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2007年5月10日 (木)

マーケター・マイオピア 4.忘却したフリをしよう

今週(2007年5月7日~)はマーケター・マイオピアというテーマで5回連続で、マイオピア(近視眼)に陥らない業務活動を考えている。これまで企画書=書くことに関して二度書いたので、今日は書く以外のことをテーマにしたい。今週書いてきたことのおさらいである。

1.メタ顧客になろう → 5月7日
2.反対企画書を書こう → 5月8日
3.言葉の変換器を持とう → 5月9日
4.忘却したフリをしよう  → 5月10日
 脳トレもいいけれども・・・
5.反省をしよう →  5月11日
 毎日のセルフ反省会が翌日の始点。

マイオピア(近視眼)とは、たとえ美しい大きな目でも、焦点が合わないのでオボロにしか見えないことだ。それは必ずしも悪いことばかりではない。世の中には見たくないものも多いし、目を合わせたくない人も少なくはない。闇夜にスパイダーマンが飛び交っていても、近視眼には見えないのである。

そういえばバンコクの屋台カレーは安くて旨いが、夜になると街灯も少なくて、鍋を照らすのは月光しかない。闇鍋そのものである。だからカレーがレッドかグリーンかさえもわからない。もちろん売り子が何を喋っているかわからない。カップンカーしかわからない。何が入っていてもわからないのがかえって幸せなのである(と、そんなこと書くのも、今日のランチはESTU嬢とKEI嬢とタイ飯だったからだ。ご一緒してくれてありがとう!たまにはこういうタイ験もいいだろう)。

【勝手にアドバイス旬ネタ マーケター・マイオピア 4.忘却したフリをしよう】
年を取ると近視に遠視が足されて老視になるという、+と-でも-という、公式化困難なことが視角に起きる。わたしはまだだ(と信じている)。年を取ると見えなくなること以外にも、良いことがある。それは物ごとを忘却できることである。正確に言えば、忘却力がアップするということである

加齢効果の忘却力ではない。一般の日本人の忘却力のことである。その国民的な忘却力の高さを織り込んで、週刊誌を始めとするマスメディアは、あらゆるテーマを緻密に忘却サイクル化している。

世間は彼女(筆者加筆 山本モナ)を許したのか。違う。許したのではなく、忘れたのだ。蜂の巣をつついたような大騒ぎになった出来事も、少し時間が経てば風化してどうでもよくなり、意識から消えてゆく。例えば、多くのレギュラー番組を持つ吉本興業系の名司会ぶりを楽しみながら、彼(同 島田紳助)が過去に起こした傷害事件を思い出す視聴者は稀だろう。
武田徹氏 評論家 日経ビジネス 2007年4月30日号

武田氏は東京大学先端科学技術研究センター特任教授で、その鋭い指摘を愉しませていただいている。氏は「彼女」の「事件」も、「彼」の「事件」も、人の噂も3週間(3週号分)ぐらいで消滅する、だがそれは許しではなく忘れである、それが日本の世間であると言っている。その通りだと思った。

日本人だけに特有かどうかわからないが、日本人の忘却力の高さゆえに、世界に類を見ない週刊誌・月刊誌が林立して刊行されているのである。これほどの多くの活字媒体が、忘却を織り込んで、娯楽化され消費され、あるときにリサイクルされる(あの消えたスターの今は!という記事である)。なぜなら忘却されても決して許されていないからだ。だが、ほどなく忘却サイクルに入る・・・。

忘却は消費に織り込み済みである。逆に言えば忘却は消費の源である。

 9784480063366  本論とは関係ないです。

【忘れることを業務に入れよう】
その日本人の忘却癖(忘却サイクル)をあらゆるマーケターは計算に入れる必要がある。聡い企業では忘却サイクルをプログラム化して商品開発に取り入れている。

脳トレもいいけれども、開発者やマーケターたる者は、むしろいち早く忘却をすべきである。今起きていることはすでに過去である。それを追従してもしようがあい。消費者と一緒に忘却サイクルに入ってはまずいのである。むしろ脳トレなんかせずに、消費者の先を越すためには誰よりもいち早く忘却することお奨めする。
 
【忘れることは前向きである】

医学博士で現役の神経内科医師、そして作家の米山公啓さんは、こう書いている。

実業家で成功した人というのは、すべてうまくいった人のように見えますが、実は多くの失敗をした人たちです。しかし、彼らはその失敗にくじけなかった人たちといえます。精神的な強さもあるでしょうが、私は「健忘力」の強さもあるのではないかと考えています
出典 http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/kenkou/katunou_050407.html

健忘力は、仕事をする人にはみんな必要であり、健忘するからこそくじけなかったと、精神科医の氏は説く。今日起きたことを明日に引きずっては力がでない。昨日のマイナスな出来事を明日のマイナスにしてはいけない。そのためには「忘れればいい」。

私たちは記憶することばかりにとらわれてしまいがちですが、人生には忘れてしまった方がいいこともたくさんあります。仕事上の大きな失敗や離婚など、自分の人生にとってマイナスに働くようなことは早く忘れてしまった方が、すぐに立ち直って新しい人生を歩みだすことができるのです。
出典 同

機能しない男女関係は継続よりも忘れた方が安全である。そういう忘却は一時的にマイナスだが、何にせよ目くじらを立てると良くないのである。この健忘力はマーケターの仕事にも必須なのである。

 Untitled  本論とは関係ないです。

【忘れることは新鮮である】
たとえばこういうことをしよう。休日でもじっくりと掃除機を前して、「掃除機ってどう使うんだっけ?」とあたかも何も知らないフリをしよう。ええ!どうしてこうしたら埃が取れるんだろう。どうしてカーテンレール上の埃は取れないんだろう?どうして柴犬の毛玉を吸い取れないんだろう?こう自問してみよう。

電気ポットをじっと眺めて、どうやって水を補給するんだろう?と自問しよう。冷蔵庫を開けて、どうして冷蔵庫に入れてもモノは腐るんだろう?と自問しよう。身の回りのことを一切忘却したフリをしよう。そうすると今までと違ったアスペクトでモノやコトが見えてくる。忘却は新鮮さにつながるのである

 Animalcrumbscrub  ブヒこれも掃除機。

【ビヨンド・・・・】
忘却するということはビヨンドでもある。ビヨンドとは今の状態をすべて超越して違う平原に達する、というような意味である。マトリクスを作ってみた。

 Photo_52  
   ビヨンド・マトリクス

縦軸は顧客資源であり、既存か新規である。横軸はクレームを受けたときの対応を図示し、その場しのぎで対応するか、製品をきちんと改良するかを区分けする。Aはどうも瞬間湯沸かし器などで見られたポジションであり、Bは誠意ある対応といえる。Cは飲食店で下げ膳をウェイトレスにひっくり返され、汁・油を浴びた同僚がクリーニング券を受領した事例に相当する。Dはクレームを活かして、新規顧客を開拓しよう!という最も前向きな姿勢である。

だがEポジションこそ、企業を変える商品開発を導き出すものである。クレームの本質を見る。そこから従来は視界に入ってこなかった顧客や市場を見出すというものである。これができたときが事業の第二の創業、第二の成長期になる。今日は以上です。

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