か・・・)といった伝授をするつもりはない。世の中にはわたしなぞより余程素晴らしい企画書を書く人はたくさんいる。さまざまなノウハウがネット上や本になっているので、そちらをご覧いただきたい。

のっけから暴言かもしれないが、企画書作成には王道はない。

読み手の時間を占有することを考えれば、できる限り短い方がいい。世には一枚企画書を唱道される方もいて、個人的にはまったく賛同するが、顧客によっては「この金額を1枚の企画書で発注するのか!」と賛同されないこともある。1枚ではもったいないのである。また要求仕様をオウム返しに企画書に書き写さないこともあたりまえだと思うが、発注者によっては「書いてあることが契約事項」とされる。そのときはオウム返し企画書が必要とされる。つまり要求される段階や目的、プレゼンする相手によって、企画書は変化させる必要がある。絶対これで行こうというスタイルを追求すること自体、無理があると思う。

それでも、マーケター・マイオピアにならないために、気をつけなければならないことがある。昨日の主張、「SEE顧客」を実践するために、「反対企画書」を心がけてはどうだろうか。

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【勝手にアドバイス旬ネタ マーケター・マイオピア 2.反対企画書を書こう】
反対企画書とは、企画書を読み手主語の文章(語尾)に書き直す。ただそれだけである。拍子抜けてすみません。ちなみに、伊勢丹では、売場ではなく「買い場」という不思議な用語を使う。昔、人づてに聞いたが、もちろん今でも使われている。静岡伊勢丹のサマータイマー募集の広告にはこうある。

5. 電話交換(業務)
お客さまからの代表電話への応対、及びお買い場への電話取りつぎ業務。館内に流れる店内音楽や社内放送の管理。

http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shizuoka/recruit/index.jsp

正確には「お買い場」であった。買い場だと株式用語になってしまう(笑)。ともかく売り手言葉から買い手言葉へコペルニクス的転換を図ってきた伊勢丹だからこそ、今の盛業がある。

【自省こめて、自分の企画書の一文を披露】
これはわたし自身がずっと前に作った企画書の一部である。お恥ずかしながら開示する(出所がわからないように一部改変している)。

<基本方針>
①競争力の源泉となる業務のシステム化は、パッケージソフトウエアには難しい(オーダーメイド)。
②業務に意識の高いベテラン社員の知恵をベースに、競争力の源泉となる業務を根本から改善し、新しい情報システムを導入する。
③プロジェクトのマイルストーン管理プロセスの抜本的な再構築⇒顧客情報を全社で共有できるシステム

一見まともである。だがこれを反対企画書言葉に翻訳すると、ほころびが見えてくる。

まず基本方針というフレーズは、コンサルタントが企画書に書いたことである。クライアントはそう読む。だから<基本方針>は<当社と契約したコンサルタントが示したこと>と訳せる。

①は反対に訳すと「当社は、競争力の源泉の業務システム化をパッケージでは実現しない」となり、その根拠の薄弱さがバクロされる。なぜパッケージではだめなのか?PJを始める前にそう言い切る実績と読みがどれだけあるのか?そう聞かれていたら受注できなかっただろう。

②は「当社ではベテラン社員の知恵をベースにすれば根本から仕事を変えることができる」だが、ベテラン社員でどうして仕事が変えられるのか、むしろベテランのコチコチ頭ゆえ変わらないのではないか?という疑問もでてくる。

③は「顧客情報を共有すれば、プロジェクト管理が抜本的に再構築される」と読むと、なぜ?と思ってしまう。一般論としては「共有」はもちろん是だが、どうしたら共有できるか人間論が知りたいクライアントにはモノ足りないフレーズである。今のわたしはこのときより上達したとは思うが、企画書のどこかで自分(自社)のすること・したいことが中心になっているかもしれない。

1155735943  同じ魚眼レンズでも写り方はこんなに違う。
魚眼レンズの撮影では地平線を中心に持ってくれば、ゆがみはほとんど感じなくなる。地平線が画面の下に来ると、上の写真のように両端が上がった弧を描く、地平線を画面の真ん中より上に持ってくれば反対に中央が上がる。
出典:http://eco.goo.ne.jp/nature/unno/diary/200608/1155735943.html 

同じ目でも、地平線を自分よりにするか、顧客よりにするかでまったく違うように見えるというイメージである。

【広告でも「自社がやりたいこと」オンパレードである】
手元の雑誌(日経ITストラテジー)をぱらぱらとめくった。N社のRFID(無線ICタグ)に関する広告が目にとまった。そこからフレーズを引くと・・・・

 ①漏洩対策が、いま、求められています。
 ②仕様書やサンプル品などの現品の管理・漏洩対策が新たな課題になっています。
 ③豊富な導入実績をもつ、弊社のノウハウを集約しております。

 
売り手の心理は「いま漏洩対策が求められている」「現物の漏洩も課題になっている」「弊社のノウハウを集約、ソリューションを提供したい」という三段論法である。一見もっともであるが、反対言葉にしてみるとどうなるだろうか。

 ①漏洩作業が求められていることにわたしは共感する。
 ②管理・漏洩作業の課題は、ウチにも問題である。
 ③ウチもこの会社のノウハウの一部になってしまう。しかもお金を支払うのに。

③はちょっと意地悪く書いたが、自分が書いた企画書の文言をたとえ語尾だけでも、買い手言葉に翻訳してみると、企画書、そのフレーズは顧客視点にすることができる。

【語尾だけ変えても買い手言葉になる】
語尾を変えて売り手と買い手の「XXX」が合致するなら企画書は優秀である。単純化すると次のようになる。

以下の場合、修正不要である。
 【売り手】「XXXと考えています」 → 【買い手】「XXXに共感する」 
 【売り手】「XXXのソリューションを提供します」 → 【買い手】「XXXは問題である」
 【売り手】「XXXはお客様のメリットです」 → 【買い手】「XXXをしないのはデメリットである」

だが売り手と買い手の言葉が不一致なら、修正が必要である。
 【売り手】「XXXのソリューション」 → 【買い手】「△△△が問題である」 → 売り手から要修正

買い手言葉に展開して不一致を探す。単純なことだが、多くの人がこれができていない。皆さん自身で、買い手言葉を工夫して、自分の企画書を売り手言葉から脱却させてほしい。

【もうひとつの反対企画書】
反対企画書の別の案で、経験者向けの書き方のさわりをご紹介しよう。

企画書の作成過程をひっくり返す というもの。たいていは、表紙、構成、課題、目的、効果、実行シナリオ、期間、体制・・・という順序で書くだろうが、それをあえて逆から書いてみる。そうすると顧客に向き合う企画書にすることができる。

