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2007年10月の31件の記事

2007年10月31日 (水)

5本のペンによるノーベル文学賞へのオマージュ

「私ね、病気なんです」
八月に自宅にお邪魔し、翻訳のことなどを話した後で、もうそろそろお暇しようと腰を上げたところで、突然レッシング氏は言った。
「えっ!また何か?」と私(翻訳者) -中略-
「いえ、いつも何か書いていないと駄目なんですよ。書きたくって書きたくって仕方がないんですよ。だからはっきり言って、これはもう病気ですよね」

 『ドリス・レッシングの珠玉短編集』 あと書きより ドリス・レッシング著 英宝社

今年のノーベル文学賞は英国のドリス・レッシング氏が受賞した。日本ではさっぱり知名度がなく(翻訳も1冊のみ)、受賞ニュースにも「誰?」という感じで話題にもならなかった。だがこの短編集を読むと、タイトルの『珠玉の・・・』という形容詞はダテではなく、男と女の機微が微笑ましくも残酷に描かれている

女史は1919年生まれだから今年で88歳である。「書きたくって・・・」という発言は97年なので、78歳の頃だ。その書くことへの愛情、凄い。

【勝手にアドバイス Vol.268 5本のペンによるノーベル文学賞へのオマージュ】
ノーベル文学賞がらみで、こんな記事を見つけた。以下拙訳です。

「手書きの文字がロマンチシズムと温かさをもたらす力がある」というムナーリ(建築家/デザイナー)の信念に着想を得たのがこのプロジェクトである。デザイナーたちはどのノーベル賞作家を選んでもいいという条件で、その作家のイメージのペンをデザインした。それは作家たちの生涯と業績が凝縮した、24金と純銀の5本のペンとなった。
出典 http://www.designboom.com/weblog/index.php

 Pens

5人の偉大なノーベル賞受賞者とは、naguib mahfouz(エジプト人作家)、『ビラヴド』で知られるtoni morrison(アメリカ人作家)、wole soyinka(ナイジェリア人作家)、jose saramago(ポルトガル人作家)、『ハーツォグ』で知られるsaul bellow(カナダ人作家)である。それぞれのペンのデザインは日本からは建築家の伊藤豊雄氏(naguib mahfouzのペン=一番左)、言いだしっぺのクレト・ムナーリ氏は真ん中のペン(wole soyinka)をデザインしたそうだ。実はペンのそれぞれにウンチクがある。

5pens03  
クレト・ムナーリ氏の作品

このデザインのモチーフの作家は、ナイジェリアの内戦時代に逮捕され、2年間独房に閉じ込められていた経歴を持つ。キャップのデザインに注目しよう。「灯台」のイメージなのだが、幽閉された作家が独房から世界を照らす、そういうメタファが灯台型のキャップだそうだ。不撓不屈をめざす人向け

 5pens04

これはjose saramago氏の「書(カリグラフィ)」に関する小説へのオマージュで、胸に挿すホルダー部がねじれたところが“漢字”のイメージである。本体のデザインも「」のイメージだと思われる。書道家向け?

 5pens05  
 ソール・ベロウ氏へのオマージュ

一番右のデザイナーoscar tusquets blanca氏は建築家。このペンの紅い色は「情熱」を表し、作品『ハーツォグ』での主張、まっすぐに生きる価値だという。それゆえに、キャップのホルダー部の赤い点は「」のデザインだそうだ。情熱的に燃えたい人はこのペンを買うべきだろう。

これを持てばノーベル賞作家にあやかれるかどうかわからないが、せっかく大枚をはたいて万年筆を買うのであれば、作家にちなんだペンもいい。わたしも拙文が少しでも上達するだろうか。価格は600-690米ドル(72000円~83000円)。これで高いなら同じデザインでボールペンもある。550-640米ドル(66000円~77000円).。

【ペンの紹介をしなかったお二人は・・・】
伊藤豊雄氏は日本を代表する建築家のひとり。銀座のオシャレなビルの作品もある。
 
   Photo  3_toyoo_ito  

alessandro mendiniはキッチン器具などのデザイナー。
   Picture_mendini001b  Picture_mendini004a 
   ワインオープナー   これも
   http://www.rakuten.ne.jp/gold/nuts-alessi/designer_mendini.html

【ムナーリ氏の想い】
5つのペンをデザイン化&商品化したクレト・ムナーリ氏は、1985年に世界中の20名のデザイナー、建築家らを集めて工房をつくり、建築だけではなく、食器や時計、ジュエリー、家具などをデザインしてきた。多様な力を合わせるのが得意のようだ。5Pensに寄せるメッセージを拙訳した。

 私達の‘生’の個性は、一枚の紙の上のインキの軌跡に、映し出されます。
 
手書きのラインがペン先の個性をなぞらえて。

手書きこそ世界を創る、彼はそう言う。キーボードでも世界が創れないことはないが、キーボードの素には手がある。手の内には、情熱を伝える筆記具がふさわしい。だからこそノーベル賞に冠たる作家へのオマージュとなったのではないだろうか。

【勝手にアドバイス】
文具にこだわりすぎる人の仕事は、中身がさっぱりだが、文具にまったくこだわらない人の仕事は、逆にさっぱりしすぎていると思う。

たかが文具(100円からありますよね)、されど文具(ペン一本でも数万円)。奥が深いのが文具だが、ドリスさんに倣って、どんな手や筆であっても書くことは続けたいと思う。明日(2007年11月1日)のビジネスメディア誠連載でのわたしのテーマは“文具”です。今日は先行した“こぼれ話”を書きました。今日は以上です。

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2007年10月30日 (火)

開襟オヤジよりアメリカン・ネクタイ

日本人と韓国人を探したければ、ネクタイをしている奴を探せ」 

昔、シンガポールあたりでそう言われたような気がする。クソ熱い地域でも律儀にネクタイをするビジネスマンは、世界中探してもその2カ国以外にはいないという理由からだ。ジャポネががんばってネクタイをするのは、きっとシンガポールだけではないだろう。

だが昨年あたりから本格的にCool Bizが普及し、今年は気候がCoolになってきてもずっとノータイの人を見かけるようになってきた。夕刻、オフィスから一歩出るとネクタイを外す人の姿も見る。こんな状況が続けば、ネクタイ業界はいよい淘汰か・・・と思っていたら、アメリカからヤンキーなネクタイ業者がやってきた。

       Ws215577 ギターではなくネクタイです。

【勝手にアドバイス Vol.267 開襟オヤジよりアメリカン・ネクタイ】
米ロビンが閉鎖的なネクタイ業界を変える。ネクタイのスーパーサイトを開設 
-これからは職業・シーズンに応じてネクタイを選ぶ時代-
米イングリッシュロビンはこのほど日本の消費者に向けた
ネクタイのサイトを開設した。ネクタイジャパンというこのサイトは、2年をかけてアジア地域で最大級となるオンラインネクタイストアを目指すことを明らかにした。
出典 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000000408.html

     Ws229345 Ws215573  Ws218037 どれも・・・。   

こんな謳い文句で通販サイトを立ち上げたのがイングリッシュ・ロビンという商社である。サイトにはぐっとくるネクタイもあるが、正直言って日本人離れした趣味も数多く陳列されている。いわゆる「アメリカン・テイスト」である。もちろん蓼(たで)食う虫も好き好きというから、人のチョイスには文句はつけない。

【アメリカン・テイストが日本のTPOにハマるのか?】
前職でしばらく米国に駐在していたころ、同僚兼わたしの英語の先生だったスタンのネクタイは、実にアメリカンだった。ちょうど今どきなら、彼の胸にはきっと黒地にオレンジ色の蝙蝠(コウモリ)が散っているだろう。南カリフォルニアのオフィスでは、蝙蝠もかぼちゃもまったく気にならなかった。むしろ日本人の地味なネクタイがカリフォルニアに合わず、なんだかなぁ・・・と思った。

だからイングリッシュ・ロビンのテイストも、いずれパーティや会合から日本でも流行りそうだ、とは思う。

ポイントは、同ネクタイ販売サイトを運営する企業、イングリッシュ・ロビンの社長タイイチ・フォックス氏が語るように、「温暖化の影響で、ノーネクタイの習慣は間違いなく普及するが、智恵次第ではネクタイ業界は生き残れる」という点だ。日常のビジネスからネクタイは徐々に姿を消してゆくのは間違いない。それを指をくわえて待っているのではなく、TPOでネクタイを生き残らせるために需要開拓をすべきだ、という主張である。確かにそれは正しい。

     Ws226258     Ws215584  それにしても・・・・。

【日本の雄、三松商事では】
日本の業界も何年も前からノーネクタイ・トレンドに抗い、また活路を関連商品に見出してきた。ネクタイ業界の雄、三松商事における戦いがその典型であろう。

たとえば月替わりネクタイの提案、タイハングという結び不要ネクタイ、携帯用ネクタイケース、ネクタイ生地をあしらったボタンカバーなどは、ネクタイがらみの商品開発である。ネクタイにiPodを入れるという発想で話題になった『アイポケット/iPocket』という商品まで開発した。これは「ネクタイ多様化」戦略。

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  タイハング    iPodを入れます。  

コム・サ・デモード・メン、ケイタマルヤマのブランドの扇子の販売やブリキのおもちゃの取扱い、宝石地球儀(地球儀に宝石がちりばめられている)などは「脱・ネクタイ専業路線」である。なにしろ、36歳の小堀社長の理念は『継続は悪、変化は善』である。業績は40億円を越えていた2002年から2005年には約32億円となりながらも、商品ラインの拡充と利益確保にまい進している。

1991年には年間5600万本のネクタイが売れたが、今年あたりは3000万本程度に縮小が見込まれている。その中で、新規参入のイングリッシュ・ロビンはTPOという切り口で、ネクタイそのものの需要喚起をする。一方、老舗の三松商事は、ネクタイ比率を下げて生き残りを賭ける。好対照である。

【締まりのない開襟オヤジを量産してほしくない】
個人的にはネクタイは嫌いではない。派手なネクタイが好きだ。エコのためCool Bizには加担するが、暑くてもネクタイはOKである。なぜならノーネクタイだけを推進すると、ますます締まりのない「開襟オヤジ」が量産される。わたしは開襟オヤジよりアメリカンがいい。

結局、ネクタイ、シャツ、スーツ、ネクタイピン、靴、靴下・・・など、たとえドブネズミ・ルックであっても、一連のデザイン・パッケージになっているのだ。それを無視してノーネクタイだけを推進するからいけない。

【勝手にアドバイス】
ファッションは文化である。だからこそ意識改革を経て消費が変わる。この順序なのである。やはり多くのビジネスマンがまだまだファッションに受身過ぎるから、消費が変わらない。ネクタイも、ネクタイ関連需要も伸び悩むのである。

いっそ女子高生に学んではどうか。制服や制鞄という制約の中で、短くしたり、アクセをぶら下げたり、リボンを付け、さらにワザと切ってボロファッションにする。あのファッション陶酔へ執念たるや見事である。だがそれは、スネ毛を見せるとか、スーツにハサミを入れるとかいうことではではないので、くれぐれも。

最後に個人のPRを。NTTドコモの季刊誌『Anywhere/エニウエア』 2007年12月号にわたし(郷好文)のインタビューが掲載されています。テーマは行列マーケティングでした。ドコモさん、ありがとうございました。今日は以上です。

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2007年10月29日 (月)

リーダース・バイオレンス

今日は隔週で まぐまぐ と めろんぱん から発行している『ぷろこんエッセイ
からの転載です。ご購読いただける方は、各誌をクリックしてください。
今日のエッセイは久しぶりに少し辛口です。

  リーダース・バイオレンス

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コンサルタントになりたい人が後を絶たない。

すでにリクナビもエンジャパンもマイナビも「就活2009」まっしぐらである。そこでも
コンサルタント職人気は相変わらず。ロジカル・シンキングを身につけよう、人と
違う志望動機を持とう、コンサルタント会社のインターンシップに参加しよう・・・
こんな案内が花盛りである。

なぜコンサルタントをめざすか、学生の彼らの目に映るコンサルタント職の魅力は
何なのか。クライアントの働きかけで、会社を良くしたり、ヤル気を出していただい
たり、モノやコトを見る目を少しでも変化させることができる仕事である。その魅力
を感じとって、コンサルを志望する人がいることは、良いことだと思う。

そういえば2年前の夏、ある学生インターンの相手を請け負ったことがある。彼は
問題意識の広さ・深さ、着眼点の良さ、そして志の高さといい、とても優れたヤツ
だった。だが遂に当社に入社しなかった。相談役のわたしに何か落ち度があった
のだろうか?この職業のことをかなり正直に話してやったことが影響しただろうか?

