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2007年9月14日 (金)

顧客参加 5.リボーン エココンシャスな旅

顧客参加というテーマも最終回。「顧客参加」という切り口を、多摩大学総合研究所の松本祐一准教授と北矢行男教授の論考「5つの次元」で見てきた。それは「プロダクトアウト」「マーケットイン」「マーケットアウト」「ソーシャルイン」そしてソーシャルアウトの5つだった。売らんかな主義から、顧客の声を聴き、顧客視点で事業をパラダイムシフト、さらに社会貢献に目覚め・・・というまでが ふつうの企業の行く末である。

だが昨日(2007年9月13日)取り上げたフェリシモと、今日とりあげるリボーンは、そもそもが社会善として事業をするという企業特性がある。それが「ソーシャルアウト」という次元である。ここの次元で企業を創り、事業を創るという営みは崇高である。フェリシモに社員としてジョインしたい女性が全国にはゴマンといると言われるが、消費者は善を良く見ているものだ。

余談だが「美しい国」づくりを唱えて、実は巨額の脱税をしていたと報道されるのではソーシャルとは違う次元にいる。せめて潔く罪を認め、謝罪し、きちんと償うべきだ。国民を裏切った罪は大きい

 Photo去る決意もまた早い。
 http://newtop.s-abe.or.jp/janews/653f6a2969cb60f3300c7f8e3057304456fd300165e5672c3002300d

【お客様に相談室 顧客参加 5.リボーン エココンシャスな旅】
リボーンとは東京都新宿区にある小さな旅行企画会社である。こちらの志はとても大きい。事業理念を抜粋させていただく。

「リボーンREBORN」はエコツーリズムの理念に基づき、21世紀型の新旅行業を目指します。それは循環型社会を形成する役割を担う再生(REBORN)サポートカンパニーともいえます。(中略) 力みすぎないで自然と対峙し、自然を受け入れ、体感し、楽しさ、気持ちよさを味わうことができれば、与えてくれた環境を守っていきたくなるのも自然な流れだと思います。様々なテーマからプログラムを企画し、「エココンシャスな旅」を提供することがリボーンの使命と信じています。
引用元 http://www.earthdaymoney.org/use_dt.php?id=30

同社が言う「エコツーリズム」とは、従来の消費型旅行の延長線上にあるものではなく、その地域の「遺産」を守りながら、持続可能な旅づくりを行う支柱となる地域密着の「再生」がテーマである。そのために同社はリボーンのエコツアー5原則を掲げる。 「少人数制」「優良なガイド」「自然との共生を楽しむことで自然環境を持続的に守りたくなる企画内容」「目的に合った快適かつシンプルな施設・機関利用」そして「地域密着による運営と地域への利益還元」である。

【エココンシャスなツアー】
同社の事業上の理念は「エココンシャス」である。それはエコに寄り添い、エコを意識する、そんな意味だろうか。

リボーンが具体化するエコツアーはまず「エココンシャスな旅」として位置付けています。人々が旅に求めるのはそれぞれの欲求の達成であり、それなくしてストイックな環境保護思想を強要するのは一時的には守れても、継続的、自発的には広がっていくものではありません。
引用元 同上

せっかく旅行に行くのだから、食べたいとか呑みたい、体験したいとか汗を流したい、お土産を買いたい・・・。そういう自然な欲求がある。そういう旅ニーズとエコ理解を両立しませんか、というものである。ではリボーンのエコツアーの事例はどんなものなのだろうか。

  Bus_000 Bus2 こっちはエコバス。   

同社のHP上では「カーボンニュートラルエコツアー北海道(終了)」が載っている。要はガソリン車で移動するのではエコツアーでないではないか。そんな素朴な疑問から始まったのが「てんぷら油バス」のようだ。てんぷら油で走るエコバスを貸し出して、「環境教育」「森づくり1泊2日」「よさこいまつり6泊7日」「都内環境学習」「里山づくり」「オーガニックファーム訪問」などに用いるのである。エコバスであってネコバスぢゃない(余計でした♪)。

