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2007年6月の31件の記事

2007年6月30日 (土)

数値制御筆記具という新世代のクラフト

わたしはプラモデル趣味は小学生で卒業したが、手作り好きという生来の嗜好は消えなかった。

高校生の頃、アメ横で中古のGジャンを買ってきて、ポケットのフラップを赤・黄・白の太い刺繍糸で飾り、襟と裾をバンダナを割いた布で覆って、世界でひとつのGジャンを作った。誇らしかった。また革細工にも凝り、手帳カバーなどを作った。さらに日曜大工にはまり、いつくかどうしようもない家具もどきを制作し、不格好だがずいぶん長く使われた。

そういう手作りの物は制作者の未熟さという事情はさっぴいても、クラフトという香りがぷんぷんする。そこに味もあるが、自作ぽくて気恥ずかしいということもある。

今日はクラフトと呼ぶべきか新世代ステーショナリーと呼ぶべきか、木製の筆記具「MACINARI(マキナリ)」をテーマに数値制御のクラフトを考えたい。

【勝手にアドバイス Vol.198 数値制御筆記具という新世代のクラフト】
まず商品の概要説明を引用しよう。

 木製の筆記具というと、どうしてもクラフト感のあふれる職人仕事をイメージしがちだが、これは違う。NC(数値制御切削機)を用いて、工業製品さながらのプロダクトを作り出す。ブランド名は「Machinery=機械」をアレンジして名付けられた。
 「木という素材を特別視せずに、他の素材と同様に生活の中に入り込んでもらいたい」という鈴木氏の思いが込められたこの筆記具は、シャープな外見とは裏腹に手に持つとやはりやわらかな木独特の質感が宿る。

引用元 http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_453/

 Chn11_rpt453_macinari_01 美しい出来映え。

北海道旭川の職人、くらふと鈴来を主宰する鈴木鵬生(すずき ほうせい)さんの作品、というかプロダクトである。素材は、メイプル、ウォールナット、チューリップウッド、アマレロ、バーブルの5種類。塗装も無し、染めも無い、替え芯以外すべて木というこだわりである

 Chn11_rpt453_macinari03 L_mn_wood04    
 このすべてが木製という緻密さ。

発売元がイデアインターナショナルというデザイン系の会社なので、“匠の技”とはいえ、こだわりのデザインである。ボールペンとシャープペンシルがあり、3,150円~3,675円

【職人的デザイナーの鈴木さん】
鈴木鵬生(すずき ほうせい)さんのモノづくりへのこだわりが、彼のコメントから伝わってくる。

木で作れそうな物は出来る限り他の素材を使わずに作って、普段の生活の中にもっと木という素材が、身近になるように。木を木と思って扱わない。工芸品でもない、ひとつの素材として製品を作っていこうと思います。
くらふと鈴来(鈴木鵬生さん)
 
出典 http://www.mickle-jp.com/about.html

これは、鈴木さんらミクル/mickleというクラフト制作アーチスト集団のHPからの引用である。木で作れるものは木で作る。木を木と思って扱わないで、ひとつの自然の中の素材として扱う。なんといっても100%木製である。木一本一本の原料が異なり、反ったり縮んだりする。しっかり乾燥させ、素材使用部位を見極め、精密な切断・研削加工を施さねば、工業製品として3,000円台で流通させることはできないはずだ。量産とクラフト制作に繊細なバランスが必要だと思う。彼の心粋がなければ、これほどまでの緻密な一品を工業製品として流通させられないと思う。

 01_24 ちょっと見えにくいが心粋あり。

【新世代の職人たち】
ミクル/mickleは 北海道旭川市でクラフト制作を行っている新世代アーティスト12名です。

 ミクルのメンバーは北海道旭川近郊に工房を構えています。
 旭川は北海道のほぼ真ん中にあり,四季の変化が大変美しいところです。
 一年の半分は雪に覆われ真っ白い世界です。春は音を立てるように,ぐんぐん
 色鮮やかに変わっていきます。そして樹木は,広い空から陽光や雨の恵みを受け,
 素直に真っ直ぐに育ちます。秋はあっという間ですが,色鮮やかです。
 そんな景色に囲まれて,私たちはもの作りをしています。

 http://www.mickle-jp.com/about.html

わたしは取材して書いていない。公開情報からだけである。だが職人といっても若い人たちが制作グループを立ち上げて、いわゆるクラフト=民芸品ではない、MACINARIのようなクラフトを超えた製品が‘精産’されるのがこのアーティスト12人の宣言から伝わってくる。

【勝手にアドバイス】
手作りの良さを残しながら量産しました、という品は数あれど、MACINARIは木工の民芸品ではなく、脂や金属のペンと同等に使われる加工がなされた木工製品というコンセプトが凄い。

伝統ある民芸品の素材、形状を守り伝承することも必要ではある。だが流行も嗜好も激変する市場で、10年一日のごとく民芸品を売り続けるだけでは生き残れないケースもある。今日的な技術を導入して、プロダクトとして再生すると新しい価値が生まれる。

今日は以上です。

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2007年6月29日 (金)

USB接続ラジオという償費(しょうひ)

昨日(2007年6月28日)の話題がAppleのiPhoneという最先端デバイスだったので(日本時間の明日いよいよ発売だ)、その反動が出てしまった。今日はグッとレトロでアナログな製品を取り上げたくなったのだ。そこで目をつけたのがラジオである。

Itt0706280001 iPhoneの列。本テーマとは関係ありません。
27日、アイフォン購入のためニューヨーク・マンハッタンのアップルストア前で列をつくる人々(共同)
http://www.sankei.co.jp/keizai/it/070628/itt070628000.htm

だがわたしのブログのテーマはマーケティングであるので、単にノスタルジーではまずい。だからラジオといってもいわゆる乾電池で聞くものではなく、PCにUSBで接続して、専用のソフトウェアをダウンロードして聴く、アナ・デジ変換ものである。これがなかなか優れモノなのである。

【勝手にアドバイス Vol.197 USB接続ラジオという償費(しょうひ)】
この商品「USB FM/AM Radio(という地味なネーミング)」について、発売元のサンコーのウェブサイトから引用をさせていただく。

USB FM/AM RadioをパソコンのUSBと接続すれば、通常の録音から予約録音まで可能なラジオに早変わり。 もちろん、パソコン上から、チューニングも予約録音も可能ですので、留守の時でも録音ができる優れものなラジオなんです!!  ラジオのチューニングもオートで可能、プリセット保存も可能ですので、市販のラジオと比べても、遜色のないUSB接続、AM・FMラジオです!!
http://www.thanko.jp/usbamfmradio/

Top_photo_1 Hi_sa01   

そもそもこの商品にはスイッチさえ無い。PCにUSB接続して、ソフトウェアが立ち上がって聴くという、きわめて簡単・簡易なラジオである。iPhoneのようなひとさし指スライドではないが、PC上をマウスでクリック&スライドで予約もチューニングも多機能ラジオそっくりの操作が可能という。

Photo03 C

もちろん予約機能重視ならば語学講座や、眠くて聴けない日の深夜放送の予約録音だろうか。音声録音方式はWMAが主だが、ファイルをiPodなど携帯プレーヤーで聴くこともできるはずだ。わたしなら落語か、最近聴いていない、Dr.Lauraの身の上相談を聴きたい。

【すみません、USBラジオは売れ切れ中。予約も一杯】
こんな商品がほしい!という「書き込み寺」であるウェブサイト『たのみこむ』には、このような「依頼」があった。

>USBラジオって前々から探していたんですが、意外と手ごろなものがありませんよね。下のような条件のものがあるのなら、即決でガマグチを開くんですけどね(苦笑) 
『一万円以下・AM/FMが両方ちゃんと聴ける・予約録音が出来る』

http://www.tanomi.com/metoo/naiyou.html?kid=6539

以前わたしはオリンパスのラジオサーバーを取り上げた。FM/AMラジオを聴けるだけでなく、音源を37GBのHDDに録音することができる高性能な商品である。だがその分、価格は39,800円と必ずしも安くない。その値段ゆえか発売当初は飛ぶように売れて在庫切れだったが、最近では余裕をもって購入できるようだ

【ラジオには7000円がいいところ】
サンコーのUSB接続ラジオは発売後数時間で売り切れ、さらに次回発売分も予約で一杯というのは、そのプライシング(6,980円)にある。だから機能はシンプルだ。録音ファイル方式はWAV/WMAのみ。音声はFMはステレオだが、AMはモノラルのみ。AMアンテナはなし。チューナーはひとつで裏番組の録音は不可。小型とはいえないサイズ。

同様の製品で既に発売されているものもあるが、本製品が爆発的に売れているタネ明かしをすると、これはコストパフォーマンスにほかならない。「大手のものは、現状どれも三、四万円するが、ラジオはそこまで払って聞くものではなかったはず」
引用元 東京IT新聞 2007年5月22日号 「数時間で完売。USB接続AM/FMラジオ」

Photo01_2 L_hi_sa02 

【思い出が捨てられないが、ケチな男】
わたしはアナログレコードも(偏った趣味で)たくさん持っているし、磁気カセットテープ(やはり偏った趣味で)も、未だに捨てられずたくさん持っている。思い出が捨てられない男である。中にはラジオから録音して、繰り返し磨り減るぐらい聴いた曲やインタビューもあれば、お気に入りの曲だけを「スロー・バラード」や「クィック・バラード」とネーミングして編集した、思い出のカセットもある。

今はこうしたテープを聴く機会はほとんどないけれども、PCに取り込んでデジタル音源に変換したいとい欲求はある。数万円出せば、カセットテープをCD-Rに焼き付けることができる機器があることは知っている。だが「数万円」というコストを知って引いてしまう。

カセットテープに限らない。ネガの消失した写真をデジタル化させるというのもある。思い出の車をレストアするのもある。家具の皮を張り替えるのもある。スーツのかけはぎをどうしようか悩む人もいる(わたしです_笑)。

【勝手にアドバイス】
古いものを復活させようとするとき、その心理的な抵抗価格ラインは、どのあたりにあるのだろうか?

必ずしも前向きの消費とは言えない。何かを思い出したり、維持し保存しようという心理は、後ろ向きではないけれども、いわゆる消費と言い切れない。では何というか。

それを「償費(しょうひ)」と言ってみたい。「」の字の意味は、つぐないである。

カセットテープ君、ずっと聴いてあげなくてごめんね」。「ラジオ君、デジタルばかり聴いてごめんね。これから聴くからね」。これが償費である。どこか昔に振り返る心のある消費なのだ。それがラジオだと7000円になり、カセットだと1万円になるのかも知れない。再会の愛の償いがいくらかはわからないが(笑)、だが償費にはそれぞれ相場があるのも事実である。

今日は以上です。

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2007年6月28日 (木)

iPhone ネオC&Cプロダクト

2007年6月29日は、いよいよApple iPhone発売の日である。米国のニューヨーク・マンハッタンの五番街Appleストアでは25日から行列ができている。その先頭、一番乗りのGregは、並んでいる模様を伝えるためわざわざウェブサイト(firstinline.wordpress.com)を立てている。その自己紹介にはこうある。

My name is Greg Packer. I’m first in line for iPhone in New York City at Apple Store Fifth Avenue near Central Park. I showed up on Monday morning, June 25th, at 5am
わたしはGreg Packer。ニューヨークの五番街のAppleストアで、6月25日の朝5時から、iPhoneを買うために並んだ。
http://firstinline.wordpress.com/2007/06/26/hello-world/#comments
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=RS2035165427062007

Gregpacker_small  わたしはNuts。

このサイトへはコメントがバンバン入っていて、日本時間の28日現在、272件ものコメントが寄せられている。そのすべてを読むほどヒマじゃないが、「すごいね!」「がんばってね!」「ブログに書いたよ!(Bloggedという動詞がある)」という励ましがある一方で、「お前馬鹿?」「雨も降るし、燃えるように暑い中、ごくろうさんだね」「お前が並んでいる間に、オレはエアコン付きの部屋からオンラインで注文するよ」と揶揄するコメントも多い。

通信方式が異なる日本では少なくとも2年は上陸しないと言われるが、行列しないかわりに今日はiPhoneをbloggedしてみたい。

【勝手にアドバイス Vol.196 ネオC&Cプロダクト】
29日の発売を前にして米国のAppleのiPhoneサイトは、大幅にコンテンツをアップしている。全部見るときっと30分以上はありそうなビデオ紹介がある。「iPhone a guided tour.」「Get ready.」そして「iPhone keypad」である。

Iphone00 Iphone01

これらのビデオをすべて観るのは行列に並ぶのに近づくので、ざっと見てみよう。特にiPhone a guided tour.はタッチスクリーンの動きがダイナミックで、鮮やかなデザインと色で、動きがめちゃ速い。これまでにあったタッチスクリーン商品とは一線を画している。実にスムーズで動かすのが楽しそうだ。

Iphone02 Iphone03 

iPodとしてもベストプロダクト」だというシーンもあり、音楽と静止画を映し出す。タテにしてみたりヨコにしてみたり、静止画が自在にヨコタテ比を変える。映画やカメラも鮮やかである。カメラの静止画を「つまむように」指を動かすと画像が縮小し、指を広げると拡大する。お急ぎの方は、30分付き合わなくても15秒のTVCMがある。これだけでも楽しい。

【仮想タッチスクリーン】
発売を前に、ウォールストリート・ジャーナル紙のウォルター・S・モスバーグ記者が、スティーブ・ジョブスAppleCEOにインタビューをした記事がある。コメントをひとつ抜粋する。

[ウォルター]
 ---物理的キーボードを搭載しないと決めた理由はなにか。電子メールを頻繁に使用する「ブラックベリー」のような携帯情報端末(PDA)に大金を支払う顧客を遠ざけることはないだろうか。
[ジョブス]
 iPhoneはどのモバイル機器と比べても最高、最先端のキーボードを内蔵している。すべての小型キーボードと同様、慣れるには3-4日かかる。iPhoneユーザーは、ミスを自動修正する機能をすぐ信頼するようになるだろう。これまでiPhoneを試した全員がこれを気に入り、「トレオ」やブラックベリーなど、他のスマートフォン(多機能携帯電話)と比べ、タイピングの速度は同等かそれ以上だったと報告している。
全文はこちら。http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djBQS5742.html

これはほんとうだろうか?ビデオの紹介を見る限りわたしは嘘はなさそうだと思ったが、別の記事でitmediaでは発売前のiPhone評価をしている。

われわれも当初は懐疑的だったものの、テストでは問題なしと結論付けた。5日間使った後で、このレビューのほとんどのテストを担当したウォルトは、何年も使ってきたPalm Treoと同じくらいのスピードと正確さでタイピングできるようになった。タイプ途中でミスを修正してくれる賢いソフトウェアがこの結果には一部、寄与している。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0706/28/news009.html

【競合機種にはあって、iPhoneにはない機能】
 
・インスタントメッセージング機能(標準的なテキストメッセージングのみ)
・ビデオ撮影機能
・着メロにiPodの音楽が使えない
・ゲームがない

ネットワーク機能は、Wi-Fi無線エリアに入れば高速通信にアクセスできるが、通常は低速なEdge通信であることは欠点とされている。だがいずれもハード機能はすでに備わっているので、ソフトウェアで解消されるだろう。それもこれも仮想スクリーンだからこそ、インターフェースも仕様もアップデートできるのである。

Iphone_hero_20070621
 
【iPhonの爆発力】
わたしはiPhoneは、携帯電話と携帯デバイスのシェアをすっかり塗り替える爆発力があると思う。その理由は物理的にではなく、仮想的に(仮想スクリーンで)機能追加やソフトウェアのアップデートをできるという一点を評価しているからだ。

ビジネスの世界でいうSaaSは、ソフトウェアをサービス提供側のサーバに置き、契約企業がそこにアクセスするという「ソフトウェア2.0」を実現したサービスである。それの何がいいかといえば、向こう側(メーカー側)で機能追加、バグ修正やアップデートをしてくれるのが、ネット経由で自動化されること。つまり「顧客接点を強化する」のが、ネットに接続することで実現されるという点である。

【iPhoneが束ねること】
iPhoneの革命は、その2.0機能をインターネットをベースにし、各国事情で必ずしも標準化されていない通信/無線ネットワークを束ねて、すべてを手元の仮想スクリーン上でフィンガー・タッチで実現するというものである。

そう考えれば、iPhoneとは「ネオC&Cプロダクト」なのではないだろうか。つまりコミュニケーションとコンピュータを束ね、商業的にも地球規模で成功する世界初のプロダクト、そういう予感がある。ああ、なぜ高騰する前に、Appleのストックを手元の現実にしなかったのだろうか?

今日は以上です。

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2007年6月27日 (水)

復刻版モスバーガーと再挑戦バーガーキング

消費者視点が欠けていた会社のせいでミンチ肉が悪モノになっている。確かにミンチ肉とは、一体どこの部位の肉なのか?ということは、疑問に持たれるときもあるし、問題の会社では期限切れや期限切れ間近の肉を仕入れ混入していたという。これは犯罪だ。

それはそれとして、わたしがハンバーグを作るときは合い挽き肉を使う。安いし、必ずしも牛肉100%が美味しいとは限らないから。母譲りの作り方だが、合い挽き、にんじん、タマネギの千切り、さらにはジャガイモのすりおろしまで入れる。健康を考えた昔からの知恵だろうか。

そんな合い挽き肉を使ったハンバーグと、ど~んと牛肉100%のハンバーグが今日のテーマ。

【勝手にアドバイス Vol.195 復刻版モスバーガーと再挑戦バーガーキング】
創業の当時の店舗を再現したという「復刻版モスバーガー」(汐留)。2007年3月より開設されている。ここでは「昔の味で出ています」がテーマである。

  Extnews_mos060329  ふっくらバーガー。美味しそう。

店内は立席カウンターのみ。とりあえず基本の「ハンバーガー」をオーダー。見た目はほとんど同じだが、一口食べてみると、なんだかいつもと違う味! いったい何が違うのか?モスバーガー広報担当者にお話を伺った。
「違いは大きく2つですね。パティは現在ビーフ100%ですが、牛肉と豚肉の合挽き肉を使用しています。またミートソース、テリヤキソースの味も違います」

引用元 http://www.excite.co.jp/News/bit/00091143624652.html

【創業店舗は地域密着型】
1972年に最初の店舗(成増店)を出店したモスバーガーは、創業店はわずか2.8坪しかなかったという。ハンバーガーはアメリカから日本に来ましたが、モスは日本人のお客さまの好みに合うようにひと工夫しました。家庭の手作りハンバーグに近い牛豚合挽き肉にタマネギを混ぜ、ジューシーなパティを作りました。ソースには味噌や醤油といった日本ならではの調味料を使い、肉の酸性を中和するためアルカリ性の野菜をたっぷり挟みました。何よりも出来立てのいちばんおいしい状態で召し上がっていただけるように、注文を受けてからバンズやパティを焼き上げ、ひとつひとつ心をこめてハンバーガーを作りました。
引用元 http://www.mos.co.jp/shop/shiodome/

 Ph_01  ソフトクリームもあった。

たった2.8坪のお店なのでお客さまとのコミュニケーションは活発で、地域密着型の近所のハンバーガー屋だったという。モスバーガーがその創業店舗を復刻したのは、同社が既存店舗の「赤モス」を「緑モス」という、安心・安全・環境をコンセプトにする店舗への転換を図る上での象徴にしようというねらいである。

そこでは創業の原点である「この日本で、本当においしいハンバーガーを作ってたくさんの人に食べていただきたい。」(創業者故・櫻田慧氏)だけでなく、時代の変化に合わせた健康・安全志向(素材、調理、禁煙化)を取り入れ、ファスト(早い)だけでない、ゆったりとした雰囲気での飲食も推進している。

【日本再上陸のバーガーキング】
次にモスの業態転換と機を同じくして、2007年6月に日本市場に再上陸した、米国のハンバーガーチェーン「バーガーキング」を見たい。同社は1993年に日本に進出したが、多店舗展開に着手する前、2001年に撤退していた。米国ではマクドナルドに次ぐ全米第二位のチェーン店であり、食べ応えのある「ワッパー(Whopper)」が主力である。

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前回の撤退は、日本側のパートナーと米国本社の行き違いもあって、日本側のパートナーも当初の西武商事からJT(日本たばこ)へから移り、森永ラブ店舗の転換まで行ったところで、多店舗まで行き着かず撤退した。当時、吹き荒れていたデフレバーガーの風に追われたと言ってもいいかもしれない。

今回の再上陸にあたり、リヴァンプの玉塚元一氏が惚れこんでヘッドハントした笠眞一氏が社長に就任した。笠氏はハンバーガー業界の第一人者と言われる。必ずしも社長だけで戦略が浸透できることはないが第一人者ならではの手腕が期待できる。そして、顧客満足を得るのは第一線の従業員やパートさんを含め、満を持しての再上陸であろう。新宿の次は池袋サンシャイン、わたしの元ホームグラウンドだった。

【ジャパナイゼーション】
1971年にマクドナルドが日本進出したときのパートナーは藤田田(でん)氏(故人)という立志伝中の人物であることは有名である。自社のオフィスの窓から、道往く人の流れを見て、歩くスピードが早くなってきたことを喝破した。「これからの成長の時代、早く食べることが求められる」と考えてハンバーガーが当たると考えたという話は有名である。

もうひとつマックに行くと思いだすことは、アメリカ英語の発音だと「マクダーナルズ」になるが、日本人には発音しにくいのであえて「マクドナルド」に表記したという話である。マクダーナルズではここまで日本市場で成功したかどうか危ういとまで言われた、ネーミング上の日本化(ジャパナイゼーション)であった。

わたしがしばらく米国駐在していたときのこと。単身赴任だったので遅くなると、夜もハンバーガーのテイクアウトで済ますこともあった。そんなとき夜食がマックでは・・・と思い、ボリュームもあり味も美味しいバーガーキングにドライブスルーで立ち寄った。そのときあんがい難儀したのが、Whopperという発音であった。実は日本人にはこのWopperが発音しにくいのである。

  Whopper ウ・・・・ァッパァ!

ドライブスルーでマイクに向かって、「ウ・・ァッパァ!」とWの発音にするのが苦しくて(笑)。聞き返されたことが何度もあった。そのうち怒鳴るように言えば通じることがわかった。

バーガーキングは、日本市場からの撤退時も同じくWhopperが主力だった。カタカナで「ワッパー」にすれば発音もしやすいが、「Whopper」とはどこか違う商品のような気もした。だがネーミングの日本化は成功の重要なポイントのひとつである。

【勝手にアドバイス】
モスの店舗改装とバーガーキングの再上陸は直接のつながりはないが、ハンバーガーをめぐる環境が変化しつつあることの証である。

65円のデフレハンバーガーの時代から、適正な価格のハンバーガーに回帰してきた
・スターバックスなどのカフェの浸透で、ゆったりとした飲食タイムと飲食スペースの需要が顕在化した
・無闇に外国の味やシステムを導入して、定着してこなかった反省(バーガーキングに限らずいくつもの外食チェーンが撤退した)から、日本人の繊細な嗜好や習慣を詳細に分析・反映する商売をするようになってきた。

高齢化社会は「ファスト」よりも「スロー」な社会。若者イメージの100%ばりばりのビーフより、やさしい合い挽きが似合う社会かもしれない。ファストフードのファストとは何か、原点から見なおす時期にある。
今日は以上です。

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2007年6月26日 (火)

100%チョコレートカフェ from しか to もが

これ・・・って何?」 たまには秘書室にぶら~りと道草するかと立ち寄ると、見慣れない小さな四角いボックスがヒラさんのデスクの上にあった。好奇心だけは衰えないわたしは、すぐにひとつ取り上げた。

「試供品なんです」とヒラさん。「試供品?何の?」とわたし。「チョコレートなんです」

ええ!この箱にチョコが・・・とウラをひっくり返すと見ると明治製菓と書いてある。なるほどチョコらしい。聞いてみると30個ぐらいサンプルとして置いていってくれたらしい。わたしのようなブロガーがいると知ってのことだろうか?(自意識過剰ですねん♪) しかしチョコをふたつせしめた御礼に、とっても話題Fullな明治チョコレートを取り上げたい。

 53  56_chocolate_02 せしめたチョコ。53=郷さんなのよ(笑)

【勝手にアドバイス Vol.194 100%チョコレートカフェ from しか to もが】
試供品と共に置かれたパンフレットにはこうあった。

  56種類のチョコレートで、“美味しさ”ד楽しさ” の組み合わせは無限大!

