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2007年8月30日 (木)

お客様行動の謎 4.「いらっしゃいませ」で去っていく

みなさんは一日に何回、いらっしゃいませの洗礼を受けるだろうか?

指折り数えて、普通に会社のある駅に着き、コンビニに立ち寄り、2~3度のいらっしゃいませの洗礼を浴びる。ランチにも数度浴びる。スターバックスかタリーズでカフェをすればまた浴びる。夕方にショッピングモールに立ち寄れば、それこそ何十回もいらっしゃいませシャワーを浴びて、家路に着くことになる。

だがそれを浴びて、清らかになっているだろうか?

清らかになってないとすれば、「いらっしゃませ中毒」になるのだが。これだけ浴びてもまだそうはならないところをみると、いらっしゃいませ自体に効果があることを疑ってしまう。むしろすでに「いらっしゃいませ鈍感症」になっていて、聞き過ごしているだけかもしれない。

一日何十回の「いらっしゃいませシャワー」の中で、「ああ、これは良い『いらっしゃませ』だったなぁ」が何度あるだろうか?

 Manekineko103001001  3日連続の猫(笑) 玄関マットです。
 http://www.joaf.co.jp/nobori-new/genkan-mat/genkan-mat-welcome-.html

【お客様に相談室 お客様行動の謎 4.「いらっしゃいませ」で去っていく】
わたしはたくさんのいらっしゃいませシャワーを浴びても、一度も感動する「いらっしゃいませ」に遭わない日がある。むしろ耳障りな、魂こもらず、マニュアルぽい、とって付けたような・・・という苛立ちを隠せないあいさつが多い。むしろ言われないほうが静かでいいのよ。どうしてそれがわかってくれないの?そう言いたい。

たぶんわたしだけではない。ショッピングモールでお客様をぼんやり見ていても、いらっしゃいませという声かけで逃げていくシーンをたくさん目にする。それでも店員は「いらっしゃいませ」を言うのだ。それがマニュアルだからか、手持ちぶさただからか・・・。

【気に障るいらっしゃいませフレーズ】
好き嫌いに個人差があり、特定企業をあげつらうわけではないという前提で、いくつか嫌いな例を挙げよう。

まず「いらっしゃませ」と「こんにちは」のセットが好きになれない。なぜ「いらっしゃませ」だけではダメなのだろうか?あるサイトを読むと、「あなただけへのメッセージ」のために、わざわざ「こんにちは」をつけているという。しかしその場合は、お客様も「こんにちは」と言葉を返さなくてはコミュニケーションにならない。果たしてお客様は「いらっしゃませ」時点でコミュニケーションをとりたいだろうか?

いらっしゃいませの連呼も気になる。店のみんなでお迎えするという意味なのだろうが、違う作業をしていてお客さんの方も向かずに言葉だけ連呼されても、何も嬉しくない。「ありがとうございました!」の連呼にも同じことが言える。

要は空々しいから、いらっしゃいませに心がこもっていないから気に障るのである。お客様はコミュニケーションを取りたいのかといえば、常連かそうでないか、買うのか見るだけかなど、ケースバイケースである。ならば通りすがりにひと言小さな「いらっしゃませ」のひと言ぐらいでいいのに。

接頭語も気になる。「ようこそ○○○○へ」のフレーズは、どうも空々しい感じがしてわたしは好きになれない。「ようこそ」と言われるほど大枚もはたかないし、長時間いるわけでもないのに。

【あいさつにプロフェッショナリズムがない】
なぜ耳障りなのだろうか?それは職業とあいさつが分離してしまったことがあると思う。

わたしの叔父は地方で商売をしている人だったが、その彼が初めて上野アメ横を訪れたとき、あの威勢の良い売り口上に聞き惚れて、その場から立ち去れなかったという話を聞いたことがあった。「まぐろまぐろまぐろまぐろまぐろ・・・・」という連呼で、だんだんと値が下がっていき、底値に達したとき、囲んだお客さんから「買った!」と声が掛かる、あの掛け合いである。

 Matu_20061228_035

この売り手のいらっしゃいには「職業呼吸」ともいうべき、リズムがある。商売に根ざしたいらっしゃいがある。買い手の呼吸がそこに合えば、聞いているお客さんみんなが気持ちがいい。

アメ横まで行かなくとも、(減る一方の)商店街の八百屋や魚屋の「らっしゃいらっしゃいらっしゃいらっしゃ~い!」にも職業呼吸があった。いらっしゃいと商売がしっかり結びついているから、いらっしゃい!のあとに「今日は良いカジキが入ったよ」というお薦めが自然に結びつく。お客さんも「じゃ買おうかしら」と合いの手をつい入れてしまうじゃないですか。

こういう例もある。アメリカでNBAの試合を観ているとピーナツを売りに来る。たいがい黒人だ。彼はこれだけを言う。「ピーナツ!ピーナッツ!」 そしてピーナツを買いたいお客さんが手を挙げると、そこに向かって(バスケットのシュートをするように)ピーナツをポンと投げるのだ。お客さんはそれをキャッチする。そこには言葉は少ないがプロフェッショナルな呼吸がある。

 Nba320 NBAです。

【職業呼吸が失われた】
いらっしゃいませをコミュニケーションとするためには、ここに挙げたようなお客さんとの呼吸がなければならない。それがまったく無いのに、一方的に(マニュアル/教育研修通りに)「いらっしゃませ」を連呼するから、お客様は引くのである。

チェーンオペレーションが増えて、「いらっしゃませ」と言う労働者が経営と分離してしまった。だからあいさつも教育のメニューになった。教育が行き届かないとあいさつが絵空ぽくなるのでお客さんも耳障りになる。こういうことは言えるだろう。

だがいらっしゃいませが一方的になったのは、決して教育の不足だけでないと思う。職業に誇りを持つ労働者が少なくなったということもあるのではないか。お客様のことを考えない店員が多くなったのではないだろうか。だから、職業(商売)ごとに接遇は異なるべきなのに、画一的に「いらっしゃいませ」文化が浸透しすぎている。

いらっしゃいませで引かれるのは、ひとつには職業呼吸が失われたこと。これは経済の潮流で仕方ないとしよう。だがもうひとつ、プロフェッショナル呼吸も失われつつあるのが、サービス業で気にあるところである。

 Arch_2 商売の原点を学ぼう。

【お客様の気持ちを先読み】
すべてはお客様の気持ちを先読みできるかどうかにかかっている。いらっしゃいませを最初のコミュニケーションにしようとするなら、そこに来るお客様の気持ちを考えて工夫をしたい。

本屋ならば静けさとBGMだけでいいので、いらっしゃいませはいっさい不要。焼きたてパン屋ならば「いらっしゃませ!ただいまパン・ドゥ・ミーが焼き上がりました!」。美容室であれば「こんにちは、まず今日は、どんな髪にされたいか、お聞かせいただけますか?がいいかも知れない。今日は以上です。

 Bread_pic03
 

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