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2007年5月29日 (火)

開け、家!

わたしの実家は都内の下町。そこに引っ越したのが幼稚園くらいの頃だった。実家の家には、小さいけれど縁側(えんがわ)があった。縁側のどんづまりには浄化槽式のトイレ(深くて引き寄せられそうで怖かった)、手前には足踏み式のミシンが置いてあった。たった間口3mほどの廊下兼縁側は、子ども心には宇宙への入り口だった。小さな庭には木もあり草もあり青蛙がいた自然があった。

縁側と庭を行き交ったのは、スイカの種であり、猫であり、庭の焚き火の煙や雪つぶて。風鈴やすだれがパーティションだった。親に怒られたときのくやし涙もこぼれた。繁華街で迷子になってひとりで歩いて帰ったときの嬉しい涙も落ちた。脱ぎ捨てた靴やサンダルはいつもごろんとひっくり返っていて。小さな昭和の風景があった。

 Sany0379 人さまの写真ですが、こういう光景がウチにもあった。

ノスタルジーに浸ったわけでないけれど、Open Houseという展示会のニュースに触れたとき、今どきの家は閉じるばかりで閉鎖系だと思った。開放系にはオープンな思い出が良く似合うように、閉鎖系にはクローズドな思い出がよく似合うだろうか。もっと家は外に開くべしというのが今日のテーマ。

【勝手にアドバイス Vol.177 開け、家!】
カリフォルニア州パサデナのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで、2007年7月1日まで『Open House: Architecture and Technology for Intelligent Living』が開催され、そこで10の環境にやさしい家の展示がある。そのテーマは日本語でいう「オープンハウス」ではなく、開け、家!である。いくつか見てみよう。

【Open the House!(開け、家!)】
ほとんどどんな天候でも体温を一定に保つ衣服というビジョンをもとに、"Open the House!"プロジェクトは、エアコンで制御された閉ざされた空間から建築を解放する」がコンセプトである。

Openhouse_openthehouse2

文字取り「開いた家」である。エアコンを追放し、経済的な建築を目指すというもの。熱さ寒さは特殊繊維でつくられた保温・吸湿に優れた服で凌ぐというアバンギャルドなデザイン。アメリカ版縁側だろうか

【Jellyfish House(クラゲの家)】
クラゲのネーミングは、この家が土壌を改良する浮遊物のような家から。湿地に建て、レース状の建築構造で雨水を集め、排水を濾過(ろか)し、有毒な土壌を改良するという。家自体が環境を改善するというコンセプトで作られた。

 Openhouse_jellyfish

建築廃材、シックハウス、過敏症、ダニやほこり・・・人間を守るべき家が環境や人間にやさしくないのはよくあることだ。このコンセプトはそれを180度転換して、「環境を良くする家」というもの。

【Seoul Commune 2026(ソウル・コミューン2026)】
デザイン・コンシャスな韓国人デザイナーからの提案は「緑と一体になった公園の棟」。コンセプトは公園と居住棟を一体化するというものである。

 Openhouse_commune

「公園の棟に住む」のはソウルという都市部の人口と建物密度の改善策でもあるという。通常の都市開発であると緑化エリアと居住エリアは区分されているがそれを一体化させてしまおうというところが新しい

【Thinking Ahead!(将来を考えよう!)】
このデザインをつくった建築家は、将来とは老後のことだという。誰もが年をとり、そして死ぬ。老人ホームより自宅でピースフルに死にたいだろうと。

 Openhouse_rojkind

このコンセプトハウスには、気分を高める照明や、超音波検査を行なうシャワー、ネットワーク接続されたビデオ画面付きのフロータリウム(液体に浮かぶセラピーを行なう設備)などが組み込まれている。

【キース・リチャーズのドクロ】
実際にはこんな家には住めないだろうと多くの人が思う。吹き込む風でCDのライナーノーツが飛んでいっては困る。蚊の殺生ばかりしててもブログが書けない。家の中に生えてきた木に鳥が住んだらどうしようとか(その時はぜひ青い鳥を飼いたい)。・・・なんて現代人の今の生活主義の不安が先になってしまう。

だが封切り仕立ての『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』に出演するキース・リチャーズは、指のドクロでも有名である。なぜそれをいつもはめているのか。彼曰く、「ひと皮むけば人間なんてみな同じドクロに過ぎないぜ」。薬指に注目。

 Img_1418288_30874587_1  My all time hero.

ひと皮むけば、家とは自然と居住環境を分け隔てる人口のコンセプトに過ぎない。現在のマンションの原形はほんの40年前に住宅公団という御上の都合と業界の要請から作られた、きわめて「人工的なもの」なのだ。こんな人工的な出来合いのコンセプトを是とするから、シックハウスやアレルギーや、孤立する子どもや予測不能の情動に、わたしたちは悩まされているのではないだろうか?

【勝手にアドバイス】
そうは言っても、全室がナチュラルだと現代人にはしんどいならば1室だけナチュラルないしジャングルにするのはどうだろうか?ちょうど宇宙船の船外活動のように、中立空間でハッチを閉め、外気づくしの家に入るのである。そこは言わば現代の家という機密空間からの大気圏外である。

密林コンセプトでアマゾン化する部屋を作ってもいい。青い鳥や渡り鳥がいっぱい訪れる部屋もいいな。いつでもテント設営もよし(妻と喧嘩したらそこで寝れるしね)、禅寺のごとく柱だけの日本間もよし、猫遊技場もよし(Cherryさん、どぉよ?)。

自然と背中合わせで、愛が成長し、前向きなエイジングを迎えられる笑顔の生活。それがほんらいの家であったはずだ。今日は以上です。

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コメント

蛙っていうのも一つの主よね。それが古川橋から上がってくるとは・・・きっと天変地異か何かの前触れよ。地震だったら助けに行くぜ!

投稿: 郷/Marketing-brain | 2007年6月 3日 (日) 19時27分

全然関係ないんですけど、昨日麻布の事務所の近くでカエル見ました~
のしのし歩いてました(^^;)古川から上がってきたのかなあ…

半分だけ機能的、ってくらいがいいのかなあって思います>おうち

まゆ@実家の庭には青大将の神様が住んでる~

投稿: まゆ | 2007年5月30日 (水) 17時37分

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