まずプロジェクト終了後に実現することを先頭にもってくる。そのときの効果と変化、そのためにクライアントがすべきこと(人と金など)、請負側がすべきこと(アイデア創出とか)、実施スケジュール、実施事項、当初の目的、当初の課題、当初の目的と課題が解決されること、こんな逆さまの順序で書くのは効き目がある。

作成の難易度が高いが、スープストック東京の創設者の遠山正道氏の企画書は「スープのある一日、とい企画書を、物語形式で書きました」というものだったと記憶している。ほとんどイラスト(漫画)だったという。

 200507204 そのときの企画書の一部。

顧客志向の企画書の本来の姿はそれだろう。今日は以上です。

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2007年5月 7日 (月)

マーケター・マイオピア 1.メタ顧客になろう

マーケティング・マイオピア(marketing myopia/近視眼)とは、マーケティング・グルであるセオドア・レビット氏が用いた言葉である。改めてチェックをしてみると1960年のハーバード・ビジネス・レビューで指摘されたコンセプトである。

その言わんとするところは、製品やサービスを追求するあまり、自社の商品を売らんかなという姿勢になってしまい、消費者の根本のニーズを見間違うという「近視眼な状態」を指している。レビット教授が引いた例は鉄道会社の例(米国の鉄道会社は、その事業領域を「鉄道事業」と狭く定義したせいで、「交通事業」に進出できなかった)、映画の例(ハリウッドは、その事業領域を映画産業と定義したせいで、「テレビ」というメディアを敵対視するしかできず、衰退した)が有名である。

身の回りでもいろいろ指摘できるだろう。たとえばシャンプーやコンディショナーを買うのは、シャンプーやコンディショナーを買うのではなく、美しい健康な髪の状態や、不潔な印象を人に与えないエチケット、愛する人に愛(め)でてもらうシーンを買うのである。一方、眼鏡やコンタクトレンズを買うのは、近視(マイオピア)を矯正するためだけではなく、自己イメージを買うという逆説的な事情もある。

何はともあれ、レビット教授の今から50年近く前の指摘である。自社の事業をどんな言葉で規定するかで、事業や場合によっては業界の盛衰が決する。まさに先見の明ありの箴言と言えよう。コトラー氏のAha!と同じく、本質を表す、わたしの好きな言葉である。

そこで思うのは、マーケティング・マイオピアという言葉を、「過去形」で失敗学的に学ぶというようなイメージでは捉えてはならない。商品を開発する現場の方々や、外部のマーケターさん、プランナーさんにとって、常に現在形の問題として扱わなければならない。わたしも常々そう思っている。

そこでわたしは「マーケター・マイオピア」というネーミングを創造して、自分の問題として考えてみよう、反省しようと考えた。今週の勝手にアドバイス旬ネタのテーマとしたい。

商品開発者やマーケター、そしてコンサルタントが陥りがちな落とし穴とは何だろうか?いかにして陥らないようにすべきか?「自分が見たいモノを見ようとすることを防止する」にはどうしたらよいだろうか。それを5回に分けて考えてみたい。なるべく概念的なものではなく、手軽にかつ具体的に、今日から応用できるというような内容にしたいと思っている。想定した構成は以下の通りである。

1.メタ顧客になろう
 顧客目線を持つという永遠の課題。
2.反対企画書を書こう
 企画書を読み手主語の文章に書き直す。
3.言葉の変換器を持とう
 言葉をさまざまに変換できるクセをつけよう。
4.忘却したフリをしよう
 脳トレもいいけれども・・・
5.反省をしよう
 毎日のセルフ反省会が翌日の始点。

【勝手にアドバイス旬ネタ マーケター・マイオピア 1.メタ顧客になろう】
あなたは顧客のことをほんとうに真剣に考えるだろうか?これまで考えてきただろうか?まず胸に手を当てて、自分が顧客のことを考えたときの状況、顧客や上司や同僚の言葉、やったこと、そして腹の底にあるほんとうの自分の思い。自分事例をあげて考えてみてほしい。

正直言うとわたしも顧客価値に対してブレたときがある。それは当初書かれた企画書を信奉し続けたことだ。クライアントのことがよく見えない状態で書かれた初期の企画書には、契約履行上の意味はあるとしても、真の成果を約束する内容が含まれていない場合がある。

だから途中で進路変更が必要である。それが仕切れなかったことがあった。車は急に止まれないが、プロジェクトはそれに比べれば急に止まれる。もちろんアサインした人員と工数を再構成するのは問題だが、それは顧客価値と何の関わり合いもない請負側の問題である。

【メタ/マイオピア・マトリクス】
そのとき思ったことは、企画書は契約書ではあるが誓約書ではない。契約の本質はクライアントの満足である。顧客の満足は売り手の一種の誓いから生まれる。われわれの仕事(コンサルティング)のようなものだけではなく、50円の駄菓子の売り手もそれは同じである。そういう自戒をこめて、そこに陥らないように考えてみたのが、メタ/マイオピア・マトリクスである。

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     メタ/マイオピア・マトリクス 原形

あなたがマーケターや開発者であると思って見てほしい。まずAは「会社のため」「自社の成長」という象限である。こうポジションすると「自己満足なポジションだなあ」と見がちだが、世の中の8割以上のマーケティング・営業活動がだいたいAに属している。何せノルマをかかえ(自社成長)、会社のため(給料と賞与)である。ここをBに持って行くことが、社員としての成長がある。

わたしの先輩の話していたエピソードを紹介する。ある鉄鋼会社に営業をした営業マンがいた。彼の売り込み商材は自社の戦略商品(情報システム商品)であり、それで鉄鋼会社のひとつの事業部から受注した。金額的にはさほど大きくなかった。その後鉄鋼会社の担当者から「ウチはナレッジマネジメント、情報共有が弱いんだ」と言われた。営業マンはさっそく自社開発の、鉄鋼とは違う業種のソフトウェア(医療機関向けだった)を営業しようとした。そこで彼は上司から言われた。

「お前さ、鉄と医療って合わないよな。第一そのパッケージはそのまま使えないし(開発が入る)、それでお客さんのためになるのか?あの鉄鋼会社、情シス子会社があっただろう?」

営業マンはその言にハッとして、その鉄鋼会社の情報システム子会社に連絡をした。そして関連するパッケージシステムの紹介をした。鉄鋼会社の担当者は満足した。その場は失注した。だが、鉄鋼会社の複数の別の事業部から、すぐに戦略商品の引き合いが来た。その鉄鋼会社の口座はすぐに数倍になった。

ごく最近の実話であり、AからBへの移動の事例である。損して得取れ、あるいは因果応報といえる。

ポジションCは、見かけ(直近の売上)が良くてもいずれ破綻する「売れ売れポジション」である。行き過ぎた成果主義でもある。ポジションDは理想であるが、「顧客のため」はいいが、なぜ「自分のため」が理想なのか?と疑問をもつ人もいるだろう。だがほんとうの顧客のためは、自分のためと一致する。自分が心地悪いことは顧客もどこか心地悪いのである。自分がまっすぐだと思うことは、顧客もまっすぐだと思うのである。

