Video Logo /“うふふ”マーケティング こぼれ話
またしてもドジをしてしまった。
Busines Media誠に書いたテーマ「Anne's fitting show」で、わたし自身がホログラムのように新宿をさまよってしまった。新宿高島屋で行われた「The view of UNTITLED」のイベントをこの目で観よう、錯視はしないぞ!と意気込んで出かけた。1階コンコースの柱にはたくさんの杏さんがいる。おぉ!ここだ。やってるぞ。
と、高島屋の入口の前につくと。黒いイベント小屋のようなボックスがある。「The View of UNTITLED」とある。ここだ。間違いない。だが・・・なぜか真っ暗なのである。何もやっていない。しかもkeep outの柵さえある。パンフレットを配布する什器はあった。ポスターもあった。よく見ると・・・。
あらら。今日は20日、イベント初日は21日。わたしは開始の前日に行ってしまったのだった。
【Video Logo /“うふふ”マーケティング こぼれ話 】
知る人ぞ知る・・・わたしはドジ多き男なのである。むかし「ドジ踏み」と呼ばれたことがあった(本名よしふみ)。イベント前日という、自己脳内ホログラフィのエジキになったわたしは、めげずにその翌日新宿に行き、杏さんの幻を堪能した。
広告もファッションもうつろうものだから、ホログラフィックな仕掛けがよく似合う。広告はネオンサインの昔から、電磁石の反転式のボード(パラバラ・・・と黒と白が入れ替わるもの)、そして屋外の大画面まで、目立たせるために、その情報量を加速度的に増加させてきた。
広告はそれでよい。だが企業ロゴがうつろうのはどうなのだろうか?デンマークのデジタル広告制作会社viZooは、Free Format以外に「Video Logo(ビデオロゴ)」というサービスも展開している。それは「動く企業ロゴ」なのである。
【企業ロゴが動く】
viZooのHPにいくつかショウケースがある、「MTV/music television(音楽ビデオがMTVの文字の背景にうつろう)」「vodafone(サッカーシーンが躍動する)」「Lexus IS (燃えるゴールドのイメージがスピード感を誘う)」などが掲載されている。ビデオコンテンツは、企業やブランドを反映してそれぞれ特徴がある。
Video Logo(TM)
このサイトに事例がたくさんある。http://www.videologo.us/showroom/showroom.htm
従来のピカピカ光るネオン広告や、ボード系のサイン広告とはまったく異なるリアルさがある。店舗のVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)という概念とも違う。装飾というよりも、観る人にロゴが語りかけてくるような感じがする。
もちろんVideo Logoは表示デバイスが無ければ動かない。今の技術では電子ポスターでというわけにはゆかないだろう。カンバンや店内に装置を付けなくてはならない。だからサイン広告の一種ではある。
【企業ロゴとは何?】
ほんらい企業ロゴとは「しっかり」と消費者にイメージをもたせて、記憶させ、潜在意識に定着させるものであった。店頭で商品を手に取るとき、ステータスや信頼や安心やコストパフォーマンスの「堅い約束」があったはずだ。
だがVideo Logoは違う。SONYウォークマンなら、ロゴが歩いてどこかに去ってしまうなんていい。エビスビールならロゴから旨そうな泡があふれて出てくる。ハーゲンダッツならスプーンでロゴがだんだんとスクープされて、最後には消えてしまうなんて良さそうだ。
とすると、ビデオロゴにしやすい会社、なりにくい会社がありそうだ。スターバックスのロゴが、いつも豆が挽かれていてガァ~っと音をたてていてほしくない。日立グループ連結何百社のロゴの幹が、ずずず・・・と集まって「この木何の木♪木になる♪木になる・・・」というサウンドが流れるのでは、いつもで耳につくので。
【勝手にアドバイス】
企業名を絶えず動かし、見る人を、また見る時間帯により、イメージを絶えず変化させる。そうなると企業ロゴは、あいまいなコーポレイト・イメージ表現ではなく、もっと具体的なコーポレート・メッセージの表現媒体となる。
1990年前半のバブル期にCI(コーポレイト・アイデンティティ)と称され、企業ロゴづくりに何千万円も投下された信じられない時代があった。あそこにもどってはならない。企業なぞ、収益性が低下すれば無形資産も有形資産も帳簿価値が下がる。不祥事があればゼロになる。企業イメージなぞうつろいやすくモロいものだ。Video Logoの根底には、そんな冷めた視点があるのかもしれない。今日は以上です。
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