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2007年8月29日 (水)

お客様行動の謎 3.マーキング行動

昨日(2007年8月28日)から少し涼しくなり、ほっとひと息つけました。わたしの老婆も言っておりましたが、昔は30度と言えば猛暑、それが今や40度だからね、と。毎年暑くなる地球を思うと、個人の小さな行動の積み重ねが必要なことは明白です。わたしもエコバッグを買い求めて使いだしました。

小さな行動といえば、こうして(ほぼ)毎日マーケティングのことを考えるのも小さな行動です。しかしそれを見ていて(読んでいて)くださる方もいるもので、今日はある件で取材も受けました。お世話になりました。また別の会社から拙文のお申し出も頂きました。ご縁を大切にしたいと思います。

ブログを書くというのは、たとえれば、ウェブの世界にマーキングを残すことでもあります。個人の思いを文に書いたり写したり絵に描く。無限大のネット空間のどこかにそれが残る。ちょうど猫のマーキングのように「わたしはこれが好き!」という「URLの道しるべ」。それが巡り合わせで誰かに伝わる。マーキングとマーキングが出会う。力が生まれる。

さてお客様行動の謎と題して書き出した今週の「お客様に相談室」は三回目。お客様の行動はマーキングに似ている、ということを考えたい。

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   わたしの買ったスーザン・ベルのエコバッグカラー

【お客様に相談室 お客様行動の謎 3.マーキング行動】
マーキングといえば猫や犬がおしっこを電柱や壁に引っかけたりするアレである。飼い猫は家の中のあらぬ場所におしっこもする。おしっこ以外にひっかく行為もそれだとされる。

 Tora_chibi0306  おっと後ろに。
 引用元 http://tabineko.seesaa.net/archives/200605-1.html

マーキングは動物に備わる本能的な縄張り宣言行動である。だが近頃の室内犬や室内猫(という言い方はなぜかしない)は、室内で飼育されるため、屋外を縄張りとは思わないそうだ。散歩に出た犬はすでに他の犬がひっかけた後の電信柱にさらにオミマイするのだから、それは縄張り宣言ではなく、他の犬への伝言板なのだという。「今日オレはここを通った」「うん、わかったよ、わたしも通ったよ」という「かけ合い」なのだ。

マーキングには「縄張り」と「伝言板機能」がある。

【マーキングは変化の後に】
マーキング行動の本質は「変化に対応して本能的にやる」ものである。縁があってその家に飼われたときが最初の変化で、まず実施検分をしてオミマイをする。躾けがしっかりなされるか、あるいは飼い主が諦めたとき、マーキング行動は落ち着く。だが何らかの変化が訪れたとき、新たなマーキング行動が表れる。たとえば次のようなもの(カッコ内は例)。

 ・同居猫の階級の変化(子猫が生まれた、新しい猫がきた)
 ・同居人間の変化(カレシが居候し始めた、子供が生まれた)
 ・新しい家具などの購入や間取りの変化(ひっかき甲斐のあるソファ)
 ・猫用の家具の購入や間取りの変化(キャットタワーの新規導入)
 ・部屋の匂いが変わる(普段と違うカノジョの異なる香水)

身のまわりの変化に応じて、新たにマーキングをオミマイする。だから「最近、ウチの猫ちゃん、オミマイするの。ちゃんと躾けしたつもりだったのに・・・」と嘆くのは筋違いかもしれない。猫ちゃんは変化に対処しているだけで、いずれ落ち着くのである。
この項の参考&参照サイト http://www.arks.com/arks/kankeigaku.html

【ホモ・コンシューマのマーキング行動】
ホモ・コンシューマ(買い物人)もまたマーキングをする。すべてのホモ・コンシューマがするかどうか断定はできないが、つぶさに店舗観察をすると、大なり小なりしている。

流通業で聞いた話。何も買わないのに毎日のように来店し、特定のフロアを一周するお客様がいるそうだ。ふ~んと興味を惹かれて尋ねた。「どんな人ですか?」「たいがいはお婆ちゃんですね」。その店舗の顧客が高齢化しているせいもあるので、クラスタでの特定は要調査。しかし何気にお客を観察すると、かなり共通項はある。
 
 ・ショルダーベーコンのパックを親指で押す(atスーパー)
 ・無料の脂身を指で潰す(atスーパー)
 ・手に取った缶コーヒーをシェイクする(atコンビニ)
 ・カシミヤのマフラーをつまむ(at衣料量販店)

買わないのにその売場/通路を通るなど、ホモ・コンシューマは無意識・有意識のうちに、さまざまなマーキングをしている。もちろん価格が安くなっていないだろうか?品揃えや在庫が減っているだろうか?といった実利的なチェックもあるが・・・。

【わたしのマーキング】
ひとつ白状しよう。わたしはある品(ワイシャツだっただろうか)が誰かに買われないように、ゴンドラの台の奧にぐぃっと入れて隠したことがある。「オレのだから買うなよ」という排他的な縄張り行動である。これは立派なマーキングである。でも他のフロアに寄ったあと戻って、買ったので許してほしい。

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店舗の配置換えや商品入れ替え、季節の変わり目のバーゲン、店舗のリニューアルなどは、いずれもマーキングを誘発する。店側の都合でやっていることだが、消費者は自分の縄張りが変わったとき、つぶさに何がどう変わったかマーキングするのだ

【マーキング行動を追尾する】
逆に言えば、ホモ・コンシューマのマーキング行動を誘発するような店作り、カテゴリーづくり、棚づくりをする必要がある。新製品導入という視点だけでなく、ホモ・コンシューマのマーキング行動パターンを研究してみてはどうだだろうか?

それに取り組める商品化はすでになされている。大日本印刷が開発した「ICタグ商品棚システム」はICタグを活用して、『来店客が陳列された商品を手に取る回数など、POS データでは把握できない購買前の情報を分析できるとともに、手に取った商品の情報を提供することもできる』仕組みである。
引用元  http://japan.internet.com/wmnews/20060913/5.html

   060912_1 詳しくは問い合わせされたい。  

こうしたシステムでのデータ分析と、店内顧客観察を合わせることにより、お客様の恥ずかしいマーキング行動がアカラサマになる。ここまでやると高コストと思われるなら、お客様に失礼にならないように、お客様を追尾して「棚別のオミマイ」を観察するのも明日へのヒントになる。わたしのアドバイスは「勝手にマーキングさせておけ。やがて落ち着く」であるが・・・。今日は以上です。

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コメント

コメントありがとうございます。
誌上?で失礼しますが、ところで最近お元気ですか?
きっと飽きていらっしゃることだと思います。
もうちょっと頑張ってくださいね。わたしも頑張ります。

投稿: 郷/Marketing-brain | 2007年9月 1日 (土) 21時23分

連日の猫画像、癒されます。

我が家のねこちゃんも、
>同居猫の階級の変化(子猫が生まれた、新しい猫がきた)
があったようで、マーキング開始してます。

まさか、そのような日常の光景が
マーケティングにつながるとは・・・

投稿: YUKA | 2007年8月30日 (木) 14時28分

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