No.01~No.56までのパッケージに包装されているチョコ。56のテーマと味があると思えばいい。わたしがもらったのはNo.53、味はコラーゲン。もうひとつもらったのは52番、黒酢チョコ。コラーゲンに黒酢という肌とダイエットに効きそうなチョコレート。No.52の黒酢味。53はムシャムシャいただいたが、甘さ控えめで、たしかに噛んだ感触にどこかコラーゲンぽさ、つまり(食べたことはないが)クラゲのような感触がある。ちなみに52は入院中の老婆にあげてしまった。

No.53の味をウェブサイトの説明で見ると、カカオと(コラーゲンの)キレイな組み合わせ。キレイな人の美容系チョコレートです(コラーゲン4000mg配合)、とある。1枚200円と聞くと・・・ちょっと引いてしまったのも事実だが、おもしろいパッケージはとっても新鮮である。明治製菓さん、ヒットです!

56種類はこちらからチェックしてください。
http://www.meiji.co.jp/sweets/choco-cafe/shop/56chocolates/index.html

【本社カフェ】
このチョコレート、京橋の明治製菓本社の1Fのカフェでスタートした。そこではチョコレートだけでなく、ホットドリンクやワッフル、タルトなど楽しいメニューがいっぱいある。平日は朝8時から夜8時まで営業している。場所も東京駅ソバの良さも手伝っているが、本社の1階の使い方として素晴らしいと思う。

 060426105112 060426105722   
 この写真の出典はこちら: http://trynext.com/travel/060426-1000.php
 おもしろいブログですので読み込んでしまいました。無断引用すみません!

そこで販売するチョコレートラインナップが下の写真。他に惹かれた味はホットチリ、ヨーロピアンハイミルク、ジャスミン、バジル、ローズあたり。

  56_chocolate_01

とても自分で自分に買うというのは気が引けるのだが、やはりギフト需要を中心に考えている。

語呂で選ぶ(11+22=いい夫婦)、味で選ぶ、(パッケージの)色で選ぶ日付で選ぶ(二人の記念日など)というお薦めスタイルがパンフレットにも載っているが、チョコのテーマの場所で選ぶ(カリブとコロンビア=ハネムーンの国とか)、誕生日を迎えた年齢で選ぶ(年齢によっては冷たい現実を突きつけるようだが)。

選んだチョコを詰め合わせにしてギフトで贈るのである。もちろんネットで注文もできる。

【365デイズ×365テイスト?】
チョコの凝り性には、毎日カフェに通えば、365日違う味のチョコが味わえるという。チョコ好きにはたまらない。

365choco_top_img  食べ過ぎ?

これだけのチョコの企画力はさすがだが、ひとつ疑問が湧いた。なぜ明治は56種類にも飽きたらず、365テイストまで作ろうという暴挙に出ているのだろうか?

【チョコレート嫌いはいない?】
東京ミッドタウンで開催中の「深澤直人ディレクション Chocolate」では、展示会の紹介文の中にこんな一文があった。

 「10人のうち9人はチョコレート好き。そして10人目は嘘をついている」

アメリカの漫画家、ジョン・G・トゥリアスさんの言葉だというのだが、ようするにチョコを嫌いな人はいない、ということが言いたいのだ。たしかにチョコレートを食べない人にはまだ出会ったことがない。

そんな食品は、チョコ以外に恐らく世界には無いのである。

【勝手にアドバイス】
モノが飽和し、市場が成熟してきた過去20~30年の日本。だから「誰か“しか”好きではないマーケティング」が幅をきかせてきた。それはマーケティングで言うところのSTP、セグメンテーション、ターゲティング、そしてポジショニングである。最も有望な顧客をより分けて、そこにフィットするように、ブランドや売り方、チャネルを調整するキーワードである。

ところが万人が好きなチョコレートではその手法がそのまま生きない。なぜなら「誰“もが”好きであるマーケティング」が求められるからである。万人が好きなゆえ、顧客を直接的にSTPするのはむつかしいのだ。

ならばどうするか。嗜好(365のテイストに象徴される)や機会(食べる機会、贈る機会、愉しむ機会)をSTPしなくてはならない。あるライフスタイルの顧客をセグメントするのではなく、人間の、ある心理をセグメントするのである。

それが「From しか to もが」のマーケティングである。マーケティングは奥が深い・・・と甘いチョコがほろ苦い想いをわたしから引き出した。今日は以上です。

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2007年6月25日 (月)

アツい男をいかに使うか。

今日は隔週で書いている ぷろこんエッセイ からの転載です。
 ご購読いただける方は まぐまぐ めろんぱん よりお願いいたします。

アツい男をいかに使うか。

2007/06/22 MF三浦淳宏選手の今後について 
 ヴィッセル神戸では、過日、クラブの秩序風紀を乱す発言を行なったとして
MF三浦淳宏(あつひろ)選手(32)に対し、6月12日(火)より昨日21日(木)まで
10日間の謹慎処分を課していました。
 本来であれば同選手は、本日22日(金)よりチームトレーニングへ合流すること
が可能でしたが、これまでの間数度に渡り代理人を含めた本人とクラブとの話し
合いを行なった結果、今後の去就についての最終的な結論が出ませんでした。
(サッカーJ1 ヴィッセル神戸の公式HPより)

http://www.vissel-kobe.co.jp/whatsnew/wn_2208.html

          ●△○△●○●△△○△○○●●●

サッカー元日本代表の三浦淳宏選手が、所属するチーム(ヴィッセル神戸)の
監督批判を行ったとして謹慎処分を受けた。その謹慎処分明けで持たれた
チーム管理者との話し合いもまとまらず、退団・移籍が濃厚と言われる。

三浦選手はJリーグ開幕直後の3月11日のケガ(左足小指骨折)により、4月中旬
まで戦列を離れていたが、復帰後はスタメン落ちとなり、出場した三試合で合計
72分という出場時間にとどまっていた。そして6月3日のサテライトリーグ戦(若手
や復帰選手起用の育成リーグ)でさえ起用がなかったことに、不満が爆発した。

これを、ひとりの選手が起用されない鬱憤ばらしと言い切るのは簡単だが、気に
なることがいくつかあった。

三浦選手はアツという愛称で呼ばれるスター選手であり、昨年にチームが
J1昇格を決めたとき、熱い涙をはばかることなくグラウンドで流す選手であり、
その姿は多くのサポーターもまた涙させたエモーショナルな存在である。彼の
キャプテンシーも神戸チームに欠かせないものと印象づけたシーズンだった。

その彼の監督批判後、公式戦は3連敗である。新潟戦は先制しながらもズルズル
と3失点。大分戦も開始早々の失点で勝負あり。浦和戦は力負け。意識が集中し
ていない、リズムに乗りきれない、そんな負け方であった。彼だけの影響がそう
した結果になったということはないが、気持ちの上で負のドライブがかかっていた。

しかも大分戦の試合終了後には、スタジアムを引き上げないサポーターが「アツ
ヒロ、アレ!(帰ってこい)」とシュプレヒコールが30分も続いた。そのコールが
収まらない中、この試合を観戦したヴィッセル神戸のオーナー、三木谷浩史
会長は試合後、ロッカールームに訪れた。彼は選手たちの相当な落ち込みよう
に驚いた。
参考 http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=233579&media_id=30

004020553_1 3連敗の後。

          ●△○△●○●△△○△○○●●●

段落区切りの「○●△」は、ヴィッセル神戸の今季の「勝ち」「負け」「引分け」を
表している。J1昇格後、好調だった戦績だが、彼の発言後は3連敗を喫した。
その3つの黒星のうち二つは開始早々に失点を重ねたものだ。そのような負け方
は技術や戦術以前の問題、試合を迎える心の問題だと言えなくもない。

それだけアツは、中心選手としてチームの支柱であった。今回はアツをめぐる
問題から、どこの組織にもひとりや二人はいる「アツく燃える男」について考えて
みたい。

          ●△○△●○●△△○△○○●●●

まず、アツい男とはどんな人間だろうか。三浦アツをイメージしながら思うのは
こんな人間像である。

組織の中で存在感のあるポジションにいて、さまざまな経験もし、辛酸もなめ、
そろそろ人間的に厚みは出てきた。だが根はやんちゃで、子どもぽい義侠心に
駆られて行動もする。その活動や主張の方向はまっすぐで、手続きよりも主張
を重んじるあまり、直情的な行動をとりがち。アツさが魅力でもあり欠点でもある。

仕事の実績も名を挙げればそこそこあり、周囲もそれを認める。だがアツい
男が本領を発揮するのは、その爆発的な力である。組織を継続させる持続的
な力というより、プロジェクトを駆動させる力である。アツくなれる何かを持てば、
どんどん自分から発火する。逆にアツくなれないと、アツい火種をもてあまて
しまう。

読者の身近にもこういうタイプがひとりや二人いるだろう。

          ●△○△●○●△△○△○○●●●

そういうアツい男は、何に向かってアツくなるのだろうか?

それは所属する組織が未だ経験していない活動や目標である。言い換えれば
目標自体を創りあげるプロセスが彼をアツくするのである。

三浦アツの場合、それはJ1昇格であったのだろう。これを果たした今季は、
J1の中で1試合1試合地力をつけてはい上がるプロセスに入った。再びJ2に
降格しないために、負けないチームづくりが必要な段階である。ここでは爆発
力というよりも、総合的な組織力、守り中心の粘着力が必要である。

アツい男はひと山越すと冷めて、アツくなれないことに苛立って、自分を
をもてあますこともある。山を越した先に組織の継続や活動の維持がテーマと
なると興味を失い、冷める。何が重要かわかっていてもアツくなれない。

人には個性があり役割があるゆえに、アツい男はここでお役御免の方が組織に
とってもいいのだろうか?それとも爆発力が必要なプロセス以後、アツい男を
再びアツくさせることはできるのだろうか?アツい男の役割と処遇はいかにすべ
きだろうか?

          ●△○△●○●△△○△○○●●●

それにはふたつの道しかない。ひとつは、アツい男を上手に冷ますこと。もう
ひとつは放っておいて、いずれ自家発電でアツくなるのを待つこと。

まず上手に冷ますとはどのようにやるか。アツい男は時に、三浦アツのように
自分でもアンコトローラブルになる。そこに管理者が「組織批判を謝れ!」など
と説教をすれば「謝まるもんか」「なにぃ!」「では辞めます!」という押し問答に
なって、結局は双方にとってしこりが残り、損失となる。

管理職としてはアツい男を上手に冷ますため、こう言わねばならない。

「お客さまから考えてごらんよ」 
 ・・・アツヒロ、アレ!のシュプレヒコールを聞けと。

同じ三浦姓のキング・カズこと三浦知良選手(横浜FC)は、その名声と実績
にもかかわらず、観客動員のため街頭でチラシ配りさえしている。スタメンに
入れなくても、くさらずそうしている。彼は顧客志向が徹底しているからだ。
成績と試合内容次第で、サポーターはアツくも冷たくもなると肌身で知って
いるからだろう。

その証拠に、一昨日(2007年6月23日)ヴィッセル神戸は広島に粘り勝ちした。
連敗を食い止めた日、ヴィッセル神戸を応援する神戸新聞のブログには、
あるサポーターからこう書き込みがあった。

『聞こえるかな?』 アツさん。みんな自分達に出来る事は全て出してますよ。
選手、サポーターみんなアツさんを待ってるのに(中略) 理由がどうであれ
アツが築き上げたものを自分で失ってます。
http://sports.kobe-np.co.jp/modules/wordpress/index.php?p=555

          ●△○△●○●△△○△○○●●●○

わたしは自分をアツい男の端くれだと思っている。三浦アツの事件から、自分
の中のアツさと冷却をどうコントロールすべきなのか、考えさせられた。
アツくなれる仕事を追い求めて突き進むのは悪いことではない。自分の殻を
破って進むためにも必要なことだ。だが新たな自家発電の機会ばかりを
次々と探すこともできない。

そうしているうちに、振り向くとそこに誰もいなくなった、では何のために働いて
きたのかわからない。見える観客や見えざる観客の声をきちんと受けとめる
べきだろう。「ああ、良い仕事をしてくれたなぁ」という声を頂けることを目標に
して、自分のアツさを維持したいと思う。

 996 アツ。

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2007年6月24日 (日)

アフォーダンスな商品

昨日(2007年6月23日)取り上げたバンダイの∞プチプチアフォーダンスを感じたので、今日はその続きで、アフォーダンス商品を考えてみたい。

アフォーダンスとは、米国の心理学者ギブソンの造語であり、その概念の日本への紹介は、東大の佐々木正人教授が中心になって行われてきた。わたしがこの言葉に初めて触れたのも、佐々木正人氏、建築家の後藤武氏、そしてデザイナーの深澤直人氏の共著の『デザインの生態学』という、決して簡単ではない本からだった。

51ycgwz0vml__ss500_  デザインの生態学

アフォーダンスとは昨日書いたように、そこにあるものに自然に反応するという概念である。取扱説明書がなくても、誰でも椅子には座るだろう階段では、上り方や下り方の足の使い方の説明がなくても、上ったり下りたりできるだろう。ぷちぷちを見ればどうしてもプチプチしたくなる、やらずにいられない、そういう記憶や身体に刷り込まれた感覚である。

【勝手にアドバイス Vol.193 アフォーダンスな商品】
アフォーダンスが強いものは、良いデザインがあり、わたしたちの身体的な記憶を自然に呼び起こすと言われる。逆に分厚い取扱説明書やヘルプファイルが必要なものは、アフォーダンスが無いと言える。

いくつか例を挙げながら理解を深めよう。

[運動のアフォーダンス]
・サッカーボール: 転がして蹴りたい
・バスケットボールとフープ: ドリブルして入れてみたい
・月曜の朝、駅ホームでの長い傘: 昨日のミスショットを修正したい(ゴルフ)
 
ボールや棒といった、子どもの頃からの身体的な記憶に根ざしたものには、アフォーダンスがある。

[仕草のアフォーダンス]
・ジョグダイヤルやクリックホイール: あやつってみたい
・コカコーラのボトルやスターバックス・タンブラー: つかみたい
・多色ボールペン: カチカチさせたい。

手や指の動きにはまっている道具や用具は、アフォーダンスがあり、愛着が深まるのである。愛でて楽しいのはそのためである。

[衝動にかられるアフォーダンス]
・低反発のクッションやまくら: 指で押してみたい
・ラミネートチューブ: 下から上に押してみたい
・川岸の平たい石:水平投げして水切りをしたい

プチプチもそうだし、パックされたミンチ肉を指で押すのもそう。どうしても止まらない欲求こそ根源的なアフォーダンスである。

[動物へのアフォーダンス]
・猫: 放り上げて、くるっと着地させたい

Middle_1119795548 Middle_1119795630 オモシロ過ぎる画像。 
出典 http://love.ap.teacup.com/applet/hana_kaede1211/200506/archive

このようにアフォーダンスとは「以前から記憶があり、自然にそうしたくなる」という特性がある。いくつか商品事例を挙げてみよう。

【アフォーダンスな商品】
まず「コクヨのパラクルノ」である。このグッドデザイン賞を受賞したノートを、店頭で手にされた人も多いだろう。なぜなら、どうしても「めくってみたい」と思わせるデザインがあるからだ。

 05a09021l

商品説明の記述にはこうある。「なめらかにページをめくることができるユニバーサルデザインのノートです。ノートの右端の裁断面を斜めにカットしており、しかも、上半分と下半分のカットが逆方向になったリバーシブル形状で、表裏どちら側からもページを開くのに便利です

この傘立てもアフォーダンスがある。傘がもともと立っているような錯覚させつつ、傘立てであることを主張する製品である。イタリアProgetti社製のSCAGNO-829の傘立てである。

 Scagno1

もうひとつ、白山陶器のファンシーカップを挙げよう。1970年から発売しているロングセラーであうが、指がかりといい、オブジェとしてのメモリーといい、アフォーダンスを超えた存在感がある。

 06a06009_1

【高級なアフォーダンスと大衆的なアフォーダンス】
お客さんのところで、若い女性社員に送迎をしていただいた。彼女は運転ルーキーで、まだご自宅のお父さんの車をちょびちょび運転するくらい。送迎車は会社所有のカローラである。

彼女は駅前にカローラをパーキングしていた。
「どうもありがとうございます」と営業のOKさんと二人で乗り込んだ。
ところが彼女。「車が・・・動かないんですよ」
「どうして?」
「ブレーキが解除されないんです」
「シフトはパーキング位置にある?」
「はい」
「おかしいなぁ・・・」 そこで後ろの車が走れ!とクラクションで合図した。
「いくら踏んでもブレーキが解除されないんです」 そこでわかった。
「XXXさん、この車では、ブレーキ解除はレバーじゃないの?」
「レバーって・・・これですか?!」 引くと、ドン!と駐車ブレーキが解除された。
後ろの車はじりじりして、切り返して先に走っていった。
「お父さんの車は、ブレーキを踏むと解除されるでしょ」
「そうなんです」と彼女。
「これはね、大衆車だからレバーなの」 われわれは事なきを得て走り出した。

高級車のすべてがブレーキ解除を足ペダルでやるか知らない。だがアフォーダンスにも格差社会があるというのが新しい発見だった。

【勝手にアドバイス】
わたしは「アフォーダンス・レベル」なる商品評価を考案したい。それは「やらずにはいられないハマっているレベル」を表すものであり、★5段階でアフォーダンスを評価するのだ。

同じ視点で、「アクティブメモリー喚起度(みんながよくやる行為をどれだけ喚起するか)」、「シークレットメモリー喚起度(人間の隠された欲求をどれだけ喚起するか)」もいいだろう。

商品評価の新しい地平線かも知れない(おおげさデスがマジメです)。今日は以上です。

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2007年6月23日 (土)

プチプチを潰したい。

今日の勝手にアドバイスのおまけはバンダイから発売される玩具『∞(ムゲン)プチプチ』を紹介したい。こういう無闇におもしろい玩具、好きです!たぶん携帯ストラップになっているのだろうが、プチプチ潰す感触と音を愉しむという、う~ん・・・何とも言えないがヒットしそう。

 Image1041_799x384 ぷちっ。819円/個。

最初に断っておくが、今日、なぜ二つブログを書こうと思ったかと言えば、先に書いた日立製作所のシステムがあまりにお堅いので、やわらかくしておかないと明日のブログが書けないと思ったからだ。今日は甘辛というか、硬軟取り混ぜのブログの日である。

【勝手にアドバイス Vol.192 プチプチを潰したい。】
商品の概要は次の通り。

∞プチプチは、「プチプチ」の川上産業株式会社のご協力により商品化!
 『∞プチプチ』は、プチプチの発売元である、川上産業株式会社の協力を得て開発されました。プチプチをつぶす感触は、シリコンラバー2重構造を用い、本物のプチプチを押しつぶすときの、空気がパンパンになってはじける感覚に近づけています。また、つぶしたときにスピーカーから出力される効果音は、本物のプチプチをつぶしたときの音を録音して使用しています。感触も音も、川上産業株式会社お墨付きです。

引用元 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=163257&lindID=4 

八つしかなくても永遠にできるプチプチ。誰もがやっただろうが、わたしもよくあれを潰しまくっていた。面倒くさくなると雑巾を絞るように、ぐいっとひねってブチブチブチブチ・・・・っと。やりましたよね。

バンダイの玩具には、プチプチを潰す100回の1回の割合で「おなら」「セクシーボイス」「犬の鳴き声」などの効果音が鳴るそうだ。それというのも、本物のプチプチには1万個に一個の割合でハート型の粒が含まれているとか。それにちなんだそうだが、あの包装材料にそんな遊び心があるとは知らなかった。

【そこにあるものをプチプチしてしまう】
バンダイの資料には「人はプチプチをつぶさずにはいられない!? プチプチをみるとついついつぶしてしまうのは、心理学で「アフォーダンス」と呼ばれる現象のひとつです」という記述がある。

プチプチとアフォーダンスというぶつかり合いがおもしろい。アフォーダンスとは、そこにあるものに自然に反応するという概念。誰でもプチプチしたくなる、そしてやってしまう、やらずにいられない、そういうものだと思えばいい。

触らずにいられない商品、それをアフォーダンス商品と命名してもいいだろう。

【勝手にアドバイス】
手にとってみたい、触ってみたい、ぐにゃっとしたい・・・そういう商品を思い浮かべてみよう。

みずみずしいトマトを指で押してみたい。穫れたてのスイカをなでたり叩いてみたい。パックされたミンチ肉を凹ましてみたい。手に持ってもてあそびたい万年筆。ぱちん!ぱちんと開けたり閉じたりしてみたいコンパクト。なでてみたい皮のサイフや手帳。頭を包みたいふっくらしたバスタオル・・・。潰したくなるアルミ缶ビール。アタマを揺らしたいペコちゃん人形。倒したいスイカのペンギン人形。世の中にはアフォーダンスがいたるところにある

バンダイの∞プチプチは、アフォーダンスから商品開発を考えるという新しい地平線を示した。明日もアフォーダンス商品が探せればぷちっと取り上げます。今日は以上です。

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従業員顕微鏡で業務改革

わたしの持論だが、コンサルタントの仕事の要は五感でクライアントを感じることである。プロジェクトがスタートして、メンバーがだんだん口を開くようになってきて、次第にオブラートに包んだ本音を言うようになってきて、運営に不満と満足を漏らすようになる。

最近もこんなことがあった。「意見があればおっしゃってください」と言うと発言者が表れた。だが彼は寒くもないのに両手をユニフォームのポケットに突っ込んだまま、意見を語り出した。意見の発言者でわたしが注目するのは、言葉の内容もさることながら、その態度である。のけぞって喋るか、身を乗り出して喋るか、じっと目を見て喋るか、あらぬ方向を見て喋るか。その態度にこそ意見が集約されているからだ。

今日は、そういう観察をシステマティックにやれるかもしれない「従業員の対話状況の客観分析システム」をテーマにしたい。

【勝手にアドバイス Vol.191 従業員顕微鏡で業務改革】
 組織のコミュニケーション状況が一目で分かる――。日立製作所は(2007年6月)22日、従業員同士や部署間の対話状況を客観的に分析するシステムを開発したと発表した。名札にセンサーを組み込んで対話時間などを測定し、誰と誰が頻繁に接触しているかを示す関係図を自動的に作成する。業務効率の向上を図る企業などを対象に、来年度にも事業化する。
出典 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070622AT1D220A822062007.html

どういうものなのか、新聞発表だけではよくわからないので、日立製作所のサイトを見た。社員は、「赤外線センサ」「加速度センサ」「マイクセンサ」とそのデータを無線通信する機構を内蔵した名札型のセンサネット端末を首からぶらさげる。社員一人ひとりの活動(対面時間、会話時間、動作測定)を逐一記録するのだ。

0622

その測定結果を図解することにより、下図のようなチャートで人間関係が表せすことができ、だれが孤立しているか、グループ同士の派閥はどうなっているのか、一目瞭然となるという。

・個々のグループが地図の山のような形で表示される。
・積極的に対話している人は山頂近くに表示される。
・コミュニケーションしない人はすそ野に表示される。

0622_1

【ねらいはオフィスワーカーの生産性向上】
日立製作所のサイトを読むと、このシステムのねらいが知識労働者の生産性向上にあるとしている。

専門的な知識を持つ知識労働者の生産性を向上させるために、社員間の協創をつくり、コミュニケーションを活発にさせる。だが、従来は現場社員の感覚に頼った議論になっており、定量的な分析がなされなかった。それを実現するのが、「ビジネス顕微鏡」と名付けられたこのセンサー付き無線ネームカードである。