理由はヤブの中だが、政治家になって社会に貢献したいといっていた彼は、コン
サルタントになっても成功するだろうと思った。まして若いことは、打算よりも「ある
べき」にまい進できるパワーだせることであり、この職業には有利である。

だが一方で、自戒をこめつつはっきり言うが、コンサルタントに向かないな、
と思う人もいる。それは「オレオレ」である。

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オレオレとは、「オレはコンサルタントだから偉い」「オレはXXXの資格者である」、
こういう態度をとる人である。オレ(アタシもいる)が世界の中心で改善提案を
叫ぶような態度で、お客さまもコンサルタントメンバーにも接する人である。

自信に満ち溢れたオレオレに、リーダーシップ器量という裏づけがあるのなら、
まあ百歩譲って認めよう。それでもメンバーだったら気分は悪いが。カリスマの
オレオレなら、その方針に唯々諾々とついていけばいいので、お客さんもコンサル
メンバーも楽である。

だが悲しいかな、現実にはたいていのオレオレにはその器量はなく、オレオレ
言動しかないのである。しかも言うことはたいてい的ハズレで、押し付けがましく、
無礼で、気恥ずかしい。なのに「従え!」という圧力をかけてくるのでタチが悪い。

幸いなることに当社の事例ではないのだが、わたしの知り合いでコンサルを
している人から、オレオレにまみれた体験談を聞いたことがある。 

          ***********************************

そのXプロジェクトでは、コンサルタント側のリーダーがオレオレだという。

知り合いはそのプロジェクトのメンバーで、当時はまだコンサルタントとして
経験の浅いルーキーだった。だからリーダー氏が「オレの言うことに従え」
「こうやっておけばいいんだよ」「お客なんて、わかってないんだから」という
言葉にちょっと反発をしつつも、「私は経験がないから、コンサルってこういう
ものか」と従順に従っていた。

だが数ヶ月たつ頃、どうも変なのではないかと思いだした。

そのリーダー氏がお客さんメンバー(経理部)にも相当失礼な言い方で話したり
(「これができなくては、経理部は勤まりませんよね」)、仕事の分担をしたにも
関わらず、リーダーだけが出席すればいい会議に、メンバーを8時間も拘束する
段取りの悪さ、メンバーには要求するのに自らはアウトプットが出ない、さらには
教科書からの見え見えの質問をお客さんにたくさんぶつけてばかり・・・。

知り合いばかりではなく、コンサルタント側メンバーが総スカンであり、ついに
お客さんのメンバーさえ「何とかならないの」という形勢になった。

 わたしは聞いた。「そのリーダー氏って、いつもそんな風にオレオレなの?」
 「それが案外従順で、慣れ慣れしい態度なときもあるんです」と知り合い。
 「オレオレに波がある?」
 「そうですね、波というより・・・DVなんです」

その知り合いの分析によると3つのサイクルがある。

 1.暴力の爆発期
 2.ハネムーン期
 3.緊張の蓄積期

1はバイオレンスである。机をバーン!と叩いて「なんでオレの言うことに逆らうん
だぁ!」と怒鳴る。「いい加減にしろよ!」とわめく。その爆発期は短期に終わり、
すぐに2のハネムーン期に入る。「さっきは悪かったね」とばかりに擦り寄ってきて
「手伝おうか」みたいなことを言う。そのヨソヨソしい期間は、平均して数日間続き、
やがて3の緊張の蓄積期に突入する。

蓄積期では、だんだんとイライラを募らせて、時おり手が震えることがあるが、
まだ振り下ろされない。そんな状態が続いて、ある日突然バ~ン!がやってくる。
手が震えるのではなく、机が震える。まさにドメスティック・バイオレンスだ。

   Photo ば~ん!

 「へえ!そんな・・・プロジェクト・バイオレンス!」 わたしはしばし絶句しつつも
 生来のふざけネーミングの癖は止まらない。「PVなんだ!」
 「そうです!DVじゃ家庭ですから、PVですね」とクスリ。
 「でもさ・・・そのリーダー氏って、見た目は温厚だって言ったよね?」
 「普段はナヨっとさえしているように見えるんです。それが・・・暴力沙汰で」
 「DVって、実はマッチョな男がやるんじゃなくて、温厚そうなヤツがやるって
 言うからね」

その後、しばしネーミングを再考してメールをした。

 『プロジェクト・バイオレンスを改め、LV(リーダース・バイオレンス)ってどお?』
 『ぴったりです!LV、いいと思います!』 知り合いからの返信。 
 悪ふざけがつのり、さらに追伸。『LaaSU(ラース)ってどぉ?』
 『何ですか、ラースって?』
 『Leader as a So-Utsu(躁うつ)。SaaS(サース)にひっかけたのよ』
 『ラースという語感はいいですが・・・個人的にはLaaSUよりLVを希望。LaaSU
 だと、加害者に同情的な感じなので。』      
 
          ***********************************

知り合いは苦しんでいるのである。わかるよ、その気持ち。バーン→ヨソヨソ→
イライラのサイクルにいる人がプロジェクトにいる不快感は、経験した人でなく
てはわからない。

非力なわたしには、「LV被害者の会」を組織化し、業界の類似事例を集める
‘LVヘルプデスク’をつくり、「LV対処の巻」を広く頒布するくらいしかないので
ある。とまあ、人の不幸な状態をふざけて受けとめ、笑いとばすのはひとつの
処方せんである。

というのも、ほんとうの処方せんはなかなか切れないからだ。LVにしろLaaSUに
せよ、実は「つける薬はない」。バッサリ言えばコンサルタントに不向きであるから。

          ***********************************

コンサルタントの仕事は断じてオレオレではない。オレの言うことを聞け!などと
いえるのは一握りの超一流のコンサルタントぐらい。いや超一流であればなお
さら「大きな聞く耳」を持っているものである。お客さまを五感の聴診器で察する
ことができるのが一流の証(あかし)である。だからこそ導きがうまいのだ。

自分が聴診器を持っているか、拳をもっているか。就活2009の学生も、中途の
希望者も、(わたしを含め)すでにコンサルタントである人も、常に自問自答しよう。
いつの間にか自分の手が、拳のかたちになっていないだろうか、と。

  Mug1  お茶にも聞く耳を。


今日は以上です。明日はNTT DoCoMoの季刊誌『エニウェア』でわたしが
登場する掲載ページを、PRも兼ねて掲載します。読みでのある季刊誌です。

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2007年10月28日 (日)

アイウェア・オブ・ザ・イヤー2008は技術の結晶

先日オフィスで、同僚Sさんが立ち上がり、うつむいて何かを取ろうとした。その瞬間、わたしは彼を頭の上からのぞくようなかたちになった。Sさんは眼鏡をかけている。何気なく眼鏡のシルエットに目が入った。すると・・・「9.999(フォーナインズ)だ!」と心の中で叫んだ。

 9999_2  独特の形状。 

フォーナインズのフレームは蝶番と智(ち)の形状に独特なデザインがあり、頭を包み込むようなかたちがコンセプトである。さらにパッドにもシリコン素材を使うなど、かける人の目線で純度の高い眼鏡をつくることを社是にする。フォーナインズのことを以前ブログに取り上げたので、その形状をひと目で察した。

「彼って案外にオシャレだね」と同僚のCherryさんに言うと、「奥さんからムダ遣いを厳しく絞られているって言っていたのに、そんな贅沢ができるなんて意外」。2人で陰口をたたいてしまった。すみませんSさん、でも似合っているぜ。

【勝手にアドバイス Vol.266 アイウェア・オブ・ザ・イヤー2008は技術の結晶】
だが今日はフォーナインがテーマではなく、アイウェア・オブ・ザ・イヤー2008で機能・技術部門賞に選出された一品、NICO-DESIGNの「TORNADE」がそれである。

 002_tornade 

超薄型のスティール三層を重ねて、シャープな軽さを見た目にも機能的にも実現させたNICO-DESIGNの「TORNADE」が受賞。100%抗アレルギー素材を使い、リサイクルも可能である。
引用元 http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_942/

IOFT(メガネの国際総合展)のサイトでの紹介もあわせると、このTORNADEメガネは、本体が成型加工(打ち抜きだろうか)した薄い鉄の板を3枚重ねてマイクロリペットで止めた。蝶番も鉄製、テンプルチップにはシリコンを用いてアレルギー対策をした。フレームは鉄ゆえに、リサイクルが可能。

【NICO-DESIGNの「TORNADE」のデザイン】
下の写真から見ると、三層構造はレンズ部だけでなく、テンプル部も同じである。表側と裏側(皮膚側)はフレームの形状であり、真ん中の層にはどうやらスリットが入っている。

 003_tornade 三層

微細な加工とディティールにこだわったデザイン。薄い三枚の鉄の板をリペットで止めるというアイデアもイタリアンテイストがある。普通なら溶接という手段がとられるところだ。こんなデザインは中国製品に求めるまでもないのはもちろん、メガネ産地である福井県の鯖江市のメガネ屋さんからさえ出ないのではないだろうか。

 Tornade  

同展示会では他にもタカノリ ユゲ氏の「フォーク」(バッファローの角を加工)などこだわりのあるメガネが受賞したが、およそ日常には派手すぎるデザインが多い。だがTORNADEは、ぱっと見たところはそれほど珍しい形状をしているわけではない。ギミックさはなく、ちょっと未来風かな?と思う。だが近づいてよく見れば、スリークなデザインには繊細さと大胆さが両立しているのである。イタリアの素材加工技術は凄いという話は聞くが、マイクロリペットでフレーム部品を留めるという精度が素晴らしい。

【NICO-DESIGNは創業20年の会社】
今年で3年連続でアイウェア・オブ・ザ・イヤーTOKYOを受賞したNICO-DESIGNは、1987年創設のイタリア トリノのメガネ専業メーカー。Giovanni Vitaloni氏が起こした自動車部品工場が起源で、もっとデザイン重視のプロダクトを創りたいという志から、メガネフレームカンパニーを創業。創業後15年でイタリア国内で20位以内に食い込み、毎年100モデル以上を発表している。
出典 http://www.nicodesign.it/eng/index.htm

 002

メガネのデザイン、加工だけでなく、素材からの見直しもする。恐らく素材メーカーと共同だろうが、「icelite」と呼ぶ素材まで作り、一般のアセテート素材と同じ加工ができて、それよりも40%も軽い。スチールシートといい軽量化素材といい、前例否定のデザイン発想である。

日本での総代理店は鯖江市のオリエント眼鏡。NICO-DESIGNが気になる人は、こちらに卸し先の店舗を問合せしてもらいたいが、一箇所確認できたのは眼鏡の中村(横浜市中山、鴨居、ららぽーと横浜に店舗あり)である。こちらにはフォーナインズもあるようだ。

 Vanni_pop  NICOのイメージキャラのようだ。

【眼鏡のリサイクル】
TORNADEでもうひとつ気になった点がある。それは「リサイクルが可能」という一文である。フレームはスチール100%だからだろう。普通の眼鏡はチタン合金、アセテート、ニッケルクロム合金、金合金などでつくられており、フレーム自体の素材が基本的にリサイクルに向いていない。そればかりかテンプルは鉄、蝶番は合金など、複数の素材が使われているので、バラさなくてはならない。

だからリサイクルではなく、途上国などでリユース(再利用)が行われている。「ライオンズ眼鏡リサイクル・センター」では、1996年以来、世界で3,700万個以上の眼鏡を収集し、途上国に配布、主要な眼鏡店でも受け付けてくれる。

  Glasses 同サイトより。引き出しに眠る眼鏡はリユースへ。

だがTORNADEは耳あてとパッドを部分を除き、鉄製だというので、文字通りのリサイクルが可能。プロダクトの環境との共生意識が眼鏡にもやってきた。

【勝手にアドバイス】
同僚Sさんがフォーナインズなら、当社の秘書室には眼鏡美人もいる。かたや営業のODさんように3プライスで、もっとも安価なのを3本まとめて作るヤツもいる(失くすからだというが・・・いったいどこで失くすの?)。

トータルでは単価も市場規模の横ばいと言われる眼鏡市場。だが「格差」というより「こだわり」がある人、ない人、ちょうどよい塩梅になってきたのではないだろうか。成熟市場だからこそ、デザイン格差をつける時代になった。今日は以上です。

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2007年10月27日 (土)

ペットER

ペットを盲愛する人は多い。ベンガル猫につくね君という名前をつけて、つくね君の伴侶(?)に、2匹目の猫をお迎えし、「つ○れちゃん」という名前をつけようと思案する同僚Cherryさんもその一人だろう(○の中一文字は何でしょう?)。