  20061230035827 こっちはネコバス。
  ※本文とはあまり関係がありません。

他にも「ドングリ学習」「MOTTAINAI校外学習」など学校とのネットワークツアーもあれば、環境保全型スポーツイベント「北海道森林マラソン・トレイルフェスティバル」「富士山クリーンコンサート」など大規模プロデュースもある。

【こんな事業を誰がやっているのか】
リボーンの起業者は壱岐健一郎さん。近畿日本ツーリストで22年間にわたり企画、営業、添乗員、さらにイベント企画まで手がけ、あのクラブツーリズムにも従事されたという。そのご経歴を見ると、旅行を単なる旅に終わらせず、体験型+環境貢献型のものにするため起業されたようだ。

 Ph01  壱岐さん。

壱岐氏ははインタビューで「エコツーリズム・ネットワーク」というフレーズを口にされている。これは現地の環境系のNPOや行政機関や団体、さらには地域のオジィとかオバァと協力をすることだそうだ。そうすることで、ガイドが案内するだけのツアーからもっと踏み込んだ地域密着のエコツアーができるという。

【エコツアーリポート】
たとえばどのようなエコツアーがあるのか。次の事例は「生け花と自然と国際交流」がテーマのようだ。

 Ikebana13 Ikebana5  
 桑原専慶流生け花グループNZ旅行

3~4人のいけばなの仲間が集まって 海外での交流は出来ないかなと話が発展して始まったのがこのツアー。一昨年の秋、倉敷市の国際交流課に受け入れを問い合わせてもらったところ、2ヵ月後、クライストチャーチ市の生け花団体が受け入れをしてくださるとの回答をうけとる。
写真と文章引用元 http://www.reborn-japan.com/reporthtml/taiken_01.html

生け花からエコへ、という流れは意外性があるが原点は地域間交流、人間交流である。「花を楽しむことと、この地の豊かさと、寛容な人々と共にいられたこと。 今、私達は一杯幸せをもらいました」とリポートにはある。 

【エコツアーサイクル】
こうしてみると、壱岐氏は「エコツアープロデューサー」である。そのプロデュースに顧客が参加する。参加した顧客がこういうエコツアーがほんとうのエコ旅行だと目覚める。そして次は、天ぷらバスのようなツアープロデュースに参画する。

つまりエコ旅行パッケージを作るだけでなく、エコが人を呼び、旅となり、それが地域を活性化させ、エコに配慮した地域振興になる・・・そういう循環型エコツアーサイクルを作っているのである。参加する旅行者は、ツアー客ではあるが、エコツアーサイクルの一環として活動する参加者でもあるのだ。そうした活動の環がひろがり、エコツアーのあり方がもっと地域や自然に共生した姿に変わっていく。

「参加することに意義がある」という揶揄があるが、ここでは正真正銘、参加する人が主役なのである。それをプロデュースされるリボーンという会社は、まさに21世紀型の企業である。

【余談:ありたい社員旅行】
もしもわたしが社員旅行を企画するなら、絶対にエコツアーにする。たいてい社員旅行はハメを外しても外さなくても、どこかに残るグレーなしきたりや上下関係や民族の違いがあって、つらいからだ。つらくない人もいるかも知れないがわたしはつらい。

だが誰もが企業市民という一線で参加するエコツアーなら、その参加行為がエコや地域貢献に通じるなら、いいかなと思う。ふつうの工場見学をしても、エコを考えるきっかけにはならない。工場をエコにするために必死にとりくんでいる姿を学ぶなら別だし、荒廃した自然や汚された環境を見せるなら、ひとりでも社員をエココンシャスにするきっかけになるのではないか。それなら社員旅行もまた社会への貢献となる。

今週もお読みいただき、ほんとうにありがとうございました。いよいよ次週アタマには個人的な「ある記録」が達成されようとしています。とりあえずそこまで頑張ります。

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