個人的には、こう思います・・・」とわたしは、ほんとうに個人的に考えて、顧客未満の方に提案した。すると顧客未満の方は「その通り!」と即座に響いてくれた。そして顧客になっていただいた。会社のことは、少なくとも顧客との瞬間には、忘却しなくてはならない。

【動物で例えると・・・】
動物でたとえるとわかりやすい。
 
 02_12  
   メタ/マイオピア・マトリクス アニマル編。

ポジションA(近眼さん。ちなみにわたしはド近眼です_笑)は「マイオピア視点」であり、ポジションDは「メタ視点」である。カモメのように自由に飛翔して、会社も自分も顧客もすべて上空から観ることのできるポジションである。は深慮深いフクロウは一匹オオカミというイメージがぴったりだろう。

ではいかにして「かもめ」になれるのだろうか?それが今週のテーマだが、高島屋にヒントがあった。

【高島屋のSEEカード】
高島屋がSEEカードというものを発表した。

S.E.E.(シー)カード」。英語のSilent(静かな)、Easy(ゆったりとした)、Each(それぞれ)の頭文字から取った。「シーッ」と、人差し指を口元にたてるしぐさの図柄がある。これは高島屋が立川店で始めた静かにショッピングを楽しみたいという客に声かけを控えるサービスである。つまり、希望するお客さまに店内に用意したカードを首にかけてもらい、店員からは話しかけないようにする。

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わたしはこのサービスの是非は本稿では問わないが、「これは逆だ」と思った。むしろ業員がSEEカードをぶら下げるべきだ。それも胸ではなく、心の中にぶら下げるべき

ショッピングするお客様に、すぐに声をかけず、服装、動き、表情、連れと話す言葉を、お客様の背後から観察して、ほんとうに欲しいものを大局的に観るSEEでなくてはならない。その目線こそ「顧客メタ」である。顧客を越えて、ほんとうに欲しいものを提示するのを「顧客メタ」と呼びたい。

小売業だと、顧客の背後を行けるのでわかりやすいが、どんな業種でもわたしの顧客メタのイメージは、背後霊のように顧客の背後高く立ち、顧客も売り手(自分自身)も見下ろすもの。煎じ詰めれば、顧客メタをいかに実践できるかが、あらゆる商売の課題なのである。今日は以上です。

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2007年5月 6日 (日)

FUROSHIKI &MOTTAINAI

連休も終わりである。明日5月7日の月曜日に向けていかがお過ごしでしょうか。しかも足元の悪い雨模様の天気。外出もままならない。仕事ばかりでもったいないことをした・・・・ふとそう思ったとき、ブログのテーマをひらめいた。ああ、もうブログ症候群一歩手前(笑)。

テーマは「もったいない」。わたしはJAXA(宇宙航空研究開発機構)のシンポジウムに行ったとき、写真の手提げトートをもらった。買い物にはちょうどいいので、なるべく持参して包装削減に努めている(まだその回数は多くないが)。

 Jaxa  宇宙には持ち出せない。

だが日本には風呂敷がある。風呂敷こそもったいない精神の代名詞である。そこで調べてみると、オシャレな風呂敷専門店もあるし、ぐっときたデザインもある。そこで今日はFUROSHIKI &MOTTAINAIをテーマにしたい。

【勝手にアドバイス Vol.166 FUROSHIKI &MOTTAINAI 】
2007年5月中旬まで青山ブックセンターでは『MOTTAINAI FUROSHIKI-TEN』を開催中である。

青山ブックセンター全店にて、京都「むす美」(山田繊維株式会社)の「MOTTAINAIふろしき」を販売いたします。「MOTTAINAI=もったいない」を広めているのは、アフリカ人女性として初のノーベル平和賞を受賞した、前ケニア環境副大臣ワンガリ・マータイさん。マータイさんが2005年に来日した際、日本独自の言葉「もったいない」に出会い、そのすばらしい精神を賞賛。
http://www.aoyamabc.co.jp/20/20_200704/mottainaifuroshikitenmottainai.html

 Wangari_maathai_potrait_by_martin_rowe  マータイさん。2007年4月、来日された。

2005年にワンガリ・マータイさんのおかげで「MOTTAINAI」という言葉も流行ったが、もったいないの代名詞が風呂敷である。この写真のようなデザインとカラーなら、下手なブランド品に身をやつすよりも余程オシャレである。若い女性にもっと流行ればいいのに。この風呂敷を生産・販売するのが むす美(むすび)である。

 20070413_mfuroshiki  ABCのサイトで紹介している風呂敷。

【風呂敷専門店 むす美】
そのむす美さんのサイトから。

『 むす美』は、初の風呂敷専門店です。
包み布の生活文化圏は世界にも多くありますが日本の風呂敷ほど実用性、デザイン性に富み、加えて作法まで備えたものは他に例を見ません。風呂敷には、日本独特の美しい感性や、日本人の「心」が隠されているのです。
「和」の文化に秘められた“ていねいな暮らし”“心豊かな日常”“心を込める楽しさ”を現代のライフスタイルにもっと活かし、もっと楽しんで頂けることをめざしてハードとソフトの両面からご提案してまいります。

引用 http://www.kyoto-musubi.com/greet.html

 Toplogo  同社のロゴ。

初の風呂敷専門店」というところに驚いた。百貨店に行けばたいてい風呂敷は販売しているが、たしかに「風呂敷専門店」は聞いたことがない。そのおかげもあるのか、風呂敷といえばむす美というイメージが浸透してメディアにも取り上げられてきた。日本文化に興味のある外国人にも支持されている。

その昔、実家には、どこからか進物と一緒に頂くのか、何枚も風呂敷があった。昨今では気の利いた進物ぐらいだろうか、目につかなくなってしまった。奇をてらったラッピングより印象的だと思うが。

【MOTTAINAI Lab研究員】
むす美アートディレクターの山田悦子さんのブログも興味深い。そこからちょいと引用したい。

“浴衣”⇒“寝間着”⇒“オシメ”⇒“雑巾”・・・・すごーい!!!!!
ひとつのモノが、姿を変え、役割を変え、何よりその時どきに、最適なモノとして活かされている。
最後の最後まで価値を見出されて・・・。脱帽の二文字でした。

http://blog.excite.co.jp/mottainai-lab/i13

何のことかと言えば、80歳ぐらいのご婦人のお客様との会話。おばあちゃんによれば、最近若い女性に浴衣が流行っているけれど、最初は浴衣ってしゃきっとしてる。それが着古してヨレたら寝間着にする(なるほど)。寝間着の次は針仕事でオシメにする。その柔らかさが赤ちゃんにちょうどいい(なるほど)。オシメがお役ご免になったら、最後は雑巾になる。MOTTAINAIが昔は実践されていた。今はそれをわざわざしなくてはならない。