 Dsc00072  つくね君・・・今日は後ろ姿で失礼します。

だがさすがのCherryさんも、ニューヨークのAnimal Medical Centerに駆け込む動物好きの人々にはかなわないかもしれない。24時間×365日で稼動しているこの動物病院は、動物版のER(救急救命室)であり、超音波装置や内視鏡もあれば、水中セラピーもほどこし、さらには抗精神剤までペットに打つのだ。

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【勝手にアドバイス Vol.265 ペットER】
米国のABCニュースをポッドキャスティングで聴いていたら、『Animal ER』というトピックスがあった。これが凄い内容だった。内容をリワインドしてみよう。

リンパ腫(腫瘍)を患って6ヶ月もの化学療法を受けたビション・フリーズ種のスージー。飼い主とともに定期検診にやってきた。「何か見つかると困るの」という飼い主のスザンヌさんは、昨年来医療費に1万2000ドルを費やしたという。1ドル120円なら144万円。だがスザンヌさんは家を抵当にいれてもスージーを守りたいという。

  Abc_susie_mom_071012_ssh  一命と取りとめたスージー。

33歳の黄色いオウムは肝臓病を疑い、超音波装置でチェックしたが、幸運にも影は見つからなかった。

  Abc_rose_071012_ssh  Abc_sonogram_071012_ssh オウムに超音波。

ねずみの飼い主ダイアンは、アパートの部屋に迷いこんできたねずみと友達になったが、癌が見つかり、除去するには1000ドル(12万円)が必要だった。

  Abc_mousy_071012_ssh 運が良かったねずみ。 

6歳のヨーキー、ジャスティスは、気管支炎に罹ったあと、気分が落ち着かなくなり、飼い主に噛み付くようになった。心配した飼い主はジャスティスをERに連れてゆき、そこで精神科医に診てもらった。「犬の精神科医」という職業があるのは、軽いショックだった。

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ジャスティスのかかりつけ医のエリーズ・クリスチャンセンは「わたしは犬の精神科医をしています、というとたいていみんなに最初は笑われるの」と話す。カクテル・パーティでの話題では人気ナンバーワンだとか。「ねえねえ聞いて。最近はね、犬の精神科医っているのよ」と。そうだろう、同感だ。

だが飼い主が出かけた後、部屋をめちゃめちゃにするペットもいる。それを精神病ととらえるのはどうかと思うが、誰かに噛み付いたり襲い掛かるとすると、訴訟社会のアメリカである。そこでペットの精神科医も必要になるのだ。

やがてプロザック(抗精神剤)を服用させるのも珍しくなくなるのであろう。ジャスティスには心の病だけではなく、他の疾患もあるそうで、総額1万ドルを超える費用がかかるそうだ。とりわけ精神科は保険の対象外なので実費である。それにしても・・・消費大国の果てのアメリカは、ペットまで病んでいるのだろうか?

【ペットERは成長産業】
このAnimal Medical CenterはペットのMayor Hospital(アメリカの高名な病院)と言われるくらいだから、なんと年間5万匹のペットが持ち込まれる。いやせめて「搬送される」と言い換えよう。すでにアメリカではペットのER対応の病院が何百とある。

開業時間が決まっているたいていの動物病院と違って、ペットERであれば緊急の救命措置をとれる設備と人員が配置され、24時間体制で受療が可能である。ちょっと古い記事からチェックしたが(1999年)、その時点で過去20年でペットERは400箇所以上増加したというくらいだから、成長産業なのである。

【日本ではどうなのだろうか?】
「夜間動物診療」という看板を掲げ、夜間のみ開業している動物病院「ネオ・ベッツVR夜間センター」(大阪)がその一例である。

 Yakan_main 夜間のみ開業。

家族の一員であるあなたの動物が夜中に突然不調を訴えた時に主治医の先生と連絡がつかない。
このようなことでお困りになったことはないでしょうか。ERセンター(ネオベッツ夜間VRセンター)は常時、熟練した獣医師と動物看護士が待機し、緊急時に備えています。

引用元 http://www.neovets.com/yakan/index.html

診察時間は21時から翌朝5時までという時間帯。緊急の措置をとるだけで、基本は翌朝主治医に返すまでの処置をするそうだ。それでも開いているという安心は大きい。「料金は相場より少し高いです」とわざわざ書いてあるのも当然だし、かえって良心的な感じがする。

興味深いのは「ワンちゃんの献血にご協力をお願いします」というバナー。人のようなABOではないとのことだが、頚動脈からの採血で、全血保存(約3週間)、その後は血漿成分を凍結保存して、緊急時に使う。

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 http://www.neovets.com/kenketsu.html

ドナー登録をすると「血液型を刻印したロケットを愛犬に作成致します」。ロケットを首輪にぶらさげて、緊急時に犬同士の助け合い。これもすばらしい取り組み。
 
 Kenketurocket  Kenketuno_6  献血バッグ
 http://www.neovets.com/kenketsu.html

【勝手にアドバイス】
ペットERの記事について、購入後のペットが病気になった犬の飼い主からのコメントがあった。買った翌日から具合が悪くなったので、ペットショップから「返品、交換しますか?」と聞かれて、すでに家族の一員なのだからクーリングオフなんて!と憤慨して断った。いくらかけても治します、と。

そういうものなのだ。昔、ヨークシャやプードルでブリーダーまでしていた母と、具合が悪くなった犬を連れて深夜に動物病院に何度か行ったことがあった。わたしが払うわけではないが、いったいいくらなんだろうと時間外診療費にハラハラしたこともあったが、アメリカほどではなかった。しかし母にしてみれば、お金なんかという気持ちだっただろう。ペットは子どもと同じ。そう考えればペットビジネスはまだ奥深いものがある。今日は以上です。

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2007年10月26日 (金)

‘うふふ’マーケティング こぼれ話 白ツバキを取り上げたワケはGazooから。

昨日(2007年10月25日)のビジネスメディア誠連載『‘うふふ’マーケティング 白TSUBAKIの女優たちには“ワケ”がある』のテーマは「美女6人を登場させたワケ」であった。きっかけはYahooとGazooの連動広告だった。

アイドルがドライブ&初体験』というYahoo!JAPANとトヨタGazooの連動PR広告が展開されている。Yahoo!のポータルサイトの右隅に広告があったので、クリックされた人もいるに違いない。

そこには5人の美女が登場して、秋のドライブと美女が始めて体験する趣味を結びつけた広告物語が展開がされていた。美女とクルマそれぞれにストーリーがあり、どれ(車)というより誰(アイドル)と乗りたいと思わせる展開である。

 Yahoojapanpr00
 http://promotion.yahoo.co.jp/gazoo/gazoo/index.php

矢吹春奈さんが「油絵+ヴィッツ」、安めぐみさん「香道+プリウス」、優木まおみさん「ソーセージづくり+ハリアー」、磯山さやかさん「乗馬+ブレイド」、佐野夏芽さん「釣り+カローラフィルダー」という、クルマのイメージと、アイドルのイメージ、そして秋の趣味を組み合わせた物語。「美女5人」という誘いのフラフラっとクリックしてしまったわたしは、図らずも広告効果に貢献してしまった。わたしは実にイージーターゲットです。

 01 02
 矢吹さんが油絵にチャレンジ!

【なぜ資生堂は6人もの美女を?】
確かにこうして美女がわんさか登場すると迫力がある。それは事実だ。だがもうひとつ・・・物足りない。Gazoo美女の物語を見ていて、ふと思いだしたのは、昔のあの人とのドライブではなく、資生堂ツバキの広告、プロモーションを思い出した。あの圧倒的な5人の美女の存在感が焼きついていた。

資生堂の6人美女の存在感が圧倒的なのはなぜだろうか?もちろん資生堂は有名タレント/美女を起用したからではある。だが単に知名度が高い人を起用している、それだけなのだろうか?何かワケがありそうだ。疑問がわいたら誰かにぶつけよう。ちょうど(同僚の)Cherryさんとお茶を飲んだので、彼女に聞いてみた。

 「ねえCherryさん、あの資生堂のCMあるじゃない」
 「ツバキですか。わたしはまだ使ったことがなくて・・・」
 「あのCM、なんで6人なんだろう?なぜ彼女たちなんだろう?」
 Cherryさんはしばし考えて言った。「それはいろいろあった人を並べたんじゃないかしら
 「・・・ああ、なるほど。広末さん、竹内さんだね。でもさ仲間さんは?いろいろがぜんぜん無い人もいるよ
 「そうですね」
 「もちろんユーザーの年代層を意識はしているけれど、どうしてあの組み合わせなんだろう」

【広告+タレント+あなた】
モノが売れない時代になった。広告が効かない時代になった。消費者が移り気に、ますますカメレオンになった。こう言われて久しい。消費財マーケティングをする人の共通の悩みである。だからこそ販促キャンペーンが、どんどん派手に話題づくりに走り、あるいはあざとく計画的に口コミづくりを図るようになってきた。

物量作戦で渋谷ジャックという手もある。それにしても一過性。その場かぎりの話題づくりで終わってしまう。資金を投じるかぎり、効果はできるだけ長持ちさせたい。ひとりでも多くの消費者に、一日でも長くアピールさせたい。そのために売り手は腐心している。

だが現実は、「広告だけで売れない、タレントだけでは売れない」のである。「もうひとり」必要なのである。それは、あなたである。あなたのマインドが必要なのだ。

売り手は、ターゲットにタレントの持つイメージと自分自身を重ね合わせてほしい。広告効果、新製品効果を長持ちさせるには、ユーザーの思い入れが必要なのである。ターゲットユーザーの心の中で、商品の夢や物語を育ててもらう。それがイメージリーダーの使命なのである。

 蒼井優さん(福岡県出身)
 CMのイメージ「大人の意志に目覚めた女性の美」 わたしのイメージ「さわやか、ひたむき、芸達者」
 仲間由紀恵さん(沖縄)
 CM「自分の未来を信じる女性の美」 わたし「芯が強い、我慢強い、苦手克服」
 広末涼子さん(高知県)
 「上質なナチュラルを楽しむ女性の美」 「純粋、まっすぐ、めげない」
 竹内結子さん(埼玉県) 
 「すべてを包み込む豊かな女性の美」 「自然体、ナチュラルな知性」
 観月ありさ(東京都 クォーター)
 「最先端のモード感覚をもつ女性の美」 「耐えて、美しい芸の追求者」
 鈴木京香さん(宮城県)
 「凛とした品格あふれる女性の美」 「知的な色香、ますます綺麗になっていく」
 
だから女優にはワケが必要なのだ。ワケあり、ワケなし、いずれにせよ
ワケを知りたいと思わせるイメージが確立している女優を起用した。ファンひとりひとりが、それぞれのイメージを持って育てればいい。それが資生堂の期待だと思う。推定ギャラもエッセイには入れたが、女優のワケ込みなのだから決して高くない。出身地にも気を配っていると考えるのは思いこみだろうか?

【取材こぼれ話】
今回は女優に詳しくなるという副産物に恵まれた。それぞれの方の記事やインタビューなどもチェックしたが、とりわけ竹内さんの美しさや知性に惹かれた。中村獅童さんにもいろいろご事情はあるのでしょうが、ほんとうにもったいない!こんなに素敵な方を!竹内さんのファンには「よしこい!」なのだろうか。

  9488032 竹内さん。  

中年男が書店で『美的』なる雑誌まで買う羽目になった。美的12月号ではツバキの特集記事とサンプル配布があるのだ。ちと恥ずかしかったが「取材」と割り切った。赤ツバキと白ツバキの試供品はCherryさんに差し上げることになっている。

  Pict0124 Cherryさん、試してから買ってね!

