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2007年9月19日 (水)

明るいナショナルからムーディなLEDへ こぼれ話1/2

米国に滞在していた頃、暗かった。

性格ではない(たぶん)。部屋が暗いのだ。室内を明るくできないことにとまどった。

もう10年以上前のこと。住んだのは(会社のご好意に甘えてけっこう高級な)アパートメントであった。その部屋と手配してくれたのは、わたしの勤め先の会社のグループ企業のYUKIさんであった。当時すでに米国歴の長かったYUKIさんが選んだのは、窓から入り江が見えて、その向こうの太平洋に夕陽がどっぷり沈む、すばらしい眺望の部屋だった。

素晴らしい!とつぶやいて、その部屋に足を踏み入れた。1リビングルーム+1ベッドルームで、家具付きではないので、ただ・・・ひたすらだだっぴろい。いや、だだっぴろいのは床だけではなかった。なぜか天井もだだっぴろいのである。

   Parknewport  apartmentの管理棟外観。

【“うふふ”マーケティング こぼれ話 明るいナショナルからLEDへ】
日本のアパートと違うのは、ゆったりとした部屋の広さ、ゴルフのクラブの振れる天井の高さだけでなく、天井に照明用のソケットや金具が見あたらないことだった。天井がつるん、としている。

あれれ?どうやって照明を付けるんだろう。ほどなくその謎は解けた。なぜならそこに照明を付けないから。

米国のアパートメントでは、天井に明かりを付けることはないという。もちろん戸建てのリビングには吊り下げ照明を付けることもある。借りたアパートでは天井はツルンだ。とりあえずYUKIさんから「真っ暗闇では不便でしょうから」と、彼の家で余っていた照明を借り受けた。つましい生活であったのでSearsTargetといったディスカウンターで家財道具を買いそろえたが、真っ先に購入したのは照明器具。日本ではたいてい明るい照明だから、暗い部屋には慣れなかった

買ったのはフロアスタンドのライト。フロアに土台があり、まっすぐ棒が立ち、その先端の笠に白熱球がひとつ付き、天井を照らすタイプである。パチンと点灯をした。照度は目一杯にあげた。あたりが明るくなった。気持ちが落ち着いた。だがひたすら天井を照らしていた。間接照明だから。照明のそばでも小さな英語の文字を読むのはちょいと暗かった。

そもそもお店に直接照明は見あたらかった。米国人は明るいところが苦手なのか(目の色からさもありなん)、間接照明が普通だと思っているのか(部屋のつくりからそれもありなん)。

【日本には明るいナショナルの時代があった。】
懐メロの頃の日本の、このCMソングを覚えていますか?(年齢によっては「知っていますか?」が正しい)
 
 明るいナショナル♪ 明るいナショナル♪
 ラジオ・テレビ 何でもナショナル
 明るいナショナル♪ 明るいナショナル♪
 みんな うち中 な~んでも ナショ~ナ~ル~

あの長寿番組『水戸黄門』『大岡越前』のナショナル劇場のCMである。もちろん提供は松下グループである。昭和30年代から40年代、みんな明るさが欲しかった。暗い家とも暗い道とも暗い街(つまり田舎だ)ともおさらばして、明るい場所(つまり都会だ)が欲しかった。それが高度成長の時代の明かしでもあった。

だからこそ明るさを競って白熱球や蛍光灯が開発され、家々、部屋々々を明るく照らしたのだ。街もネオンで明るくなった。経済成長率のアップと照明の明るさは、正比例していたのではないだろうか(そんな統計はなさそう)。

【Cherryさんの照明へのこだわり】
「Business Media誠への連載の初回は照明について書こうかな」 同僚のCherryさんに言うと、彼女は「わたし、照明って・・・普通のじゃイヤなんです」という。「普通のって・・・天井からぶら下がるようなやつ?」「そうです」「じゃたとえばどういうのが好きなのよ?」と訊くと、彼女のコレクションからLEDキャンドルライト「Candela」を紹介してくれた。

   Top Img01  
   http://www.importshopaqua.com/others/items/CA1001.html

LEDを用いた充電式のライトで、どこにでも運べる優れもの。その機能面の便利さはともかく、わたしが気になったのは「ぼんやり」である。購入者は明るさを求めていない。ぼんやり+ムードの照明なのである。もはや明るさや照明効率をうったえる商品は、若い世代やデザインコンシャスの人々にはまったく見向きもされない。

高度成長が終わり、低成長・成熟の時代に入り、照明への消費者ニーズは変化している。照明で「明るさ」「効率」だけを売るメーカーや売り手は、照明ニーズの変化の中、まっ暗闇にいるのではなないか?

今日は以上です。

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コメント

コメントありがとう。
799円に299円(!)さすがIKEA。
余談ですが、IKEAを何と呼ぶか。日本ではイケアかしら。米では(たいていの人が)アイケアなのよ。
だからわたしてきにはアイケアがしっくりくる。
イケアっていうと、池屋?みたいで、いかにもディスカウンターって感じがしてしまって(笑)。

投稿: 郷/Marketing-brain | 2007年9月21日 (金) 22時33分

どうもピカーっと照らすのが苦手で。
蛍光灯で全部明るくするのはダサすぎると、
彼を批判してしまいました・・・。

ダイニング用のシャンデリアは
昔実家にあったので、なんとなく欲しくなって。
でも、キラキラじゃなく、クールなのが欲しくて。
結果、マットな黒のになりました。
この下で焼肉をすると、油がはねます。

ベッドルームはマカロニサラダに入っている
パスタのような障子のシェードです。
ネコがそれに飛びかかろうとして大変です。

どれもIKEAで買ったのですが、
日本の天井は低いので、コードを最短にしても
頭にぶつかりそうになるのが玉にキズです。

シャンデリアhttp://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/40098207
障子のシェード1
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/90033360
障子のシェード2http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/90103409

投稿: Cherry | 2007年9月21日 (金) 13時20分

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