 2006102f272f222fa0083222_15222035  山田悦子さん。 41ogyaeqll__ss500_著書

【MOTTAINAI Labは満員御礼
そのMOTTAINAI Lab(もったいない精神にのっとったライフスタイル研究所、だそうです)では、ふろしき講座も開催され(2007年4月30日)満員だったそうだ。気になったのはクリエィティブ・ディレクターの箭内道彦さんの開発された「イチゴの風呂敷」。

 A0083222_15554913 箭内さん。A0083222_1556594

わたしが持つとスィートすぎる(スマン)。だがこれは流行りそうだ(販売予定)。

【勝手にアドバイス】
わたしがひとりで勝手にアドバイスするより、必要なことはひとつひとつ、身の回りのもったいないをみんなで積み上げることである。モノだけでなく、時間もそうだし、仕事でも同じだ。アドバイスがもったいないわけではない(笑)。

もったいないという精神は、節約という面だけでなく、どこか一期一会に通じる感覚がある。瞬間瞬間をしっかり生きよう、というような気にさせてくれる。もったいないから、そんなことを思った。今日は以上です。

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2007年5月 5日 (土)

ドイツサッカー協会の分析に学ぶ

ここ数日サッカーファンの間で話題になっているのが、スポーツライター木崎伸也氏が Number誌スコアカード欄に寄せた『ドイツサッカー協会は日本をどう分析したか』である。それはドイツサッカー協会がまとめた2006年ワールドカップ全試合の分析資料である。非売品かつ当然だがドイツ語なので、万人の手にわたる資料ではない。

その貴重さばかりでなく、木崎氏の文から、ドイツサッカー協会の分析眼の合理性、確かさが話題になっているのだ。さすがはゲルマン人、大会ホスト国で地の利があったとはいえ、優勝したイタリアに準決勝で負けたが、ポルトガルを下して3位につけた。その裏には確かな準備と分析眼があった。

連休終了のホイッスルからマイナス1日の今日は、サッカーの試合分析から仕事に役立つ教訓を得たい。

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元ローマでの優勝パレードで、バスの上から声援に応えるイタリア代表選手と、熱狂するサポーター(ロイター) ジーコは日本が優勝するにはあと50年かかると言った。そうかもしれない。

【勝手にアドバイス Vol.165 ドイツサッカー協会の分析に学ぶ】
まず木崎氏のNumber誌の記事と、木崎氏と金子達仁氏、戸塚啓氏の三名の連名exciteブログ「拳日記」の関連する記述から、そのゲルマン魂を要約したい。

 B0103264_1020385 伊。

・「Analyse Weltmeisterschaft 2006」(直訳すると2006年ワールドカップ分析)は104ページの非売品であり、出場全32カ国の特徴・短所を徹底分析している。日本についての記述は少ないが(予選敗退なのであたりまえ)木崎氏の文を引用すると、次のようなもの。

 「3バックの左右の2人(中澤と坪井)がサイドをカバーしないため、サイドバックの三都主と加地は長い距離を走らなければいけなかった」
 「守備のときポジショニングはいいのに、受身過ぎる」
 「2トップはほとんどポジションチェンジせず、トップ下の中村は水平にしか動かなかった」

サッカーファンとしてコメントを入れると、中澤(横浜FM)と坪井(浦和レッズ)のサイドカバーの少なさは、CBだった宮本(ザルツブルグ)との連携にも原因がある。その証拠に坪井の浦和レッズでの試合ではポジションは縦横無尽である(わたしはレッズラーなので彼の肩を持つ。すまん)。そして三都主(ザルツブルグ)の持ち味は常に攻撃にあり、加地(FC東京)はスタミナのある選手なので、走ってもらうしかなかった。だがそこを相手チームにもしっかり読まれていたのは事実だ。

三つ目の2トップのポジション・チェンジの少なさは当を得ている。中村(セルティック)が力を発揮できなかったのはここに原因があった。日本の2トップの唯一の得点は、ゴール横に切れこんだ三都主から玉田(名古屋グランパス)への得点だけだった(ブラジル戦)。

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【リラックス、モチベーション、そしてチームワーク】
木崎氏はNumber誌には韓国やイタリアの分析を紹介しているが、ブログではドイツチームのことも紹介されている。以下、ドイツチームの行動である。コンセプトは「ストレスを取り去ることが、新しいエネルギーと集中力を生み出す」というものだった。

サルディーニヤ島合宿(5月16日~21日)
・バスケットボール、ビーチバレー、ゴルフ、ヨガ、ハンドボールで気分転換。監督と選手の個人面談

スイス合宿(5月21日~30日)
・全選手の活躍したシーンとゴールシーンを集めた”モチベーション”DVDを配布。

親善試合(5月30日~6月5日)
・攻撃と守備のオートマチズムをテスト。攻撃と守備のバランスを重点的にトレーニング。

ドイツはすでに3回W杯で優勝しているチーム。だからこそできるという計画であり、スケジューリングとも言えなくない(2006年6月9日がミュンヘンでの予選第1戦の対コスタリカ戦)。

①気分転換とコミュニケーション(3週間前)
②モチベーションアップ(2週間前)
③チームバランスのチェック(1週間前)

リラックス、モチベーション、そしてチームワーク。この順序にとても合理性を感じる。仕事にも応用ができそうな順序である。だが日本チームでは不協和音あり、モチベーション高低あり、チームワーク無し・・・だった。勝てるわけがないのだ。

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スポーツライター3方のブログバナーです。

【ドイツサッカー協会の分析項目】
ドイツサッカー協会の関連でもっとも気になったのは、32チームの分析項目である。次の10項目。

1.システム・フォーメーション
2.攻撃の組み立ての種類
3.攻撃のコンセプト
4.守備のコンセプト
5.セットプレー
6.GKのプレー
7.飛びぬけた選手
8.シュート能力
9.戦術の多様性
10.試合のハイライト

1はサッカーでいう4-4-2や3-5-2という基本フォーメーションの分析。
2は攻撃のパターンの種類で、たとえばサイドからの攻撃、緩急をつけたワンツーアタック、2列目からの攻撃参加など。
3はコンセプトなので、基本的にロングボール主体だとか、ドリブル突破主体の分析だろう。
4はゾーンディフェンス(日本のお家芸)、中盤でのマンマーク&カットのような基本姿勢。
5は中村俊輔のような際だったキッカーの存在である。そのキッカーはどこにどんなボールを蹴り込むか、トリッキーなプレイがあるかなど。
6はGKの守備力、守備範囲、ボールフィード力やキャプテンシーか。
7はロナウジーニョやクリスチアーノ・ロナウドといった傑出した選手の分析。
8は、日本人には語ることが許されない。翼よ、出てこい!
9は選手交代、ポジションチェンジを含めた監督やコーチの能力や打ち手。
10は「Gooooaaaal!」だけでなく、試合の流れの変わるポイント分析もふくまれそうだ。