あなたは出勤した時点で、このカードを就業時間中ずっとぶら下げていなくてはならない。ちょっと重量はあるが我慢してほしい。メールのやりとりも入退室もPCのハードディスクドライブもすでに監視下にあるのだから、次は人間関係を見える化することにもすぐになれるさ。隣に座っている人にメールを打つのも、変だなぁと思いつつ普通になってきたしね。

・・・という具合だが、わたしがこのシステムに入ったことを考えてみた。

【データ提供にはなるが・・・】
わたしがCherryさんとよく喋り、他の人との会話が少なく、時に散歩に出たり、歯医者でうなり、たった一枚のパワポと格闘し、それさえも遂に完成できず、ひとりぼっちで呑み会にも参加せず(すみません!)・・・そういう図解波形をつくると、裾野の端の隅にいて、いつ退職しても不思議ではないと判定されることだろう(笑)。

また、創造性はしばしばコミュニケーションから生まれるが、それは事前に創造性を高めるため、自分と格闘しているからこそ触発がある。自分自身との知的格闘がなければ他者との知的格闘もむつかしい。やたらにミーティングをして生産性が向上せず、かえってノイズが増えることと同じである。だからこのシステムを監視システムではなく、従業員の意識調査や適性テストをより科学的に実施するというものと考えれば、それなりに効果はあると思う。コストと見合いのかはわからない。

【勝手にアドバイス】
四六時中これをぶら下げるのはナンセンスだが、抜き打ちで年数回、定時観測的にデータ測定をすると、組織のダイナミクスが見えてくる可能性はある。

・組織内のスターAさんのポジションと人間関係を参考にして、Aさんのポジションに自分を近づけるためにどうすればいいか考えさせる。
・図の真ん中にいる管理職と端っこにいる管理職のどちらが優れているか?端っこでも人望があるとか、真ん中でも実績が上がらないとか、管理職やPJリーダーの資質を推測する。

自分の位置づけを定期的に把握させるのは、よいかもしれない。だが、知識労働者のモチベーションの本質である やりがいや仕事を通じた自己実現、それも小さな組織ではなく、外部のお客さまや世間に認めてもらえることという、根源的なところとは直接関係性が薄いシステムだと思う。

またこれを導入する顧客であるが、グループ企業という大きな需要がある一方、顧客満足度ゼロでもボーナスが満額支給される社会保険庁のような組織にぜひ導入してもらいたい。真ん中の「前線」は年金受給者として、そこから個々の役人がどれほどかけ離れているか、見える化していただくと満足度は上がらないが納得度は向上するだろう。

今日は以上ですが、夜にオマケのブログを書きます。

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2007年6月22日 (金)

成長するLGBT市場 5.LGBT市場攻略アプローチ

今週のテーマはLGBTであった。レズ、ゲイ、バイセクシャル、そしてトランスジェンダーの略である。さすがにテーマがテーマだけに、周囲からは反響や支援がいくつもあった。だが、いつになくブログへのトラックバックが少ないのは、「おいおい・・・このテーマじゃトラバもできないよ」と思われている読者が多いのだろうか。勇気を出してストレイトなトラバもお願いします(笑)。終わるのが、少し名残り惜しい気持ちが湧いてきた。おっと、これはカミングアウトではありません。

さて、今日お客さまのところへ同行した営業のOKさんと移動中の車の中でこのブログの話題になった。
OKさん 「今週のテーマ、おもしろいですね」
わたし 「いろんな知識は増えたよ」
OKさん 「オレ、よくその世界知っていますよ」
わたし 「・・・・・(要は無言)」 2インチほど彼から後退。

この後退は悟られただろうか?だがよく聞いてみると、彼の前職の税務関係の会社のお客さんにゲイバーの経営者がいたとのことで、その店によく仕事で通っていたらしい。彼がGである立証はできなかったので、うやむやにしておこう。

彼がそのお客さんの社長に会いに店で座って待っていたそうだ。体格の良い彼の周りに、次々にGの方々が寄ってきて、「どぉお?」と親しげに話してきた。
彼曰く「ぼくは、あの、その・・・違うんです」
そうしたらGの方々に「あらら・・のんけなの!」と爆笑された。のんけとは「その気がない」という意味だそうです。

【勝手にアドバイス 5.LGBT市場攻略アプローチ】
昨日(2007年6月21日)のブログでは「LGBTマトリクス2」と「LGBTのマーケティング境界」で、LGと特にTの違いを示しながら、その消費意識、態度や行動の違いを見てきた。その違いからLとGの根本のニーズは「安心して二人きりになりたい」、Tの根本ニーズは「日常で買えないショッピングニーズ」という分析をした。

この「安心してふたりきりになりたいニーズ」は、実はヘテロの逃避カップルにもあてはまる。ある理由からオモテで逢えないカップルに、おとなのOFFというような切り口で逃避行(小)旅行パッケージもある。また、メトロセクシャルやナルシストは、Tにまで行き着いていないし、本質的に異なるにしろ、男だてらに買いにくいショッピングが存在するのは事実である。その点、女性の男性へのT願望は「彼へのプレゼント」という世間体があるので、言い訳が不要で楽である。

バイセクシャルでは、「LやGの隠れみのとしてのバイセクシャル」と「カミングアウトしているバイセクシャル」がある。前者はライフスタイルのほとんどがストレイトな消費性向であり、ほんの一部分で発散カミングアウトする。後者は近親者にはオープンだが、世間一般でオープンとは限らないので、やはり目をはばかるところはあるとされる。だが、それほど奇異な目で見られるようなことは多くないと思われる。

こうしてみると、LGBT市場とは既存商品で新市場を開拓するのと変わらないのである。むしろ、既存商品が値引きせずにどんどん売れていく可能性を秘めている。それを示したのが、マイノリティ市場のマトリクスである。

01_23

【勝手なLGBT市場攻略アドバイス】
ここからどのような勝手なアドバイスができるかが、今日のテーマである。わたしはストレイトなので(自分の本名の名前の由来も説明しました♪)、このアドバイスが当を得ていないことはありうる。だからそれはご指摘を頂きたい。すでに多くの取り組みがあるものを含めて、いくつか商品とサービスを図に入れてみた。

02_17

【お部屋の真ん中にジャグジー for S(ストレイト)+LGBT 】
何にせよ、すでに市場が拡張しているのが、SNSやセカンドライフに代表されるネット上の出会いの場である。インターネットのおかげで(ゲイのメッカであった)新宿二丁目が廃れたという話もあった。

たとえばMixiには「ゲイ・ビアン・バイ受け入れる人」という13,000人を超えるコミュニティがある。「不完全で完全な僕等」というサイトも1200人もいる。ここにはさまざまな書き込みがあり、LGBも寄LGBも非LGBもいるようだ。こういうオモテのサイトは「オモテ」に過ぎず、ほんとうの世界は、ニフティの談話室からネットやチャットに広がっていったと言われる。

ここでできることは多い。もちろん日記やアバターを通じた出会いがメインだが、こんな話もあった。

あるリアルの不動産会社のウェブサイト担当者に、バーチャルビジネスの「カンドライフ内で間取りを売りませんか?という申し入れが、どこぞのセカンドライフ内の広告会社か、はたまたセカンドライフ内で不動産ビジネスをする会社だろうか、あったという。

間取りを売る・・・というのは、恐らくセカンドライフ内の住居を設計するための間取り設計をするというサービスだろう。前にも書いたが、セカンドライフがなぜ流行っているか、それはセックス系の産業ゆえである。その意味では、お部屋の真ん中にジャグジーがあって、シースルーのウィンドウで仕切られているような間取が売れるのではないだろうか?

【トートバッグ for T】
最近は男性でもトートバッグを持つことが珍しくないが、鞄の中身を覗いてみるのもいいだろう。化粧品ポーチやハンドクリーム入れ、ネイル手入れグッズなどを入れるスペースがあるだろうか?ノートPCも入れ、仕事の書類を入れ、そしてケアグッズを入れる男性用ポーチバッグ

【オーダー for T】
Tの富裕層がどれだけいるかわかりにくいが、服、靴、装身具などはオーダーしたいというニーズがあるはずだ。特に靴はサイズが少ないという話もあるので、隠れたニーズがあると思われる。
シャツやブラウスやスカートなど、異性装のためにサイズに苦労する人々も多い。いっそのことオーダービジネスを手がけるのはどうだろうか。他のビジネスとは異なる型紙を持つだけでも差別化だろう。

【食の隠れ家 for LG】
こぢんまりした高級レストランなら、LGカップルだけの予約受付日を設けてもいいだろう。LGの食に対する造詣は一般に深いとされる。自然な素材、美味しいワイン・・・静かな語らいの場を、ひと月に一度提供するのである。口コミで予約はすぐに一杯になるだろう。

【別荘地を売る for LG】
LさんやGさんがゆったりと愛をあたため逢えるのは、やはり隔絶された空間もほしい。そうなれば別荘だろう。地域振興、故郷税新興、夕張市のような破綻自治体再興のためにも、知的水準の高く、高所得者の多いLGBを誘致されたらどうだろうか?

【最後に】
この旬ネタを通じて思いをめぐらせたことは多々あった。だがひとつのパラグラフでまとめるとこうだ。

男は男同士ゆえに、ロンリーハートの男の気持ちを理解することができる。その逆も然りで、女は女同士ゆえに、男がわからない女の繊細な気持ちをわかる。だからこそLGBが理解しあえるのではないか。そこにLGBが成立する意味があるのではないか。男と女が理解ができない(しにくい)からこそ、男と女の恋愛は波瀾万丈なのである。

マーガレット・サッチャー氏が言われたように「社会などというものはない、あるのは男と女だけだ」。男は自分の気持ちをわかってもらおうとして恋文を書く。女は自分を引き上げてくれる、この世のたったひとりの男性を見定めようと目をこらす。

男と女のマーケティングも複雑なら、男と男、女と女も複雑なのだ。むしろこういう性をリセットしたときに、新しいビジネスチャンスも生まれる

ブログを書く上でご協力をいただいた信頼のKさん、乙女のMさん、東に旅立ったCherryさん、ヒゲの無い美人のYukaさん、そしてたぶんストレイトなOKさん、ありがとうございまいた。
今週は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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2007年6月21日 (木)

成長するLGBT市場 4.LGBTのマーケティング・スタディその2

今週の勝手にアドバイス 旬ネタはLGBTをマーケティングで斬るというテーマで始めた。当初のもくろみとは少しずつズレて、LGBTの深遠さにはまりつつある自分が少し怖い。だが、商売を考えるというトラックを外したくはない。

今日はその4回目。昨日に引き続いてLGBTのマーケティング・スタディとして論を進めたい。

当初、LGBTという人々をわたしは漠然とひとつのかたまりとして捉えていた。その消費動向を分析するカギとして、たとえば「理解される・理解する」「悩みをわかちあう」「コミュニティをつくる」「カミングアウトする心理」「応援する」などのキーワードを当てはめて考えようとした。

だがそれは間違いだと知った。LGBTを十把一絡げにはできないのである。LGBTという言葉が生まれたのは、マイノリティへの性差別を打開しようという意識からの団結心であり、心理上や行動上の分析から生まれたわけでないのだ。

【勝手にアドバイス 4.LGBTのマーケティング・スタディその2】
昨日(2007年6月20日)紹介したLGBTマトリクスを変形させてみよう。

Lgbt02  
   LGBTマトリクス2

ヨコ軸は昨日と同じく「相手がどうあってほしいか」。つまり、ノーマル(ヘテロ)か、レズ/ゲイ/バイセクシャルか、である。相手がどうあってほしいかは、自分がどうなのかに影響する。

そこでタテ軸は「カミングアウトのレベル」とした。隔絶されていたいのか、いや言い換えれば、隔絶される環境しか身を置けないか。あるいは公開して、尾辻さんのように勇気をもって主張するという高い公開レベルもある。そこまでいけなくても、限定されたコミュニティでは「自分はXXXだぁ!」と言ってすっきりするいうレベルもあるだろう。

このLGBTマトリクス2を作ってみると、LGBとTはポジションが異なるということが明白になる。LGBは、社会的に地位も評価もある人も多く、知性レベルも相当に高いと言われる。だが自らの「まっとうではない」性向を隠して生きている。それを表したのがこの図中のLGBである。カミングアウト以前である。だからヘテロからLGBまでの範囲で表した。オモテの顔はちゃんとした結婚をして社会生活を営んでいる。だがカミングアウトしない(できない)ウラの顔では、LGBなのである。

一方、TVないしTSは一般にはカミングアウトはできないが、同好の士や異性装のコミュニティがあると言われる。異性装・異性化粧という行為を通じて自分をさらけだしあう。このポジションではそれが一過性のものであるというイメージだが、実際にはこのTVのエリアから、右上のLGBのエリアへ自由に行き来するということだ。

【LGBTマーケティング境界】
こういう見方からすると、LGBT市場への取り組みは大きく二分することができそうだ

 Lgbt_1

LGBTマーケティング境界と名付けたこの図は、LGBとTにマーケティングを分けて考えようというメッセージをこめた。

LとGにとって切実なのは「相手と一緒にいること」「一緒に行動できること」である。特に日本という閉鎖度の高い社会においては、男と男、女と女が手を握り合って歩く姿を奇異な目線で見がちである。賃貸住宅では「ゲイ・レズはお断り」というところもあるし、戸籍を入れることができなければ、保険や遺産の受取人にパートナーを指定することもできない。だから養子縁組という手が取られる。

LとGを対象とするマーケティングの基本方針は「一緒に居られる環境づくり」である。ゆえに旅行パッケージ、同居ができる住宅、受取人の融通の効く金融商品などの切り口となる。

 American_airline01 AAのゲイサイト。

【Tはオモテの購買を求める】
一方Tはまったく異なるニーズがある。異性装のための洋服、靴、装身具、化粧品やヘアケア(脱毛)商品などである。異性でありたい姿になる「場」である。オモテの世界の商売では、ネット通信販売が主となる。従ってこちらのマーケティング基本方針は「表立って買えないものを提供する」である。

T関連の市場は、少し前に流行したメトロセクシャルが近い。メトロセクシャルとは「メトロ(都心)に住み、仕事もプライベートもスマートにこなし、毎日の自分の生活に価値を持たせることができるという新しいライフスタイルを送る男性のこと」とされる。市場としてみると、エクササイズやフィットネス、メンズコスメティック、トイレタリーグッヅなどが相当する消費カテゴリーである。

いずれにせよ、通信販売業は、飽和し競合が激しい女性マーケットだけをねらうことなく、TやT予備軍を対象にしたウェブサイトや通販カタログを製作することは、既存商品で新市場を開拓できる大きなチャンスがある。

 20060421_yes  YES! ゲイ雑誌。

【イケていない男をイケる男にする】
Queer Eye for the Straight Guy(クイア・アイ・フォー・ザ・ストレート・ガイ)という番組について触れたが、これは「イケていない男をイケる男にする」番組である。ニューヨーク在住のジャーナリスト吉田実香さんはこの番組についてこう書いている。

彼ら(Fab Fiveと呼ばれる5名のゲイ)が番組で紹介したものは飛ぶように売れる。たとえば「ソファにもチェアにもなる」とインテリア担当のトムが紹介した、その名もマヌケな〈チョファ〉は、放映後あっというまに売り切れた。一脚3000ドルという高値にも関わらず、である。
http://www.yohan.co.jp/column/column200404.html

吉田さんは、ゲイが買い物好きということではなく、この番組は、これまで女性がメインターゲットだった商品(スキンケア、アクセサリー、キッチン用品、そして家具など)をメトロセクシャルにターゲティングして新市場を開拓していると主張している。

つまりクイアな目で見ないで、新市場と割り切って観ると、同じ商品でも、飛ぶように売れる新しい購買層を発見できる。明日はLGBT市場を観る企業の態度、同じ商品でも市場を変えれば売れる例を勝手にアドバイスしてみたい。

今日は以上です。

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2007年6月20日 (水)

成長するLGBT市場 3.LGBTのマーケティング・スタディその1

ドキドキしながら書き始めたLGBT市場のテーマ。今朝、午前中からびっくりしたのは、Yukaと差出人が書かれたコメントだった。

まず断っておきたいが、わたしのブログのコメントとトラックバックは、管理人たるわたし自身が公開・非公開をひとつずつ決めている。コメントはほぼ95%公開し(中には変なものがある)、トラックバックはえげつないものを除いてほぼ公開している。Yukaさんからのコメントはこんな文面だった。

 大変興味深い内容で。

 ちょうど7月12日(木)~16日(月)まで
 青山で「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」たるものが開催されるようですよ~
 
http://www.tokyo-lgff.org/2007/index.html

 お時間(+興味)があったら一緒に行きませんか??

ええ!Yukaさんて・・・誰だ?とっさにヒゲを生やしたYukaさんじゃないだろうな!と思ってオロオロした(笑)。映画祭に一緒に行ったら貞操(?)が奪われるのだろうか。。。と恐々として、コメントを公開しなかった。夕方になって、親しくしていただいている美人のYukaさん(もちストレート)からコメントがアップされません!」とメールが入り安堵した。そうかヒゲさんじゃなかった。すぐにコメント公開をしました。Yukaさん、どうもすみませんでした(笑)。

ある人に郷さんは檄文(げきぶん=同意を求め行動を促すスローガン)を書くよね・・・と言われることもあるわたしだが、今回はこのように柄にもなく繊細になっている。だがほんとうはわたし自身、檄文を書いているつもりはない。むしろ劇文学のようなドラマがあり感動のエッセイを書きたいのである。

【勝手にアドバイス 旬ネタ 成長するLGBT市場 3.LGBTのマーケティング・スタディ1】
昨日(2007年6月19日)、LGBTに共通する性質として三つの要素、知的、同情、自由を挙げた。その三つの要素の意味合いをまとめると次のようなものだ。

 知的: 知性の高さ、教養の深さ、知的な職業。
 同情: 悩みの分かち合い、助け合い、高めあい。
 自由: 規範からの自由、自由になるための活動、主張。

ところがこの見方にはまだまだ曇りがあった。この世界にくわしい同僚のMさん(女性)から多くのご教授を頂いてしみじみ感じた。知らないことを書いてはいけない。今日と明日のブログはMさんのサジェスチョンに多くを依存している。ありがとうございます。念のためMさん自身はストレートである。

「自由」という要素で思い浮かぶ代表例は、どうやら延期が決まった参院選挙に立候補した尾辻かな子さん。カミングアウトした彼女のメッセージを引用しよう。

同性愛者として初めて国政政党から選挙にチャレンジできることを、本当にうれしく思います。このチャンスを与えてくれた民主党に、深く感謝しています。また、私がこのスタートラインに立てるのは、今までの多くのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の方々の活動の成果であり、その積み重ねに深く敬意を表します。
(中略)
私がカミングアウトした理由は、共に社会の中で生きている私たちの存在を、もっと可視化する必要があると思ったからです。私自身、自分が同性愛者かもしれないと気付いてから、自分はおかしいのかもしれないという自己否定と、自分のような存在はたったひとりなのかもしれないという孤独感に何年も苦しんできました。今も悩みの中にいる多くの仲間たちに、ひとりじゃないことを伝えたい(後略)。

http://www.otsuji-k.com/diary/2007/07/post_2.html

この「国政へのチャレンジに向けて」と題されたHPの記述には、「チャレンジ」「多くのLGBTの方々」「もっと可視化する必要」「「悩みの中にいる多くの仲間」という単語がある。彼女はLGBTを構成する「自由という要素」の典型なのではないか?とMさんに話した。

【LGBピラミッド】
「それは違うわ」とMさん。
「違うって?」とわたし。
「LGBの中でも彼女はほんの氷山の一角なの。ほとんどの人は秘密を隠してこもっているのよ。オモテには出てこれないのよ」 「・・・(わたし)」。下図を観てほしい。

Lgb

発言し、本も書き、国政に打って出る尾辻さんはこのピラミッドの赤い頂点である。マイノリティの中でもマイノリティなのであろう。彼女のようなカミングアウトのリーダーにフォローする人はいる(リーダーフォロワー)。だが圧倒的な大多数はピラミッドの下部のカミングアウトなどとてもできないと考える層に属しているのだ。日経ビジネスの特集にあった、リーマンブラザースのようなジェンダー問題にオープンな会社は、外資系といえども少ない。むしろ保守キリスト系がかった会社ではなおのことだ。

だから、LGBについてはカミングアウトできないという視点から消費やマーケティングを考えるべきなのではないか、というのがMさんの意見だった。

Tを除いたが、このピラミッドに「T(トランスジェンダーら)」が含まれていないのは意味がある。わたしも直感的にはLGBとTは違うのではないかと思ったが、突きつめればそもそも存在基盤が違う。ゆえに消費ニーズが異なる。だから除いている。

【LGBTマトリクス】
勉強不足を痛感したわたしは、Mさんの指導の下にLGBTマトリクスなるものを作成した。

Lgbt

タテ軸は「自分がどうありたいか」を表し、ヨコ軸は「相手がどうありたいか」を表している

TVとはtransvestismの略で異性装である。男性が女装するのが一般的だろうが、その逆もあるので異性装と呼ぶ。これはどこにもいるおっちゃんにもその欲求がある人が多いそうで、専門のスタジオがあり、そこで女装をしたり化粧をし撮影をするなど、異性装を愉しむ。一歩スタジオを後にすれば普通の人。ゆえに相手はヘテロセクシャルという普通の性向である。

TG(transgender)とはトランスジェンダーの略である。社会規範の中で、男女の役割から逸脱する人々を表し、ホモセクシャルな性向とは関係のないものとされる。従って同性愛者もいれば異性愛者も、両性愛者も無性愛者もいる。その意味では自分の意識がTGだが、やむを得ない事情で、相手がヘテロである人は多いのかもしれない。

だがそれでも自分がTGで、相手がLやGでありあるいはBであるというのは、やはり複雑なパターンであるのは否めない。

【伝統あるTGの世界】
まだこの世界に馴染みが薄い、ゆえに無用な額縁から覗いてしまう・・・ゆえにマーケティング的な機知に富むことが書けない。わたし悩みである。ジェンダー・トランス・ギャップとでも表現できるだろうか。

そんなことを想いながらCherryさんに話しかけた。「あなた女子高だったよね?」「そうです」「ならさぁ、Lってたくさんあったでしょ?」「ありましたぁ!」「どんな?」

 487dd546647bb57c22bbfac83792fa2e  Oon0611101204ns 真野すがたさん。

「バレンタインデーのとき、同級生の彼女のために、列ができました」
「列って・・・?」
「チョコ渡したくても、教室の中に入るわけにもゆかず、出入り口でウジウジ待っている女子が多くて」

それが今、宝塚の真野すがたさんだという。とっても綺麗で素敵です。女に愛されるのはもったいない(笑)。宝塚という世界とそれを思慕するのは、このマトリクスのどこにも表れない。単なるあこがれという意見も根強いが、数十年にわたりTGの世界を牽引してきた功績は大きいし、隠然たる影響力はあると思う。

今日は以上です。LGBとTの消費性向に違いについて明日も引き続き考えたい。トランスなマーケティングにお付き合い頂きありがとうございます。

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2007年6月19日 (火)

成長するLGBT市場 2.LGBTのドライビング・フォース

昨日から書き出した勝手にアドバイス旬ネタは、LGBT市場におけるマーケティング考察である。

すでにメジャー誌の日経ビジネスでは、市場特性、市場規模、企業の取り組みが特集で紹介されているので、これとは違う切り口でゆきたい。

それは、できるかぎり生の生活者や消費者のライフスタイルや消費性向から、なぜLGBTは消費者として高い消費性向を持つのか?なぜLGBTは高質な消費者が多いのか?それはどんな分野なのか?それはなぜなのか?どのような切り口であれば対象層に訴求することができるのか?あくまでマーケティングにこだわって考えたい。