この雑誌のCM裏話はうまくボヤかして書かれている。たとえば蒼井優さんのニューヨークでのCMだが、これはニューヨークで撮影したのではなく、パシフィコ横浜である。タテ12m×ヨコ12m×高さ6mの大きな舞台をつくり、しかも背景のビルの壁を、透過ガラスを二重にして白の透明感をリアル出すという、凝ったデザインを施して撮ったそうだ(『新建築』10月号)。実に多くのプロが結集してこのCMは作られている。

春にはきっとMOMOツバキが出る!と「誠誌」原稿には書きましたが、最後のオチはこれでした。
  
  Photo おっとブチもある。掲載上の都合でブチされました(笑)

【最後に】
資生堂の広告は、女性の美や感情を通じて文化を伝えている

そう感じたのは2006年10月ごろのCM、「本日私はフラれました」である。モデルのMAIKOさんが、「本日私はフラれました~♪」という歌をバックに、洗顔をして、涙をぬぐい、お化粧をして自分をとりもどす、そんな物語をつづった、長いCMだった。

 37669_3 Maikoさん。

シャンプーも化粧品も美しくなるだけでなく、「新しい自分になるために」、これが資生堂のメッセージである。ちょうど角質肌がボロンと落ちるようにでしょうか(笑)。今日は以上です。

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2007年10月25日 (木)

資生堂・白TSUBAKIの女優たちには“ワケ”がある

今日はビジネスメディア誠で連載する『郷好文の“うふふ”マーケティング』へのリードです。

資生堂・白TSUBAKIの女優たちには“ワケ”がある
資生堂が満を持して投入したヘアケア製品「TSUBAKI」。現在は赤と白2色のラインアップが展開されているが、注目はCMに起用されている女優たちだ。彼女たちはどういった狙いで選ばれているのだろうか?
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0710/25/news146.html

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ご購読、よろしくお願いします。

昨日、掲載されそうもないと思って書いたことを置き換えした。最近のわたしのプロジェクトからのエッセンスを『お客さま引力』と題してまとめた経緯を書きました。お客さま引力&接点改革という切り口で仕事をしております。自己紹介と少しだPRも兼ねて掲載させていただきます。
http://www2.gol.com/users/gowild/files/okyakusama-inryoku.pdf

今日(26日)ブログは、白ツバキの美女の余韻をかもしつつ、こぼれ話を書きます。

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2007年10月24日 (水)

MYアフィリエイトからの社会貢献

武士は喰わねど日々ブログ、それが(少なくとも今のところ)わたしのモットーである。何を言いたいかと言えば、アフィリエイト(商品やサービスをブログやHPで紹介して成果報酬をもらうこと)も広告も、やっていないということである。その気持ちは貫きたいと思う。

わたしのブロガーズ楊枝とは裏腹に、昨今はアフィリエイト市場が拡大している。広告主から見れば草の根の宣伝がバナー広告よりも効くという判断があるからだ。だからポータルサイトへのバナー広告の出稿が減っており、「企画広告(インタビューやエッセイなどをからませる)」で売上をカバーしているのが実情である。バナー広告自体の表現力の乏しさもあり、それならいっそ消費者に広告をゆだねようという計算である。

大手企業で始めてアフィリエイト・ビジネスに本格的に乗り出すのが、OCNを運営するNTTコミュニケーションズである。「へえ~っ」という驚きで、武士のお尻もモゾモゾして、思わず楊枝が唇から落ちそうになった。副業で儲ける人もいるというアフィリエイトについて、今日は考えてみたい。

【勝手にアドバイス Vol.264 MYアフィリエイトからの社会貢献】
消費者として企業の商品・サービスの価値を体感したうえで、自ら積極的にその商品・サービスを他の消費者にも薦めたい、という個人が運営するブログなどを中心に広告掲載依頼を行い、消費者の視点での広告・販売促進プログラムを推進します。
引用元: http://www.ntt.com/release/2007NEWS/0010/1001_2.html

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漢字がとても多いNTTらしいプレスリリースだが、かんたんに言えば650万人ものOCNの会員を背景にして、大手企業からアフィリエイト広告主をつのり、それをメニュー化して、ブログなどでアフィリエイトしてください、というものである。

なんと言ってもアドバンテージはNTTコミュニケーションズの信用力であり、安定したネットサイトの運用実績、そしてOCNの規模である。ゆえに10月1日から始めたばかりだが、広告主は大手企業がずらり。アスクル、イーオン(英会話)、オスカープロモーション、住友不動産販売、日本旅行、主婦の友ダイレクト、二木ゴルフ、ピジョン、ビックカメラ、ベネトンなど。これならアフィリエイトする側も、NTTコミュのサイトから申し込もうかと思わせる。

広告主への配慮もあり、エッチサイトなどは排除する仕組みを二重、三重にかけている。アフィリエイト報酬も企業ごとに明朗会計で、手続きもフローチャートでわかりやすい。アフィリエイトのイメージは確かにアップした。

【アフィリエイトをする人は何が欲しいんだろう?】
お小遣いが欲しい、と言われればもちろんそうだ。だがお小遣いが先なのか、ブログが先なのかと聞かれれば「アフィリエイトはおまけです」が大半だろう。とはいえ、わたしもよくセカンド・ブログからTBをもらう。それは単なる商品紹介だけのサイトだ。正直言って、その種の下品なサイトからアフィリエイトがあるとはとても思えない

古い調査(アフィリエイト・プログラムに関する意識調査 2005年)だが、アフィリエイトをする人の7割が月収1000円未満である。むしろパートナー企業(広告主)の「特典がもらえることをメリットと感じる人が多い」とされるくらいだ。

アフィリエイトを事業化したようなものでドロップシッピング(無在庫の販売サイトを持ち、受注後メーカーなどに発注する)がある。その調査「ドロップシッピング意識調査2007」でも似たような結果である。「入がないが68.5%。1000円未満が15.7%」。

だから、せいぜいお小遣いなのである。自分自身のネット購買行動を考えればそれは当たり前だ。よほどの衝動買いでないかぎり、直接そのサイトを検索して買おうとするでしょ?もちろん、誰かにお奨めされて買うことはある。Amazonの書評で「買うか買わまいか」のとき、☆の多い批評家は参考になる。

【宮崎あおいさんはMYアフィリエイトか・・・YESです】
MYアフィリエイトのトップページには、宮崎あおいさんのフォトに関するインタビュー記事が掲載されている。

  Pic_04   Aoi_untitled_2   
  2台のオリンパス。               あおいさんの撮った写真

わたしがあおいさんファンであることは、MYアフィリエイトに転載されている彼女の写真をすべて熟知していることで明らかである(Olympusのキャンペーンを追尾しておりますので_笑)。彼女の目には憧憬がある。身体ごと引き込まれる・・・それはさておき、彼女の写真への思い入れ、撮影した作品、ファインダーからの気持ち・・・ウエブサイトを通じてそんなことを知り、彼女のフォトエッセイまで買った(ミーハー・ミドルです_笑)。

(質問) 一眼レフのどんなところがお好きですか?
(宮崎) 何と言っても一眼レフの良い点は、自分でピントを合わせられるところですね。「ここ」って思ったところに、ピントが合った瞬間が気持ちいい!他にもおもちゃカメラを合わせれば、全部で8台くらいは持っているのですが、一眼レフを持っていればもっと良く撮れたのに!って思う瞬間は結構あります。

引用元 同

彼女が写真好きで(いずれカメラマン・デビューするでしょう)、良い写真を撮っているから、惹かれてしまうのである。アイドルとはいえ、その人となりが察しられるから、ああ・・・大口径レンズのカメラっていいなあ・・と。わたしはあおいさんを介して、確かにデジタル一眼レフに惹かれている

My_affiliate_aoi

【CGMは無視できないが・・・】
アイドル経由ならずとも、企業が口コミを無視できなくなったのは事実であるし、質の悪い広告より、誠実そうな個人の書き手の方がよほど信頼できるのも事実である。いわゆるCGM(消費者の口コミ力)はネットによって地球上の広がりつつある。わたし自身、マーケティング・ブログを書くようになって、一人ひとりが自己表現の武器を持ったことを実感する。

だがアフィリエイトには、ひとつだけ改善をしてもらいたいことがある。「わたしのブログはアフィリエイトや広告を含んでおります」という但し書きである。それがないと、どこまで何を責任をとるのか、まったくわからない。それが無くてアフィリエイトやドロップシッピングをされると、そうと知ったとき裏切られた気持ちになる。

【勝手にアドバイス】
ブログやHPを開く人は誰でもちょっとした社会貢献がしたいのだ。それを高楊枝と言ってもいい。ネット上のブログやHPやSNSというメディアを通じて、人や企業や団体とのつながりを得たい。新しい人間関係を築きたい。出会いを通じて自分がやりたいこと、やれることを見出したい。さまざまな想いをこめて書いているのがブログであり、HPであり、SNSである。

その努力たるやたいへんなのでお小遣いを欲しがること自体、わたしは大目にみてあげたい。ブログやHPでの自己表現するのが先で、アフィリエイトは二の次であるという前提だが。

そこでひとつ提案がある。せいぜい1000円/月なら、全額を環境保護や恵まれない国の人への募金にまわすのはどうだろうか?ウエブサイトにこういうバナーをつける。

 「このブログはアフィリエイトが成立した場合、環境保護と貧しい国に全額
 (または一定の比率)を寄付いたします」

超過収益(1001円以上とか)はそのサイトの開設者がもらう。そうすれば良いこともできて、閲覧者が増えれば自分の収入も得られる。このアイデアいいと思うのですが。今日は以上です。

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 宮崎さんの写真。テーマ=「自分の足で歩こう」かな?

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2007年10月23日 (火)

新月伐採の箸入 in 十三夜

今宵10月18日は十三夜である。古来、旧暦9月13日の十三夜を美しい月の日として楽しんできた。

十三夜は十五夜に次いで美しい月だと言われているため、中秋の名月(十五夜)から約1か月後に巡ってくる十三夜のお月見を昔から大切にしていて、十五夜または十三夜のどちらか一方しか観ないことを「片見月」と呼び、縁起が悪いこととしていました。
引用元 http://allabout.co.jp/family/seasonalevent/closeup/CU20060926A/

とは言っても、今夜の南関東地方、残念ながら曇り空。せめて十三夜を想い、それにちなんだ「」でも食べますか(十三夜の頃、収獲真っ最中の栗を供えるので「栗名月」と言われる)。

 20050929 赤坂 塩野の菓子「栗名月」(今年は無いようだ)
 

【勝手にアドバイス Vol.263 新月伐採の箸入 in 十三夜】
新月伐採商品を探し当ててしまった。またかと思われても仕方ない(『新月伐採の智恵』という話を書いた)。月の下弦から新月までの期間に木を切り倒すのが新月伐採だ。しかもそれが栗の木ときている。だからこの商品については、1年365日の中で、まさに今日書くしかないのである。まるでエルヴィン・トーマさん(新月伐採の推進者)が「木を切るならこの日とこの日」ときっちり指定しているように。新月伐採の栗の木で、一本一本手で削られた美しい箸入れが、今日のテーマ。

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中に収まる箸の大きさに合わせて「栗の木」を削り彫って作られた懐中箸入れです。そのため、振動による音がしにくいので携帯用に最適です。身と蓋とはナタで割り、その割れ目をそのまま活かしていますので、貝合わせのようにぴたりと収まります
引用元 http://www.miasa.ne.jp/~kay/
 
懐中に入れて持ち運び専用のMY箸。素材は栗の木だという。硬くて耐久性、耐水性が高いことから、土台や線路の枕木、漆器、食器(カトラリーやレンゲ)、彫刻材などに使われる。だから重量は重くて、重厚な味わいがある。国産材としては最高級の部類だそうで、箸入れとしては最高級素材でしょう。

【新月伐採の栗の木】
この栗の木は「新月伐採」だという。栗の木でしかも新月伐採、その凝り方に痺れた。この商品は「第2回LOHASデザイン大賞 最終審査候補」になっている。その審査結果からの引用。

冬季の「新月時期」に切った栗の木で手づくりされた箸と箸入れ。「新月の木」は木に含まれる水分量が少ないため、割れ、歪み、狂いなどが生じにくいのが特徴。拭き漆で仕上げた携帯用の箸をデザイン。籐で編んだ輪で締める箸入れは、箸をコンパクトに持ち運べて、細いフォルムが使う人の手に馴染む。
引用元 http://www.lohasclub.jp/lda/shownoms-f.cgi?cid=449

Hasiire

・白木(無塗装)竹箸付き 5000円
・白木(オイル仕上げ)竹箸付き 5500円
・アンモニア処理(焦げ茶色、オイル仕上げ)竹箸付き 5800円
・拭漆、槐(えんじゅ)箸付き 8700円

安くはないが一生モノだし、誇りをもって持ち歩くことができるだろう。
http://www.miasa.ne.jp/~kay/hasiire%20kakaku.html

【長野からの一品】
作り手は柏木工房(長野県)の柏木圭さん。実直なご風貌。http://www.miasa.ne.jp/~kay/

 Portrait  122_2252
 柏木さん                  製本用プレス機   

略歴には「注文家具、何でも木工屋」とあるが、製本の木製プレス機(精巧な出来で惚れ惚れした)まで作っている記事も見つけた。サザビー家具部門に勤務されたあと、中古英国家具の修復などをされて独立。

