「キャンプは嫌いだ」 ワンダース+PUMAコラボ
今週は野球に始まり、日なたでごろん、そしてユニーク椅子と書いてきた。言ってみれば、オモテから一歩家の中へ入ってきたところだ。今日は雨模様だったので、オモテよりもウチの中にとなりがち。でも晴れれば外にも出たい!そんなウチの中でもオモテの気分を持ちたい!というアンビバレントな思いをかなえてくれる「ラウンジキャンプ」商品がある。
スポーツ用品のPUMAから、2007年5月15日発売開始された7つのラウンジアイテム、オランダ人デザイナーであるマルセル・ワンダース+PUMAコラボが今日のテーマ。
Wonders & PUMA
【勝手にアドバイス Vol.171 「キャンプは嫌いだ」 ワンダース+PUMAコラボ 】
まずこの2007年5月より発売開始された商品アイテム。
オランダ人デザイナー、マルセル・ワンダースとPUMAの新しいプロジェクトは、休日のキャンピングスタイルを塗り替えてしまうに違いない。両者のコラボレーションによる、7つのラウンジアイテム - テント、トローリー・クーラーボックス、バブルマット、ビーチボール、トートバッグ、タオル、フリップフロップ - が登場した。
引用元 http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_325/
ビーチボール¥2,625 クーラー機能付きのトロリー¥34,650
どうも普通のキャンピング・アイテムとコンセプトが根本的に違うような気がする。キャンプ用品と言えばデザインより機能が優先され、雨風に耐えるヘビーデューティ、あるいは多機能でコンパクトな便利グッズというのが普通である。ところがここにあるのは、機能面は保証されているとしても、デザイン・グッズなのである。
【デザイナーのマルセル・ワンダース氏のコンセプト】
PUMAのワールドWebサイトから引用しよう。
"I hate camping," says world-renowned Dutch designer Marcel Wanders, "but I love lounging in style,"Whether it's at the beach, in the park, on the roof or at a concert, there's a nothing like a good party atmosphere.
引用元 http://www.puma.com/pindex.jsp
拙訳 「キャンプは嫌いだ」 世界的に有名なオランダ人デザイナーのマルセル・ワンダースはこう言う。「だけど優雅なのんびりってのは好きだよ」 それがビーチでも公園でも屋根の上やコンサート会場でも、楽しいパーティ雰囲気にしたるのって一番だね。
とこんな具合なので、ワンダース氏は「ラウンジアイテム」というネーミングを付けたのかもしれない。
【ワンダース氏の作品】
いくつかワンダース氏の作品を見てみよう。
上下分割ですみません。
これはどうやら花瓶である。氏の作品には花瓶(Vase)が多く、いずれもオブジェ性が強いデザイン。
これはどうやら椅子らしい。座ってぱりぱりっと壊れちゃったらどうしよう(笑)。
【PUMAのねらいは何だろう】
記事をチェックして浮かび上がってくるねらいは「PUMAらしさ/PUMAぽさの打破」である。
PUMAといって、そのブランドにどんなイメージが湧くだろうか?国によってそのプレゼンスの度合いが違うだろうが、正直言ってNIKEの圧倒的なスポーツアスリートイメージも先端商品イメージには劣る。アディダスの知名度にも科学的な商品開発力にも劣る。PUMAではセレナ・ウィリアムズのような著名テニスプレイヤーのアイテム開発、F1レースなどに関連する商品開発もしてきたが、PUMAってサッカーシューズでしょ。それでピリオドというようなイメージがある。
だから2004年には世界的デザイナー フィリップ・スタルク氏と提携しフットウェア・コレクションを発売するなど、企業イメージ&ブランドイメージの革新をはかってきた。今回のマルセル・ワンダース氏との提携もその流れであろう。同じ分野の商品でも、まったく違うPUMAらしくない商品開発をするために、奇抜なデザインやアイデアで注目される氏を起用した。
それが「I hate camping」というコンセプトワードから始まるこの商品アイテムである。キャンプっておもしろいけど蚊には刺されるし、眠れないし、不潔だし・・・キャンプ好きの彼氏に振り回された人も多いだろう。都市居住者で優雅にキャンプするという、これまで無い需要層の開拓をするのがこの商品群であり、PUMAという会社を変える起爆剤にという思いなのであろう。
【勝手にアドバイス】
①外部の奇人の血を導入する
既存の枠組みを取っ払おう!と口で言うのは簡単だが、その会社や業界の文化に染まっている人に「枠を外れた発想」はできない。壊すのは給与所得者がやれる仕事ではないのだ。
②わたしは「パソコンが入ってます!」といういかにもデザインのバッグが嫌い
今使用中のスタルク・デザインのバッグは気に入っている。TUMIなど機能優先のバッグはまったく惹かれない。「今のパソコンリュックが嫌いだ」と言ってのけるデザイナーにこそ、優雅に背負えるバッグをデザインしてもらえるはずだ。
スタルクのデザインしたバッグ。わたしのはこの写真より随分くたびれている。
③構造改革も商品開発も、揺らすこと
ブランドだって定期的に揺らさなくてはならない。それは自己否定という難業である。苦しいがそれこそが経営者のやる仕事なのである。
今日は以上です。
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