この分析項目が素晴らしいのは、試合と戦力を漏れなくダブり無く分析できる点である。縦軸にこれらの10項目を入れ、横軸に「試合」「自チーム」」「対戦チーム」を入れる。そうすると自分と相手の関係、そして試合運びを冷静に分析できる。

【勝手にアドバイス: サッカー戦略分析マップの構築】
1~10のドイツ分析項目を経営用語に読み替えてみよう。

1.システム・フォーメーション → 経営理念、経営方針
2.攻撃の組み立ての種類 → 戦略
3.攻撃のコンセプト → 営業や売り方
4.守備のコンセプト → 供給チャネル
5.セットプレー → 技術力
6.GKのプレー → マネジメント/PDCA
7.飛びぬけた選手 → 経営資源集中のヒット商品
8.シュート能力 → 競合との差異/差別化
9.戦術の多様性 → 経営者の能力
10.試合のハイライト → ナレッジの共有

これを縦軸にする表を想像してほしい。横軸には、読者の会社の「事業ユニット」ないし「マーケットドメイン/対象市場」を入れてマトリクスにする、そうするとまさに戦略分析マップになる。さすが合理性をたっとぶドイツ人、漏れなくダブりなくが徹底している。

日本サッカー協会にもこうした視点をぜひ取り入れて、次のW杯では予選突破をしてもらいたい。今日は以上です。

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2007年5月 4日 (金)

Linus-Bill=Fonero 無線LAN共有サービスFONの行方

連休も中日で良い天気の日であった。パソコンを捨て旅にでよう!という行動をされている方々がうらやましい。わたしはパソコンも仕事も捨てず旅も出ず、といった具合だ。

だからせめてバーチャルの世界で旅立とう!ということで、今日の話題は世界中タダのネットワークについてである。それは日本でも2006年12月から上陸したFONである。

スペイン・アルゼンチンの起業家Martin Varsavsky氏はFonを立ち上げた経緯について、「世界的な無線LANネットワークを創ること」と語る。ほんとうにそうなるのだろうか?連休狭間の渾身のブログです。

 13722fon02 戦略商品のLaFonera

【勝手にアドバイス Vol.164 Linus-Bill=Fonero 無線LAN共有サービスFONの行方】
BCランキングによると、無線ルータの販売台数にこの2007年4月、異変が起きた

サービスを利用するのに必要な専用の無線LANルーター「LaFonera」が、4月第2週の「BCNランキング」無線LANカテゴリーで販売台数シェア1位を獲得(中略) 4月の第2週(4月9日-15日)では、ついに無線LAN製品全体のランキングで1位を獲得。販売台数シェアは11.7%を記録した
引用元 http://bcnranking.jp/pickup/08-00013722.html

その理由は単純である。IEEE802.11g/b規格に対応した無線LANルータは8000円ぐらいするのに、LaFoneraはわずか1980円だからである。いや、ケチなわたしだって同製品が1万台出荷突破を記念したキャンペーンの日(4月15日だった)、タダでLaFoneraを手に入れた(正確には郵送料を支払った)。そしてネットワークの一員になってみた。日本でもすでに1万人を越えるFONユーザーがいるということだ

 Fon  O円でした。

【FONとは何だろうか?】
「自宅の無線LANインターネットアクセスをみんなで共有して町中を無線LANパラダイスにしてしまおう!」というWiFiコミュニティの運動だ。La Fonera(FON社製無線LANルータ)を購入したユーザーは、自分用のアクセスポイントとして利用できるのはもちろんだが、ほかのFONユーザーにも公開してインターネットアクセスを提供しなければならない
引用元 http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/column/narumono15/01.html

すでにインターネットに接続している家庭のADSLルータ、ケーブルモデムなどにLa Foneraを接続して、無線LAN設定をする。その設定には自分用のMy Placeと他者への公開用のFON APの二つがある。FON APを公開すると(セキュリティはかかっている)、Foneroと呼ばれるFONユーザになる。公開されたFON APの無線LANのシグナル範囲内なら、HotSpotのように無線LAN環境になるというわけだ。

 Fon_1

要するにネット接続ゼロ円である。街中のネットカフェも不要なら、有料のHot Placeも不要である。サービス開始からわずか1年で、世界150カ国、13万ヶ所のアクセスポイントがあるという。日本は2006年12月から4ヶ月足らずで1万アクセスポイントを超え、年内に7万5000ヶ所のポイントを目標にしている。

【タダゆえの問題はある】
おもしろいプロジェクト(ビジネス?)なのだが、問題はいろいろある。

ひとつはアクセスポイントがおおよそ住宅ばかりなので、住宅地でしかアクセスができにくいこと。LaFoneraの通信可能範囲は半径50m程度なのである。これはかなりビハインドである。

また無料といってもISPにただ乗りというモデルなので、「通信回線やインターネット接続アカウントを他人に提供してはならない」という契約条項が有る場合、原則的に公開できない。だが現実には公開されてしまっているという事実だけが先行している。

収益モデルが見えないことも問題。ユーザーのタイプは三つあり、「Linus」「Bill」「Aliens」である。

Linus: 「LaFonera」を設置してアクセスポイントを開放し、その代わりに他人のアクセスポイントも無料で利用できる。わたしはこのタイプにしている。無料のOSのLinuxを開発したリーナス・トーバル氏にちなんだ命名である。

Bill: LaFonera によってアクセスポイントを他人に有料で開放し、その代わりに他人のアクセスポイントも有料で利用するモデルである。収益優先という意味から、Bill Gates氏にちなんで命名された。50%はFONの取り分である。

Ailens: コミュニティにアクセスポイントを開放せず、他人のアクセスポイントを利用する際は有料というモデル。世界的に見るとAilenがまだ多数という話もあるが、地球上にいない人というメッセージらしい。

Logo_maps_home

Linus(無料)-Bill(独占・有料)=Fonero(収益)である。

つまりBillとAilenが増えないと儲けられないという事業モデルである。だがオープン・ムーブメントという香りがするところから見て、現在のネットワークはインフラづくりであろう。収入源は別に検討されていると考えるのが妥当である。
以上参考は、http://japan.internet.com/busnews/20061204/5.html

【今後の展開のヒントはVarsavsky氏の経歴にある】
Varsavsky氏は起業家であり、これまで、国際電話会社のViatel(国際電話のコールバック大手)、電話会社Jazztel、ポータルサイトのYa.comを立ち上げた人物であり、相当な実績がある。しかもユーザー数の獲得の事業展開スピードがすさまじい。全世界でAilenが2000人/日、Linusは500人/日という驚異的な増加である。

