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2007年6月 6日 (水)

チャージでGO!3.チャージ運用で儲かるのか?

勝手にアドバイス旬ネタとして取り上げているテーマ「チャージ」、今日は3回目である。チャージには「予約機」がある。それは前払いをしておくことで、確実にサービスを受けられるという約束をする。ときに企業破綻でその約束は反故(ほご)にされることがある。

最近いくつも倒産している英会話教室がその代表例。バウチャーないしチケットを前払い(多くの場合割引)で購入する。その運営会社が倒産すると代替がきかないので、集団訴訟にも発展する。エステティックサロン業界で、ずいぶん前だが中堅のエステが倒産して、そこが前払い方式を取っていて多くの顧客の契約が宙ぶらりんになった問題があった。

潰れたら債権者がどっと押し寄せてきて、必ずしもお客さまに前払い金がきちんと戻らない。クレーム産業とも揶揄されるのがエステサロン業界である。そこでせっかく築き上げた評判を地に落とされてなるものかと、このときは業界をあげて前払いのお客さまを各社が前払い料金分まで受け入れる措置をとった。このように前払いとは両刃(もろは)の剣である。

 Photo_69  顔に泥を塗る。

【勝手にアドバイス チャージでGO!3.チャージ運用で儲かるのか?】
のっけから余談だが、顧客ロイヤルティが高いことで有名な某エステティックサロンでは、前払いのバウチャーをあまりにたくさん払ってもらえるので困っているという話を聞いた。景気の良い話である。決算期をまたがると会計処理上も預かり金がふくれるし、何よりもその預かり金がきちんと対価としてサービスで提供することができるのか?決算上は倒産というリスクがまったく見えなくても、いつお客さまの不興をかい、経営に一大不祥事でもあるかわからない。介護サービス業界の不祥事のように、一気に会社が吹っ飛ぶ時代である。預かり金はすべて返金しなくてはならない。額が大きすぎるのは問題なのである。

さて、チャージシステムの導入、運用で果たして企業は儲かるのであろうか?それが今日のテーマ。

システム業界は特需に湧いた2006年度決算だったが、運用する側は設備投資を先行させなくてはならないので費用が先に出る。ましてチャージされているお金は、預かり金であり、手を付けてはいけないし、資金運用をすることもできない。売上計上はあくまでチャージ、タッチ&ゴーの「タッチ」時点である。

JRにせよ東京メトロにせよ、未収入運賃という会計科目の金額が、経年的に増えていることは確認できたが、そのどこまでがチャージ分か開示はされていない。そこで未上場ではあるが電子マネーの雄、Edyことビットワレットを調査してみた。

【ビットワレットの決算状況
最新の決算ではないが、あるサイトにはこんな業績が発表されていた。

 Edy  ビットワレットの05年度通期決算(単位:百万円)

営業収益 2,915
営業費用 8,669
営業利益 ▲5,754
経常利益 ▲5,781
当期純利益 ▲5,943
前期繰越利益 ▲14,376
当期未処理利益 ▲20,320

出典 http://blog.livedoor.jp/nz6jp/archives/50704690.html

2005年度だから06年3月期発表時点。これで見ると収益は29億円、それに対して営業費用は86億円と大幅な赤字である。先行投資型の商売であるので仕方ないとはいえ、累損200億円である(資金手当はヌカリなく行われている)。この時点で、携帯とカードのEdyの発行枚数は2000万枚を超えた。

2007年5月27日時点の発表では、3000万枚を突破したと表明した。恐らく06年度の営業収入も50億円を超えたであろう。

【チャージのおかげで貸し倒れリスクや請求業務がない】
同社のソニーファイナンス出身の川合成幸社長のインタビューにはこうある(2006年5月)。

ここ1年でようやく事業の黒字化も見えてきた。3―4年後には黒字化できると考えている。(筆頭株主の)ソニーには2001年の設立以来ずいぶん我慢してもらっているが、クレジットカード事業と比べて貸し倒れリスクや請求業務もなく、一定の規模を超えれば一気に利益が出る事業だ。
出典 http://it.nikkei.co.jp/business/news/busi_gyoukai.aspx?n=MMITzy000005062006

確かにここ一年の進撃は他社を圧倒するものがあり、今や電子マネーならEdyというイメージが成立しつつあると言ってもいい。社長のコメントの中にある「クレジットカードには貸し倒れリスクや請求業務がある」のに対して、電子マネー事業にはそれが無い、これは大きなカギである。

クレジット会社は支払い信用を肩代わりするが、電子マネー会社はチャージされた額から消費分を引くだけである。しかもチャージという行為は、使用者が自らするので請求業務もない。消費者が自らチャージを行い、機器にかざすことで自ら支払う。全部自分でやってくれるのだ。ここにクレジット会社よりも電子マネー会社の収益性が高いと言い切るポイントがある。

【電子マネーの収益源】
クレジット会社も電子マネー会社も収益源は手数料収入である。国内クレジット会社も電子マネー会社も手数料率はだいたい同じレベルの2~3%である(一部の代金回収率が低い産業では10%まで高まる)。ならば貸し倒れリスクと請求業務が無い分、損益分岐まで規模が伴えば、コスト面で電子マネー会社が優位に立てることは間違いない。電子マネーとの競合という視点を入れれば、クレジットカード会社の最近の合併と合理化(人員削減)の理由が透けて見えてくるのである。

電子マネー会社の弱みは、現金をチャージする設備投資が必要なことである。利用者が現金をチャージする機会を求めれば求めるほど、さまざまなかたちでの入金設備=設備投資と運用コストが増加する。

 Edy  
 Edyの入りと出(いずる)。

オートチャージや口座振替が進まないかぎり、請求業務の替わりに現金の回収業務が発生する。ゆえにチャージを究極的に電子化することが求められるのである

【電子マネー市場はクレジット市場の倍】
しかし電子マネーは当面はクレジット市場とはバッティングしないのである。利用単価が違うからだ。電子マネーの利用価値は小銭をチャージに代替するところになる。それに対してクレジットは高額な買い物を信用買いするところにある。

クレジット市場は29兆円である。それに対して3000円以内の現金決済の市場規模は60兆円と言われる。つまり電子マネーの対象市場はクレジット市場の倍もある。この5%でも3兆円もあるのだ。3000円未満の市場をチャージに代替するだけでも十分。クレジットの市場は徐々に浸食できるはずだ。

これが電子マネー市場に流通業からの市場参入が相次いでいる理由である。

【クーポンもチャージ】
だが電子マネー会社も、設備投資負担を現金で埋めるため、第二、第三の収益源を探さなくてはならない。そのひとつがクーポンである。2007年5月30日にEdy は新サービスとして「Edy スマイルクーポン」と「Edy ハッピー優待」を発表した。提携企業、店舗からキャンペーンの手数料収入を得るというものである。

 Edy_1  クーポン取得はPC&無線LANで。

これのおもしろいのは、クーポンもチャージというところである。米国では昔、小さなクーポン券をクリップで束ねて賢い買い物をする人をよく見た。30セントのためにわたしはそんな地道なことができなかった。だから今貧乏なのだろうか?30セントをけちらない者は30セントに泣くのだろうか。マネー・ピンチャーのブログ、今日は以上です。

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