腫れ物に触るようなアプローチはむしろマイノリティ市場という見方を固定させ、マーケティングとしても曲解するようなことになりがちである。だからいつもの通り素直・率直に考えたい。とはいえマーケティング視点で斬るには、あまりデータも少なく、むつかしそうと感じながら、ブログを漕ぎ出した。

そうしたら、さっそくレスが社内外からあった。テーマ不足で困りそうだなぁ・・・という不安とは裏腹に、あ、こんなGの人がいますよ、Lもいますよ!といった事例が幾つか集まってきた。今日はそんな事例も見ていきたいと思う。なお、いつもと同様、コメントはオープンですし、LGBTの消費性向に関してもご意見をお待ちしております。匿名で結構ですが、誠意あるコメントをお願いします

【勝手にアドバイス 旬ネタ 成長するLGBT市場 2.LGBTのドライビング・フォース】
まず、昨日頂いたコメントをご紹介します。

わたしはこう書きました。
>日本ではSRS(Sex Reassignment Surgery)とトランスジェンダーが混同されるくらい

それに対してmさん から以下のように投稿を頂きました。
それを混同する人はいないと思いますよ。多分トランスジェンダーと性同一性障害(gender identity disorder-GID)ではないかと。世界的にみると、GIDはほとんど知られてなくて、使うのは医者くらい。欧米ではtansgenderが一番ポピュラーでtranssexualがそれに次いでいるという感じですかね。
どっちにせよ、LGBTの中で人口的に一番多いのはGで、G>L>B>>>>Tって感じですかね。ま、普段はバリバリのヘテロでも、ときどき同性に引かれるパートタイムなBとか、異性の服を着るのが趣味の、「Tになりかけの人」など、潜在的にはかなりいると思いますよ。

コメント、ありがとうございました。用語はともかく、ヘテロの視点からみると、境界や違いの理解は今いちだと思います。わたしにはそうですし、周囲の人に聞いても同じでした。その境界は実は揺れ動くことのある境界かもしれない、いやそうではないのかも知れない。

Tになりかけの人」が潜在的に多いというのは、メトロセクシャルの顕在化からもわかります。地下鉄のトイレのガラスの前に長々と立っている高校男子は、もう見慣れた光景になった。クイア・ガイ(Queer Eye for the Straight Guy Cherryさんに教えてもらった)というTVドラマの人気ぶりからも想像できますね。メトロとレトロとクイアについては明後日に取り上げたい。

今日は当初「バイイング・パワー」という切り口で書きたい考えたが、購買力を考える前に、その「ドライビング・フォース(原動力)」を考えてみた。ゆえに表題変更である。お許し願いたい。

【美貌で才能あふれる、ある女性の選択】
Gootきたエピソードをひとつ紹介したい。これはKさんから伺ったエピソードである。

Kさんの知り合いの女性は知的レベルがも相当に高く、大学院で研究する身だった。そして誰もが羨む美人で性格も良いという、まさに三拍子そろったような女性。彼女には婚約した男性がいた。ところが運命の日に近づけば近づくほど、彼女は不安になった。なぜか。その男性も素晴らしい人だったが、どこか女性に「役割」を求めていたからだ。

才能ある彼女はやってくる「家庭の役割」「妻の役割」を窮屈に感じたらしい。悩んだ挙げ句に婚約を解消した。男性は嘆き怒り、そして訴えるとさえ言った。彼女は悩んだ。その悩みに東南アジアからの留学生の女性が同情を寄せた。お互いの生き方や考え方、社会への不満やあきらめ、そして愛情という概念を語り合ったのだろう。いつしか二人の悩みは、愛情に昇華した。

閉鎖的な大学コミュニティでは、きちんとカミングアウトできないままに、才能ある彼女はふたりで生きていく選択をした。それは正しい選択だった。今では二人とも海外を飛び回る、知的な仕事に従事しているという。

わたしはこれを聴いて、清々しさを覚えた。このエピソードはヘテロからLであるが、彼女の中の潜在的なものが表出したのか、それとも後天的なものなのか・・・だがそれはここでのテーマではない。

【男性では彼女を幸せにできない】
Kさんはこの話を話しながらこう言った。彼女がなぜLに走ったか。それは「男性では彼女を幸せにできない」からだと。美貌、才能、情緒に恵まれた彼女ゆえに、男性という役割を求める生き物には、彼女を幸せにはできない

ここにはLやGやBのライフスタイルを理解するポイントがあるのではないだろうか。それは、高いものを求める精神、その精神を高め、自分たちを守る共通の意識、そしてそれを貫くために必要な社会的な自立。

このエピソードからLGBのライフスタイルを理解する上で重要なのは、「知的さ」「同情」そして「自由」だと思う。何よりもこうしたポイントを、お互いを理解するパートナーはかけがいがない。

パートナーがかけがいないのはヘテロも同じである。だが、そこに「自由」と「役割」という選択肢を求められたらどうだろうか?役割に自然にフィットできる人と、自然にはフィットできない人がいるのは、仕方の無いことだと思う。社会通念である役割にタガをはめられるよりは、むしろ自由を選ぶ、その潔さをLGBは実践しているのだと思う。

【知性のある消費分野での高い消費性向】
パジェンダの調査では職業や知的レベルまでの言及がない。それがこの調査で惜しいところだ。

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 LとGの割合 パジェンダ調査より。
 

だが一般に言われており、身の回りのLGBTを思い起こし、さらにLGBT市場へ先行している企業の考えを総合すると、LGBTの知的レベルの高さ、上昇志向の高さ、消費性向の高さ、アートやデザイン、芸術への造詣の深さ・・・こうした仮説は十分に頷けるのではないだろうか

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消費傾向の高さはパジェンダ調査からも裏付けはある。LGとマジョリティの違いは特に化粧品(マジョリティより38%多い消費支出。以下同)、理美容院(52%)、絵画旅行(26%)、文化・教養(30%)などとなっている。仮説は一定のレベルで裏付けはある。

ちなみにクイア・ガイでは、イケていない男子をイケるように改造するのは以下の5分野がメインだとか。これでだいたい、説得力はあるだろう。

「ヘア&スキンケア」「フード&ドリンク」「ファッション」「インテリア」「カルチャー」

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このあたりの消費カテゴリーの実際の強弱は、LG/B/Tによって異なるだろう。たとえば「異性装」をするTGになると、インターネットの通信販売の恩恵をダイレクトに受ける層である。ペルソナのまま、男性が女装のためにブラウスやスカートを購入できる。その逆もしかり。「プレゼントに下着を贈る」ということが普通になりました♪と報道されているが、その内の何割かは間違いなく「自分用」なのである。

もうひとつオマケだが、女装する男性の悩みのひとつは「靴のサイズ」だそうだ。24.5cm以上、なかなかないでしょう。

【とりあえずの勝手にアドバイス】
統計がなかなか無い分野なので、その消費動向を軽々しく論じるわけにはまいらないこともあり、根本の消費性向を決めるところに何があるのかを今日は考えてみた。

知的」「同情」「自由」というのがキーワードだとわたしは考える。そこから生まれてくる消費態度は、いたずらに流行に乗ることは少なく、好きな味や旅行の行き先、ありたいスタイル、デザイナーやバッグ、文具の好みを
しっかり持っている、賢く鋭い消費者像である。

しかもその消費者像は、自由を得るために日々戦っている。そこには他の消費セグメントやコミュニティにない強い団結力が存在している。既存の社会という枠組みの中で生き延びるか、主張して「生き場」をつくるか(政治家としての主張はこれだ)。

今日は思わず力が入って長くなりました(笑)。明日その反動で抜けたらごめんなさい。今日に関連しつつ、自由と意見表明というライフスタイルを中心に考えてみたい。

今日は以上です。

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2007年6月18日 (月)

成長するLGBT市場 1.LGBT概観

最近びっくりした女優の結婚式があった。藤原紀香さん ではない(わたしは式も披露宴も観なかった)。宮崎あおい さんでもない(びっくりしたが式はまだだ。だから希望はある。彼女の結婚はかなり残念だった)。びっくりしたのは、韓国の女優というかSRS(Sex Reassignment Surgeryの略、つまり性転換手術)のハリスさん である。元男性だとはとても思えない美人なのである。

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彼女の結婚はプラスティックサージェリーがかなり浸透しているという韓国社会でも異色であった。日本からも大勢の報道陣が詰めかけたという(というのもハリスは日本への本格進出もねらっていると言われるからだ)。

そしてもうひとつびっくりはしなかったが、こういう時代になったか・・・と思わせたのが、レズビアンであることをカミングアウトした尾辻かな子さん の参議院比例区への立候補である。彼女場合、当選後の2005年にカミングアウトしながら、再選を果たし、今回の国政への挑戦となった。

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この二人がわたしにとって象徴的であったのは、従来はマイノリティと言われて、日なたを歩けないという風潮もあったことを、堂々と公表し、さらには職業上で武器にもするという態度である。レズビアン(Lesbian)とゲイ(Gay)と両性愛者(Bisexual)とトランスジェンダー(Transgender)を合わせて、欧米ではLGBTという。彼ら彼女らを社会的な少数集団と呼ぶ時代ではなくなってきたのである。

わたしの想いはこうである。消費者が見えなくなった、消費者ニーズが見えなくなったと言われて久しい。それゆえOne to Oneマーケティングが必要だと言われてきた消費者細分化時代に、実はマイノリティはすでにマイノリティではないのではなのか

LGBTでなくても、今の時代は、みんなが少しずつマイノリティな部分を抱えて生きて、そして消費している。そのことが時代の移り変わりと共にカミングアウトすることに抵抗が薄れ、インターネットというOne to Oneメディアの浸透で、マイノリティに対しても、ロングテールな販売促進が可能になってきた。特定のマイノリティをターゲティングできるだけでなく、マイノリティ自身がバイイング・パワーとなり、ポリティカル・パワーとなってきた。

そこでLGBTを中心に、マイノリティ・ターゲティングを考えることは、マーケティング思考をすすめる意義があるのではないか、それを今週は考えたい。

1.LGBT概観
2.そのバイイング・パワー
3.オピニオン・アウト心理、カミング・アウト心理
4.他のマイノリティとの相違点(メトロ&レトロセクシャル等)
5.マイノリティに受容される企業像

【勝手にアドバイス 旬ネタ 成長するLGBT市場 1.LGBT概観】
LGBTをもう一度おさらいしておこう。

Lはレズビアン(Lesbian)、Gはゲイ(Gay)、Bは両性愛者(Bisexual)、そしてTはトランスジェンダー(Transgender)、性転換まではせずとも異性に近づくという意味である。日本ではSRS(Sex Reassignment Surgery)とトランスジェンダーが混同されるくらい理解が進んでいない。ゆえに悩みを抱えるマイノリティへの差別は激しいものがありそうだ。

ちなみにこの世界(といっていいのか)、隠語というか特定の用語があり、たとえばSRSには二つの方向がある。それをMtF(Male to Female)、その逆のFtM(Female to Male)と言う。このような隠語が発達するということは、それだけまだアングラなのである。

LとG、そしてBまでは共通していると一般には考えられているようであり、T及びSRSとは一線を画しているという意見も多いようだ。わたし自身はLGBTのどれでもなく、人に名前の字を説明するときによくこう言う。「好文という本名は、『文を書くのが好き』という意味と、『女の子が好き』という意味があるのよ」と。どちらも当たっています(笑)。

だから個人的にはあるGの人を知っているだけで、多くのLGBTを知らない。だからぜひ読者のLGBTの知人についてコメントをお寄せいただくと助かります。こんな人で(多くが知的レベルがかなり高いと言われる)、こんな仕事をしている、こんなことが悩みのようだ・・・・みたいなことをぜひコメントください。メールでも結構です。

【推定同性愛者規模】
LGBTがどのくらいいるのか。マーケティング企画会社のパジェンタが2006年に実施した調査では、同性愛者だけで日本全国で274万人という推計を出している。全人口の4%である。

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調査をまとめたのは、ポータルサイト運営会社のパジェンタ(東京都千代田区)。同社は昨年10月からレズビアンやゲイなど性的マイノリティー向けの会員制情報提供サイトを運営している。11月に約4万人を対象に実施した調査では、性的指向への質問の結果、日本の同性愛者は約274万人、20~59歳の人口比では4.0%に相当するとの結果が出た。さらにアンケートから消費ベースの市場規模を算出すると6兆6423億円にもなるという。
http://gayjapannews.com/news2006/news207_2.htm

同社によれば米国ではLGBT合わせてすでに77兆円市場と言われる。この規模はすでにヒスパニック系アメリカ人の市場規模に匹敵し、一大勢力になりつつある。

パジェンタの調査でも、ヘテロセクシャル(異性愛、つまり普通の世界でいう普通)の類似の階層と比べて1.2倍の消費性向を示し、同性愛者はインターネットのヘビィユーザーが多いと言われることを裏付けるように、ネット通販の支出額は、ヘテロの1.3倍と推定している。

【カミングアウト心理】
わたしの前の勤め先では、ひとりの男性のカミングアウトがいらした。彼はてらいなく「ホモです」と話していた経理マンである。良い感じの男で自然体だった。ちなみに彼の上司は女性だった。何の関係もないが。

カミングアウトするという心理はどういうものなのだろうか?葛藤や逡巡があるに違いない。それはわかるが、なぜカミングアウトしたのだろうか?苦しみからだろうか?助け合い意識からだろうか?周囲をあざむくのが嫌だからだろうか?愛することにおいて、性別にはこだわらないという意識からだろうか?

時間の許すかぎりで考えてみたい。ライフスタイルが消費を決定するとすれば、その心理にこそライフスタイルの決定的な要因があるはずだから

【マイノリティも数あれど】
深い心理分析に寄らねばならないのかもしれないが、メトロセクシャル(外見や生活様式への強い美意識を持つ自己陶酔者)やレトロセクシャル(メトロの逆、言ってみれば不粋な人、素朴な人)には、LGBTとどこか通じるものがあると思う。

自分を愛すること、自分に無頓着なこと、さらに自分を愛せないこと。こういう性癖の人は多い。必ずしも悩みではないと思う。その人なりの生き方、考え方なのだから。マーケティング的にはナルシストばかりが注目されるが、素朴派や不粋派なりに消費スタイルがあり、逆説的だが不粋や素朴だからこそ、気に入った企業や商品へのロイヤルティが高まっているのではないだろうか。

われわれも心の中にマイノリティを隠している。インターネットというメディアがそれを少しずつ癒す役割を果たしている。今週の旬ネタはこんな船出で漕ぎ出したいと思います。男と女・・・どこへ漂流するか・・・書き手が愉しみです(笑)。今日は以上です。

  69207_l ハリスさん。

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2007年6月17日 (日)

父の日の贈り物

わたしの持論ですが、マーケティングの9割は女性に関することである

女性の消費意識・消費態度、商品やサービス、消費行動、購買分析・・・女性のことを考えるのが楽しいという自分自身の性格は脇においても、女性にはたくさんのマーケティング機会がある。

かわゆい幼少の頃から思春期、いろんな意味での適齢期、そしてバンサンカンを超えても晩産婚もあれば、フラメンコダンサーにも、エグゼクティブ・ウーマンにもなり、40代の美しいプルミエール世代へ突入し、開き直って旅行や飲食に明け暮れるミディの年頃に至るまで、すべてマーケティングのターゲットになりうる。

それに比べて男性の消費には色彩感覚が乏しい。色が見えてこない。色がないから想像がたくましくならない。子ども世代も割と単色だし、20~30代のモード系の男性を除けば、趣味やオタクしかない。特に父やおじいちゃんという「男性以降の人」の消費行動は・・・なかなかマーケティングにならない。女性のようにぴたっと貼れる消費レッテルがないのだ。

【勝手にアドバイス Vol.190 父の日の贈り物】
その代表的なものが「父の日」である。今日(2007年6月17日)は父の日だった。

Title

都内の百貨店を数店回っても、父の日ギフトの商品案内を小冊子にしていたのは一店しかなく、ある店で「すみません、こんな簡単なもので」と手渡されたのはA4判のチラシ一枚だった。エプロン、包丁、一人用コーヒーサイホン・・・もらったとしたら、その意味が気になるに違いない、お薦め品も散見された。
日本経済新聞 2007年6月17日朝刊『春秋』より

「その意味が気になる」のがおかしかった。贈り手の子どもたちは、「離婚しても頑張ってね」と思って贈ってはいないのに、父という消費個体がなんだかわからないから、包丁とかひとりサイホンとか、「ひとり愉しみギフト」になってしまう。

東急百貨店のネットショッピングではこんなフレーズで商品カテゴリーがつくられていた。
「ほっとするくつろぎ」 「こだわりのお酒」「休日をたのしんでね」「おいしさと団らん」「ファッション小物」「いつまでも元気でね」。

Photo_73

サイト自体は良く出来ているが、商品ラインナップは、モノに少しこだわる男性からみると、どれも惹かれない。甚平(よせよ)、ゴルフボール(やらんよ)、海苔佃煮(ん・・・・)、縦型の皮製ショルダー(嫌!)、セルロイドボールペン(重量感や感触がたいせつでギフトとなると・・・)、ヨーロッパビールセット(これはいいかも)、3Dセンサー付き歩数計(ああ・・・)わからないではないが、個性の時代にいかにもステレオタイプではある。

今日はもう父の日だから受注は終了しているので、サイトには小さな字でこう書いてあった。

 『「父の日ギフト」 の インターネット承りは狩猟いたしました』

「狩猟」である(笑)。父の日の重みを、父というショッピングの個体を流通業がどう見ているか、わかるような気がする。(ごめんなさい、東急百貨店さん、他意はありません)

【父には仕事がよく似合った】
これやる気の感じられない販売施策を、父というショッピング個体への想像力の欠如と片付けるのは簡単である。だが、父というショッピング個体を慮るのがむつかしい以前に、父という個体が、ビールや缶コーヒーでしかマーケティングできないのが問題のような気がする。

個性づくりより、身体を張って仕事をしてきた父の姿というイメージが、未だに強すぎるのだろうか?消費に身をやつさず、定年までボロボロになって働く姿が、個性的な消費活動というイメージを遠ざけているのだろうか。

そういうわたしは、昭和ヒトけたの父というショッピング個体をどう見ていただろうか?晩年に贈ったもの・・・・ポロシャツ、スリッパ、下着、靴下・・・働きに出ない男に、買ってあげるものがなかなか想像できなかった。父には仕事がよく似合ったのかもしれない。いや、ほとんどの男には仕事がよく似合うのである。何か仕事を贈ることができればよかった。

【父からの贈り物こそ・・・】
向田邦子さんの傑作エッセイ『父の詫び状』の中でも、父は何かと娘を苦労させるばかりというくだりがある。その詫びに父が娘に贈り物をする一文があった。

巻紙に筆で、いつもより改まった文面で、しっかり勉強するようにと書いてあった。終りの方にこれだけは今でも覚えているのだが、「此の度は格別のお働き」という一行があり、そこだけ朱書で傍線が引かれてあった。
それが父の詫び状であった。

父からのギフトは想像しやすいが、子からのそれは想像がしにくい。親と子という順序なのだから、それが当たり前なのだ。妙にかしこまったパッケージギフトなんて父には似合わない。なぜなら父という役割が消費する個体ではないから。

父の日はモノのギフトを贈るよりも、父を困らせる手だての方がいいのかもしれない。お願いごと、相談、小さな仕事、おねだり・・・。ええい、しようがないな、作ってやるか・・・なんて言わせる方がいいのだ。そういうギフトというか仕事を贈るのである。

そうすると、むしろ父からお返しのギフトをもらえるような事態を引き出せる。いや父からの贈り物を引き出すことこそ、父の心をくすぐるマーケティングなのである。

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 むしろマカをたくさん贈ってもらった方がすっきりする(冗談です笑)。

今日は以上です。

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2007年6月16日 (土)

立命館大学のマーケティング

先日(2007年6月14日)、新入社員の方々を対象にした教育研修の時間を割り当てられた。新入社員であるから、基本的に大学出たてのホヤホヤのはずであるが、中にはホヤホヤではない人もいた(失礼!)。だが四捨五入すれば、およそ大学出たてであった(意味不明かしら?)。

研修と名がつくだけで、双方にとって不幸な状況が生まれる。受け手には我慢の読経、教え手にはフラストレーションの念仏だからだ。そうにならないよう気をつけたつもりだったが、午後のひととき、こちらが楽しませていただきました。ありがとうございました。研修という内容からはかけ離れた、雑談の構築法の伝授?になったけれど。。。

その学生たちは会社を選ぶ前に学校を選んできた。少子化で大学全入時代が目の前に来ている。大学の淘汰の時代に突入し、すでに倒産や合併の動きも出てきた。そんな中で立命館大学の動きが気になっている。生き残りを賭けて大学の魅力を増そうとする取り組みが好感をもてる。

【勝手にアドバイス Vol.189 立命館大学のマーケティング】
2007年6月13日付けで、立命館のこんなニュースがあった。

立命館、全国9都市に受験生の問い合わせ窓口
学校法人立命館(京都市)は13日、福岡、名古屋、神戸、札幌、東京、大阪、金沢、広島、高松の全国9カ所で受験生の問い合わせ窓口となる「立命館プラザ」を9月末までに開設すると発表した。志願者開拓を狙う。職員2、3人が常駐、受験生や保護者、高校の進学担当教師らの問い合わせに応じる。

引用元 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070613AT1G1301V13062007.html

Chiikikyotenoffice3 
立命館プラザとは何だろうか?立命館大学のHPを見ると次のような記述がある。

大学は受験生に対して画一的な情報を発信するだけではなく、多様な受験生のニーズに応えた情報を個々に発信することが求められています。そのためには、受験生や高校と一層直接的な接点を持って、コミュニケーションをとることが必要です。
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/headline/info/2007/06/chiikikyoten-office.htm

情報発信の取り組みとして同大学が取り組んできたのが、受験会場の増加である。京都を本拠地とする立命館だが、半世紀も前の1956年から札幌、名古屋、広島、福岡などの主要地方都市に受験会場を置いてきた。そのため早くから、地域主義から脱し、全国から学生を集める「全国型大学」として発展してきた。その受験会場は2007年度入試で19会場、来年2008年度からは30会場に大幅に増加させ、北は札幌、南は鹿児島まで広げる予定である。

【プラザのねらいは】
全国から学生を集める施策の一環としてオープンさせるのが「立命館プラザ」である。先行してオープンする4つのプラザは次の通り。

Chiikikyotena Chiikikyotenb Chiikikyotenc Chiikikyotend 
明太子レッド       しゃちほこイエロー   札幌ラベンダー   神戸港ブルー

入試説明会を生徒だけでなく高校の入試担当者に行うことが主眼となるが、「学部系統別イベントの開催」「入試直前説明会」「各地区予備校、高校への出前講義」「在学生によるイベント」「土曜日に開催するサタデーセミナー」など盛りだくさんの内容。オープン時間も夜7時までと、先生や予備校生に配慮したサービス体制となっている。

【高校連携を深める手だては広く、根深く】
立命館大学 川口清史学長はインタビューでこう語っている。

Q:入試改革はどのように進めていきますか

学力試験での選抜がメーンですが、「高大連携」による推薦入学を本格的にやりたい。入学が決まった後も高校と協力し、きちんと学力をつける「入学前教育」も大事です。理工、法など4学部は各地の高校と協定を結び、インターネットや対面式の講義の修了者を対象に、特別推薦の入学制度を始めました。積極的に立命館の門をたたいてみようという高校生を入学させ、伸ばす仕組みを広げていきたいと思っています。
引用元 http://osaka.yomiuri.co.jp/university/dn70119a.htm