この事実がベースにあり、資金集めもスムーズである。すでにGoogleSkype両社らから総額1800万ユーロ(28億円)の資金も調達している。

さらに日本の尾身財務大臣(通産省官僚出身)とも知己を得ているという、通信事業に欠かせない政治的な動きも欠かしていない。日本だけの政治的な動きではないだろう。

 Kojimartin

【通信市場の行方を。勝手にプリ・アドバイス】
表向きVarsavsky氏はSkype(スカイプユーザー間の無料通話)との提携には口を濁している。だがすでに海外では、FONとスカイプが提携して無線LAN対応のスカイプ端末なるものまで登場しているという。これはタダでネットも通話もできると言う意味である。

Varsavsky氏のねらいは、間違いなくSkypeをモバイル環境(携帯電話やPDA)で利用することを普及させるところにある。あえてそう断言してしまう。ちなみに現在Skypeは全世界で約2億ユーザー(DL数)があり、常時数百万人の利用があるという。

SkypeとGoogleの携帯検索や携帯メール(Gmail)を使うとなれば、通話も携帯メールも価格破壊が完成するのである。国境を越える無料サービスから、安価なボーダーレス無線サービスの世界が出現する。

 Skype_logo  Logo1  Logo_fon 三位一体?

FONを単なる流行の無料サービスとして考えると、今後の展開を見誤る可能性がある。なぜなら彼らの市場展開の基礎には、通信インフラは誰のものか?という根源的な問いがベースにある。日本でもNTTにしても、どの国でも通信インフラは国有財産であったし、いまだ国有の国も多い。それを有効に使うことを、誰が止めることができるか?無料の理由が「インフラだから」と捉えれば、市場モデルはかなり違うものとなるのである。

日本の通信業界という、あえて言えば世界の主流から外れた業界の取り組みと顧客の意識が、この黒船にどう反応するのだろうか?国内企業が通信規格争いをしている間に、SkypeやFONが漁夫の利で無料/オープン連合として通信市場をオセロ返ししないとは限らないのだ。

Varsavsky氏は「オセロ返し」ができるのかどうか、状況を見ているのではないだろうか?既存勢力とどう折り合いを付けるかも大切だが、折り合いを付けるより、ガラリと優位な盤上をつくる戦略ポジションを腐心しているように思える。

もちろん、FONは無料の花火のように消滅する可能性もある。だが小回りのきくイー・モバイルのようなビジネススタイルも生きてくると思われる。同社の戦略である端末デザインや機能、サービスに差別化が、本来の通信サービスだと思います。でも(まだ)auでごめんなさい。

連休の狭間のワーカホリックらしく?将来の通信業界を我ながらをこめて考えてしまった。だがマーケテターとしては、通信やネットワークを活用することは必須なのである。今日は以上です。

Pc  myEpson シールがFoneroの証?

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2007年5月 3日 (木)

子どもに電子の鈴? グーパスと防犯携帯

5月5日は子どもの日。最近はなぜか鯉のぼりを立てる家が見掛けなくなったような気がする。少子化というよりも風習となってしまったのだろうか。だが出張した名古屋の地下街には、たくさん柏餅が並んでいた。甘いモノには縁が薄いわたしは、そそくさと前を通り過ぎたが、年に1度くらいなら餡の餅もよいだろう。

国民の祝日に関する法律によれば、こどもの日とは「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日と規定されている。「子どもの人格と幸福と感謝」これがキーワードである。

その趣旨と子どもの安全を量りにかけて、昨今の子ども管理システムを見るのが今日のテーマである。

 Koinoboripr420w2 こいのぼり群。
 出典 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Koinobori-pr-420w-2.jpg

【勝手にアドバイス Vol.163 子どもに電子の鈴? グーパスと防犯携帯】
2007年3月19日から、関東圏ではPASMOが開始された。運営側の見込み違いもあってPASMOが品切れになりそうということで、現在(2007年5月上旬)は定期券しか発売されていない。わたしはわざわざ都内数カ所でしか販売していないPASMO定期券を買いに行った。連休明けからPASMO定期券デビューである。余談でした。

そのPASMOとは連携が取れていないが、小田急電鉄では、「小田急あんしんグーパス」を2007年4月1日から開始している。磁気式定期券と駅の自動改札機の機能を利用した、子ども通過お知らせサービスである。

 Top_anshin309_1 C

小田急あんしんグーパスは、同社が発行した磁気式定期券(PASMOは非対応)を持つ小学生が定期券で小田急線の自動改札機を通過すると、子供の名前、日時、通過駅名、入場・出場情報を保護者の携帯電話にメールで配信するサービス。配信時間帯は始発から終電まで。2003年より提供されている自動改札機連動型携帯電話向け情報配信サービス「小田急グーパス」を応用したもので、インフラ提供と会員募集は小田急電鉄、システムの構築・運用はオムロンが担当する。
引用元 http://www.rbbtoday.com/news/20070312/39510.html

子どもが小田急の自動改札機を通過するたびに、親や学校関係者にメールでお知らせをする。従来から携帯のGPS機能を利用して子どもの居場所をチェックすることはできたが、送受信が必要だったり、決まった時間にチェックをするのが面倒だった。それが、子どもが改札ゲートをくぐったら自動配信という手軽さと低コストがうけて、親からは熱望されたサービスだという。また関西の私鉄では導入している会社もある。

 About_image 行きも帰りも。

【GPSで子どもの位置を知らせる携帯】
通学だけでなく、今どきの子どもは塾や習い事やスポーツで朝から晩まで忙しい。わたしが家に帰るような時間でも(8時~9時が多い)、子どもは街にたくさん見掛ける。

危険な場所もあるので、子どもには防犯機能やGPS位置情報お知らせ機能を持つ携帯やPHSを持たせる家庭も増えている。携帯3社(DoCoMo、au、ソフトバンク)及びPHS(ウィルコム)各社は、「イマドコサーチ(DoCoMo)」「安心ナビ(au)」のような名称で、GPS機能を提供している。

DoCoMoのイマドコサーチでは、月間使用量210円と位置情報検索料(5.25円/回)で、携帯やPCで子どもの場所がつかめる。auでは位置確認だけでなく、「塾のあるエリアに到達した」ら親へメールで自動配信する機能も備えているという。auの現在地確認サービスのおもしろいのは、「子どもの同意なく検索したい場合は有料」だと言う点。保護者側から子どもの携帯に位置確認メールを送り、子どもが同意してメールを返すサービスでは通信料だけ。だが子どもの同意が無い場合、親が位置確認をしようとすると月間使用料が別途発生する。親のおせっかい料なのである(笑)。

Au 今、シロガネ・チルドレン。

参考元。http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070328/266598/?ST=keitai&P=1

【防犯携帯】
auの「ジュニアケータイA5525SA」の機能もすごい。子どもが携帯に装備される防犯ブザーさえ鳴らせば・・・
・カメラが自動撮影し、事前に登録した最大5件の緊急連絡先へ写真添付で居場所を知らせるメール送信
・1分間隔で連続的に居場所を追跡する『移動経路通知』

 Au02 グットくるカラーリング。

誘拐犯は誘拐する前に「君はどんな携帯を持っているの?」と猫なで声で聞かねばならないだろうか?

