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2007年10月10日 (水)

4人なのか6人なのか、それが問題だ。マークX ZiO

吾国内新車販売台数は1990年の777万台をピークに、今年2007年は530万台と予想されている。ざっと3割以上縮小する見通しである。90年と言えばバブル真っ盛りの頃で、ゲタ履きでベンツを買いに来る客がいたとか、ずいぶんと高額のクルマもキャッシュで売れた。

あの時とは違うよ・・・それは確かだが景気が良いと言われる07年もミニバブルである。だが今回のバブルでは車はさっぱりなのだ。もはや成熟商品であり、軽自動車や高級車は売れても、中型車は売れ行きが悪い

そんな背景のさなか、トヨタが中型車の主力ブランド『マークX』に投入した新車、『マークX ZiO(ジオ) 』がとても気になった。欲しい、というわけではなく、この車の広告が気になったのだ。この車、何人乗りなのか?」

【勝手にアドバイス Vol.255 4人なのか6人なのか、それが問題だ。マークX ZiO】
なぜ「何人乗りなのか?」という疑問が湧くか。その理由は、トヨタが広告でそのことを(たぶん)ワザとあいまいにしているからだ。ほら、この写真では4人乗り・・・でしょ?

 Photo

「ワゴンより贅沢に」「ミニバンより優雅に」「セダンより自由に」というキャッチが示すこの写真では4人乗り。トヨタでは「独立4座」という洒落た表現をしている。ひとりひとりのスペースが贅沢に見える。前後のスペースは、クラスが上のクラウンより広いのだ。だがこの車は6人乗りである(2列目のシート形状により7名乗り)。

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 ミニバンモード(わざと見えにくく?)  

外観は、6/7人乗りには見えない(見せない)スタイリッシュなデザインである。これをあなたは便利といいますか?それとも潔くないといいますか?

【乗車人数はぶれる】
マークX ZiOのウェブサイト広告も「人数」はあいまいである。「星空研究会 X-Seater」という告知をして、動画広告を展開中。40代後半ぐらいの男性4人が出てくる。学生時代に星空研究会をつくっていた。彼らはそれぞれにロマンチストである。久しぶりに4人がそろって星空を研究することになったが、ほんとうに星が好きな人、星が好きなのを口実にする人などが混じっていることがわかった。

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そこへ、4人に共通する学生時代のマドンナ、上杉かおるから一通の手紙が届いた。「まだ活動していますか?清里の流星群を観にきてください・・・」

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今は第2作目配信中。この一枚のハガキがそれぞれの流れ星を思い起こさせる。「かおるさんは、実はオレを一番好きだった」という、星空のような妄想にみんな取り憑かれているのだ。いいなあ、わかるよ、男は妄想好きなのよ。原作は弘兼憲史さんなので男の機微をずんと突いている。でもこの物語でも乗車人数は微妙である。

【団塊世代=欲張り物欲世代】
実は、消費者自身も何人乗せるべきか、揺れている。この車は40代から60歳ぐらいがメインターゲットだが、子供が自立して乗せる必要がなくなりつつある世代。でもたまには子供を乗せたり、テニスクラブの仲間を乗せることはある。確かにそういうときは3列が便利である。

そろそろ自由になるから、スポーツカーに乗りたい。でも現実的となると踏み切れない。だけどカッコ悪い車に乗りたくない。時々娘もくるし、ゴルフにもゆく。そうだ、オレはもう一度星空を観るというあのときに目覚めたい。なら6人乗りも荷室も広い方がいいな・・・。アンビバレントな欲求。

こうした一貫性の少ない「あれもこれも欲張り」な物欲丸出しが、大量消費時代の申し子たる団塊世代の特徴である。それに合わせて商品化したのがZiOだと思う。トヨタは「提案型商品」と言うが、わたしから見れば「ニーズすり寄り型商品」である。デザインは悪くないが、潔ぎよさが感じられない。

【マークⅡの終焉で消えたもの】
マークXの前身の車は「マークⅡ」という車。もともとはコロナ・マークⅡと言われ、ファミリーカーのコロナと高級車のクラウンの間を埋める車格で、1968年の登場以来ベストセラーを続けてきた。

  200pxcorona_mark2_1st  初代マークⅡ(よく覚えています)

若い頃はカローラで車入門、そろそろマークⅡ、いつかはクラウン。社会階級と収入と車のレベルアップが一致しているのが、自動車メーカーの商品開発前提であった。それが機能しずらくなったのは、あのバブルの1990年が境だと思う。
 
  200pxx801990  マークⅡといえばこれ(1990年/バブル年モデル)

マークⅡBLITというワゴンを最後に2007年6月に生産終了し「X」になった。これはユーザーがトヨタ車のブランドと共に成長するという方程式の終焉でもあった。それ以来、ユーザーの嗜好は収入とも社会階層ともリンクしなくなってしまった。

【勝手にアドバイス】
自動車への消費者の思いが薄れた、自動車以外にお金を使うようになった・・・と言われるが、大きな視点から観れば、消費者は賢く正しい方向に動いている。

今どきは「エコ車」か「趣味車」しか売れない。それは成熟した市場のあり方であり、正常な(マイナス)成長でもある。いつの時代でもマーケットは先行するものだが、自動車業界は巨大な市場と供給機構ゆえに、ユーザーの先行性に著しく遅行しているだけなのである。変化に合わせるのではなく、変化を先取りするのがメーカーの役割なのに・・・。今日は以上です。

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 こういう発想は好き(HONDA PUYO 柔らか燃料電池車)

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