高校との連携は地域的に広いだけではなく、深く、根強くつくる努力を持続させているのである。

【成果は受験生増加と・・・】
その成果は少子化全入時代に、学生数を増加させていることに表れている。

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特筆すべきは1999年から2006年にかけて学生数は2割増だが、教職員数は5割増という投資。

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【全国からアジアを向く展開】
さらに立命館大学では2000年にAPU(立命館アジア太平洋大学)を別府市に開設し、アジア太平洋研究科などユニークな学部を設置し、全国に目を向ける時代から、アジアに目を向ける施策を打っている。

 Img419bd72a77635  Img41a406ac283b9 

APUは大分県、別府市、学校法人立命館の三者の公私協力によって、2000年4月に開学しました。 2007年4月現在、78カ国・地域から約2,300名の国際学生と、約3,000名の国内学生が学ぶ多文化キャンパスを創り上げることができました。
http://www.apu.ac.jp/home/modules/keytopics/index.php?id=200

78カ国にわたるとはなるほど国際的である。学長のモンテ・カセム氏はスリランカのコロンボ生まれの工学博士である。英語と日本語の講義とされているが、ゆくゆくは中国語やアラビア語も射程距離なのだろうか。

【勝手にアドバイス】
立命館大学に学ぶ点は数々ある。まず早期から全国市場志向を貫いていたこと。地方の大学が東京一極集中を嘆き手をこまねく中で、学部やカリキュラム、学風の高質化を図り、就職率のアップを実現してきた。

その施策の根本は学生との対話である。地域プラザに見られる高校生との対話だけでなく、立命館大学には生徒が生徒を教える「ピアエデュケーション」という仕組みもあり、学生の思いを聴くという姿勢がうかがえる。顧客ニーズを聞く大学と言い換えてもいいだろう

大学全入時代に至り、東京の主要大学であっても、その昔のブランド力や知名度で生徒を集められるとは限らない。すでに単科大学は魅力を失い、合併の対象となりつつある。その中で生徒を増加させ、学校や学部を増加させる「攻めの大学立命館」の取り組みはひとつの模範である。

今日は以上です。

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2007年6月15日 (金)

折りたたみ、香る「ケータイ3.0」

2007年4月23日からのキャンペーン、DoCoMo2.0というちょっと今さら・・・ドン引きなコピーと、華々しいキャラ満載のCMを見ていない人は少ないだろう。2in1という1台で2つの番号やアドレスを持てる機能を前面に打ち出しているが、報道によると契約は伸びていないという。このの効果はまだ出ず、2007年6月純増数ではソフトバンクがトップの座を初めて射止めた。

 070423docomo_05  ダイハードは4.0

2in1は「2つの顔をもつ」という機能である。他にもワンセグやオサイフ、ウタホーダイなど機能が盛りだくさんだが、わたしが気になったのは「振る」である。

任天堂の「Wii」のように携帯電話を傾けたり振ったりして楽しめる「直感ゲーム機能」だ。D904i、P904i、SH904iの3機種が対応している。夏野氏(プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長)は「Wiiなどの一人でやっても楽しいバージョン」としており、対応コンテンツとしては「首都高バトル」や「塊魂」など68タイトルが用意されている
引用元 http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20347697,00.htm

Wiiの真似ぽいとはいえ、携帯という従来のコミュニケーション機能を逸脱した発想がおもしろい。夜道で携帯を振って遊んでいる奴を見るのはぞっとするが(笑)。

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ケータイを「かたむける」「ふる」、またはケータイを「手をかざす」「体を動かす」という直感的な操作でゲームなどが楽しめる「直感ゲーム」に対応しています。
引用元 http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/904i/features/

【勝手にアドバイス Vol.188 折りたたみ、香る「ケータイ3.0」】
さて「振る」のはちょっと気味が悪いとしても、「折りたためて」「香る」ならどうだろうか?Cherryさんに教えてもらったNokiaの未来デザイン携帯にはとても惹かれた。

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この携帯は、Nokiaがロンドン芸術大学とと共催で開催した今後10~15年後に登場する未来の携帯電話デザインのコンテストThe Future of Mobile Design」で2006年夏に初めて公表された。その後改良を重ねて、現段階ではこんなデザインになった。

 Imga9c751abzikezj  Products_nokia_render

カードサイズのスリムなNokia Scentsoryは、コンパクトに閉じられた"Closed Mode"のままでも音声通話が可能であるものの、"Scentsory Mode"へと展開すると、デュアル液晶ディスプレイとスピーカーフォンが姿を見せる。また、内蔵されたアロマセンサーが周囲の香りを検出し、通話先の相手のNokia Scentsoryへと香りを転送する。さらに、液晶ディスプレイとキーパッドで、通常の携帯電話のように操作できる"Open Mode"へも展開可能とされている。
引用元 http://news.www.infoseek.co.jp/comp/computer/story/05mycom20070605p85/

【折りたためるという発想】
携帯電話はますます薄く軽くなってきたが、現在のモデルの延長線上で発想してしまうと、まだハードウェアの中でのデザインにとどまってしまう。この携帯のデザイナーさんは、携帯電話というハードウェアの記憶をキレイさっぱり忘れてデザインしたのではないだろうか。さもないと携帯を折りたため、しかも半透明なんて・・・発想は出ない。

 Smellphone1  折り紙携帯。

折りたたみモード、開いたモードで機能が変わるというのもおもしろい。携帯3.0と言ってもいいと思う

【アロマを伝えるという発想】
かたちも素晴らしい発想だが、内蔵されたアロマセンサーで香りを送るという機能がいい。こんな機能があれば、お花畑から電話したい衝動に駆られる。いや、場末の飲み屋から電話をするのが気が引けるというべきだろうか。

そんな機能が実現したら、アリバイづくり&カモフラージュの電話がかけられなくなるじゃないか、という不安を覚えるのはわたしだけではあるまい。「あら、この香り・・・・近くにいるのはいったい誰なの?」なんて、痛くもない(?)匂いを探られるのはたまらない。

【デザイナーはKimberly Huさん】
米国生まれ、ロンドン在住のグラフィックデザイナーで、ウェブサイト、パッケージ、ポスター、プロダクトなどさまざまなデザインを手がけている新進気鋭デザイナー。ヨガのインストラクターもしているらしい。

 Kimberly_hu_index_r21_c24 キンバリーさん。

http://www.kimmu.com/products_02b.html

【勝手にアドバイス
Kimberly Huさんの画期的なデザインを発掘し、こうした野心的な製品化に意欲を見せるNokiaだからこそ、市場シェアを大きく拡大している。

個人的にはauのデザイン携帯ファンであり、深澤直人氏のinfobar2を待つ身です。だがほんとうの意味では携帯はまだ2.0にさえなっていない。従来フォーマットの中で、通信機能がアップしているだけではないだろうか?

夏野氏はDoCoMo2.0の発表で「ドコモは反撃をさせていただきます」と切り出したと言われる。だがどうも本格的な反撃にはほど遠い。わたしが感じたのは唯一「振る」というコンセプトである。これは従来の延長線上にはないからだ。

DoCoMoは、いやauもだが、携帯をもっと「振って」、いままでの製品機能主義、差異がわからないサービス囲い込み主義から脱する時期が来ている。もしも今、日本の通信市場が開放されれば、マーケット・シェアはまったく様変わりすることは間違いないのだから。

今日は以上です。

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2007年6月14日 (木)

臓器と哲学の深遠なリンク

入退院を繰り返す老婆から電話があった。「今日からXXX号室にいるからね」「わかったよ、でも今日は行けないよ、悪いね」「いやそうじゃなくて・・・あれ、買ってもらった?」

老婆とは母だが、たまに見舞っても辛気くさい病院や医師の話はあまりしない。電話の件もCherryさんの妹さんに頼んでいる、ある携帯などにぶら下げるアクセサリーグッズのことだった。「いや・・・まだだよ」「あ、そう」(Cherryさん、読んでる?頼むぜ)

見舞いになかなか行かないかわりに、ある知人が手術を受けるという話しと、日経メディカルによる「こんな医師にかかりたいアンケート」が心に引っかかってしまった。果たして老婆のしわざだろうか?今日のテーマは臓器と哲学と良い医師である。

【勝手にアドバイス Vol.187 臓器と哲学の深遠なリンク】
まず30代の知的労働に従事する知人女性の話。ある病気で開腹手術をするという。かなり気丈夫な方のようだが、それでも手術をするというのは不安が先に立つはず。

そして手術の前にはCTやMRTなどあらゆる検査をするのが普通だ。わたしの母の場合もシンチグラフィ画像診断まで実施していた。検査技術がどんなに進歩しても、臓器や部位によっては、実際に手術をしないとわからないことはまだ多いのだ。この知人の場合も、そのわかりにくい臓器の部類に入るということだ。知人女性の主治医も検査は尽くすがと前置きしてこう言ったという。

XXX臓器もリンパ節も取って、人工肛門になる可能性があります
気丈夫な彼女はこう聞き返した。「それって、どのぐらいの確率でしょうか?」
「だいたい一万分の一くらいだと思ってください」
ちょうど交通事故に遭う確率と同じである。知人はしばらく考えてからこう言った。
「先生が最善だと思う方法でお願いします」
すると医師はこう言った。
いやそれは、君が君の哲学に従って決めることだ

哲学・・・?臓器をどうするかというのは哲学なのだろうか?哲学とは生き方だから、確かに臓器をどうするかは哲学なのかもしれない。だが知人の頭の中でこう考えた。「生活上で自分が心がけることはいろいろあるし、自分の好みもわかってはいる。それを哲学と言えば哲学。だけれど、そうした哲学を臓器とリンクさせることは簡単ではない。想像力が足りなくて、ぜんぜんつながらない」

わたしの中でも、哲学、臓器、リンク・・・の三つの言葉が踊り、まったくつながらなかった。だがその医師は、それをあえて考えさせた。それはなぜだろうか?

 Ri_fig04  骨シンチグラフィ(本人とは関係ありません)

【日経メディカルアンケート】
話は変わって医療従事者向けの雑誌、日経メディカル誌のアンケート。業界関係者しか読まない雑誌だが、わたしは少しヘルスケア関連の仕事をしていたので、親しみのある方だ。その雑誌の特集は「こんな医師にかかりたい」だった。

 「あなたには、ファンの医師がいますか」――。

これがこのアンケートの主要質問項目である。その答えもなかなか興味深い。

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 『日経メディカル』が今年(2007年)5月、患者1200人を対象にインターネットで実施したアンケートでは、34.8%が「ファンがいる」と回答。ファンになった理由としては、「説明が分かりやすい」が最も多く、説明や診療態度などコミュニケーションに関するものが上位を占めた。
引用元 http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/report/200706/503482_2.html 

わたしは長期入院という経験を幸運にもしたことがないのでわからないけれども、患者さんの回答がこれであった「説明がわかりやすく」「話を良く聞いてくれる」「態度や言葉遣いが丁寧」が高い比率であることは理解できると思う。

このアンケートから感動したコメントをいくつか引用したい。

◆皮膚科になかなか通院できず、悪化してしまってから診察を受けた際、「よく我慢していましたね。つらかったでしょう」と、早く診察を受けなかったことを怒らずにやさしく対応してくれた(50歳代、女性)
◆気管支鏡の検査を受けることになったとき、「自分も受けたことがある」と言い、手を握ってくれた(50歳代、男性)
◆「必ず治ります、安心してください」と笑顔で言ってくれた。それを聞いて、「あー、大丈夫なんだ」と感じることができた(30歳代、男性)
◆「気になる症状はほかにないですか?」と聞かれ、別の症状で気になることを思い出した。自分からは言いづらいときもあるので、お医者さんから言ってもらえるとありがたい(50歳代、女性)
◆子どもの診察時に医師が親ではなく、子ども本人から状況を聞こうとしたとき、良い医師だなと思った(30歳代、男性)

励まし、我慢、手を握る、気になることを聞いてくれる、子ども(患者)本人に聞く・・・・共通していることはないだろうか?

Nikkei_medical 日経メディカル今月号。

【勝手にアドバイス】
臓器と哲学を考えさせたことは、自分自身や自分の病気に「向き合わせること」だと思う。

この患者はがんばれると見抜いて、身体への意識を持たせることが治療には効果があるということを示したのだと思う。彼女の内面の力を引き出すために「君の哲学で臓器を決めなさい」と言ったのだろう。医療とは外からの外科的な治療だけのものではない。腫瘍と闘うのは君の臓器であると。だがわたしの母は、彼女と同じ勢いで立ち向かうことは年齢的にもできない。立ち向かうより、違うことで紛らわせられる方がいいのではないだろうか。

「説明がわかりやすく」「話を良く聞いてくれる」医師が支持されるのは、逆に言えばそういう医師が少ないからだ。ひとことで言えば人間味がないということ、電子カルテとコミュニケーションしている

わたしはこう思う。あらゆる分野で、科学と情理はバランスするべきなのだ。ところが科学=サイエンスだけ突出して、情理が忘れ去れることが多すぎる。医師だけではない。金勘定と脱法だけを指南する会計士。世の中をどう変えようか哲学を欠いた弁護士。生徒の心を読むことをあきらめた教師。介護の心を忘れた資本家。

患者、いや顧客にいかに信じてもらえるか、それを忘れた専門職が多すぎると思う。情理を忘れた資格制度、そこから輩出される非情理主義者には、まったくうんざりしてしまう

今日は以上です。

YUKAさんへ。いつもお読みいただきほんとうにありがとう。しかも今日は「秘」の導入まで親身にしてくれてありがとう。嬉しかったよ。昨日のブログはオヤジギャグですまなかった。今日のブログはいかがでしょうか?

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2007年6月13日 (水)

日なたでぽかぽか、温まってぎゅっと。ソーラーゴミ箱

梅雨の合間の青空というのか、今日も熱い日差しがまぶしい一日でした。日差しが照れば照るほど、わたしはこの日差しが、身体をこんがり焼くだけではMOTTAINAI(もったいない)と感じてしまいます。

そう考える人も世の中には多いようで、今日ご紹介するのは、米国の商品で日光をSUNSUNと浴びれば浴びるほど活躍するゴミ箱。ソーラー発電が付いているだけなのだが、今までどうしてこういう発想が無かったのか!と感心してしまいました。

今日は、普段は日たなでぽかぽかお日様をあびて、電気が溜まると、ぎゅぅ~っとするソーラーゴミ箱がテーマ。

【勝手にアドバイス Vol.186 日なたでぽかぽか、温まってぎゅっと。ソーラーゴミ箱】
これはひと言でいうならば
ソーラーゴミ箱である。しかしそこにはソーラー、そしてゴミ箱という特性をしっかりつかまえている発明がある。

この BigBelly、いわゆる屋外に設置するゴミ箱なのですが、太陽電池を使ってごみを圧縮してくれる機能を搭載しています。ごみを圧縮することによってごみ回収のサイクルを減らすことができ、結果としてコストを下げることができる、という便利アイテム。
出典 http://japan.internet.com/busnews/20070613/7.html?rss

Products   5

搭載しているソーラーパネルで電力をバッテリーに蓄積し、その電源だけでゴミ箱のゴミがたまればぐぃっと押す仕組みが内蔵されている。ゴミを押し込むことで、収集の回数を減らすことができるのが第一のメリットである。収集回数が減れば、収集コストが減るだけでなく、その運行に伴うCO2を削減できるなど、環境にもメリットがある。

第二のメリットはゴミが一杯になったら、無線か有線でお知らせをする機能がある点。一杯になって収集をすることでコストダウンという実メリットがある。

Ventura   

【コードレスがポイントのひとつ】
このゴミ箱を開発した会社のサイトから引用する。

The solar-powered, cordless design of the BigBelly Cordless Compaction System allows the units to be deployed virtually anywhere, eliminating the costly trenching/wiring required for conventional plug-in compaction technology. This self-powered capability provides clients with great flexibility to locate units where trash collection is a challenge, thus dramatically improving service levels, reducing or eliminating unsightly overflowing trash bins, and reducing collection trips.

ソーラーパワーのBigBellyはコードレスでゴミの圧縮ができる機能を持ち、圧縮させるために電源をとるコストがかかりません。スタンドアロンの自家発電機能があるので、ゴミ収集の期間を長くせざるを得ないエリアでも、コストを下げ、ゴミもたくさん詰め込みながら回収インターバルを長くできる。
(意訳です)

Bigbellyspecdimensions   断面図

つまるところ、この商品のポイントは三つある。

①スタンドアロン(自己完結したシステム)
②間欠稼働(ずっと稼働させるわけではない)
③天候次第(雨の日には使わない、使われない)

【ぽかぽか&ぎゅっとの3つの条件】
スタンドアロンとは、ソーラーパネルで発電し内蔵するバッテリーで蓄電するという、電灯線などとのつなが必要ないという点である。このゴミ箱は街中におけるだけでなく、電気の取りにくい砂浜にも、山奥にも置けるというメリットがある。

間欠稼働という点は、現時点の機能から見て、ソーラー発電効率上、モーターなどを常時稼働させられるほどの効率性はないということ。つまり、このゴミ箱商品のように、一定時間ごとにぎゅっとする、それで停止するというような仕組みでないと商品化はむつかしい。

天候次第、ないしお天道様次第という点は、雨が降れば発電効率は落ちるが、雨の日には出かける人も減るし、ゴミもそれに連れて減るということをである。つまりソーラー発電は晴耕雨読という健康に良い機能を具体化した用途が、街角のゴミ箱なのだ。

【勝手にアドバイス】
ぽかぽか&ぎゅっとの3つの条件にマッチするものは、ゴミ箱以外に何があるだろうか?

街中発想でいくつか挙げてみた。「証明書撮影のブース」「公衆トイレ」「お花畑の散水器

これらはおよそ間欠運転である(撮影と現像、給水と排水)。だが、日の当たる場所には置かれないことが多そうなので発電効率は落ちそう。さらに雨が降っても風が吹いても稼働してほしいところが難点である。
そこで発想を変えてみた。

①ソーラー犬小屋
犬小屋の屋根にソーラー発電をおき、夏は冷扇ファンを回し、冬は蓄熱層への熱供給をする。夏に弱く、冬には寒がる犬も、冷暖房完備のワン(笑)ルームで人間並に扱われるのだ。

②ソーラー案山子(かかし)
カラス退治には案山子と相場が決まっているが、動かない案山子はカラスもおちょくるのである。そこで、ソーラー発電により、タイマー稼働で、畑を歩き回る案山子はできないだろうか?

③ソーラー道祖神
道祖神の親玉のような石仏にソーラー発電機能を持たせて、しゃべったり動くのはどうだろうか(気味悪くて旅人が逃げ出すだろうか?)

④ソーラー大仏(悪のりでしょうか?笑)
大仏の背中にソーラーパネルを付けて、大仏がモーターで微笑んだり、手を上げる動作の動力源とする。これはお寺にも御利益があるような気がするが・・・。

今日は以上です。

Solar_trash_in_boston 松坂のボストンにも何十台もある。

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2007年6月12日 (火)

dynabook革命をもう一度!

現在一冊の本を共同執筆でまとめているが、共同執筆者のお二人はいずれもパソコンは東芝ファンである。東芝のパソコンと言えばダイナブックである。

わたしはもう20年以上前になるだろうか、初代ダイナブックのユーザーであった。MS-Dosとフロッピーディスクドライブで、かしゃかしゃ動いた懐かしいパソコン。F1レーサーだった鈴木亜久里氏が広告に颯爽と現れていたのを覚えている。

当時ものすごく高価とは言えないが、それでも20万円の大枚を叩いてパソコンユーザーに初めてなったマシンがこれだった。せいぜいワープロ(Just Systemの一太郎だった)ぐらいしか使えないアンダーパワーなマシンだったが、ノートパソコンを持ち歩くというワークスタイルを満喫した。東芝はすごいと思った

【勝手にアドバイス Vol.185 dynabook革命をもう一度!】
有名な話だが、パソコンの父と言われるアラン・ケイ氏が提唱した理想のパーソナルコンピュータ(パソコン)をダイナブックと命名した。

 Thumb320x246images666652  このくらいの厚さ?

ケイの構想したダイナブックとは、GUIを搭載したA4サイズ程度の片手で持てるような小型のコンピュータで、子供でも扱える低価格なものである。 ダイナブックは、文字のほか映像、音声を持つ「本(book)」のような存在であり、それを扱った人間の思考能力を高める存在であるとした。
引用元 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF 

そのアラン・ケイ氏のコンセプトを現実にしたのが、1989年発売の東芝の初代ダイナブックだった。

 Images602813  わたしは骨董品として現物を保管している。

その東芝からダイナブックの戦略的なモバイル製品として発売されるのが「dynabook SS RX1」である。この製品は東芝のやる気が相当に発揮されていると思う。モバイラーからも「やればできるではないか!」というブログへの書き込みが圧倒的に増えている。

 3toshiba_0606  様変わり。

【やる気で魅せたdynabook SS RX1】
(前略)新発売のRX1は、2007年の同社のノートPC開発における共通コンセプトである「誰かのいちばんになるために、生まれてきた。」に則った製品であると紹介。(中略)現在のノートPC市場については、全体的に出荷比率が成長しているものの、B5サイズ以下のモバイルノートPC市場の比率は伸び悩んでいる。主な原因として、ユーザーのモバイルノートに対する不満、不便、不安が多いためだという。
 「RX1は、これらの不満や不便、不安を解消させるため、“true mobility”を目指して製品化した」

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0605/toshiba2.htm

主な製品仕様として、「光学式ドライブ搭載」「12.1型ワイド液晶」「フラッシュメモリ搭載モデル=848g、HDD搭載モデル=重さ959g」「最薄部19.5mm」「最長約12.5時間の長時間駆動」「剛性ボディ、ウォーターブロック構造の筐体」「マグネシウム合金」などが上げられている。

今まで東芝のB5ノートと言えば、パナソニックLet's noteソニーVaioなどに比べて、厚さ・重さ・稼働時間でいずれも見劣りしていた。この製品ではアピールポイントでほぼ他機を超えたと言っていいだろう。東芝ファンとしては「比較せずに購買する」という声が出ても不思議はないスペックである。

法人向け製品は6タイプ、個人向け製品は3タイプ。ただし値段は22万円~38万円程度と決して安くない。38万円などは「本気なの?」という価格設定である。
詳細はこちら。http://www.toshiba.co.jp/about/press/2007_06/pr_j0501.htm

264b すっきりしたデザイン。

【コモディティ化したパソコン】
なぜパソコンの出荷が鈍っているか。総需要が飽和したということは言えるが、何より携帯やPDAの性能進化に比べ、ノートもデスクも、どこのメーカーでも変わりばえがしないからだ。

dynabook SS RX1は確かに良い製品だと思う。だが圧倒的に引かれる何かが(比較スペック以上に)あるだろうか?それが感じられないのだ。パナソニックにもソニーにも同じことは言える。ノートPCは初代dynabook、Vaio、Let's noteというエポックメイキングな製品はあったが、それ以降は革命がない。

ついでに言えば、MS-DOSからWindows3.1へ、さらにWindows95に昇華したときのOSの革命は、あれ以来ない。むしろメモリー消費量ばかりアップし、覚えることは増えて、セキュリティ負担は増えて・・・OSは年々退化している

【再びアラン・ケイは語りき】
2006年6月のインタビューで、再びアラン・ケイはこう語った。

コンピュータ自身が、よりアクティブになるべきだろう。今のコンピュータは、だれが使用者かを意識することがない。ユーザーが、あなたのような大人なのか、それとも6歳の子供なのか、そんなことはお構いなしにふるまう。あなたが画面で文書を読んでいるのかどうか、画面を注視しているのかウインドウの外に気を取られているのか、あなたが何に興味をもっているのか、コンピュータはそうしたユーザーの状況を認識していない。あなたの目的が何なのかを理解しようともしない。ユーザーの視点に立てば、コンピュータは、まだ出来の悪いツールということになる。あなたが何をしようが興味を示さない作業台(workbench)のような存在、それが現在のコンピュータだ。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/a/it/alacarte/interview0615/alan_3.shtml

【勝手にアドバイス】
わたしはPCのヘビーユーザーである。公私共々1日10時間(以上)液晶画面を見ていることが多い。その目線からいくつか書いておきたい。

①立ち上げるというワードをなくせ!
携帯と同じくフラッシュメモリーを搭載しても、立ち上げる時間は家電製品に及ばない。立ち上げているあいだに発想は消えていく。ThinkPadなんて名前を今のPCに付けるのはおおげさだと思う。

②打ち間違いの無いキーボードがほしい!
ノートPCでは、滅多に使わないキー(ウィンドウズキーやPause Break、変換や無変換、単独のAltキーなど)をなくせばもっとゆったりスペースが取れる。日本語-アルファベッド切替は、未だになぜこんなに煩雑なのだろうか?

