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2007年9月21日 (金)

照明と愛 こぼれ話2/2

【“うふふ”マーケティング こぼれ話  照明と愛】 
Philipsの新製品LivingColorsのポイントは「照明からエクスペリエンスへ」だとした(IT media 誠 2007年9月20日『LivingColors 新・照明体験』参照)。だがエクスペリエンスというと、ぼんぼりのようで見えるような見えないような、わかるようでわからない。もうちょいと明るくするため、わたしはCMに流れるテーマは「愛のかたち」であると看破して(というほど大げさではないけれど)「ブルーの愛」「パープルの愛」そして「オレンジの愛」と表現した。わたしは色はともかく、背中のくぼみが一番好きだ。

おっと・・・オトコはこれだからダメなのだ。色がカラーではなく「色即是欲」になってしまうから。

そこへゆくとオンナは違う。ソコのあたりを、ちょうど間接照明のように、やわらかくムーディに包みこむ術にたけている。ぼんやりの間接照明に包まれて、ソファにゆったり座り、のんびりとワインでも飲みつつ映画や音楽に興じる。きらきらした瞳に、明かりが映る。ほんのりと上気した頬を照らす。笑顔。そこから愛である。

色愉是欲」とでもいえるだろうか。

オンナは愛の夜長をゆらゆらと伸ばし、一方オトコは愛自体に手を伸ばす。だから照明を語る資格がない。愛の呪縛に囚われ、愛の色を見ようとしないから。

【昔は愛は3色しかなかった】
「明るいナショナル」の時代の蛍光灯に付いていた小さなランプ、「補助灯」とでもいうのかしら?昔の愛の明かりとは、結局あれだったのではないだろうか?ペンダントライトの真ん中にねじ込む小さいランプ。真っ暗だと恐いので、あれを付けて寝たこともあったでしょう。あのちっちゃなランプである。

もう少しさかのぼると、二股電球というものがあった。今20代の人は知らないだろう。紐を引っ張ると大きな電球、次に小さな電球、次いで真っ暗の三段階でパチ、パチ、パチと、点きかたが変わるソケットである。

 Tenji_04
 出典 松下電器博物館 http://panasonic.co.jp/rekishikan/product/product.html 

つまり昔の日本の家には、愛は三段階しかなかった。60W電球で煌々と照らすか(愛は団らん)、小さな電球でぼんやりか(愛はかげろう)、はたまた真っ暗か(愛は手さぐり)。父と母はどれだったのか。

LivingColorsがいかに愛を複雑に、豊かにする可能性を秘めているか、これでわかるだろう。

【機能主義という呪縛】
オトコに照明開発が向いていないもうひとつの理由は、機能への呪縛があるからだ。LED(発光ダイオード)ランプにするメリットには応答時間の早さ、消費電力の小ささ、発熱の少なさ、小型軽量、長寿命、フリーメンテナンス、デザインの自由さなどがある。男はどうしてもここに目を向けがち。だがこれらは呪縛である。

大阪市環境農林水産総合研究所が中心になって実施した「LEDの用途」の調査結果がある。2004~2005年に実施された、ちょっと前の調査である。その報告書の一部を見ると、タテ軸に居室区分(居間、書斎、子供室、応接室、座敷、食堂、台所、寝室、トイレ・・・)があり、ヨコ軸には用途(JIS照明基準値、照明学会基準値、関連要素、LED照明の特徴の利用可能性)となっている。

 Akarimatrix01
 出典 http://www.epcc.pref.osaka.jp/center/etech/led/in/report/LED-150.pdf

交差するポイントにはルクス(照度)や○×△が記されている。機能的にみて○か×か△か・・・。

学会やオトコがかかわると、こういうカチっとした調査結果が生まれる。こういう機能/使用場所マトリクスから導きだされるのは、「照らす」「照度」「安全」「便利」・・・など用途主義の呪縛から逃れられないコチコチになりがち。LEDの普及は、コストから見て、B2Bや高機能ランプ、パブリックファニチャー・・・ですね、といった「堅い提案」になってしまいがちである。

ここからは市場や商品価値を変える商品は生みだされない。(このリサーチの提案を知る立場にないので、ほんとうは違ったのかもしれないので、そこはご勘弁ください)

【物語をつくろう】
たいせつなのは物語をつくることだ。「愛」をテーマをにするなら、たとえばこういうマトリクスはどうだろうか。タテ軸は(100歩ゆずって)「機能」を置く。ヨコ軸には「愛の感性ワード」を入れよう。「思い出」「裏切り」「幸せ」「後悔」「運命」「忘却」・・・・

  Akarimatrix02_2

運命を感じたときの明かり、別れたときのランプ、幸せないっぱいの色、後悔して路上を歩いたときの暗さ・・・・思い出せばさまざまな色や明るさがあった(わたしに余計な質問はしないでほしい)。機能主義の呪縛から逃れるためにも、愛の物語をつくろう。その中で愛を促進させる「ピース」を探る。そのピースをフラットな視点で、商品やサービスに転換する。これが感性から発想である。

だが、たとえ女性であっても、愛の呪縛にとらわれた人がこれをやると、ロクな開発にはならない。

初回の「“うふふ”マーケティング 」は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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