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2007年9月12日 (水)

顧客参加 3.ワコール お尻への愛のむち

またしても妙なサイトからのトラックバックがたくさん来そうなタイトルを付けてしまったが、内容は今回のテーマにそって「顧客参加」なので心配しないでほしい。わたしは叩くのも叩かれるのも好きではない。これだけはしっかり書いておきたい。テーマはお尻にムチを打つわけではなく、お尻を美しくするためのマーケティングである。

 Wss ワコール・スタイルサイエンス

【お客様に相談室 顧客参加 3.ワコール お尻への愛のむち】
ようこそ、ワコール「スタイルサイエンス」サイトへ。「トレーニングボトム」を毎日はいて歩いて、一緒にキレイになりましょう。
引用元 http://www.style-science.jp/

このサイトはワコールが「ヒップウォーカー」「スタイルアップパンツ」「おなかウォーカー」などトレーニングボトムと呼ぶスタイル矯正のボトムインナー商品を広告・宣伝・拡販するだけでなく、「持続的に利用を促進する」サイトなのである。そのサイトのトップのスローガンが「一緒にキレイになりましょう」なのである。

 Photo  TOPページ

【スタスタ部】
ワコールのトレーニングボトム「スタイルサイエンス」シリーズは、2005年6月の第1号製品を発売していらい累計450万枚を販売している大ヒット商品である。商品に自信のあるワコールは、使ってもらえれば良さがわかる、さらに継続してもらえば効果が出るという思いから、スタスタ部と呼ぶスタイルサイエンス公式サイトをたてた。

購入者を「スタスタ部」と呼ぶウェブサイトを使った利用促進活動に勧誘。30日間着用し続けるよう励まし、着用後の効果を告白してもらっているのだ。「部活」という体裁を採ったのは、シェイプアップに気軽に取り組んでもらい、購入者同士で和気あいあいと励まし合ってもらいたいからである。
引用元 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070320/121415/

ダイエット食品にしろエクササイズにしろ自転車乗りにしろ、効果を出すには継続である。継続されなければ効果も出ないし再購入につながらない。身体関連商品をつくるメーカーにはここが生命線である。スタイルサイエンスの場合、最低でも週5日着用し、1日6千歩を達成してもらわなければならないという。そこで顧客コミュニケーション推進室長の大藪さんは専用サイトをつくり販促を実施することにした。飽きさせないコンテンツにするため「部活」という切り口を考え、入部してトレーニングに励もう!ということで「スタスタ部」をつくった。

 Photo_2  大藪範子室長

【愛すべきナマケ者たち】
部員登録をして、毎日歩いた歩数や体重、体脂肪を入力。2日さぼるとメールが飛んできて「愛ムチスト」が怒るという仕掛けなっている。そのムチストのメールはパターンがいくつもあるらしい。「ぶたれたい?」というのはないだろうけれど、美への道はけわしい。

  Gdc595_lst  Eq0822_lst  Gdc591_lst 最近は男性用もある。 

スタスタサイトは累計450万枚販売を記念してサイトをリニューアル強化した。そのポイントは次の通り。

愛のムチプログラム:「1度卒業しちゃったけど、またチャレンジしたい」、「リタイア or タイムオーバーしちゃったけど、今度こそ1ヶ月はき続けたい!」 という声に応えて、もう一度チャレンジボタンでリセット、再挑戦ができる。
・読み物コンテンツ:「キレイを学ぼう」「上流下着のつどい」などの読み物
・携帯版:携帯でも登録だけでなく商品購入も可能である。

プログラム達成者数は累計8,768人(2007年9月12日現在)、登録者数は1万数千名とみられるから、恐らく6割ぐらいの達成率だろうか。達成者の言葉をみると「夏の暑さにまけてついついビールに手が・・・」「はいているのが、普通で、はいていないと気持ち悪い気がする」「太らなくなったし、周りから背筋がピンとしていてかっこいいって言ってもらったり」と上々である。

  02 達成者の声。

【成功体験を売る仕組み】
このスタスタ部というワコールの顧客コミュニケーションをまとめてみよう。

 ◆ 商品を買って終わりでなく、買ってからが始まり
 ◆ 部活という一緒にがんばろう!という雰囲気づくり
 ◆ 歩いた歩数や体重、体脂肪の記録は個人日記になります
 ◆ がんばりの情報交換をすれば、部員限定のSNSとして機能する

個人的にがっかりするのは、きゅっと引き締まったお尻にパンツスーツで颯爽と歩くお姉さんが、あんがいガニ股で歩いているのを見るときである。それはさておき参加者の意識を仮説(想像)した。

 ● ひとりでがんばるのはつらい、だが知人と一緒にがんばるのは恥ずかしい
 ● ネット上でハンドルネーム登録なら、匿名性が確保されるので・・・やってみるか
 ● 卒部者のコメントを読むと・・・メーカーに良いことばかりでないから信用できそう
 ● わたしの履いている製品、歩き方・・・これで効果がでるのかしら?

部活だから疑問には部長が答えてくれる。顧客と製造元という関係ではなく、部長と部員という関係なのだから。ワコールの顧客参加の考え方はここに凝縮されている。それは商品を売りこむのではなく、美しい下半身という成功体験をいっしょにつくろうという仕組みである。顧客を主体的に参加させるために、商品の本質的な価値をアフターセールスで強化した、見事なマーケットアウト事例。今日は以上です。

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