③なぜシングルサインオンがPCにないのか?
OS、アプリケーション、ブラウザ、ネットワーク・・・一つのマシンで、電源を切らない継続的な利用中に、なぜ個別にサインオンがいるのだろうか? なぜ生体認証までしておいて、一発ではないのだろうか?

④壊れても大丈夫な2.0の世界こそ!
ノートPC個体の堅牢さをつくるのは限界があり、高価格になるだけである。それよりもボタン一発でネット上に(セキュリティ強固な)バックアップが常になされるのが今日的である。

⑤なぜ代替マシンが即座に提供されないのか?(法人契約)
ネット上にバックアップがあれば、PCが壊れたその日に連絡すれば、翌日にはバックアップデータを移行したPCが宅急便で送られてくる。なぜそうならないのか?個人でも困るが、法人では仕事ができなくなる。なぜわかりきったニーズに対して、魅力的なサービス・パッケージがつくれないのだろうか?

今日は以上です。

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2007年6月11日 (月)

三人の先生

今日は隔週で書いている ぷろこんエッセイ からの転載です。
 ご購読いただける方は まぐまぐ めろんぱん よりお願いいたします。

        &&&&&&&&&&&&&&&&&&&

自分で言うのも何だが、子どもの頃、わたしは乱暴者でもなければ、特に
先生や親の手を焼かせるタイプでもなかった。人より普通並か、少し勉強
ができる、内向的な子どもだった。だから同級生と小競り合いはあったが、
殴りあうような喧嘩はほとんどしなかった。

だが一度だけ、ある同級生と言い争いになった。小学3年生の頃だった。

授業中ではなく休み時間だった。口だけの争いでなく、とっくみあいになり、
他の同級生が止めに入るまでヒートアップしたのを覚えている。よくある
パターンで、伝令の役目の子どもが職員室の担任の先生を呼んできて、
わたしたちの喧嘩はようやく鎮まった。

今となっては、言い争いの内容もほとんど覚えていないし、相手が誰だった
かさえ覚えていない。だが自分自身の名誉にかかわるようなことだった。
だからわたしには珍しく強く言い返したのだろう。お前、言いがかりだ、
取り消せ!嫌だ!のような言い争いは、手を出し足を出しの喧嘩になった。

やってきた先生に仲裁され、組みほどされて、心臓がドキドキしながらも、
でも強く思っていた。自分は悪くない、こいつが悪いんだと。くやしいので
歯をくいしばりながら、涙を必死にこらえた。

仲裁に入った先生は「何があったの?」とわたしの目を見つめて訊いた。
わたしはできるだけ冷静に、これこれのことがあった。こう言われた、と
話した。どもりながらも、出来るかぎり冷静になぜ喧嘩になったのかを
話した。先生は喧嘩の相手にも同じ質問をして、同じく丁寧に問いただ
していた。ようやくわたしの身体の血の奔流が鎮まってきた。

やがて先生はあっさりと言った。「郷君が正しいわ。XXX君、謝りなさい」 

手を出したのはわたしが先だったのだが、「郷君は謝る必要はない」と
言った。相手はしぶしぶ謝った。どこかあっけに取られる結末だった。

たいがいの教師は、喧嘩両成敗という不合理な平等主義を持ち出して、
ふたりを廊下に立たせて、ほら仲直りしてね、みたいなウヤムヤな情操
教育をする。だがその先生(佐久間先生という女性)は違った。

話を聞いて、原因を理解して、裁決してくれた。わたしは救われた。

        &&&&&&&&&&&&&&&&&&&

もう6年ほど前になるだろうか。Y先輩とプロジェクトに入っていた。その
プロジェクトが情報系の業務改革から、全社のシステム系の改革に移行
し出したとき、その先輩(某社で情シスの部長をされ、あらゆるOSを熟知
されていた)から見れば、システム音痴の極みのようなわたしが相棒では
不安だったのだろう。彼から客先に往復する新幹線で、また出張先の
飲み屋で、よくシステムに関する話をしていただいた。

音痴は耳が悪いからと言われるが、彼の言葉の大半は右から左だった。
だがいくつかは心に残った。そのひとつにXMLという概念がある。6年前
では、XMLという概念はかなり新しい部類だった。今ネットで調べると、
IT用語辞典ではこういう説明がある。

【XML Extensible Markup Language】
文書やデータの意味や構造を記述するためのマークアップ言語の一つ。
マークアップ言語とは、「タグ」と呼ばれる特定の文字列で地の文に構造を
埋め込んでいく言語のことで、XMLはユーザが独自のタグを指定できる
ことから、マークアップ言語を作成するためのメタ言語とも言われる。

理解不能の説明文。他のサイトを探せば、もうちょっとマシな説明はあるが、
音痴にもこうすれば歌を歌えるという説明に近いものは少ない。

Y先輩はこう言った。「XMLってのは、ツリー構造のデータベースだよ。
そう言えばわかるだろう?」 わたしはうなずいた。なるほど、ツリーなら
コンサルとしてもなじみがある。データがツリー状に置けるのか。文化系の
わたしにもそのひと言はすっと入ってきた。

彼の説明はすごくわかりやすいので、感心していつか聞いた。「なぜそう
いう説明ができるんですか?」 Yさんの答えはこうだった。

「オレは家庭教師のアルバイトをしていたからかな」

Yさん曰く、家庭教師は子どもひとりの先生だ。その生徒のレベルに合わ
せて教えるのが仕事だった。Yさん、いや当時はY先生、相手のレベルに
合わせて「こいつにはこう言えばわかるだろう」と考えながら話すそうだ。
わたしにもそうしていたのだ。だからすっと入ってきた。

        &&&&&&&&&&&&&&&&&&&

もうひとりの先生はZ先生としておこう。Zさんの今の職業もまた先生では
ない。学生時代にアルバイトで塾の先生をしていたそうだ。そのときのこと
を思い出してこう言っていた。

塾だから飛びきりできる子どもと、まるでできない子どもがピンキリいます。
教育カリキュラムを示して、こういう内容をこれこれで教えます、というの
は親向けの説明。ピンとキリの子ども、それぞれの子どもを集中力を高め
て、勉強するようにするにはどうしたらいいと思う? わたしは首を振った。

「まず先生が、その子に信頼されないとだめなの」 
「信頼される・・・?」
「そう、一人ひとりがどんな子どもか、学力だけでなくて心を理解するところ
から始めるの。それからピンの子どもには高いレベルの興味をもたせる
やり方を、キリには基礎的なことが納得できる説明を考える。それが
私の考える先生という仕事だったの」

        &&&&&&&&&&&&&&&&&&&

元々佐久間先生は好きだったが、小学校のあの喧嘩以来、わたしは
先生を100%信頼した。その後高校生ぐらいの時だっただろうか。一度、
先生とお会いしたことがあった。恥ずかしくてうまく話せなかったが、
あのとき公平に扱ってくれた信頼は、1ミリも揺るいでいなかった。

そしてY先生にもZ先生にも、信頼される先生には共通項がある。生徒を
知ろうとすることだ。知ってから、教えようとすることだ。

今、さまざまな識者が教育改革を主張しているが、生徒の心になってみれば、
解決策はあんがい単純なような気がする。それは、「わたしを理解しようと
してくれている」という気持ちをもたせることだ。教える前にそこから始めれば、
ぐれないし、自殺しない子どもになる。

今日は以上です。いつもご購読いただきありがとうございます。

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2007年6月10日 (日)

lala 2.0/オンデマンド+無料+無制限の挑戦

昨日(2007年6月9日)、Bill Nguyen/Founder, lalaの名前でメールが届いた。以前このブログでも取り上げたlalaの創立者からである(lalaというCD&善意交換ネットワーク)。メールの内容は「lala.com 2.0」への誘いである。

Lala_1 から Lala_new  へ。

lalaとは「CDスワッピング」、つまり会員間のCD交換サービス、そしてライブコンサートの視聴サービスを提供している米国の音楽サイトである。会員になれば、不要なCDを登録して、代わりに聴きたいCDをゲットする。1ドル+郵送料だけだ。(まだ国外でのサービスは展開されていない)

そのlalaが大胆な2.0の挑戦をするのは、「好きな時にアルバムを聞いて、気に入ったら買おう」というおうような音楽サービスである。今日のテーマは再びlalaを取り上げる。

【勝手にアドバイス Vol.184 lala 2.0/オンデマンド+無料+無制限の挑戦】
まずlalaが提供するlala.comのMy Musicは、iTunesがあちら側、つまりlalaのサーバに置かれるものである。

 米Lala.comは米国時間6月5日,米Appleのデジタル音楽管理ソフト「iTunes」の音楽ライブラリをWebにアップロードできるサービスを開始した。ユーザーは好きな場所から音楽ライブラリにアクセスしたり,「iPod」用に音楽を購入できるという。
 アップロードした音楽ライブラリはインターネット接続した任意のマシンからアクセスすることが可能。他のユーザーとプレイリストを共有し,ストリーミング再生を行える。iPod対応のデジタル・フォーマットで楽曲を購入することもできる。

出典 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070606/273772/

Lalascreen1

ソフトウェアの相性に一抹の不安を感じながら、さっそくMy Musicをダウンロードをした。インストール後、ブラウザに上図のようにiTunesライクな画面が立ち上がり、わたしのiPodからデータを吸い上げていった。

わたしのiPodは2GBで400曲くらいだが、lalaのサーバへのアップロードには相当時間がかかりそうだ。すべてはまだアップできていない。これで何ができるかといえば、iTunesを開かずにネット上にあるMy Musicを聴けるし、iPodとつないでダウンロード&アップロードができる。

Photo_71

おもしろいのは自分だけでなく、アクセスする別の人もその曲を聴けるようにする点である。誰かのiTunesのライブラリそのままを閲覧、視聴できる。わたしはこんな音楽を聴くの!へえ~僕と似てるぢゃない!音楽で友達づくりの輪ができるのだ。

【好きな時にアルバムを聞いて、気に入ったら買おう】
My Musicを導入すれば、聴きたいと思ったアルバムでも、その中の1曲でもダウンロードして、iPodに蓄積ができる。それを何度でも聴けるし(DRMフリー)、気にいれば購入もできる。99セント/曲とお手頃価格である。今のところワーナーミュージックの保有するすべての音楽が聴ける。
出典 http://www.lala.com/frontend/action/discover

 Warner_music

受領したメールにはこう書いてあった。
Play your music from any computer. Load your iPod directly from the web. Listen to full songs from thousands of artists.(どのコンピュータからでも音楽を聴こう。ウェブからiPodに直接音楽を取り込もう。何千人ものアーティストの音楽を聴きまくろう

DRMフリー、つまり著作権保護によるコピー制限が無いとはいえ、iPodからPCへ、PCからPCへなどの移動は自由にできない。だがその気になればネットカフェからでも、自分の音楽ライブラリを聴けるし、iPodの更新もできる。ワーナーという大手会社の保有する楽曲がすべて聴けるのだ。

これがタダあるから恐れ入る。ビジネスモデルはどうなっているのだろうか?

【収入源はCDセールス】
ライセンス料だけでワーナーミュージックへ2年間に$140M(1億4000万ドル)なるという。そのコストをカバーするにはユーザー1人当たり、年間$65の売り上げが必要になる。それでもLalaはこのサービスを、音楽を体験して買う方法を変えるために必須の改変と位置づけている。
http://jp.techcrunch.com/archives/lala-bets-the-company-on-free-streaming-music/

この取引、160~170億円をワーナーに支払う大ばくちと言われているのは、黒字化するため200万人以上の会員が必要な点である。昨年(2006年)暮れで25万人程度の会員だった。それを2年かけて10倍にできるのだろうか?

【勝手にアドバイス】
以前紹介したが、Bill Nguyen氏の信念は揺るがないようだ。音楽アーチストにまっとうな報酬が払われるようにする(それが交換システムだ)。そのためには音楽リスナーを育てる(それは音楽ライブラリの共有だ)。そのためにはばくちを打つ(ワーナーとの音楽供給の契約だ)。

信念の起業なのである。わたしが感動してときおり思い出す、彼の起業の言葉を再録したい。

わたしはそのために死ぬほど働くことを約束する(睡眠はわずか4時間、これを書いているのが午前3時31分、だから句読点がおかしくても許してほしい)。
Bill Nguyen

今日は以上です。

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2007年6月 9日 (土)

裸になるのはむつかしい/ネイキッド・バイク・ライド

あなたはヌーディスト・ビーチに行ったことがあるだろうか?

わたしは一度だけある。四半世紀も昔、オーストラリアをさまよった頃、ニューサウスウェールズのどこかの(地名も思い出せない)浜辺にごろんとなったことがある。車を止めてから、ずいぶんとてくてく歩いて、そこだけ囲いこまれたようなプライベートな海岸のような砂浜に着いた。

ヌーディスト・ビーチという看板があるわけではなかったが、全裸ばかりだった。希望していたタイプの全裸は少なく、見込みと違いの全裸が多かったのは誤算だった。でも、どきどきしながら裸になった。当時も今も、わたしはやせっぽちで、どこに自信があるという身体ではないのと恥ずかしさで、うつぶせにごろんとしていた。

オーストラリアの熱い太陽の下、見込み違いのオヤジ・オージーが、ゆっさゆっさと何度か目の前を行き来するのに飽きて、小一時間もしない内に引き上げた。

見込み違いはもうひとつあって、それは車に乗ったときにわかった。太陽の影響を受けたのは、わたしの背中側だった。うつぶせになってお尻がこんがりと焼けて、ひりひりしてシートに座れない(笑)。腿上げ運動をしながら運転をした。

 20060305_142556
  
そんな昔の痛いエピソードを披露したのは、今日のテーマが「裸になること」だからだ。

【勝手にアドバイス Vol.183 裸になるのはむつかしい/ネイキッド・バイク・ライド】
毎年、6月の第二週の土曜日から日曜日(つまり9日、10日)に、世界各地で裸自転車イベント、英語でネイキッド・バイク・ライド(naked bike ride)が行われる。これは「車中心の生活」や「石油やガゾリンへの過剰依存」に反対する団体、ワールド・ネイキッド・ライドが主催するもの。主催といっても、特になにをするのではなく、裸になって自転車で繰り出すのを楽しむだけであるが。参加料も無料だ。今年で5回目になる。

 Naked_bike_ride   World_naked_bike_ride_030 裸、裸。 

このイベント、特にルールはなく、各地で異なる団体が主催している。ドレスコードは「どれまで裸になれるか?」であり、全裸の人もいれば、ビキニ姿の人もいる。ボディ・ペインティングをする人もいる。すべて自由。要は裸になることの解放感を味わいたいのだ。

2006年には全世界20カ国で実施され、どうやら日本でもどこかで開催された模様。今年は本日(2007年6月9日)の夜の予定と言われる。このブログをアップするころからだと思う。わたしもぜひやりたいが、日本では?なのと、ひとりぢゃ嫌(それじゃ単なる露出狂だよね_笑)。

 World_naked_bike_ride_06_takeoff 大きくしても特に問題はない。
 Save the planet! (自動車を捨て環境にやさしい地球を)

もっとこのニュースを見たい人は(その気持ち隠さずに。わたしも見ました_笑)、下記のURLをクリックしてください。でも就業時間外にしましょう!見るのはともかく、裸になるのは公序良俗違反。米国でも逮捕者は出ているので、それを覚悟して裸になってください。
http://www.worldnakedbikeride.org/
http://www.pdxk.com/crankmychain/2006/06/going-on-naked-bike-ride.html
http://en.wikipedia.org/wiki/World_Naked_Bike_Ride
南半球でもやっている。
http://www.sydneybodyartride.org/

おまけは「裸でガーデニング」というイベント。World Naked Gardening Day (WNGD)という。裸でガーデニング、つまり自然と裸で触れあうと癒されるという。今年はすでに終わり、来年は2008年5月3日だそうだ。こちらもすでに4回実施されている。

【心を裸にすること】
物理的に裸になることは服を脱ぐ勇気があって、みんなでやれば怖くない。だがわたしが今、むつかしいと感じているのは、心を裸にすることである

ありのままの裸の心になって、人を受け容れること。

ある人にわたしは自分の書く文章について話していた。「自分の書く文章が、自分が伝えようと思うことと、読み手が受け取ることに違いがあるの。なぜだろう
「どんな風に違うの?」
「何ていうかな・・・自分では主張でなくて感想だと思って書いているのに、読み手から『郷さん(わたしのこと)の、あの檄文(げきぶん)が・・・』と言われたこともある。檄文ってスローガンみたいな主張ってことでしょ。わたしはそんな気持ちで書いたつもりはない。もっと普通の気持ちで書いたつもりなのに
「ブログだったらそれでもいいわね。ブログは自分の意見を伝えるものだから。でも本や普通の文章は別ね。読み手の気持ちが第一。」

どうして自分の思惑と違う文章になってしまうのか。ある先輩にも文章をチェックされて、「読み手が失礼だなと思うところは赤くしておきました」とキツいひと言をもらったこともある。その指摘もまた痛かった。

「優れた営業マンってどんな人か知ってる?」と、そのある人が聞いた。わたしが言った答えに首を振った。
お客さんの話を聴くこと。ひたすら聴くこと。それだけなの秘訣って」 会話とは信頼関係があって成り立つものでしょう。信頼は相手を知ることから。聴くのが1番で、伝えるのは2番。

そう言われて、わたしの問題は文章だけではないと感じた。自分がどう伝えたいかばかりを考えていて、相手がそれをどう受けとめるか、考えを巡らせていないことがあったからだ。

 Photo_70

【ヒーリィの鉄則】
何かを伝えようとする前に、相手を聴こう、知ろう、見よう、わかろう、感じよう、そして受け容れよう。文章ならば、書く前に読み手がどう感じるだろうか?を想像し、感じよう。何を伝えるかはそこから変わっていく。

これを大事な教訓にするため鉄則とした。「ヒーリィの鉄則」と呼ぶことにした。Heal=癒しという意味で、指摘されてガ~ンと来たが、真摯に忠告してくれることはありがたく、癒されたからだ。いつかブログで紹介した「ヒッキィの鉄則」(文章にはファンタジーが必要だ)と共に私的な2大鉄則にしたい。

今日はちょっと私的な反省になりました。しかしこのブログをお読み頂いている方も、どこか似たことを感じられているかもしれないと思いました。なんだコイツ、失礼なことを書いているなとか。だからとても大切なことだと思っています。言い訳をするのではなく、これからもっと自分に素直になる、自分を裸にしたいため書いておきました。

今日は以上です。

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2007年6月 8日 (金)

チャージでGO!5.チャージの経済波及効果

まったく別の話題でメールのやりとりを消費者心理学者の笠井さん としていた。何しろ彼は地球の反対側、サッカーの中村俊輔氏の所属チームのような地にいるものだから、基本的に連絡はメールしかない。その彼いわく、チャージは「メンタルアカウンティング」というコンセプトで説明がつきますと書いてきてくれた。

メンタルアカウンティングとは、心理的な会計分類というものが心にあって、それにしたがって消費は支出されるものと説明される。ランチでは50円のクーポンを使っても、ディナーでは5000円のコースを頼んでしまうという、価値観の置き方の違いと言ってもいい。オサイフの仕切りが違うのである。どんなにへばっていても、好きな人とデートならしゃきっとするでしょう。しゃきっとしたいでしょう。心にはパーティションがある。甘いモノは入る別腹とどこか似ているかもしれない。

では電子マネーが普及すると、オサイフの仕切りはどのように変化するのだろうか?チャージはいくらで現金はいくら持つか。この仕切りの割合の変化が3つの経済波及効果を生む。

第一の経済波及効果はリアルマネーから電子マネーへの転換であり、これは低成長経済の中では、全体の消費のパイの直径は変わらず、電子部分が増加することでの市場の変化である。厳密に言えば現金消費が電子消費に変換されたことにプラスαの波及効果と言えよう。

第二の経済波及効果は、昨日(2007年6月7日)に見てきた、システムや機器などのインフラ市場の興隆がある。

第三の経済波及効果は、チャージ&Go!の利便性や安全性、スピードなどのメリットを生かした既存市場の拡張と新市場の開拓である。

 K2146802334  パイの取り合いだけではない。

【勝手にアドバイス チャージでGO!5.チャージの経済波及効果】
余談はもう少し続きます。今日お昼頃、都営三田駅のホームで電話をしていたら、あれれ、同僚のQ氏が向こうからやってきたのであった(弊社は三田駅から三つ目のところにあるので近場とは言えますがまさに遭遇です)。何してんの?え耳鼻咽喉科行ったって?出血した?たまには出した方がコンサル業という非合理的なお客さまと面体する稼業にはにはいいんだよ(失礼、ジョークですから)みたいな話をしながら、Q氏は改札を出るとき、チャージ不足でピンポン!とはねられた。

わたしは彼にいくらチャージをしたのか聞いた。答えは3,000円だった。だいたい、いつも3,000円ずつということだ。皆さんはいくらだろうか?ちなみにケチなわたしは1,000円です。ごめんなさい、PASMOさん、滞留平均単価を引き下げてしまって。

仮に彼のサイフに常駐しているのが30,000円だとすると、10%がチャージ滞留である。現金流通の10%が電子マネー市場に流れるとするとかなりの金額になる。2004年末時点の現金通貨発行額は80兆円とされ、その内3000円以内の現金決済の市場規模は60兆円と言われる。10%というと6~8兆円だからだ。

【電子決済】
この数値はにわかには信じがたいのだが、世に出回るデータを見てその規模を検証しよう。

 31_fig1

これはシーメディアがまとめた「電子決済市場総覧2006」の一部であり、これによると2006年現在で合計は3兆6000億円程度の規模がある。内訳は次の通り。

Edy 1583億円
交通関連の電子マネー(含む磁気) 2兆2400億円
その他 1兆2000億円

2010年度で5兆円規模にまで膨張し、内訳としてEdyは4000億円超、交通系は06年の1.7倍の3兆7,800億円、その他は横ばいという読みをしている。わたしの直感では、Edyの予想が段階的に伸びるという見方ではなく、もっと爆発的に現金市場を喰って、他の電子マネーをプラスしてこの数倍、たとえば1兆円程度までの規模に伸びる可能性があると思う

【インターネット・バンキング】
総務省の情報通信白書によれば、2005年3月現在の預金残高は1兆円を超えている。

 31_fig2

普通預金で240兆円、定期は225兆円、当座預金でも36兆円という2007年3月現在の日本全国の預金額規模から見れば、たしかに小さい数値ではある。だが伸び率は目覚ましい。2002年に83万口座に過ぎなかった口座数は、2005年には266万口座と、3年で3倍である。

ネットの世界ではじわじわ増えるという言葉が辞書にはないのがネット社会である。決済にしろ預金量にろ、伸びるときは爆発的に伸びると見るのが正しいだろう。

【東急のエリアチャージ戦略】
東急電鉄ではPASMOの発行を機会に、ショッピングなどの加盟店開拓に力を入れている。

 Ay_kamio_04

東急が開拓したPASMO電子マネーの加盟店で、他の私鉄会社が発行したPASMOカードやSuicaの電子マネーが使われた場合、加盟店からの手数料収入が入るのは東急だけということになる。逆に東急が発行したPASMOカードの電子マネーが、他の私鉄会社が開拓したPASMO電子マネー加盟店やSuica電子マネー加盟店で使われた場合は、東急側に手数料収入がない。つまり、PASMO電子マネーとSuica電子マネーのビジネスでは、まずは「どれだけ加盟店開拓ができるか」が重要な争点になるのだ。
出典 http://bizmakoto.jp/bizmobile/articles/0703/16/news091.html

この図におえるPASMO電子マネー事業者(アクワイアラ)が、加盟店を通じてPASMOを発行し、使用に伴う収益を計上するポジションにある。フランチャイズ店のフランチャイザーのようなポジションと考えればいいだろう。

東急グループと言えば首都圏の他の私鉄に比べ、エリアのブランド構築力に優れている。それも渋谷などの核店舗の開発での先行、昔は単なる田園地帯に過ぎなかった丘陵にエキゾチックな名前をつけ、地域の整備を計画的に行い、エリアブランドを高める努力を継続してきたからである。エリアブランドをさらに高める仕掛けが電子マネーである。

 「東急としては、まず駅ナカビジネスなど駅施設の商業利用に積極的な考えを持っており、ここでのPASMO電子マネー対応拡大を進めます。さらに、(東急では)たまプラーザや二子玉川、自由が丘、大岡山などの再開発事業を手がけていますので、これらの地域で駅と駅周辺のPASMO電子マネー対応を進めます。
 また、これは東急ならではと言えるのかもしれませんが、(路線の)地元商店街との連携を重視したいと考えています。例えば、目黒区や世田谷区の商店街でのPASMO電子マネー導入では、ポイント連携という形で我々が支援させていただくことになっています。

出典 同上

東急グループではエリアチャージ&Goの経済圏を実現させようとしているのだ。エリア制覇戦略のキーデバイスにチャージでGo!を位置づけているものと考えられる。

さらに各エリアの自治体を巻き込むことも想定されているはずだ出産一時金、育児手当、生活手当、教育手当など、出金が伴う自治体からの手当を電子化することのメリットも大きい。どこの出張所でも手当のチャージができるのであれば、忙しいママにも大好評であろう。普及しない住基カードより余程使い道が大きいと思われる。

もうひとつ想像を膨らませれば、地域の中小企業を中心に、法人チャージカードの発行もできるだろう。従業員の交通費決済だけでなく、購買決済や電子納税にも使用することができる。地域への波及効果も大きなものがある。

【最後に】
今週はチャージでGo!というテーマで、チャージと電子マネーに関して書いてきました。全体を通じて思ったのは、チャージという一見単純な行為、小銭を持たなくて済む利便性だけでは推し量れないメリットや波及効果があるということでした。

売買だけでなく、たとえば募金にも可能性があります。クレジットカードで実施してもなかなか伸びない電子募金も、チャージならあんがい気軽にできるかもしれません。赤い羽根募金の時期に、チャージ機の前で今日は100円募金しておこうか、なら気軽にできそうです。街頭での募金呼びかけを否定するのではなく、もっと気軽にできるかもしれないという提案です。

今週は以上です。お読み頂き、ありがとうございます。

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2007年6月 7日 (木)

チャージでGO!4.チャージ・サプライヤー業界は儲かるのか?