だが個人的には、ウィルコムの子どもケータイがかわゆくて気になる。たまごっちあり、ハローキティありのデザイン。10年ぐらい前だろうか、赤外線通信機能がある電子手帳が子どもたちに流行った時代があった。それを持っていない子は仲間はずれにされた。それと比べて機能は格段に上で、防犯機能付きでかわゆい携帯が(安価で)提供されるのは隔世の感がある。

 Color04 ウィルコムの子どもたち。

http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/ws/papipo/index.html

【胸を張れない親の独り言】
刃物を振りかざす犯罪者がどこにいるかわからない世の中である。安心機能やサービスがあるに越したことはない。こうしたサービスが子どもに安価に持たせられるのは素晴らしいと思う。

だけれども「子どもの人格と幸福」を尊重するとき、寄り道ひとつもできない子どもははたして幸福だろうか?時間通りスケジュールをこなす子どもが(親には安心だが)それで自主性とか自立心をはぐくめるのだろうか?ちょっと心配になった。

わたしは小田急線に乗るような学校に通う上流家庭ではなかったので、ひがみかもしれない。都内育ちだが路地の細い下町である。だから学校へは歩きだった。家と学校が3分ぐらいしかない友人とのお喋りのために、学校のまわりを何周かして帰ったこともあった。寄り道もおしゃべりも学習のひとつだし、ちょいと遅くなって親を心配させるのも、親子両方にとって経験のひとつではいだろうか?

わたしは極めてテキトーでちゃらんぽらんな放任者なので、胸を張って言えることはひとつもない。だから顧客視点で市場を見ようというマーケティング・セオリーと同じく、子どもの日ぐらい子ども視点で世の中を見る想像をしよう、ということだけを勧めたい。

子どもの日にこそ、親は自分が子どもだった日のことを思い出し、子どもの頃の情感や思考を考えてみよう。そうすると「安全であること」だけではない「子どものニーズや欲求」も感じられるかもしれない。子どもには子どもなりの理屈あることも(筋は通らないかもしれないが_笑)。

子どもの日の2日前にそんなことを考えました。今日は以上です。

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2007年5月 2日 (水)

次世代マウスとキーボード by Apple

パソコンに向かう時間が長い仕事に憑きものと言えば・・・腱鞘炎(けんしょうえん)である。わたしはまだ真性の炎症を患っていないが、ぐっと力をこめて提案書やセッション資料を作成しているときなど、手の甲に痛みが走る。しばらく鈍痛が続くのである。

腱鞘炎とは、関節を動かす筋肉を骨に固定している腱と、腱を抑える部位の腱鞘との間に起きる炎症のこと。ひどくなると激痛で作業ができなくなるという。キーボードだけでなく、マウス操作も原因だといわれるため、この症状を「マウス症候群」と呼ぶ医師もいるという。

手首の痛み、腕のしびれやだるさ、握力低下などさまざまな症状の原因は、同じ姿勢で作業する血行障害である。そんなマウス・エルボーの救世主になるか?今日はアップルが出願した次世代マウスとキーボード特許をテーマにしてみたい。

【勝手にアドバイス Vol.162 次世代マウスとキーボード by Apple】
まず次世代マウスから見てみよう。Appleインサイダーから記事をかいつまんでみる。

・iPhone interface designer Brian Huppi describes a next-generation Apple mouse design method
→iPhoneのインターフェースをデザインしたデザイナーが次世代アップルマウスのデザイン

・(The method is) capable of switching between operational modes based on the way a user holds or grips the device's enclosures.
→そのマウスはホールドするかグリップするかの2つのモードがある。「ホールド」「グリップ」、どちらもつかむないし握るという意味になるが、それは何だろう?次の図を見てほしい。

 Mousepatenet0704122

左上と真ん中の「かぶせる」状態がHold で、右上と右下の「握る」状態がGripらしい。ではこのふたつの違いが操作にどう違いを及ぼすのだろうか?

 070423ap1  Mousepatenet0704123 

まずマウスを握るポジションで、つまり一般的なマウスを操るかたちで(ただし、Windowsコンピュータのように左右のクリックはない)入力をする。図の24番、親指を押さえるところが入力のようにも見える。

一方、マウスをおおうポジションは、画面をスクロールさせるポジションであり、画面上のカーソルを自在に動かす。四つの指がおさえる側面部のmodal areasから指をゆるめるだけでスクロール移動モードになるという。

the switch arrangement may activate the cursor movements when the hand is positioned proximate the modal areas and it may activate the scroll/pan movements when the hand is positioned away from the modal areas (or vice versa)."
→どうやらその24番スイッチには2つのモードがあるらしい。指が側面部にあるときはカーソルを動かすモードになり、離れていると画面をスクロールさせるように自動化されている。

マウスのダブルクリックやシングルクリックという動作は、わたしの手の甲の血行障害や肩こりの元にもなっているとも思われるし、ホイールマウスのホイール上下運動も、登場したときは画期的ではあったが、わたしの人差し指の鈍痛の原因になっていなくもない。手のひらで握る、あるいはおおうことが、わたしの痛みを解消してくれるのだろうか?

【Mighty Mouseと似ているが・・・】
スクロールホイールを再発明したマウス」とうたって販売されているMighty Mouseは、中心部のスクロールボールを前後左右するだけで、画面が動かせる(そうだ)。ウィンドウズ・マウスでは、左右のクリックボタンが物理的なタッチで動かすが、Mighty Mouseではタッチセンサーや感圧センサーが内蔵され、触る・握るでコントロールができる。

 Mmouse_diagram

これはわたしの想像だが、Mighty Mouseをより進化させたのが次世代マウスだろう。

【iPod キーボード】
もうひとつの特許も実に興味深い。

 070424ap2

「キーボード装置には、回転式入力ユニットを組み合わせたボタンが搭載される。図7A(FIG. 7A)に示されているとおり、このボタンは回転式入力ユニット部分の中央に配置される。ただし必ずしもボタンを搭載する必要はなく、搭載する場合でも、回転式入力ユニットの外側など、任意の場所に配置することができる
引用元 http://blog.japan.zdnet.com/apple/

iPodのクリックホイールがキーボードに装着されるというイメージである。これはぜひ実現してほしい。これは想像するに、クリックホイールの要領で、ファイルを絞り込んで選択することが出来るのだろう。iPodが1億台を出荷したという状況だから、このインターフェースに違和感を覚える人はもはや少ない。