【エコダカラ商品もエコダサ商品もダメ!】
エコバッグの次はエコ箸、かも知れない、と思っている。スーパーでのレジ袋辞退はすでに珍しい光景ではない。わたしはI'm not a Plastic Bagは買いそびれたが、The new shopping bagをいつも携帯している。なぜエコバッグが普及したか。やはり商品のファッション性が高まってきたことが最大の要因である。

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   アンディ・ウォーホルのエコバッグ

消費者は「エコダカラ商品」も「エコダサ商品」も嫌いなのである。エコだから(デザイン悪くても仕方ないよね)、エコはダサいよね(でもいっか・・・)。これではダメなのである。エコだからこそウンチクやこだわりがなくてはならない。これがエコ商品成功の第一法則である。

【My箸利用には勢いが必要】
割り箸の問題(もったいないこと、輸入割り箸の漂白剤や防カビ剤残留)はもちろん論じられなくてはならない。だが消費者を動かすのは論争よりも「マイ箸がカッコイイ」という意識を植え付けることだ。

 Eco20060808maya  林マヤさんもMy箸派

地球の環境を考えて格好を付けている」と思われるのが、何だか嫌でした。それでも、ある日、自分のはしをお手製の布製ケースから思い切って出してみました」と語っている。彼女のキャラは好きだが、その考えもかっこいい。

【勝手にアドバイス】
第一法則と書いたが、第二法則は「消費者のライフスタイルをさりげなくエコにチェンジする」、第三法則は「社会サイクルの中でエコ商品を位置づけること」である。そんなアドバイスもしている。

自分で作ってもいいし、柏木工房から買ってもいい。エコバッグが身についたら、次はMy箸。わたし自身のトライでもある。今日は以上です。

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2007年10月22日 (月)

手書きテストの復権/ゼブラ手書き採点リンク

メールを出そうか出さまいか・・・せっかち&拙速メール癖のわたしにしては、珍しく迷った。「どうだった?できたよね♪」と軽い調子で聞けばいいのに、結局メールを出しそびれてしまって。

 あて先: MKさん
 件名: 日曜日の資格試験、どうでした?

戦友のMKさん、出来はどうだっただろう?心より合格をお祈りしております。その試験、わたしも受けたことがあるが、今どき「手書きのテスト」なのである。受験者は全国規模で多いので、採点もたいへん。採点結果の発表までたっぷり1ヶ月半はある。

・・・そうだ!採点をぐっと楽にするデバイス&ソフトウエアが発売された。今日のテーマは「手書き採点リンク」というデジタル文具。手書きで○や×をつける採点が、エクセルなどで自動集計されるという、先生お助けグッズである。

【勝手にアドバイス Vol.262 手書きテストの復権/ゼブラ手書き採点リンク】
ゼブラは10月3日より、手書きの採点作業を直接データにできる自動集計採点ペン「手書き採点リンク」を発売する。教員や採点作業に従事する人向けに販売するもので、手書きの文字などをデータ化できることが最大の特長。超音波を読み取るセンサーを搭載したベースユニットを解答用紙に取り付け、特殊なペンで採点すると自動的にパソコンにデータが入力され計算作業を進めていく仕組みになっている。
引用元 http://www.j-cast.com/2007/10/01011787.html

 0a40d243803b6a24c0aa8eb264dbd39cすらすら、ラクラク。

ゼブラのサイトの説明にはこうある。「今ある解答用紙の採点からすぐにお使いいただけます」。あら、ワラ半紙でもできるのだ!(今時ワラ半紙はないですよね)。ペンからのデータを取り込むセンサの付いた、ベースユニットに解答用紙をはさみこめばいい。

準備もかんたんで、パソコンに導入したソフトウエアにその試験データ(期末テスト 英語 設問構成 配点)を入れる。そして学籍番号順かしら、採点する生徒の情報(学年、クラス、氏名、番号など)を入力する。ベースユニットに各生徒のテスト用紙をはさみ専用のペンで配点をする。

 0a92681e5a60b34c6d9f1a45c531a762 はさみこんで採点。

【「○」「×」「△」の認識だけでなく・・・】
設問ごとに、専用ペンで手書きでチェックする「」を正解、「×」を不正解と認識して、採点をソフトウエア上でしてくれるのだ。○と×だけではないのだ。先生によっては「/」と書く人もいる。それも「×」と同じ不正解として認識してくれるという。

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なるほど!と思ったのは「」である。△を認識させるのもたいへんだったらしいけれど、その配点はどうするか。△はマイナス2点とかあらかじめ設定もできるが、「『△』の場合、付近に記入した数字を部分点として認識する設定も備えております」。本来なら正解は5点のところ、漢字が間違ったとか、式を書かなかったとか、マイナスやオマケをしたいときがある。そんなとき横っちょに「2」ないし「3」と書けば、その設問は2点/3点として集計してくれるという。(生徒よりよほど)賢い。

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こうしてPCで集計・合算した合計点数をテスト用紙に書き込んで終了!採点済みデータは、「個別の成績」「順位表」「正誤表」「分析グラフ」など、およそエクセルでできることは何でもできる。価格は1セット26,000円前後(税込)。

【手書き文化を否定せず、効率化できる】
この商品の良さは「手書き採点の文化を否定せず、面倒だし計算を間違えがちな部分(採点や集計)を自動化した」ところにある。つまり「よくできましたね」といったコメントや「二重丸」や「花マーク」を答案用紙に書くのは自由なのだ(ただしPCへデータとして転写はできない)。

先生からのひと言メッセージが、子どもには励ましになるから、そこは電子化したくない。手書き文化の良さを残しながら、採点という面倒かつ間違いが起きやすい部分をシステム化した。

  10022712173 及第です。

マークシート方式の共通一次試験の第一期生のわたしは、4択問題で人生を決めつけられるなんて!と抵抗感を(勝手に)あらわにした。だが、試験の結果が悪かった逆恨みといわれれば、それには同意する。いずれにせよ、人間を判断するのに「白か黒か」いや「マークが合致したか否か」は大嫌い。母校(中学)の美術の教師は、紙飛行機を階段から落として通信簿を決めたという噂があった。だが彼の方がマークシートよりよほど人間的だと今は思う。

【試験結果のネットワーク化の効果も大きい】
もちろん、電子化の良さは計り知れない。先生の仕事の効率化は第一で、それで生徒とのコミュニケーション時間アップになれば、いじめや登校拒否が減るのではないだろうか。

また、各教室で実施した「模擬試験」のデータをネットワークでアップロードすれば、瞬時で市レベルや県レベル、さらには全国レベルでの得点集計、分析が可能である。それだけでなく「インチキ」や「間違い」の発見もできる。あるクラスだけ得点が良すぎるとか、悪すぎるとか、異常値がシステマティックに発見できるからだ。教育委員会にはとっても朗報でしょう。

試験終了後3時間以内に、すべての親に試験結果を携帯メールで同時通報するなんてお茶の子サイサイだ。だがそれをやると、ゼブラは恨まれて筆記具の売上を落とすだろうな。

【勝手にアドバイス】
手書き採点リンクは、元々は手書き情報を電子化させるツールの応用製品。だが手書きアンケートのチェックとか、手書き在庫表受発注表のチェックなど、まだまだ手書き文化の残る産業界にも応用がききそうだ

何よりも「手書きテストを復権させよう」というコンセプトがいい。少子化なんだから、あんな米粒の塗りつぶしのテストは全廃して、生徒一人ひとりに向き合う手書きテストに変えませんか?

そうそう、MKさんをいつまでもソワソワさせないためにも、オトナの手書き試験にもシステムをどしどし導入されたし。今日は以上です。

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2007年10月21日 (日)

Aya Kato 東西融合的絶美優雅

あや」続きである。昨日(2007年10月20日)が平山あやさん(女優)で、今日はアーチストの加藤彩(あや)さん。名前の一致は作為的ではない。本能のおもむくままに書こうとすると、なぜか女性の話題になるだけである。いや、ひたむきな女性にいつも頭が下がるのが、わたしが女性の仕事をテーマする比率が高いほんとうの理由である。

その加藤彩さんは、Aya Katoという方が通りが良くて、日本だけでなく海外にも名が通った若手アーチスト。実は、イベントのバナーで作るエコバッグ「demano」について書いたとき、「denomaのサイトに本人の名前がありました!」と教えてくれた戦友のTOMOYOさんからのタレコミがきっかけである。

こうして女性にはいつも頭が上がらない。

【勝手にアドバイス Vol.261 Aya Kato 東西融合的絶美優雅】
彼女の東洋的な絢爛な作品群に飲み込まれるように見入ってしまった。チェックした台湾のデザイン誌『IDEA DESIGN』の表現がぴったりだった。「東西融合的絶美優雅 加藤彩」。   Wooo_dvd_2

この絵は日立(Hitachi Digital Media Group)の欧州向けのビデオ広告に使われている。Ayaさんの絵への批評はベタ褒め。タイトルからして「HITACHI DIGITAL MEDIA GROUP LAUNCHES STUNNING NEW VISUALS BY AYA KATO」である。Stunningは“驚愕”or“絶頂”と訳すべきか

「日立のビデオはたった今の美を明日に伝えるもの。中心の富士山は日により時により色を変えます。メモリーはたった今しか記録できない。孔雀の羽はブルーレイ・ディスクの比ゆで、植物の成長はビデオ技術を表している」とAyaさんはこの記事でコメントしている。
参照元 http://www.hitachidigitalmedia.com/DMG/press.jsp?resstypeid=12&pressgroupid=45&pressproductid=-1&id=451

もう一枚はマイクロソフトの大規模広告展開での1枚。11ヶ国で15ヶ月にわたる広告キャンペーンの一環として採用。

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【Aya Kato Worldの魅力】
Ayaさんのな絵を観たとき、Wow!(ワォッ!)であった。オリエンタルでもあり、異国情緒もあり、色づかいはシュールで、でもジャパネスクでもあり武士道でもある。東西融合、国境不明、国籍茫洋なくせに、いつしかニッポンに帰ってくる、そんな絵なのである。その理由は、ひとつひとつのパーツが日本オリジンで、実に緻密に描かれているからだろう。そして色使いと構図の大胆さが観る者をAya Kato Worldに引き込む。

私が目指したい世界は、自分を含む多くの人が自分自身の歴史を思い出し、魂のルーツや仲間たち、自分の本当の希望を思い出し、心(自分自身)を通して地球と1つになった世界です。それは、近くにいる大切な人と心を1つにすることで築けると私は信じています。
引用元  http://www.ayakato.net/box/planet.html

まさに彼女は天賦の才に恵まれた人だと思う。彼女におとづれる絵のモチーフを「ふっとつかんで作品にする」タイプの人のようである。実は、芸術家になれるかなれないかは、この感覚があるかどうかなのである。

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絵を描きたくで雑貨メーカーを半年で辞め、Mr.Children(コンサートに行かれるようだ)とPaulo Coelho(ブラジルの作家で『アルケミスト - 夢を旅した少年』が著名)が好きな彼女、1982年1月14日生まれの愛知県瀬戸市在住のアーチストである。まだ25歳なのである。
参考 http://www.career-wing.jp/messege/pdf/message_02.pdf

【彼女のブログから気になった言葉】
何行か彼女のdiaryから引用させていただきます。

 仕事とかそういうのは関係なく、
 何を通して制作するにしても、
 創り出すという行為には変わりないから、
 最初の意思はしっかり固めて、
 その行為に自分は何を求めているのかということを見極めてから始める。

何を描くのか最初の意思をしっかり固めて、仕事に立ち向かう、そんな感じだろうか。

 1つの願望として、
 音を描いてみたい、という想いがずっとあるのですが。
 なんとなく、音と色彩は切って放せないもの同士、そういう感じはします。

彼女の絵の下地には音、があるのだろうか。ミスチルなのだろうか?