今週の勝手にアドバイスはチャージについて書いてきた

1.チャージとは何だろうか?:チャージの定義と体系を考える(4日)
2.チャージの消費心理:オサイフからお札が消えるのだろうか?(5日)
3.チャージ運用で儲かるのか?:ブランドとシステムへの信頼がコア(6日)
4.チャージ・サプライヤー業界は儲かるのか?:現金システムからチャージシステムへ(本日)
5.チャージの経済波及効果:貨幣からチャージへ、そしてエリア戦略へ

昨日(2007年6月6日)から世を騒がしている介護サービスは、チャージ制度ではない。

65歳以上及び40~64歳の被保険者と国・都道府県・市町村が財源を負担し合っている制度である。利用を受けたい人は介護認定を受け、サービス内容と費用負担(現物や先払いで還付など)を決めてサービスを申し込むのである。ご存じだろうが40歳になれば、自分のために、また自分が使わない場合は誰かのために積み立てることになる。

介護保険はチャージ制度ではないが、あらかじめ払い込んでおいた介護保険金を、年を取って介護が必要になって、取り崩してゆくところはまさにチャージと言える。わたしは日本国の年金も医療保険も介護保険も、国民総背番号にして、チャージのような仕組みを導入すべきだと思う。積み立てておいた金額を正当に受け取るためにはぜひチャージと利用(引き落とし)を一元化したい。

長生きをして介護度合いが高くなってしまって、積み立て以上に使ってしまったこともわかることも大切である。世の中の皆さんにありがたやと感謝をする。それが筋であろう。チャージとサービス受給の関係を透明にすることが必要だ。

福祉でルール違反をするコムスンなど大手介護会社は、不当なチャージを組織的に繰り返していた。摘発されても、事業を譲渡すれば社会的に制裁を受けないというルール(?)がまかりとおるなら、かつて4つあった証券会社は2社にならなかったし、牛乳会社も消滅しなかったはずだ。こんなおかしなことを認める厚生労働省も責任を果たしていない(と書いたあとにニュースで「凍結すべきだ」という見解を公表したが、とても間が悪い決断である)。こんな欺瞞をしでかしても、社長は社長で、会長は会長のままなら社員はとても不幸である。

【勝手にアドバイス チャージでGO!チャージ・サプライヤー業界は儲かるのか?】
さて本題だが、昨日は運用会社について書いた。今日はチャージシステムのサプライヤである。儲かるのか?もちろん爆発的に儲かっている。カードではデファクト・スタンダートとなったソニーのフェリカ。システムでは日本信号を見ていこう。

ソニー、「フェリカ」部品増産――「パスモ」不足に対応
 ソニーは電子マネーやポイントカードなどに使われる非接触ICカード「フェリカ」用の中核部品を増産する。2007年度は前年度より約4割多い月550万枚前後に引き上げる。同部品を使う首都圏の私鉄・バス共通IC乗車券「PASMO(パスモ)」が予想以上の人気で品不足に陥るなど需要が好調なためで、にわかに起こったカード不足も徐々に解消される公算が出てきた。

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070412AT1D1108W11042007.html

これは4月時点の記事だが、6月7日現在、未だにPASMOは定期券販売のみ。それも限定された定期券売場でしか発売していない。カード自体のチャージ不足が解消されるのは夏以降である。売れすぎて困るのはともまく、生産を担当するソニーケミカル&インフォメーションデバイス。ソニーの連結子会社だが、業績は絶好調とされる。そのフェリカのサービス機能は次のようなものである。

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フェリカが市場の何をおさえているか。上図からもわかのは機器やシステムだけでなく、非接触のタッチ&ゴーの社会通念さえおさえようとしているのだ。Sonyはゲーム事業の赤字でずいぶんと叩かれたが、ゲームよりもっと直接市場規模も大きいし、裾野市場も広いのがフェリカ事業である。

【チャージで年金も2.0へ!】
むしろゲーム機にフェリカが搭載され、有料ゲームも支払い瞬時にとなる時代がすぐにやってきて、ゲーム事業の赤字を埋めてくれるだろう。デジタル化されたTV機にもブルーレイにも搭載されるだろうし、何よりも携帯電話とノートパソコン、PDAへのチップ搭載が進められるはずだ。

フェリカシステムを他のメーカーのPCに搭載するのはすぐには困難だろうから、わたしならUSBポートを使って、個人の認証をさせるデバイスをつくる。どんなPCからでも、フェリカUSBさえ持っていれば、預金通帳の機能を持ち、お金の口座間異動やクーポンチャージができれる。それはありがたい。

そのときにはフェリカ2.0のような仕組みがもっと充実して、チャージ履歴、使用履歴などがネット上で残されていれば何かと便利である。年金もチャージ&受給にするためには、運用側でデータを一元的に補完する「年金2.0」の仕組みが欠かせない。

【ハードウェアだって儲かる】
「歴史に残る仕事ができた」と感慨深げなのは日本信号の長沢孝人取締役。同社が手掛けたのは三月中旬から運用開始した首都圏の私鉄・バス共通ICカード乗車券「PASMO(パスモ)」向け駅務自動化システム。90億円程度の増収効果があり、2007年3月期の経常利益は過去最高となった。
http://company.nikkei.co.jp/news/news.cfm?ik_Code=0001202&Page=1&Back_sid=IR_CT&KIJIID=20070518NKM0050&DATE_FORSEARCH=2007/05/18

 Thumb_200_ph2  これはバスです。

日本信号のシステムはチャージというより改札の自動システム。だがPASMOだけで90億円の増収は大きい。チャージでGo!市場は拡大する。

【システムだと数倍、数十倍の市場へ】
磁気ストライプカード市場という切り口での市場規模(2006年 富士キメラ総研推定)でも300億円ある。

クレジットカード 189億円
キャッシュカード  60億円
社員証/学生証  42億円
会員カード     45億円
合計        336億円

ちなみにこれはカード類の印刷だけのいわば運用収入である。これにシステムや機器が加われば数倍、数十倍になるはずだ。

乗車券だけではなく電子マネーカード、社員証・学生証、ポイントやクーポンカード、電子チケットなど、チャージ以外の用途にも採用が進んでいる。これがどういうことかと言えば、従来の磁気印刷業界の市場をすべて奪取する可能性があるばかりか、ATM市場、入退室システム市場、チケットシステム市場、と「システムまるごと」と考えると市場規模はどんどん膨らむ。

【いつ、どこで、だれが、どのように】
つまるところ、チャージ市場を格段に膨らませるのは、現金を扱わないコンセプトを構築することである

自宅からPC経由でチャージができる。携帯電話でもできる。会社の総務部でもできる、介護サービス・ステーションでもできる。そういう顕在市場からさらに一歩進めて、システムと機器を開発すべきである。たとえば・・・・

・ルイビトンのサイフにチャージ機能が付いている。
・ファイテンと提携して健康チャージ・リストバンドを開発する
万年筆に盗聴器ではなく、フェリカ機能が付く。敵に奪われると困るが。
・パソコンに個別にフェリカ機能を付けるのでは儲からないので、法人納入モデルに一括で構築、納入する。そうすると内部統制、入退室、交通費精算など一切合切、フェリカでできるかもしれない。
・婚約カップルにエンゲージ・チャージカードを発行して、愛のチャージ機能を付ける(その内容はカップルの求めるモノ-愛かマネーかそれが問題だ-によって異なります。

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空想はともかく、カードではなくチャージする行為を「コンセプト」として捉えるべきなのだ。そうすれば今からの新規参入でもまったく遅くないだろう。今日は以上です。

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2007年6月 6日 (水)

チャージでGO!3.チャージ運用で儲かるのか?

勝手にアドバイス旬ネタとして取り上げているテーマ「チャージ」、今日は3回目である。チャージには「予約機」がある。それは前払いをしておくことで、確実にサービスを受けられるという約束をする。ときに企業破綻でその約束は反故(ほご)にされることがある。

最近いくつも倒産している英会話教室がその代表例。バウチャーないしチケットを前払い(多くの場合割引)で購入する。その運営会社が倒産すると代替がきかないので、集団訴訟にも発展する。エステティックサロン業界で、ずいぶん前だが中堅のエステが倒産して、そこが前払い方式を取っていて多くの顧客の契約が宙ぶらりんになった問題があった。

潰れたら債権者がどっと押し寄せてきて、必ずしもお客さまに前払い金がきちんと戻らない。クレーム産業とも揶揄されるのがエステサロン業界である。そこでせっかく築き上げた評判を地に落とされてなるものかと、このときは業界をあげて前払いのお客さまを各社が前払い料金分まで受け入れる措置をとった。このように前払いとは両刃(もろは)の剣である。

 Photo_69  顔に泥を塗る。

【勝手にアドバイス チャージでGO!3.チャージ運用で儲かるのか?】
のっけから余談だが、顧客ロイヤルティが高いことで有名な某エステティックサロンでは、前払いのバウチャーをあまりにたくさん払ってもらえるので困っているという話を聞いた。景気の良い話である。決算期をまたがると会計処理上も預かり金がふくれるし、何よりもその預かり金がきちんと対価としてサービスで提供することができるのか?決算上は倒産というリスクがまったく見えなくても、いつお客さまの不興をかい、経営に一大不祥事でもあるかわからない。介護サービス業界の不祥事のように、一気に会社が吹っ飛ぶ時代である。預かり金はすべて返金しなくてはならない。額が大きすぎるのは問題なのである。

さて、チャージシステムの導入、運用で果たして企業は儲かるのであろうか?それが今日のテーマ。

システム業界は特需に湧いた2006年度決算だったが、運用する側は設備投資を先行させなくてはならないので費用が先に出る。ましてチャージされているお金は、預かり金であり、手を付けてはいけないし、資金運用をすることもできない。売上計上はあくまでチャージ、タッチ&ゴーの「タッチ」時点である。

JRにせよ東京メトロにせよ、未収入運賃という会計科目の金額が、経年的に増えていることは確認できたが、そのどこまでがチャージ分か開示はされていない。そこで未上場ではあるが電子マネーの雄、Edyことビットワレットを調査してみた。

【ビットワレットの決算状況
最新の決算ではないが、あるサイトにはこんな業績が発表されていた。

 Edy  ビットワレットの05年度通期決算(単位:百万円)

営業収益 2,915
営業費用 8,669
営業利益 ▲5,754
経常利益 ▲5,781
当期純利益 ▲5,943
前期繰越利益 ▲14,376
当期未処理利益 ▲20,320

出典 http://blog.livedoor.jp/nz6jp/archives/50704690.html

2005年度だから06年3月期発表時点。これで見ると収益は29億円、それに対して営業費用は86億円と大幅な赤字である。先行投資型の商売であるので仕方ないとはいえ、累損200億円である(資金手当はヌカリなく行われている)。この時点で、携帯とカードのEdyの発行枚数は2000万枚を超えた。

2007年5月27日時点の発表では、3000万枚を突破したと表明した。恐らく06年度の営業収入も50億円を超えたであろう。

【チャージのおかげで貸し倒れリスクや請求業務がない】
同社のソニーファイナンス出身の川合成幸社長のインタビューにはこうある(2006年5月)。

ここ1年でようやく事業の黒字化も見えてきた。3―4年後には黒字化できると考えている。(筆頭株主の)ソニーには2001年の設立以来ずいぶん我慢してもらっているが、クレジットカード事業と比べて貸し倒れリスクや請求業務もなく、一定の規模を超えれば一気に利益が出る事業だ。
出典 http://it.nikkei.co.jp/business/news/busi_gyoukai.aspx?n=MMITzy000005062006

確かにここ一年の進撃は他社を圧倒するものがあり、今や電子マネーならEdyというイメージが成立しつつあると言ってもいい。社長のコメントの中にある「クレジットカードには貸し倒れリスクや請求業務がある」のに対して、電子マネー事業にはそれが無い、これは大きなカギである。

クレジット会社は支払い信用を肩代わりするが、電子マネー会社はチャージされた額から消費分を引くだけである。しかもチャージという行為は、使用者が自らするので請求業務もない。消費者が自らチャージを行い、機器にかざすことで自ら支払う。全部自分でやってくれるのだ。ここにクレジット会社よりも電子マネー会社の収益性が高いと言い切るポイントがある。

【電子マネーの収益源】
クレジット会社も電子マネー会社も収益源は手数料収入である。国内クレジット会社も電子マネー会社も手数料率はだいたい同じレベルの2~3%である(一部の代金回収率が低い産業では10%まで高まる)。ならば貸し倒れリスクと請求業務が無い分、損益分岐まで規模が伴えば、コスト面で電子マネー会社が優位に立てることは間違いない。電子マネーとの競合という視点を入れれば、クレジットカード会社の最近の合併と合理化(人員削減)の理由が透けて見えてくるのである。

電子マネー会社の弱みは、現金をチャージする設備投資が必要なことである。利用者が現金をチャージする機会を求めれば求めるほど、さまざまなかたちでの入金設備=設備投資と運用コストが増加する。

 Edy  
 Edyの入りと出(いずる)。

オートチャージや口座振替が進まないかぎり、請求業務の替わりに現金の回収業務が発生する。ゆえにチャージを究極的に電子化することが求められるのである

【電子マネー市場はクレジット市場の倍】
しかし電子マネーは当面はクレジット市場とはバッティングしないのである。利用単価が違うからだ。電子マネーの利用価値は小銭をチャージに代替するところになる。それに対してクレジットは高額な買い物を信用買いするところにある。

クレジット市場は29兆円である。それに対して3000円以内の現金決済の市場規模は60兆円と言われる。つまり電子マネーの対象市場はクレジット市場の倍もある。この5%でも3兆円もあるのだ。3000円未満の市場をチャージに代替するだけでも十分。クレジットの市場は徐々に浸食できるはずだ。

これが電子マネー市場に流通業からの市場参入が相次いでいる理由である。

【クーポンもチャージ】
だが電子マネー会社も、設備投資負担を現金で埋めるため、第二、第三の収益源を探さなくてはならない。そのひとつがクーポンである。2007年5月30日にEdy は新サービスとして「Edy スマイルクーポン」と「Edy ハッピー優待」を発表した。提携企業、店舗からキャンペーンの手数料収入を得るというものである。

 Edy_1  クーポン取得はPC&無線LANで。

これのおもしろいのは、クーポンもチャージというところである。米国では昔、小さなクーポン券をクリップで束ねて賢い買い物をする人をよく見た。30セントのためにわたしはそんな地道なことができなかった。だから今貧乏なのだろうか?30セントをけちらない者は30セントに泣くのだろうか。マネー・ピンチャーのブログ、今日は以上です。

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2007年6月 5日 (火)

チャージでGO!2.チャージの消費心理

昨日(2007年6月4日)から書き出したテーマ「チャージ」。チャージという行動で社会やビジネスにどんな変化がもたらされるのだろうか?今日はその消費心理を考えてみたい。

おまけより割引してほしい』という本がある。消費者がどんな時に値ごろ感を覚えるか、身の回りの人々や大学教授の著者徳田賢二氏が教えている学生の心理を観察した、身近な感覚から書かれた良書である。

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その値ごろ感の公式を本書では次のように規定している。

 値ごろ感=価値/費用

この式の意味するのは、「値ごろ感を上げるには、分母(費用)を小さくするか、分子(価値)を引き上げればいい」である。費用を小さくするとは購入費用が下がること、つまり割引である。価値を上げるということは何らかのプレミアムを付けること、おまけである。

売り手にとってどちらがやりやすいかさまざまな事情があるが、書い手にしてみればポイントや著者サインなどおまけがいいか、速効で効くバーゲンやクーポンなどの割引がいいかは、TPOで異なるものである。授業にサークルにバイトに資格に就職にと忙しい今どきの大学生には、おまけより割引、不確実な未来より確実な現在なのだそうだ。身近な観察でもそんな感じはする。

【勝手にアドバイス チャージでGO!2.チャージの消費心理】
さて、チャージ心理を考えるとき、その行動はこうであった。

 お金をカードにチャージし、改札やレジでタッチする、そしてまたチャージする。

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PASMOなどの電子マネーカードへのチャージとはお金の一時預かり扱であり、滞留させておく資金である。原則として引き出しが可能であることがその前提にある。

つまり従来の鉄道や電話などのプリペイドカードとの大きな違いは「滞留機能」である。プリペイドカードは、単一の限定使用(鉄道や電話、高速道路)が前提のものだけでなく、クオカードのように割と利用形態が幅広いものもある。もちろん有価証券扱いで換金性はあるが、実質的には商品券という感覚である。何かで使い切ってしまうもの。それに対してチャージは、いずれ使用するためにあらかじめお金を滞留させておくという違いがある。

実はプリペイドカードと同じ機能ながら、チャージという行為で繰り返し消費を可能にすることで、入金=滞留させておくという感覚を利用者に刷り込んで、消費という感覚を薄れさせる、たくみな散財誘導なのである。

【チャージのメリット】
では誘導されている使い手にとって、チャージのメリットは何か。次のような点が挙げられる。

・いつでも自由にチャージ入金できる「柔軟性」
・乗車やショッピングなど複数目的のチャージをのみこむ「多目的性」
・現金だけでなくオートチャージや電子入金などが可能な「融通性」
・紛失しても再発行が可能な「安心感」
・かさばるお札を何枚でも一枚のカードに飲み込む「スリム性」

現金を持ち歩くよりも多くのメリットがある。入口(入金手段、入金利便性)と出口(多様な消費対象)がきわめて柔軟であるところに、消費者が感じるチャージメリットがありそうだ。

【チャージの方程式】
いつでも柔軟に、多目的に、融通が効き、安心で、スリムにチャージできる」というところに価値がありそうだ。それを表す式を徳田氏の値ごろ式にならって考えてみた。これをチャージの方程式と呼ぶことにする。

 チャージの方程式  充電レベル=価値/滞留コスト

分母の滞留コストとはチャージ金額であり、チャージに伴う時間や手間のコストも含まれる。分子の価値とは改札を通過するときの利便性、スピード、クレジットカードにした場合のポイント付加である。

充電レベル=滞留資金を上げるためには、分母を下げることか、分子を上げることで実現される。分母(滞留コスト)を下げるとは、駅構内、改札内での充電だけでなく、一定金額以下になった場合のオートチャージ、あるいはコンビニや銀行のATMでも入金ができたり、口座間の金額振替ができるなどが考えられる。

 Fac11  スキー場の自動改札?

一方分子(価値)を上げるのは、利用に伴う顧客満足度の向上である。早い、安心、お得の三拍子であろう。タッチしなくてもかざせば改札をくぐり抜けられるとか、不正利用が判明した時点で、オンラインで警官がやってくるとか、定期券利用者がお誕生日を迎えたらPASMOグッズが自動改札機からポン!と飛び出してくるとか(3秒以内にプレゼントをつかまないとGETできないとかすると、ドキドキの話題性もある)。

 326692776_6c39072636_o  飛び出せペンギン&キャメロンプレゼント!

いろいろ夢は膨らむが、これもチャージという仕組みがあらばこそ。従来のプリペイドカードではチャージの方程式は成立しない。

【チャージでオサイフからお札が消えるのだろうか?】
チャージにまつわる疑問がある。いくつかランダムにいってみよう。

①チャージとサイフの関係はいかに? 
今のところお金→カードへチャージという移動だが、いずれ実態マネーの移動が縮小するのは明らかである。そのときにこそ、ネット上の資金移動が今の数倍に膨らむときである。

②給与もチャージされる日が来るだろうか。
チャージされたい!現金入り給与袋が廃絶されてもう四半世紀以上経つだろうが、口座に振り込まれることで働きがいを感じないサラリーパーソンはたぁっくさんいる。家庭持ちはつらいぜ。それをチャージカードで復権されるなら・・・・。給料日にはチャージカードを出せ!みたいなことになるのだろうか?

③子どものお小遣いはチャージになるか。
これはあんがいニーズがありそうだ。どうやってやるか考えつかないが、一日300円チャージなんてかわいらしいじゃないですか。金づかいのあらい娘でも持つと、チャージしてもいつも放電状態で困ります。。。

④家族チャージ
家族間のやりとりをチャージカードやれるか。今でも無記名カードならできるが、それだと家族でチャージ&放電というダイナミズムさがない。わたしの知る共働きの夫婦だが、家計には「統合サイフ」があると言っていた。家計費は減るとそれぞれのサイフから拠出するのだという。夫婦円満のバロメータかもしれない。こういうダブルインカム家庭には、家族チャージカードがよく似合う。

⑤割り勘の支払い
現金流通がどんどん減少すれば、「オレ、今チャージカードしか手持ちがないんだ」ということもありうる。そうすると呑み会での支払いもチャージカードだけ。酔っぱらったところで、わたしいくら、あなたいくら・・・とやるとろくなことはないのだが・・・・ちと不安。

【昔の言葉ですが・・・】
一升買い」という言葉が昔あった。米を一俵買えず一升(1.5Kg)ずつ買うことで、一時にまとめて買えない貧乏暮らしのたとえである。一度のチャージでいくら入れるか?ケチなわたしはその額をここに書きたくないが、滞留資金におうような人も多い(ちなみに精米1合は150グラム)。

伝聞情報もあるのだが、このお店好き!このサービスはGoo!と思えば何十万、何百万もチャージする人があんがい多くいるのである。日本社会の格差は広くて深いのである

今日も何とか・・・以上です、まで遂にきました!雨の日も風の日も、お読みいただきありがとうございます。

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2007年6月 4日 (月)

チャージでGO!1.チャージとは何だろうか?

