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2007年8月28日 (火)

お客様行動の謎 2.奧と眠りのパーソナルスペース

猫はいつでももっとも心地よい場所にいるものだ。

夏は暑さをしのげる冷えた日陰にのたりとのびる。冬はお日様を吸収してポカポカの車のボンネットにちょこんとする。誰に教わることなく、もっとも心地よい居場所を探りあてる。猫はとらわれるものがないから、自分に対していつも自然体なのである。

 File_20061113t154429984 ぽかぽか。  

ところが人間様はそうはゆかない。職業、身なり、所得、体面や世間体、人間関係など、とらわれることばかりだから、ストレートに心地よい場所に行き着けない。まっすぐじゃない。まっすぐじゃないから、その生態を解明するため、遠回りな解釈が必要になる。それがマーケティングというアプローチでもある。

お客様行動の謎と題して書き出した今日は第二回目「2.奧と眠りのパーソナルスペース」(昨日予定したタイトルから変えました)。なぜ人(とくに日本人)は、奧や隅っこが好きなのだろうか?をテーマに。

【お客様に相談室 お客様行動の謎 2.奧と眠りのパーソナルスペース】
あなたはセガフレード・ザネッティ・カフェでどこに座るだろうか?

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セガフレード・カフェといえばオープンカフェである。冬でも店舗を開けはなして、お客さんもコートを羽織りながら座りカフェを飲む。それがこの店のスタイル。

このカフェは他に比べ外国人が多いというイメージがある。たとえば広尾店でも末広町店でも(いずれも外国人が多い場所ではあるが)その通りであり、そして外国人はおおよそ店頭にせり出した場所に座る。サングラスをかけ、足を組んで座る。暑くても寒くてもそれは変わらない。

 Ucw111 これが同店の標準形。

それがまた(癪だが)サマになっているのだ。お店を額縁にはめた絵とすると、絵の構図ができあがっている。カフェのせり出したポジションに座る日本人は少ない。一事が万事と言うつもりはないが、外国人にせり出しが似合い、日本人には奧が似合う。

【欧米の外国人とカフェはよく似合う】
実際にセガフレード広尾店では2階があるが、そこは日本人ばかり。スターバックスやタリーズといったカフェでも、外は外国人(店頭のテーブルで立ってお喋りする人もいますよね)、内は日本人という事情は似ている。日本人で外にいる人は、どうやら喫煙をするからであり、自ら進んでオープンカフェにいるわけではなさそうだ。

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カフェといえばオープン環境が多い、彼ら(欧米)の出身国の習慣からだろうか?それともコミュニケーションの持ち方の違いなのだろうか?他の何かの作用が働いているのだろうか?

余談で、しかもコンプレクスに過ぎないのだが、欧米の外国人とカフェはよく似合う。自分を含めた日本人でサマになる人は少ない。こんなことも何か影響しているのだろうか?

【席が選ばれる因子】
お店の席はもちろん外人・日本人で決まるわけでない。いくつもの因子から、場所の良し悪しが瞬時に判定される。わたしの因子は比較的単純だ。

 タバコ喫い>子供連れ>おばさん団体>おじさん団体>カップル

XXX>の左側が、なるべく近くに座りたくないという劣性順。女性なら寒そう(男性なら暑そう)も気になるし、BGMの場所も気になるかも知れない。従業員動線も因子のひとつだ。連れがあるのかないのか(同性か異性か)、そうしたTPOで違う。

だがわたしもそうだが、みんな奧に行きたがるのだ。TPOもあるけれども、磁石のように、奧や隅が好まれるのは事実である。

【電車では隅に座る】
電車で隅に座るか、中に座るか。コトノハで「電車では隅っこから座る」○か×か、がある。その結果は(予想通り)圧倒的に隅っこから座る、が多い。隅から座る人の主なコメントは次の通り。

「入り口から近いし寄っかかれる」「はじっこが好きなんです」「そうそうそうそう、皆ほっといて^^」「端っこLOVE落ち着くのw」「カド好きなのです」「落ち着く」「隅族」「隅っ子です」「隅が取れなければ見送ることさえある」「パーソナルスペースを守りたい」「真ん中は、なんか申し訳ないような気がするからこっち」「まんなか落ち着かない」「人と接触するの嫌いですから」「寄り掛かりたい」「My指定席」「隅大好きw」

中から座る人は少数派だが、コメントのいくつか。
「隅っこを譲る(ようにしている)」「真ん中」「ガラガラの時はどまんなか」「ど真ん中も好き」「気にしていない」「夏は隅だけど、冬は真ん中」「隅っこのとなり」

  Tube どこから座る?

投票数の差からしてもそうだが、コメントを読めばわたしたちは「端が好き」であることは間違いない。それも実利的な理由があるわけでなく、理由もなく隅が好きというのが大方の気持ちのようだ。

【パーソナルスペース】
ひとつの学説に依ってみよう。「パーソナルスペース」という理論がある。

『人と人との快適距離―パーソナル・スペースとは何か』(渋谷昌三著)は、文化人類学者のエドワード・T・ホールが提唱した、プロクセミックス(proxemics 人と人の距離を研究する学問=近接学)がテーマである。パーソナル・スペースとは「個人空間」であり、人間におけるプロクセミックスが「密接距離」「個体距離」「社会距離」「公衆距離」の四つの段階によって構成されると論じた。

 密接距離:愛しい相手には愛しく、嫌な相手には排除という「エルボー・ディスタンス」
 個体距離:自他を区別し、個人が成立する距離
 社会距離:相手に見つけられるか見つけられないかギリギリの距離
 公衆距離:通りすがりの距離

この理論では人が快適さを維持する、おおよその距離を設定している。有名なのでご存じの方も多い。だから店舗や公共空間の設計に応用もされている。

この理論の個人的な応用だが、人の距離感は変化するのだと思う。店舗へ入るまでは公衆距離(5m超)を保ち、席を選ぶ(案内される)ときには社会距離(2m)に気をつけ、座るときには個体距離(75cm)の間隔をチェックする。密接距離までの「時間距離」をいかに測り縮めるか?女性とのこの間隔はしぶとく考え抜きます(笑)。

密接は熱いカップルにまかせて、レストランではこのような間合いの取り方というか折り合いの付け方が瞬時にあって、やがて落ち着いて飲食をする。要は猫のマーキングのようなものかしら。
参考サイト http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140016051/daiya0b-22/
参考サイト http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0213.html

【居眠り=パーソナルスペース】
電車の中で居眠りができる日本を見て外国人は、「なんてこの国は平和なんだろう」と言う。だがわたしは居眠りをするのは、むしろ警戒しているからではないかと疑う。

 居眠り=パーソナルスペースづくり、なのである。

日本は世間も職場もストレスの多い社会である。そこからの逃げ場が「奧」や「端」なのではないだろうか。人間関係は見知らぬ公衆距離なのに、電車の中では否応なく個体距離を強いられる。隣の人が居眠りして寄りかかり、エルボーが当たれば、立派な密接距離なのだ。

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 出典 http://halfmoonbay.blog.ocn.ne.jp/mays_cafe/2006/06/index.html

だが幸運なことに、潜在的にストレスフルでも、欧米のような生命の危険は低いので、奥に行くことと眠りのパーソナルスペースづくりが国民性になったのではないか。今日は以上です。

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