 けどアイデアが浮かぶ瞬間を待つ、
 ギリギリまで待って締め切りを意識しないで
 そのアイデアだけを100%見つめ続ける、
 そしてそれが成功していい作品が出来たときに
 自分を信じることが出来たことに対して楽しくなるという
 そこのところに楽しさを感じることが多いです 。

 
アイデアが下りてくるまで待つ。それをつかめると信じる。つかんで絵にする。その時、楽しい。

・・・その感覚、わかると言ってはおこがましいけれど、少しわかります。わたしの場合はブログやエッセイや連載で、テーマを選んでから、その中心にあることをつかむことです。つかんでから書き出す。つかめなければそのテーマは(とりあえず)放る。つまり書かない。書かないことが自分への矜持だと思って。ビジネス文なら、教科書どおりに書けばいいのですが。そうはいかない。ここはロジカルではない部分です。今日は25歳の天才に触発されました。

 Motowork携帯。
  
     119_ayakato_roma_450 iPod。 
  

  美しい。買いたくなります。今日は以上です。

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2007年10月20日 (土)

東芝マンモグラフィと映画「Mayu」

2007年のグッドデザイン大賞候補15件が発表された。15件の中から次の6件が、2007年のグッドデザイン大賞候補に選ばれ、10月25日の大賞選出でひとつに絞られる。

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 サンヨーeneloop充電器セット HONDAジェット イトーキオフィスチェア「スピーナ」

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 ご存知Wii                   N700系新幹線        東京工業大学緑が丘1号館レトロフィット

この6件からであれば、2007年は環境保護が巷に浸透した年であったし、経営面でさまざまな苦難があったサンヨーに1票を投じたい。だが「大賞にはこれを!」と思ったのは、6件には漏れたが東芝メディカルのマンモグラフィ“ペルル”である。

【勝手にアドバイス Vol.260 東芝マンモグラフィと映画「Mayu」】

 Panel_peruru
 
マンモグラフィとは乳房専用のX線撮影装置です。『乳がん』の早期発見に最も有効とされています。しかし日本におけるマンモグラフィ検診の受診率はわずか2%です。

引用元 http://www.g-mark.org/library/2007/best15/07A11053.html

乳がんの発症の危険性は高く、23人にひとりという統計もある。このため欧米諸国では受診率7割まで上がっているのだが、日本ではなかなか受診率が高まらない。早期発見さえすれば落命しないのだが。

 Sheryl_crow シェリル・クロウさんも早期発見で助かった

なぜ受診率が高まらないかといえば「マンモグラフィ検診は痛い」というのが一因だとされる。ある人は「万力のような器具」でぐいっとはさむと表現している。それは検査装置で、乳腺を診るために乳房を薄く均一に広げる必要があるからだ。それが痛いという人もいれば、それほどでもない人もいるそうだが、なんとかもっと乳房に優しい検査はできないものか。これが東芝メディカルの開発テーマだった。

【受診者の痛みを和らげる開発】
東芝メディカルの『ペルル』は次の3つの安心感を軸に開発された。

①視覚的な安心感: ラウンドフォルムの柔らかい形とパールホワイトの色彩
②触覚的な安心感: 体に触る部分の機械的冷たさを感じさせない素材、そして装置の硬さを感じないラウンドシェイプ。
③圧迫時の痛みを軽減: 「痛みの少ない」圧迫システムを採用(圧迫スピードを変化させて、受診者の様子を見ながら痛みの低減させる)

マンモグラフィでは唯一の国産メーカーである同社の、マンモグラフィ開発陣はすべて女性である。
最近、マンモグラフィ検査は痛いというイメージが一人歩きしているのが心配です。撮影時には乳房を圧迫するのですが、それには理由があります。圧迫すれば、よりクリアな画像が得られて乳がんの早期発見にむすびつく可能性が高く、X線量も少なくて済むのです。そうした知識の啓蒙も、マンモグラフィ普及のために必要です。
引用元 http://www.toshiba.co.jp/ad/yashio/no05/index_j.htm

 Mainphoto_f3 開発者のひとり、高橋理奈さん

大賞候補になった理由として、『本デザイン開発プロセスでは女性が中心となってこの機器が持つ問題点(物理的、人間的、設置環境、操作などの要素)を本質的に追求し、高度な次元でデザインがまとめられている』という評価が与えられた。

【Mayu -ココロの星-】
折りしも、平山あやさん主演の映画『Mayu -ココロの星-」が公開中である。これは乳がんに罹患したヒロインが、病気と戦う話。

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「Mayu -ココロの星-」は、21歳の若さで乳がんを患いながらも、前向きに生きようとする女性の心の成長を描いた人間ドラマ。大原まゆの闘病記『おっぱいの詩』を原作に、「プラトニック・セックス」の松浦雅子が監督・脚本を手掛ける。
引用元 http://omosironews.livedoor.biz/archives/315080.html

札幌市内の広告会社で働くまゆさんの母は、彼女が小学校3年生のときに、卵巣がんを発症した。まゆさんは入退院を繰り返す母(浅田美代子さん)に代わり、家事もし勤めもするがんばり屋。だがふと胸にしこりを覚えたのがきっかけで検査を受けると、乳がんであることを宣告される。しかも「9割の確率で悪性です」と。

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この映画のエグゼクティブ・プロデューサーの水野清さんは男性だが、原作本を読み、すぐに映画化を著者と交渉。原作者は「病気モノ」と扱われるのではないかと危ぶんだ。だが「男として、乳がんから女性を守り、救いたい」という水野さんのほだされ受諾。そして女性の監督(松浦雅子さん)を起用した。

松浦監督は平山あやさんに「難しい役だけど演技をしないでこの映画の中で生きてみて」と要望し、平山さんはすっぴんで挑戦。主人公が死ぬドラマチックな話ではなく、日常の生活を視点に持つ作品になった。

 Mayu03  Yashio_img4 

【勝手にアドバイス】
グッドデザイン大賞は、結局Wiiだろう。Wiiリモコンというコンセプトの新しさ、世界市場へのインパクトから見ればそれが当然。

けれども個人的には、やさしい検査のマンモグラフィを大賞に選定してほしかった。受賞で広く受診率をアップさせるメッセージとなればよかった。おっぱいは女性にとってシンボルであるし、わたしはもちろん、あらゆる男性は女性のおっぱいが好きなのだから。今日は以上です。

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2007年10月19日 (金)

“うふふ”マーケティングこぼれ話 顧客接点改革

今週の『郷好文の“うふふ”マーケティング』のテーマはトースターであった。

わたしの子どもの頃のトースターの姿は、2枚入ってレバーを下まで押して、焦んがりするのをじっとまって、やがてチン!という音と共に勢いよくトーストがポンと上に上がるタイプ。実家は畳の間だったので、ちょっと大きめのちゃぶ台(食卓)の上にトースターを載せて焼いたものである。

 Img450a44f297257  たとえばこんなやつです。
 出典 http://www.rigna.com/detail.1337.html

そのトーストにバターをのせ、さらにソントンのチョコレートクリームないしピーナツクリームを塗った。かなり甘くて、しかも決して美味しくなかったが、安かったからだろうか。今だとカロリーも高いので敬遠だけれども。レバーを押し、じっとまって、チン、ポン!がトースターの記憶である。

 F_choco F_pea  ソントンのクリーム

時代と共にそうしたプロダクトの記憶の原型は変わる。オーディオのように5年から10年でがらりと変わるモノもあれば、洗濯機や冷蔵庫のように、30年経っても大きく変わらないものもある。ひとつの世代で似たような記憶を持つことを、「プロダクト世代」と呼んでみたい

【“うふふ”マーケティングこぼれ話 顧客接点改革】
ひとつのプロダクト世代で似たような記憶を共有する。その世代がプロダクトに対して似たような接点を持つと言い変えてもいい。

たとえばミシンを例に取ると、足踏みミシンのプロダクト世代、電動ミシンのプロダクト世代、電子ミシンのプロダクト世代、そしてミシンを持たないプロダクト世代に分かれる。それぞれ20年から30年ぐらいのスパンがありそうだ(大雑把だが)。

【プロダクト世代】
ひとつのプロダクト世代のくくりの中での商品開発が、いわゆる普通の商品開発。商品の拡充、ラインナップの充実、あるいはモデルチェンジである。一方プロダクト世代を乗り越えて、新世代を創ろう!という野心的な商品開発が、ウォークマンやiPodである。

実は商品開発にはもうひとつのアプローチがある。前(前々)の世代が共有していた価値観のうち、失われてはいけなかったものを、もう一度取り戻すというものである。ユーザーのライフスタイルや生活価値観に重きを置いて、使い手の心からの商品開発である。

横道にそれるが、そのわかりやすい例はNECのモバイルギア。この名機から取っ払ってしまった機能は、ほんとうはユーザーが奪われたくなかった機能だった。ほとんど後継されなかった。

 Nec1  名機だった。

小さくても打ちやすいキーボード、横長画面でワープロだけでなく表計算まで使えた賢さ、乾電池駆動で動くモバイル派の心をくすぐるモデルだった。だがNECはこの傑作の機能を、同社のPCに移入することをしなかった。ユーザーの熱い支持にもかかわらずに。それゆえに、その次の世代のモバイルPCでは、パナソニック(Let'sノート)や富士通(Loox)の後塵を拝することになった。

【トーストメッセンジャーで実現しようとしたこと】
Sashaさんが『トーストメッセンジャー』でやろうとしたのは、トースターが持っていた本来の機能や生活感をとりもどそうというものだった。朝のフレッシュな感覚、朝日の差す食卓、焼くというレバーの機能、チンとポン、(バターやペーストの)スプレッドというカロリーコントロールからの自由さ、そして笑顔。これがSashaさん『トーストメッセンジャー』でねらったコンセプトだったとわたしは思う。

焼くという機能を、こんがり焼ければいいとか、熱量があればいいという機能主義を捨てて、「く焦んがり焼けないかな~♪」とワクワク待つ、本来のトースターの夢を描いた。Sashaさんに倣って、ちょっと発想の遊びを。

   Photo  
    こんがりオヤジ、早く焼けろ♪と焼き加減を知らせてくれる。

置く場所。トースターを食卓の上に復権させよう!なぜならオーブントースター型になって、いつのまにかトースターはカップボードの中に入ってしまったでしょう。食卓の上に復活!が次のアイデア。

  Photo_2  
  ありえませんよね(笑)

だが狭いワンルームなら、これはアリだろうか。

    Photo_3  
   壁掛け型トースター(壁掛けCDプレーヤーに倣った)

Sashaさんのトースターは、プロダクトを使うことが幸せになるシーンづくりからの商品開発。それも、ちょっと前の(チン・ポンのトースター)世代の記憶をベースにする優しさがそこにある。

【顧客接点からのマーケティング・コンサルティング】
わたしもSashaさんと同じく、お客さまが幸せになるポイントからの商売開発支援(コンサルティング)をこころがけている。それをわたしは「顧客‘接点’改革」と称している。

 Photo_4

どんな商売も顧客との接点にその価値や課題がある。売り手の思い入れも、買い手の評価もそこに凝縮されている。そこから見て、何がニーズの本質なのか?ニーズの本質はどの程度理解されているのか?課題は何なのか?それらを解きほぐし、顧客接点の現状と夢から、事業のすべての機能を改善し顧客志向にする。これが顧客志向の企業(事業)をつくるわたしのアプローチである。

だが、この図の左右にある、個別の業務改革やシステム刷新からやってしまって、結局ちぐはぐな改革ばかりしているのが、多くのコンサル会社であり、ほとんどのシステム会社である。これが実に切ない。今日は以上です。

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2007年10月18日 (木)

口に出せないメッセージは温めて――Toast Messenger

今日はビジネスメディア誠で連載する『郷好文の“うふふ”マーケティング』へのリードです。

口に出せないメッセージは温めて――Toast Messenger
家族同士だからこそ、言いたくても言えないメッセージがある。「ああ、言い過ぎちゃったなあ」「謝りたいけど、面と向かうと言いにくいし」そんなときに力を借りたい家電製品を紹介しよう・・・
以下こちらで。 http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0710/18/news105.html

またしても締切を超えての脱稿となりました。吉岡編集長殿!お電話口ではゴホゴホと、お風邪をめしていらっしゃるようなのに、すみません!それともその咳、辛いもの食べすぎでしょうか?(この記事うふふです)。何にせよ来週は必ず締切マモル君になります。

明日のブログは、わたしもSashaさん(紹介したトースターのデザイナー)に負けずにトースターのアイデアを出しつつ、こぼれ話を書きます。

あ、それと・・・昨日に書いた『新月伐採の智恵 その2』で、取り上げた榊原商店の榊原社長から、わざわざお電話をいただきました。ありがとうございました。新月伐採を知るきっかけは、わたしのお客さまからT.S.グループさんのお取り組みをご紹介を頂いたことでした。「勝手に」書かせていただきましたので、誠に恐縮です。

テーマで取り上げた方々と、思わぬ関係が築かれることも増えてきました。行列(Japan times紙に続いてもうすぐdocomoさんの季刊誌にも記事が出ます)、帽子(ブログが縁で来月帽子づくりに挑戦します。楽しみ!)、エコデザイン(丸秘PJです)、そしてビジネスメディア誠へ。だんだんと幸せの素が広がってきました。

拙文に“うふふ”と思われたらぜひ一筆(イチ電でしょうか)お寄せください。‘うふふ’なマーケティングの輪を一緒に作りましょう!