ちょっと気が早いかも知れないが、2007年上半期のヒット商品番付を作られたとしたら、わたしはトップに推すのは「Pasmo」である。もちろん関西圏はICOCA(JR)とPiTaPa(私鉄)の相互使用が2006年から先行しているので、東京圏だけの地域ヒットと言えなくもない(もっとも定期はまだ一枚にならないらしい)。

 Icocamo1  ICOCAくん、すねるな。

鉄道もバスもモノレールもそして買い物も、一枚の電子マネーカードで済ますことの便利さは、外回りのビジネスパーソンにはとてもありがたい。この恩恵に一度あずかるとそこから離れられない。どうしてもっと前からこういうことが実現しかなったのだろうか?そう思った。今までなぜかJRのSuicaは好きになれず購入しなったが、地下鉄との相互乗り入れがされるならと、一気に方針転換。今ではすっかりPasmoのファンになった。
 
 Pasmo 売れすぎパスモ。  Pasmo02 ペンギンの方がかわゆい。

そのPasmoないしSuicaの良いところとは何だろうか?タッチ&ゴー(Suicaの標語)で改札を通れるスムーズさ。Yes。乗り入れ定期でも一枚で済むところ。Yes。紛失しても再発行ができること。Yes。どれもYesなのだが、マーケティング見地から消費者に大きな消費行動変化を促しつつあることとは・・・・

それはチャージという仮払い消費である。電子マネーカード/携帯にチャージをし、そこから引き落とすという消費行動。この変化がもたらすことは大きい。小銭を使わなくなってコインパースが売れなくなるよ!というようなことだけではない(コイン流通の減少傾向はすでに統計に表れている)。

お金をカードにチャージし、改札やレジでタッチする、そしてまたチャージする

これは従来の銀行口座、クレジットカード、オサイフという日常の消費行動と大きく異なる流れである。だが、従来と異なることはわかるが、そこから何がどう変わってゆくのか。電子マネーという仕組みともかぶるのだが、今回はできるだけ「チャージ」という行動にこだわって、何が変わるのか考えてみたい。それが今週の勝手にアドバイス 旬ネタのテーマ。

【勝手にアドバイス 旬ネタ チャージでGO!1.チャージとは何だろうか?】
今週の構成は次のように考えているが、チャージという行動ないし現象をどうとらえるか、あまり前例が多くない切り口なので、内容が変化したり、しぼんだりするのはご容赦願いたい。想定しているネタは次の通りである。

1.チャージとは何だろうか?:チャージの定義と体系を考える(本日)
2.チャージの消費心理:オサイフからお札が消えるのだろうか?
3.チャージ運用で儲かるのか?:ブランドとシステムへの信頼がコア
4.チャージ・サプライヤー業界は儲かるのか?:現金システムからチャージシステムへ
5.チャージの経済波及効果:貨幣からチャージへ、そしてエリア戦略へ

【チャージの定義と分類を考える】
チャージとは一般に、電子マネーに金額をチャージ(入金)することを指すが、今回の旬ネタでは、チャージを顧客と売り手の関係を緊密にするシステムサービス」として定義づけたい。つまりお客さまの利便性を高めたり、先払いや会員制度やクーポンでお得感を高めるものまでを含めて「チャージ」とする。

チャージという行動からその機能を分類してみた。

 料金残高機能  例:PASMO、Suica
 予約機能 例:エステや英会話教室のバウチャー
 お得機能  例:電子クーポン、友の会、携帯電話などの繰越サービス
 派生機能 例:エリア戦略、送り機能

【残高を保持する機能】
料金を支払うために残高を一定水準にして、カードによる利用を可能にするための行動が、いわゆるチャージという行動の主体である。この意味するところのチャージはそのサービスを受けるための参加料を積み上げておくというものである。

 Photo_67  チェッカー

ちょうどカジノでルーレットやブラックジャックに興じるために、胴元にお金を支払いチェッカーを購入するのと同じである。お金がある内は遊んでおいで♪なくなればさようなら・・・PasmoにせよSuicaにせよ、根本は同じ。これは明日(2007年6月5日)の「チャージの消費心理」で考えてみたい。

【予約機能】
チャージには、お支払いいただければ、確実にサービスを受けられますという予約機能的な側面もある。エステティックサロンやジムなどでは、コースメニューごとに前払い、バウチャーがある。英会話教室にもチケット制がある。これも一種のチャージである。

予約=優先的にサービス提供=囲い込みという、お客さまとサービス提供者側の契りがチャージという行動のひとつの側面になっている。今まさにイオンセブンも参入するホットな電子マネー業界、先行するエディでは電子クーポンも開始する、戦国時代である。最終的にはブランドとシステムへの信頼がカギを握ると思う。このあたりを「チャージ運用で儲かるのか?」で考えてみたい。

【お得機能&派生機能】
使用するお客さまとしては、小銭を省ける利便性だけでなく、ポイントカードやクーポンなど、サイフをふくらませるモノも減らしてもらえれば嬉しい。いつ、どこで、誰が誰のためにチャージし、現金だけでなく何かをチャージできるようになるのだろうか?どこまで機能拡張がありうるのだろうか?

 Photo_68 太ったサイフとグットバイ。

従来より電子マネーは特定エリアでの運用テストが繰り返されてきて、エリア制覇がミッションとも言われてきた。だがエリアという点を次々に制覇しても、面にしなくてはダメである。だから点や面を線(=鉄道)で結ぶ。鉄道会社がカギを握るのはこのためである。このあたりを「チャージ・サプライヤー業界は儲かるのか?」で考えてみたい。 

【経済波及効果】
チャージをするという行為で何が変化するだろうか?何といっても貨幣の流通が減少することである。さらにチャージ口座(決済口座)とセイビング口座(運用口座)が識別されるようになるだろう。企業には余剰資金滞留が生まれる。チャージという行為が大きくなればなるほど、これまでのマネー移動は大きく変化することが予想される。

それはどこで差益をとるかという、サービス側の思惑もあるが、水は低きに流れるがごとく、利用者は利便性と支払いコストをてんびんにかけ、利子もつかない銀行の普通預金口座はチャージ口座に過ぎないとみなすようになる。そのときに何が起こるのだろうか?このあたりを「チャージの経済波及効果」で考えてみたい。

【勝手にチャージも受け付けます】
チャージするとはプリペイドカードを便利にしたものではあるが、どうもそれ以上の可能性を秘めているような気がする。今週はチャージをテーマにしますが、こんなチャージもあるよ!という合いの手チャージも受け付けます。今日は以上です。

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2007年6月 3日 (日)

甲田益也子 10Years Back

彼女との出会いは日経ヘルス・プルミエールだった。

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不覚にも(何が不覚が深くはわからないが)この女性を知らなかった。だがこの表紙にはインパクトがあった。ページを手繰り甲田益也子(こうだみやこ)さんだということがわかった。尚びっくりは「I'm 47 Born in 1960」という広告上のコピーである。今47歳。 ほぼすっぴんとも言っていいくらい、薄化粧、美顔。

女性を中心に甲田さんファンが根強く多いこともわかった。ひとつ年下の黒田知永子さん(カリスマ主婦)と共に、ミドルの女性にはアンチエイジングのお手本たる存在である。今日は甲田さんが広告に出ているスキンケアブランドRoCのコピー「10Years Back」をテーマにしたい。

【勝手にアドバイス Vol.182 甲田益也子 10Years Back 】
甲田さんはどんな方か。1960年生まれで、大学在学中に資生堂の花椿誌の表紙モデルでデビュー。雑誌「anan」の専属モデルとして活躍し、その後音楽活動(CDも出している)、女優としても活躍。代表作は1999年手塚眞監督の「白痴」(主演 高評価作品)。2004年には「カナリア」でカルト宗教の幹部を演じるなど、存在感のある演技でも注目されてきた。

 Message_ph01  Message_signature  サイン。

この写真はジョンソン・エンド・ジョンソンのスキンケア商品RoCのサイトから。RoCとは、低刺激の化粧品をつくっていたパリのRoge Cavailles薬局の頭文字からとられた。同サイトの彼女のメッセージ。

10Years Backという潔いコピーがついていますが、このRoCウーマンが、ただ見かけ上若く見えるというだけではなく、自分に正直に生き、内側からの美しさにあふれる女性のイメージとお聞きし共感しました。(中略) 人として女性として変化の時期のまっただ中で揺れ動く私も、RoCウーマンのように、中心は強く、揺れも受け入れられるしなやかさを持っていきたいと思っています。
引用元 http://rocskincare.jp/about/message.html

【RoCウーマンとは】
甲田さんもイメージするRoCウーマンとは・・・

Self-Confidence 「自信のある洗練された女性」
Inner Strength 「年齢を感じさせない、年齢不詳肌の魅力」
Determined 「こうと決めたら最後までやり通す芯の強さや、潔さ」
Direct 「うそは嫌い。思ったことはストレートに口にする主義」

それが10Years Back/10年若返る法だとしている。10年若返るためにはスキンケアだけではなく、自信、魅力、潔さ、率直さが必要である。もちろんすらりとしたスタイル、そして老けない表情も大切である。そこで2つの注目されているアンチエイジングを紹介する。

【美腰メイク・エクササイズ】
美腰メイク」という意味が男には今ひとつ不明瞭だがわかるような気はする。骨盤の歪みを正す整体やヨガ、ストレッチを取り入れたエクササイズ。創始者はSHINOさんという女性。

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やせる!腰回しダイエット―ウエストがくびれる「美腰メイク」エクササイズ』にはこうある。
47歳でウエスト56cmの著者が実践指導する驚異のダイエット。1日たった5分の腰回しで骨盤のゆがみが正され美しいボディになる。基本のエクササイズと、部位別エクササイズも紹介。 

この本には読者の声がたくさん寄せられている。「腰をまわすだけで気持ちよい」「くびれてきます!」「腰を回すだけでいいから、毎日歯磨きしながらできる」・・・。なるほど。だがJobaも似ているような気がするが。おっと美の追究に水を挿すことはまかりならん。

【造顔マッサージで10年若返る】
田中宥久子の造顔マッサージ (DVD付) (単行本) 10年前の顔になる』。10年前の顔、というところが今日のテーマにぴったり。「造顔」という造語にもインパクトを感じた。

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顔を変える!10年前の顔になる『造顔マッサージ』を一挙に紹介。美のカリスマ田中宥久子自らが出演、指導によるDVD登場!!映像を追っていくうちに、驚異のマッサージを習得。毎日たった3分間のマッサージで小顔になれる。しみ、シワ、くすみ、たるみ、毛穴などの悩みを解消。 

顔の筋肉は、表情をつくる機会が減ったり、顔による感情表現が少ないと衰退する。それは使用しないと萎む他の部位の筋肉とまったく同じである。露出しているから鍛えているというものではない。表情を造って鍛えることも必要なのである。ひとり暮らしなら無理しても造顔しよう。

【勝手なアドバイス】
コンサルティングの現場ではお客さんに「10年先を考えましょう!」と言うわたしは男で、異性だが甲田さんと同年齢である。彼女のように10年若返りたいとは思うし、化粧はしないけれど年寄りぽくなりたくない。だが彼女の美しさの前にして、10年若返る勝手にアドバイスができないぜ(笑)。同年齢として言えることだけを。

アンチエイジングという言葉は「抗加齢」と訳される。直訳すれば年を取ることに抵抗する。そのために皺取り手術や脂肪吸引でも何でもしようというイメージがつきまとう。そこまですることはないと思う。むしろアクセプト(受容)エイジングでもいいのではないか

40代は自分の力量がわかる年代でもある。そして力量アップに最後のひとあがきをできる年代でもある。できる事や経験したことは、それなりにある年代。30代までにくぐってきた修羅場の意味や重みを、ちゃんと自分なりに評価して、これからの20年へ向けて再挑戦をするのが40代である。だから自分という人間をしっかり受け容れることが(つらくても)大切なのだ。受け容れることが挑戦であり、若返ることでもあるのだ。

 01_22 甲田+RoC。

今日は以上です。

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2007年6月 2日 (土)

湿っちまった押入に、今日も湿気を取りのぞく

昨日(2007年6月1日)九州が梅雨入りした。ほどなく関西も関東も梅雨入りである。わたしは比較的雨好きだが、梅雨となると別だ。心配事が増える。それは湿気である。

1~2度しか履いていないティンバーランドの皮トレッキングシューズが白カビだらけだったのはショックだった。大事に保管していたつもりの雑誌の表紙が、となりの雑誌と仲良くくっついて、切っても切り離せない仲になっているのを見て、隣り合うということに深遠な思いをいだいたこともある。

ヒト同士はともかく、モノがカラリとした関係を築くには除湿器が必要だ。今日はそんな季節柄のテーマである。

【勝手にアドバイス Vol.181 湿っちまった押入に、今日も湿気を取りのぞく】
まずミニ除湿器。それも押入や物入れミニタイプが、日本の家屋にはよく似合う。東京企画販売の「ミニ除湿器TKY-10H」である。

 Ts_jibara01  41a6tuybuvl__aa280_ 右下に鎮座。

小スペースを快適除湿、ミニサイズの除湿器
クローゼットや下駄箱の中に収まり、すっきりと除湿できるミニサイズの除湿機。また小スペースに設置できるから、キッチンや洗面台などの除湿にも最適です。

http://www.yodobashi.com/enjoy/more/i/67837539.html

サイズはティッシュボックスをちょっとデブにした程度(幅155×奥行130×高さ220mm)。それで吸湿量は2日で最大500mlと、たっぷり除湿ができるという。実売は5,000円。

センタック コンパクト除湿器は、さらに小さい幅126×奥行96×高さ286mmである。このサイズで780ccの除湿を行う。押入れの中には「梅雨どきには1週間で700ccも湿気がたまる」そうだから、週1回水のタンクを空にすれば布団を湿気から守ることが出来る。実売13,000円。

Photo_66 Konpakuto_zyositsuki_15 

どちらの機種もファンを回して吸湿をするタイプである。このタイプの除湿器の難点は電源が必要なところである。押入や靴箱からコードがにょきっと出てきてしまう。湿気取りのためこの季節の風物詩ということだろうか。

【除湿カートリッジというサンヨーのアイデア】
御難続きだが、サンヨーという会社は前から良心的で技術力のあるメーカーである。2007年4月発売のこの商品にもそれが表れている。SDH-Z100除湿機「KARARIST」には、着脱式の除湿カートリッジがある。

 Item_l01  右側がカートリッジ。

本機のユニークな特徴のひとつとして注目したいのが「除湿カートリッジ」。本体から取り外してタンスや衣類ケースに入れておけば、湿気を取り除いてカビやニオイの発生を防いでくれます。しかもこの除湿カートリッジは本体に戻すことで除湿力が再生。何度でも繰り返し使うことができ、湿気が溜まりそうな場所に定期的に使えます。
http://event.rakuten.co.jp/newproduct/20070510/topic01/

カートリッジを外して、押入や靴箱、クロゼットに入れて吸湿させ、また本体にセットする。ひとつでなく3つぐらいあればいい。衣類乾燥機付きで実売価格35,000円前後。カートリッジは1500円で追加購入ができる。

【一挙四得のダイキン工業のクリアフォース】
2007年10月発売予定の「クリアフォース」は業界初の除湿・加湿・脱臭・集塵という4機能を搭載する。

 Yon_copy Main_img1 

25畳(41㎡)までこの一台でカバーし、除湿も加湿も本格的な機能がある。除湿機能は夏も冬もしっかりの6.3リットル/日。サイズは一般的な冷風扇より小さい。価格は9万円(予定)とちょっと高価に感じるが、それぞれの本格的な製品を購入するよりかなり安いはずだ。さすがは空調業界の雄、ダイキンである。Gootきた。

【勝手にアドバイス】
①小型加湿器で気になるのは電源。最近の気の利いた住宅ならともかく、押入やクロゼットにコンセントがない場合も多い。電源付き押入を簡単につくる方法や充電式にする方法はないだろうか。サンヨーの製品のようなアイデアがいい。

②一歩すすめて、除湿装置付きの靴入れや押入を最初から設置してくれればいい。ジャストアイデアだが、押入の引き戸やモノ入れの扉の内側に、吸湿シートをはりめぐらすなんてどうだろうか?スペース効率がいいと思う。

③以前のブログで「香る加湿器」を取り上げた。ならば香る除湿器もあってもいいかもしれない。除湿したエアを送り出すときに、ハーブやアロマの香りを出してくれると、モノはからっと、ヒトはしとっとするのではないだろうか。

今年は詩人中原中也の生誕100年である。湿っちまった哀しみに なすところなくカビだらけ、にならぬよう。

今日は以上です。

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2007年6月 1日 (金)

ミクソロジーカクテルの3S

今日はTGIFの金曜日。ようやく週末を迎えることができました。週末も仕事ですが、ほっとしています。

さて、昨日(2007年5月31日)は抜歯をして口の中は血みどろでした。「熱いモノや運動やお酒は控えてください」と歯科衛生士さんに言われたことを忠実に守り、じっとしておりました。痩せる思いで過ごしたその翌日、自重したことの反動なのか・・・ミクソロジーカクテルという旨そうな話題を発見しました。

ミクソロジーカクテルっていったい何?普通のカクテルと何が違うの?なかなかぜいたくなカクテルで、仮想バブル・エコノミーの今、ウケているそうだ。今日のテーマはミクソロジーと3S。

 Cocktail8_1  キウィづくし。

【勝手にアドバイス Vol.180  ミクソロジーカクテルの3S】
まずそれはミクソロジーカクテル(mixology cocktail)とは何なのか?

「リキュールやフレーバーシロップを一切使わず、果実やハーブ、ベジタブルを、スピリッツ(蒸留酒)などと組み合わせて作ったカクテル」と言うのは、ミクソロジーカクテルの第一人者で「BAR RAGE」のオーナー、北添智之さん(38)。自然素材と最高のスピリッツを使い、手間ひまかけて作った「ハイエンド・カクテル」と言ったところか。
ミクソロジー(mixology)とは、mix(混ぜる)とology(――論)からなる造語。「ロンドンのバーテンダーの中で、生の素材を使い、クリエーティブに、スタイリッシュにカクテルを作るという流れが生まれ、旧来のカクテルと区別するため『ミクソロジーカクテル』、バーテンダーを『ミクソロジスト』と呼ぶようになった」という。

出典 http://www.asahi.com/komimi/TKY200705250302.html

ほぼこの2つのパラグラフで言い切れてしまうようだが、従来のカクテルよりもパッション・フルーツを用いるロングドリンク系のカクテルがイメージに近い。従来のそれとも違うのは、新鮮な果実や野菜をふんだんにつかい、さらに茶葉やハーブ、香辛料まで、幅広い料理素材をミックスするところから「ology」という「~論」というネーミングがつむぎだされたのだろう。

論より証拠でいくつかレシピを見てみよう。

【国内のサイト】
グレイグース/greygooseというサイトが2007春夏コレクションを発表している。いくつかレシピを見てみよう。http://greygoose.exblog.jp/i6 

 F0060481_14123951_1

 1.GREY GOOSE バニラジンジャー ドライマティーニ
~切れのあるマティーニに、バニラのほのかな風味 ~バニラビーンズと生姜スライスを軽く潰し、グレイ
グースを加えてシェイクします。
・グレイグース・・・60ml
・バニラビーンズ・・・1cm程度
・生姜・・・スライス1枚

 2.GREY GOOSE アールグレイ ドライマティーニ 
シェイクすることで引き出される、紅茶の爽やかな香り ~グレイグースと、アールグレイ茶葉をシェイクし

てマティーニグラスに注ぎ、オレンジピールで飾ります。
・グレイグース・・・60ml
・アールグレイ茶葉・・・1-2tsp
・デコレーション・・・オレンジピール

まったくイメージがつかめないだろう。すみません。一枚画像を引用したが、このサイトでは「画像・文章の引用お断り」となっているので自重した。だがそれでこのカクテルを普及させたいのか、させたくないのかよくわからない。少し前だが、ソトコトLOHASという言葉を商標登録したことを思い出させる(非難を浴びて商標主張を放棄した)。

ちなみにグレイグースとはフランス産のウォッカであり、このサイトは同製品の販売促進も兼ねているようだ。雑誌DIMEに取材されたらしいが、もうちょっとサイト運営にオープンさがあるとブロガーには助かる。

 1_1 宣伝していいのかわからず、ちっちゃく。

【海外のサイト】
そこで、もっとオープンな海外のサイトをチェックしよう。その名の通りmixology.comというサイトがある。

- spirits (vodka, gin, tequila and the like) flavored with various ingredients, including spices, herbs,fruit, and even chiles. The key is to let the liquor and flavorings steep together for a period of a few days (even weeks or months) then strain the liquid and use it in a variety of drinks.

ウォッカやジン、テキーラなどのスピリッツといろんなフレイバーで香りをつけよう。スパイス、ハーブ、果実、チリだっていい!リキュールとフレイバーを良い関係にするには数日か、場合によって数週間、数ヶ月かかる。で、それで液体に活!を与えてカクテルをつくろう。拙訳でした。
出典 http://www.mixology.com/issues/my2k/science/infusion.htm

このサイトが主張しているのは、言わば朝鮮人参のようなカクテルの素をさまざまな素材と共に作りおきし、それを新しく作るカクテルと「カクテルする」ということらしい。それには相当のクリエイティビティと研究心が必要である。素材の本質やくせ、素材同士の相性を知らないとつくれない。

しかもオーダーに基づいて供するときは、新鮮なリキュールと素材と一緒にカクテルするのだから、相当な熟練の技がいりそうだ。そのことはなんとなく理解できた。

【ポイントはクリエイティビティ】
なかなか全貌がつかみにくミクソロジーカクテルだが、それも創り手のクリエイティビティによるわけだから、論より証拠、呑んでみて感じるのが一番だろう。手間暇と素材をふんだんに使うので、1000円~2000円ぐらいに表示されている店舗が多いようだ。安くはないが、ウンチクも見た目もコミュニケーションを弾ませそう。

Tky200705240179_1  フルーツ・カクテルバー。

【勝手にアドバイス~ミクソロジーカクテルの3S】
こういうちょっとあいまいなコンセプトを目の当たりにすると、コンサルタントの病がでる。それはコンセプトをまとめるという病気。今日はこのミクソロジーカクテルを3Sでまとめたい。

サプライズ(Surprise)
昔流行った料理の鉄人ではないが、素材をテーマに与えられた鉄人が、素材の持ち味を引き出し合う。素材の持ち味を殺さず、素材同士のぶつかり合いを読み抜く。そこから「おぉ!こんな味、こんな食感が出現するのか!」という驚きが最初のS。

センス(Sense)
ミクソロジーカクテルという舌にころがるネーミング。作り方や飲み方の洗練さ。器や容器のひきたて。素材のつくりだすカラー、素材の形状など、センスが必要である。

シチュエーション(Situation)
どんなに美味しい呑み、美味しい料理でも、何よりも飲食する相手、その日の雰囲気、会話の愉しみこそたいせつ。ひとりで食することが至福という来栖けい氏ような人は別にして、会話と笑顔と同情があってこそ、クリエイティビティが五臓六腑で完成する。今日は以上です。
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