【勝手にアドバイス】
右手より左手の方がサイズが大きかったという本田宗一郎氏(ハンマーなどの工具で左手を何度となくたたいたからと言われる)ほどでないが、大なり小なり多くの人が道具と手で悩みをかかえている。PCはマーケット的にコモディティ化してきたが、実は「入力」という、いまだ完璧でない開発分野=差別化分野が残されている。スペックやOS、アプリケーションでの競争が一段落し、差異づくに困りカラーリングで差別化しようという動きもあるが、人間とマシンのインターフェースでは実はまだ課題が多い。腱鞘炎を撲滅する入力デバイスの開発を人類のためにぜひしてほしい

アップルのこのマウス&キーボードデザイナーはiPhoneのデザイナーなのだから、iPhoneのようにいっそフラットなタッチキー・キーボードでもいいだろう。物理的にキーが存在しないフラットならば、キー位置や入力キーをパーソナライズできる。その人のくせに合わせて入力の労力軽減、すなわち腱鞘炎予備軍の縮小になるのではないだろうか?

 Noqt_calls20070109_2  もうすぐ発売のiPhoneのフラット・インターフェース

今日は以上です。

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2007年5月 1日 (火)

夢の街創造に健康・医療も!

大型連休では都心に人の流れが回帰するなど、相変わらず人の流入出のニュースが多い。一方わたしはこんもり派である。その「派」だけでなく、奧の「」が浮いてきて「イヤだな」と思っている。定期検診のお知らせがきていたがちょうど大型連休で診療所はしまっている。

診療所は閉まっても、最近は入院・外来診療がある中小規模の病院では休日診療を受け入れるところが増えて助かる。もう何年も前だが休日の夜に、刺身と一緒に人差し指の爪(1/3)を殺(そ)いだときも助けていただいた。あれは真っ赤な痛い体験だった。

2007年4月30日付けの日本経済新聞に「在宅医療支援診療所」構想に関する記事があった。在宅診療の報酬を上げて、開業医に往診を促すという厚生労働省の方針である。在宅診療はありがたいということで、今日は在宅医療をテーマにしたい。

【勝手にアドバイス Vol.161 夢の街創造に健康・医療も!】
在宅医療の報酬上げ・厚労省方針、入院減らし医療費抑制
 厚生労働省は「在宅医療」を充実させるため、24時間体制で往診や看護に応じる開業医の診療報酬を2008年度から引き上げる方針だ。外来患者の診療に頼って在宅医療に取り組まない開業医の診療報酬は抑え込む。費用のかかる入院を減らして自宅での療養を促すのが狙いで、医療費の膨張を防ぐ。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070430AT3S2900B29042007.html

新聞報道では、高齢者や退院後の医療が必要な患者を対象にした「在宅療養支援診療所制度」を導入したが、登録数は制度導入後1年たっても全国の診療所の1割に留まっている。その状況を打開するため、在宅医療の診療報酬を上げるのである。

在宅療養支援診療所制度では、24時間往診や訪問看護に応じることが要求され、開業医にとってハードルは低くないのだが、医療サービスという本来時間を問わず需要が発生する職業では当然とも言える。また、老親や子どもがいる家庭ではありがたいことである。

【制度誘導で市場をつくってきた】
訴訟事件にもなった血液製剤認可や、最近ではタミフルでも行政責任が問われてきたが、社会保険診療の分野では、病院のありかた、診療所のあり方を大きく舵取りする点では厚生労働省の方針は一貫している。それでも医療費は膨張し続け、在宅療養も進まないなど抵抗も多いが。

そういえば昔の診療所はよく往診をしてくれたような気がする。最近はどうだろうか?たとえば往診ドットコムというサイトもあるが、千葉県内で登録はなんと2件(!)しかなかった。ちなみに東京都でも22件しかない。他の類似サイトも見たが、同じような結果だった。もちろん公的なサイトではないとしても・・・往診には診療機関の保守的な態度もうかがえる。

だが高齢化社会へ進む中、診療制度は高齢者医療、自宅療養、そしてピースフルな死去にシフトするしかない。

【在宅=出前といえば・・・】
「夢の街創造」という今日の表題は、宅配・デリバリーの成長企業「夢の街創造委員会」から拝借させていただいた。社名からしてわかりやすくおもしろい、宅配のネットサイト企業である。赤字会社だった同社を立て直した中村利江社長の辣腕ぶりにもずっと注目させていただいていた。その同社の標語は次のものだ。

「あったらいいな。」をカタチにする。まずは、宅配・デリバリーを進化させました

 Co_logo

この企業のサイト「出前館」にアクセスすると、たった今(たとえば夜の10時としよう)、わたしの住む街で宅配してくれる出前&宅配&デリバリーサービス店を検索できる。実際に検索していくと、何町何丁目まで指定したところで、「本日」可能なデリバリーと明日以降可能なデリバリーが探せるのである。「ピザ」「寿司」「カレー」「レストラン」、サービスでは「クリーニング」「水回り」「カギ」「パソコントラブル」などが出てくる。とても便利である。

一般向けだけでなく、たとえば東京ミッドタウンワーカー&居住者(約2万人)の専用出前紹介サイトも構築している(2万人もいれば立派なタウン)。また「引越ソバ」というくらい引越と出前は密な関係だが、賃貸企業エイブルと提携して、専用クーポンを発行するなど、宅配・出前に特化したサービスを展開している。

 Photo_49 駆けつけます。

【中村社長の努力あらばこそ】
中村社長は、この会社のコンサルティングをする内に「この会社(当時は赤字だった)を引き受けてくれないか?」と打診され、「出前館のビジネスモデルは面白かったし、可能性があるんだったらやってみよう」と思ったそうである。そのご苦労は並大抵ではなかったようで、社内の風通しを良くしたり(ボトムアップの提案活動)、成果主義の導入(年4回昇給のチャンス)したり、まず自分が動かないと考えて、「社員の誰よりも早く出社してトイレ掃除も率先してやりました」という。
出典 http://www.20works.jp/career/joho/04_moteru/vol35.html

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【勝手にアドバイス】
飲食やサービスの出前と医療のサービスはもちろん異なるが、「夢の街」=暮らしやすい街安心して暮らせる街という考え方の中に、医療があってもいいだろう。

夢の街創造委員会のメニューのように、街単位で「往診・在宅療養診療所一覧」があればいいのはもちろん、今、この時間ならどこどこの医院は往診に伺えます小児科ならXX医院が往診できます、がわかれば、少子高齢社会の夢の街の第一歩である。急性治療ではなく、慢性病での治療や在宅看護サービスこそ、往診がほんらい必要なはずである。商売性は低いかもしれませんが、夢の街創造委員会にぜひ実現してもらえたらと思いました。

今日は以上です。

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