   Photo バターも立派なメッセージ!

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2007年10月17日 (水)

新月伐採の智恵 その2

わたしの経験の中で、最近最もドキドキするのは締切である。

締切マモル君のわたしなのだが、連載には土壇場の書き直しがつきまとう。前回はケガの功名のようにおもしろいテーマで切り抜けた。明日(2007年10月18日)ビジネスメディア誠に掲載予定の一文が、またまた土壇場になって書き直しをする羽目になりそう()。吉岡編集長殿、またまたすみません!

今度は前と違ってポジティブな理由である。テーマに取り上げた商品のデザイナーさんに、インタビューができそうなのである。お願いしていたのだが、なかなかご返信がいただけなかったのであきらめていた。だが「トリップに出ておりました」という書き添えと共にメールが届いた。何しろ海外なので。間に合えばコメントを反映して書き直す所存です。間に合わなければブログでカバリングします。ご購読、よろしくお願いいたします。

閑話本題・・・新月伐採の話の続きを。

【勝手にアドバイス Vol.259 新月伐採の智恵 その2】
ラテン語で「luna」はギリシャ神話の中の月の女神ルナであり、その変形である「lunatic」は、精神異常という意味だが、「月に影響された」という意味が原意というのはよく知られる。月から発する霊気に当たると気が狂うと言われたからである。吸血鬼が満月が苦手で、狼男も満月で風体が変わるというところを見ると、それもまんざらではない。

月齢、つまり月の満ち欠けの図を示した。

 Photo
 出典 http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/moonage.htm

今月は新月は11日であり、満月は26日。新月伐採に適するといわれる期間は「下弦」から「新月」までなので10 月は3日から11日までだった。ちなみに11月も12月も、2日から10日のようである。厳密に守れば、月の内(週休2日を入れて)1/3しか伐採ができないということになる。ビジネスとしては許すまじき稼働率である。

【T.S.DRYグループの取り組み】
それでもエルヴィン・トーマさんの本『木とつきあう智恵』を読んで、新月伐採というコンセプトで事業化して森林を救い、林業を再生しようという動きが各地にある。なぜだろうか。ここではその代表例のひとつである天龍木材を扱う「T.S.DRYグループ」を取り上げたい。

国産材は慢性的な相場の低迷で、樹齢四十年程度の木材では山主に十分な利益を還元できないのが現状です。山の管理が行き届かなくなり、山は荒れ果て、すでに県内の山は死にかけています。良質な天竜材を育む山を守るにはどうしたらいいか? 消費者、山林家に利益を還元するために最良の方法は何か? 共通理念の元「T.S.DRYグループ」が誕生しました
出典 http://www.ts-dry.com/profile/tsd.htm

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ねらいは国産材の振興であり、外材には値段で勝てないので付加価値をつけるしかない。そこで栽培から伐採、乾燥、出荷、物流、施工まで徹底的にこだわる事業化を、木材販売業者が集まり、試行錯誤で実践し、共同体として協同組合を作った。それがT.S.DRYグループであり、Tは天龍木材のT、Sは杉のS、DRYは天然乾燥材という意味を持たせたという。だが、杉はSiderではなくCedarなので、Sugiなのであろう。

【T.S.DRYグループの基本方針】

1.天竜地域以外の木は扱わない
2.枝葉から水分を飛ばす「葉枯らし」を三ヶ月以上行う
3.50年生未満の木は扱わない
4.製品は天然乾燥させる
5.新月伐採法に従った伐採を行う
6.伐採時期を明確にする履歴管理を一本一本に行う

出典 http://www.ts-dry.com/profile/tsd.htm

天竜以外の木材を扱わないという差別化、葉枯らしを3ヶ月以上、さらに製材後の天然乾燥(一般的には乾燥室で強制的に数日間で乾燥させる)、50年未満の木を使わないという思いいれが素晴らしい。
 
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 燻煙乾燥(出典は不明瞭)   焦げている。

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 TSグループの取り組みは、葉枯らしから天然乾燥へ。

新月伐採については二つの時期の伐採で取り組んでおり、厳密な新月伐採材と、伐採期間をやや緩やかにしたものをT.S.DRY材と命名して区別している。その流通にはバーコードラベルと読み取り装置を導入したトレーサビリティを導入するなど、まじめな取り組みも評価できる。

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【コスト削減を優先するも・・・】
榊原商店の榊原正三さんは「苦しい時ですが、若い木の伐採をこらえ将来の付加価値を高めることが林業関係者、消費者双方のためになるのではないでしょうか」とT.S.DRYのサイトで、語る。まじめにビジネスをすることは、伐採コストや在庫コスト、加工コストにも跳ね返る。その対策として抜本的なビジネスプロセスの改革である。

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 Sakakibarakeiro

 出典 http://www.sakakibara.biz/ryutu/file_1.html

【勝手にアドバイス】
新月伐採ないし類似の木材の販売・流通・購入に際して、必要なことを3つ、材木業素人なりにアドバイスさせていただきたい。

1.量的な流通量の拡大が必要
 まずは流通量の拡大、それが必要である。新月伐採木はレア、だからコスト削減、ではいつまでも赤字である。新月伐採に共鳴する山と山、製材所と製材所を「市場」として全国的にネットワークすることが必要だと思う。科学的か否かは別として、月齢をにらんだ伐採を維持しつつも、数ヶ月後の相場を意識して需給情報を開示し、伐採・乾燥・製材する市場を形成したい。山と山をネットでつなぐというイメージである。

2.責任の連鎖が必要
 建築業界、住宅業界、信用が厚い業界だろうか?耐震偽装だけでなく、建材や住設においても、消費者が高い信用をおける業界とは言いにくい

だからこそ「トレーサビリティ」を徹底したい。それは「責任の連鎖」である。素材を買っておしまい、建てておしまい、ではなく、「誰から買い、誰が設計し、誰が施工し、誰が修繕したか」、責任をとるためにもトレーサービリティが必要である。それには新月伐採木という「誠実さ」を起点にするのがいいのではないか。

3.知識の増幅が必要
 建設業は供給者と需要者間の、あまりに大きい知識ギャップに依存している。素人は建築はわからないし、建てた後は土台の下も壁の内側も見えない。見えても評価ができない。そういう知識ギャップのもとで高額商品の購入しなくてはならない。他に類似するものはないのが特徴である。

 だからこそ、「せかされずにじっくりと知識を増やし、後悔しない買物をすること」が、他のどんな消費行動よりも必要ではないだろうか?新月伐採の研究成果の普及はもちろん、木造住宅の良さなどをもっとアピールしたい。住宅消費においては、売り手も買い手も、売買行為を軽く考えすぎていると思う。

最後に、この新月伐採を「オカルト」と言い切ることは簡単である。だが科学者アルバート・アインシュタインがはこう言ったのを忘れてはならない。

われわれの経験のなかで最も美しいものは神秘的なものである

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 本文とは無関連です。 今日は以上です。

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2007年10月16日 (火)

新月伐採の智恵 その1

オフィスで空咳をする人がいる。風邪ならば仕方ない。だが一年中、誰かが咳をしているのは、最近流行りの百日咳など感染病の疑いもある。

一説によると経理マンには咳込む人が多いといわれる。決算期の作業がたいへんで、咳が出て、気管支炎などで発熱して休む人も多いそうだ(しっかりした統計があるわけではないが)。昨今は四半期決算だから、一年中咳き込まなくてはならない。たいへんだ。おもしろいのは元経理マンであっても、その症状が体に染み付いており、決算期になると咳が出るという

これをわたしなりに分析すると実は「シックオフィス」なのではないかと思う。家庭で「シックハウス」と言われる、化学材料を用いた壁材、床材が原因の諸症状である。オフィスはもっと野放しである。

【勝手にアドバイス Vol.258 新月伐採の智恵 その1】
そんな話から入ったのは、あるお客様から「新月伐採」の話を聞きて、さっそくその発端となった本『木とつきあう智恵』を読んだからだ。それはどんな内容か。

オーストリアには「新月の頃に伐った木は虫がつかないし、長持ちする」という言い伝えが昔からあります。近代林業の中では迷信だと無視されていましたが、営林署員だった著者は実際に試し、それが真実であると確信するようになっていきます。そして我が子がシックハウスになったのをきっかけに、「新月の木」しか扱わない製材所/工務店を営み、多くの現場で新月伐採された無垢材のすばらしい性能を実証していくのです。
出典 http://www.jiyusha.co.jp/mokrok/books/173-7.html

  1737  エルヴィン・トーマ著/宮下智恵子訳 地湧社

新月(ほとんど月が見えなくなる日)の日に木を伐採すると、割れず、そらず、腐らず、虫が付かずという理想的な木材になるというのだ。狼男のなせる技なのだろうか?

  5249404  もうすぐハロウィーンですね。

【新月伐採の智恵】
新月伐採(正確には下弦から新月までの期間に木を切り倒す)で木材を作る家を作った事例を、同書から挙げてみよう。

 「裂け目が入らない」
 新月伐採の木材で建てた家を建てた。ちょっとしたミスから1本だけ新月伐採以外の梁をつかった。1年後に「偽の梁」には裂け目が入ったが他の木にはなかった。6年後も同じだった。

 「割れない」
 サンルーム用木製サッシを無垢の新月伐採木であつらえた。高さ5m(!)の2重構造の断熱ガラスである。ガラスは大きければ大きいほどちょっとしたゆがみでもすぐにヒビがはいる(だからアルミで製造する)。だが新月伐採のサッシは1年経ち、4年経っても、びくともしなかった。

 「虫害がない」
 同じ放牧地内で同じ月に新月の日に伐採終了した木と、月が満ち始める日に伐採開始した木があった。数ヶ月後、後者の木はキクイムシだらけになり、前者の木は何の虫害もなかった。2つの伐採地は80mしか離れていなかった

 「浴室の床材としても使える」
 新月伐採をしたサクラ材ならば浴室の床に使うことができる。浴室にある鏡はユニットバスではシャワーを浴びると途端に曇る。だが床・壁・天井に木材を使うとまったくガラスが曇らない。それは木材が呼吸をするからである。

 「ラッカーを塗った木材は埃を集める」
 天然樹脂の油だけを引いた床は埃がつかないが、ラッカー(ホームセンターで売っているものと同様)を塗った階段がいつも埃だらけで、拭いても拭いても埃を集める。それは静電気のせいだ。

昔の実家は戦後すぐに建てた古い家だった。柱と言えばどこにも割れ目があった。木には虫がつく。だから防虫剤や殺虫剤を撒く業者が成立している。浴室の床に木材とは驚きだった。ラッカーやニスを塗ると、なぜ埃ぽいのか疑問をもっていた。他にも数々のエピソードや実例があり、感動的な本である。

 Erwin トーマさん。

【伐採、保存、出荷条件】
このような木材を得るためにはいくつか条件がある。特定の季節(冬がベスト)の特定の月相(新月)に伐採する。葉枯らし(伐採後に横たえておく)を数ヶ月行い乾燥させる(梢を下向きにするのがポイント。木は根から幹に水分を吸い上げるから)。防腐剤、殺虫剤はもちろん不可。塗料も接着剤も使わずに木の特性を活かして建築する(釘もできるだけ使用しない)。

初期投資は割高かもしれないが、そこに住む人は健康に過ごせるばかりでなく、機密性の高さが光熱費を下げ、寿命の長さがリフォームコストを下げ、結局はランニングコストも安くつくという。もちろん木を扱うことに経験のある設計士と建築者が必要なことは言うまでも無い。

 Thoma_jirei
 http://www.thoma.at/html/english/index1.html

【科学的な説明はいまだに未了】
だが、なぜ新月の期間に伐採した「ノイモントホルツ(新月伐採木)」だとこれらの特性を示すのか、科学的にそれが立証されているのか?そこにはまだ国内外で「?」があるようだ。

森林からのニッポン再生』などの著作のある森林ジャーナリストの田中淳夫氏は、新月伐採のセミナーに出席した感想として「比較実験の実験水準やら、サンプル数、さらにはマクロおよびミクロレベルでの客観的な実験方法・分析・考察と、データのの信ぴょう性については全く触れられておらず、逆に科学的な検証としては、「意味無し」という答えを出していることに、本人たちが気付いていない」と書かれている。
出典 http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2007/05/post_e19d.html

