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2007年8月16日 (木)

趣味を科学する 4.趣味の差別化戦略

今日も激烈に暑い一日でした。この殺人的な暑さの中、気が狂っていると言われても仕方ありませんが、わざわざ行列に並んだ。それは、あの新宿のクリスピードーナツである。

 Moblog_336933
 ま、こんな感じで。これは他人のブログからの写真です。
 http://blog.botsuraku.ciao.jp/images/moblog_336933.jpg

それというのも、以前行列について書いた旬ネタがきっかけで、わたしは再び取材を受けることになりそうなのである。それをCherryさんに話したら、「行列と言えばクリスピードーナツ」という直接的なコメントをもらい、じゃ行こうか!となって夕刻に行列に参戦した。行列マネジメント・コンサルタントたるもの、あの行列のメッカに参戦せずに行列を語れない。その話しは来週でも書くとする。暑さでぼんやり行列する中で、今日のブログでは、昨日の青臭いこと(=マーケティング・アプローチ)の続きを書いておこうと思う。

マーケティングの理想的なアプローチとは「形容詞で始まり、形容詞で終わる」ことと書いた。形容詞で始まるとはどんなことだろうか?それはどんな商品やサービスを購入する上でも、誰しも「」がある。夢とは「・・・になりたい」「・・・・でありたい」という期待であり、原点には「きれい」「美しい」「強い」「美味しい」など、たいていポジティブな形容詞がある。消費者やユーザーがほんとうにやりたいこと、なりたいことを、まず形容詞でつかむ。

形容詞であるのはなぜか。名詞でもなく動詞でもないことが重要なのはなぜか。ひと言でいえば名詞や動詞でそれを考えると、Jump into conclusion、結論を急ぎ過ぎてほんとうのニーズがブレることが多いからである。

形容詞の次の一歩は「物語をつくること」である。お客さまの購買シナリオという売り手目線ではダメである。お客さまの夢の達成シナリオを冷静に考えること。お客さまの生活の何がどう変わると、夢が達成されるか。うれしいのか。幸せなのか。それを想像できる人が商品の売り上手であり、つくり上手なのである。

 Photo

【勝手にアドバイス旬ネタ 趣味を科学する 4.趣味の差別化戦略】
もしもわたしが趣味の自転車、ロードタイプを買ったとしたら、わたしのライフスタイルはどう変わるだろうか?わたしはそれをどう変えたいだろうか?

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【夢とはこうなのだろうか?という物語】
まず土日に欠かさずしている単調な5Kmジョギングだけでなく、どちらかの日は自転車に乗るようになるだろう。いや購入直後はきっと毎土日共に、自転車にまたがるのではないだろうか。歩くには遠くて、車では通り過ぎる近所の多くの道を知るだろう。そこにある店舗や街の色、家々、生える草木や花を知るだろう。続ければ四季の変化を知るだろう。見知らぬ街や丘や川の支流の地図をどうそろえるだろうか。

今やジョギングの時には欠かさないiPod+Nikeのアームバンドのコンビネーションは、走るならまだしも、自転車で音楽リスニングは危ないので止めるだろう。そのかわり街や自然の音、聞きたくはない車やバイクの音をもっと聞くだろう。そうだ、励ましあいの声が聞こえるかもしれない。

いつだったか、真夏のジョギングをへとへとになりながらしていたら、見知らぬサイクリストの女性が「ファイト!」と声を掛けてくれた。わたしは手を上げた。頑張ろうと思った。女性のひと言には実に弱いのである。今度はわたしが、同じことを見知らぬジョガーにするのだろうか。

自転車に乗らないとき、自転車はどこに置くだろうか。伝聞だがある同僚は、自転車を壁にかけているという。大事にしている。外に置き盗まれたくないし、カワイイのかもしれない。そもそもその人の自転車には「スタンド」はないだろうから、外には置けないのかもしれない。

夢であり、現実であり、希望であり、セキュリティであり・・・夢の物語を考えれば、商売の糸口はたくさんある。

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【誰にを決めて、パターンごとに物語を想像する】
マーケティングの王道は結局「誰に」を決めることであり、それがすべてと言って差し支えない。「誰に」が決まれば、その人(層)の夢に最も近い形容詞が決まる。その形容詞に沿う「物語」を想像する。「誰に」と「物語」が複数でもいい。そのときは複数の物語を考えよう。それごとに物語を想像する。そうすればメニューの整理とメリハリが付けやすくなる。

顧客=初級から中級レベル(メインターゲット)
ニーズ=趣味のレベルを深める一方で、誰かのその喜びを語りたい
夢=趣味を同じくする同性や異性を増やしたい(サブ・ターゲット)

売り手としては、メインターゲットに対して商品レベルを上げる一方で、顧客層を拡張するサブターゲットためエントリーモデルを導入する。それが自転車なら、彼女や妻を自転車に乗らせたり、子どもにミニ・バイクを乗らせることである。

【飽きさせない工夫】
どのようにレベルを高めるか、策はいろいろあるが、趣味ビジネスのエッセンスをひと言でいえば「飽きさせない工夫」である。飽きさせないためには、レベルを上げる意欲を持続させることに他ならない。自転車を例にすると、たとえば次のようなメニューがある。

  読者/顧客の体験ブログの活用(リンクを張る)
  ブログのシステムを活用した個客とのコミュニケーション(ブログを媒介にしたやりとり)
  近所のサイクルクラブの紹介
  自転車乗りが罹りやすい病気の健康診断サイトの紹介をする
  読者/顧客サイクリストをライターとして起用する 
  定期的な安全教室を開催する
  無料点検サービス日をもうける

中級から上級者への道ならこんなメニューもいいだろう。

  ロードレース/サイクリング旅行の企画/申し込みあっせん
  鉄人レースへの参加あっせん(自虐的な人向け)
  サイクリング川柳のつどい(あんがいウケると思う)
  Naked Bike Rideイベントへのあっせん(裸自転車大会です。これ違法ですので)

 
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 http://www.worldnakedbikeride.org/

趣味とは人の心を裸にする。今日は以上です。

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