飛騨で新月伐採をしたところ7割は虫害も割れもなかったが、3割はやられたという声もある。「オカルトを科学では説明できない」とさえ言う人もいるが、原木業や製材業を営む人に聞けば、科学的な根拠はなくても、一定の時期に伐採をするという経験則もあるのもまた事実である。

NPO新月の木」では新月伐採とそれ以外の木で製作した木のお椀の実験(下図左)ではヒビが入り、黴・虫に強いのは含有成分の違いではないかという仮説のもとに行った実験(同中)では違いがわかり、さらに同条件の木材を地中に埋め込む実験(同右)をして、新月伐採木が優れていることも示した。だが、実際の家ではないので、ほんとうに正しいのか、科学的に立証することに加えて、住まい手への定点ヒアリングも必要である。その意味ではもう少し時間を要するのであろう。
http://www.shingetsuno-ki.jp/main-index.html

 Npobowl Npo_2  Npo

【だが読後の初感は・・・】
ああ!新月伐採の家がほしい!建てたい!」圧倒的にそう思った。マンション住まいのわたしだからなのか、元々日曜大工も木も好きだからだろうか。木への愛着はある方だ。新月伐採という不経済なやり方を信奉するのは、善意でなくてはできないのではないかと。

わたしたちは建材が化学的な処理を施されたおかげで、喘息になったり皮膚アレルギーになってきたという事実がある。科学的に化学建材が悪いことを証明しようとして、それが証明されるまでに何軒の化学の家が建っただろうか?まして構造計算では、長年のインチキが暴かれ、さらに続いている。

一方で、新月伐採を単にマーケティングの差別化策にしているビジネスがないだろうか? 「新月伐採だから素晴らしい」という、呪術的なマーケティングはNO!である。消費者にメリットをきちんと説明することは当然である。

明日は、その取り組みの一部を紹介しつつ、新月伐採についてもう少し考えてみたい。今日は以上です。

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2007年10月15日 (月)

HONDA PUYO モビリティの革新

今日は隔週でメルマガ発行をしているぷろこんエッセイからの転載です。
 ご購読をいただける方は まぐまぐ めろんぱん からお願いします。
 

HONDA PUYO モビリティの革新

「自動車をもたない生活」「自動車のない住宅」の底にある哲学は、クォリティ・
オブ・ライフ(騒音、排気ガス、自動車の危険にわずらわされない快適な居住
空間、セイブマネー(自動車所有や駐車場にかかる費用を節約)、セイブタイム
(渋滞や駐車場さがしの時間を節約)、フリ-ダム(場合に応じて列車、自転車、
タクシー、カーシェアリングと選べる自由)だと言う。

ドイツを変えた10人の環境パイオニア』 今泉みね子 白水社

       @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

この車の報道を見たときは(20数年ぶりに)モーターショーに行きたいと思った。
それはHONDAのコンセプトカー「PUYO(プヨ)」である。

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  http://www.carview.co.jp/tms/2007/preview_car/honda_puyo/default.asp?p=17

この昆虫のようなスタイルの車は、全長2.8mで4人乗り、燃料電池で走行させ、
走行状態を車体の色の変化で表すという。何色あるのかどう変わるのか知ら
ないが、スピードが出てくると真っ赤、止まると緑、電池切れだと黄色かしら?

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ボディはシリコン製で、押すとプヨっと沈みこむ柔らかさ。もしもの場合に他の
走行車や歩行者にやさしくするためとされる。ショーでは現物に指タッチができる
のだろうか?また紹介するコンパニオンの女性は、笑うとエクボのある人をぜひ
起用
してもらたいたい。エクボには指タッチできませんが。

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  美人にはつい・・・               ・・・PUYOしたい(セクハラですか?)     

 HONDAのウエブサイトにはPUYOの【動画紹介】がある。
 http://www.honda.co.jp/motorshow/auto/index.html

それを見ておもしろかったのはステアリングホイールが無いことだ。左右への
操作は、右ドアパネルにおかれたジョイスティックでやる。スティックでオートマ
操作とハンドル操作をすべて行う。ステアイングが無いインテリア・・・それは
かつてない運転席からの解放感がある。メーター類も走るとき以外は隠れると
いう発想も新鮮である。テントウ虫のようなスタイルさながら、その場で360度
回転
もできるようだから、めんどうな縦列駐車をしなくて済む。

 Puyo02 Puyo03  
 右利き用ジョイスティック。         運転するときにもっこり立ち上がるメーター。

PUYOは、スタイルにしろコンセプトにしろ、従来のクルマのありかたをすべて
否定しているから、男性のクルマニアには不評かもしれない。だがすでにピーク
オイル
(世界の石油埋蔵量/生産がピークに達して下り坂に転じるポイント)を
過ぎたという説が強い昨今であり、酷暑を通じて、多くの人がこのままでは
ヤバイと感じたのが「環境変化実感元年」、それが2007年である。

HONDAが今回のモーターショーで主張するコンセプトワードは、「この地球で
モビリティを楽しむために
」。もはや自動車とは言っていないのである。

きっと20年もたたないうちに、現在のスタイルや装備の自動車は消滅し、移動
手段(のバラエティさ)は大きく変化しているはずだ。その意味でPUYOは、自動
車業界だけでなく、買い手や乗り手の意識を変える起点になるだろう。

  1523293228_dd7a2d00eb_o 小さくても広々している。

       @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

まだ実車を見ぬPUYOのコンセプトを解剖しつつ、何が変わってゆくのか、変わら
ざるをえないのかを考えてみた。

まず作り手にとって「後ろめたさがない」

そもそも自動車は環境悪である。大気汚染や騒音の素、事故や不愉快な運転
者を生む素である。それでも人が自動車が好きなのは、スピードや移動する
ことが爽快だからである。だから環境を汚染しても危なくても乗るのである。
だが作り手はどこかで後ろめたさを感じている。時速150km出せばスカっとする
かもしれないが、安全面でも環境面でもエネルギー消費面でも、それは善ではない。

タバコ企業もガム企業も環境悪であるが、吸うと発ガンが抑制されるタバコ
(未だ無い)や、噛むと虫歯が抑制されるガム(キシリトールはガムの概念を
変えた)といった開発は、後ろめたさがないがゆえに自由な商品発想が可能
なのである。PUYOを作ることはモビリティ環境(道路や駐車場や交通法規)を
もう一度作り直すことにもつながる。後ろめたくない。

売り手にとって「訴えることがガラリと変わる」

以前トヨタ「レクサス」のカーディーラー研修のビデオを見た。お客さまを迎える
姿勢から、おもてなしやサービス、BMWやベンツとの違いの説明力など、しっか
りとレクサス研修所で教える。高級車ディーラー網を維持するのは並大抵では
ない。

だが性能や品質の高さ、高機能装備、ブランドの差異で商品の違いを訴える
ことが、車ではいつまでできるだろうか?
こうしたマーケティングも販売方法も、
20年後にはゴミ箱行きかもしれない。今のタバコのパッケージにあるように、
ガソリン自動車の広告には「地球資源にそむいています、環境には害があり
ます」という文面を入れる時代がやってくるかもしれない。

乗り手にとって車は「走り抜ける喜びではなくなる」

PUYOの「必要なときに必要な運転情報を提示する」というコンセプトは、速度
やトルクやエンジン温度、空調、GPS、ETC、iPodやサウンドなど、情報処理に
忙しい運転者にとって福音である。「情報処理がやさしい車」は高齢化社会
にもぴったり。

どでかい排気量とブランドイメージ、メカがモリモリの車で「走るよろこび」と
いう価値観はすでに否定されつつある。乗り手=歩き手にとっても、「自動車が
敵でなくなる
」方が正解なのだから。

       @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

自己否定からの出発は当面は痛いけれど、企業を強くする。

PUYOは「ガソリンの否定」「鋼板素材の否定」「従来の運転操作の否定」「高
スピードの否定(くらげみたいに動きそう)」など、自動車会社にとって、いくつも
自己否定がある。

有名なHONDAの社是「作って喜び、売って喜び、買って喜ぶ」。この社是の根本
を変える必要はないが、「何を」の部分は従来の商品を完全に否定しているのが
PUYOである。自己否定商品をショーの目玉出品にできる企業は、ほんとうに強い。

       @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

そろそろモーターショーという名称も変えなくてはならない時期である。あえて
言えば「モビリティショー」になるのであろう。移動ということを、作り手、売り手、
乗り手、持ち手(所有者)から考え直す展示会という内容になるのなら、これから
毎回行ってみたい。

10年後には、カーシェアリングで4人乗りの「PUYO」や8人乗りの「BUYO」(笑)
が街中を走っているといいと思う。 

Motorshow
 四角いPUYOみたいなクルマばかり(渋滞してるけど_笑)

ちょっと遠出だが愛車(自転車)でモーターショーに行く、という企画を立てたい。
今日は以上です。 

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2007年10月14日 (日)

demanoのバナーエコバッグ

2007年5月から6月にかけて仙台で第3回仙台国際音楽コンクールが行われた。ヴァイオリン部門とピアノ部門でのコンクールは楽都仙台をアピールするにふさわしい内容とされた。だが音楽コンクールが今日のテーマではない。コンクールで使用されたバナーフラッグに注目したい。
 
  Photo

開催期間中にこのバナーフラッグが街中を飾ったが、そのフラッグを再利用してリサイクルエコバッグがつくられた。製作したバッグは10月6~8日に開催された「仙台クラシックフェスティバル2007」の会場で販売された。

  Ecobag7 0710023

【勝手にアドバイス Vol.257 demanoのバナーエコバッグ】
これは東北生活文化大学短期大学部生活文化科と宮城文化服装専門学校の学生がボランティアで制作協力し、800円から2000円で120個だけの販売だった。残念ながら当然完売。実はこのアイデア、元はスペインはバルセロナのデザイナーグループが始めた。丈夫だしエコだし、世にひとつしか無いデザインのバッグができる。その発想も商品も素晴らしい。

【demanoのウエブサイト】
そのデザイナーグループ会社とは「demano」。この会社のウエブサイトが凝っていておもしろい。まず白いゴミ箱が4つある。ネズミ男のような格好の青いビニールコート着た男が表れ、ゴミ箱にビニールや傘や何やらのゴミを捨てる。ゴミ箱それぞれにBasic、Net、Patchwork、Drapという商品ラインが示される。

 Demano000 Demano00 

そこでひとつのゴミ箱を選んでクリックすると、女性が現れて、あたりに誰もいないのを確かめてから、ゴミ箱の中をあさるのだ。あら不思議、中からバッグを取り出して、逃げるように持ち去ってゆく。

 Demano02 Demano04 

男性パターンもあり、同じようにゴミ箱からバッグを拾っては立ち去ってゆく。動画だが、かなり軽くさくさく動く。メッセージは強烈に明確である。誰かがゴミにしたものからバッグをつくるのがこの会社

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【商品デザインは素晴らしい】
廃棄されたバナーから作られる商品はどれもカッコいい。どうみてもヨーロッパ・テイストのデザインのバッグである。それもそのはずだ。もともと一流のデザイナーが広告をつくっているのだから。そのを組み合わせにはセンスが必要ではあるが。Basicから2つほど選んでみた。左は70ユーロ、右が55ユーロ。

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【demanoとは】
demanoは1999年にEleonoraさん、Marcelaさん、Lilianaさんの3人が起業した会社で(いずれも女性)、そもそもフェスティバルや展覧会、イベントでのポリビニールやポリエステルのバナーを再利用して、バッグや小物に仕立て上げることを目的にしてきた。

 Img_h02 Img_h03 
  出典 http://www.demano.net/ENG/mundo_historia.html

まずはひらめき。バナーをなんとかリサイクルできないか。さっそく市庁舎や文化会館などにかけあって廃棄バナーを供給してもらうようになり、この写真のように在庫をかかえるようになった。取り組みが良かっただけでなく、デザインが優れていたから商品は売れ、今ではヨーロッパの他国やアジアの国々にも輸出している。

企業理念は明確。「Statement」には「デザインを通じて世界を救えないか?」「リサイクルはエンドレス」「もう状況は非持続である」「2100年には地球の1/3が砂漠になる」などとある。

   Demano_statement

なおdemanoは日本でも購入できる。リアル店舗はなくオンラインショップはこちら。惹かれるデザインが勢ぞろいしている。

【勝手にアドバイス】
エコ+かっこいいがdemanoのコンセプトである。エコだけではダサいし窮屈である。やはりどこかにカッコよさがないと、消費者も手を出しにくい。その点demanoは、元々カッコいいデザインのバナーを、色彩と素材に気を配って再利用して、新しい価値観を生み出した。

ということは、日本でやるとヒラガナや漢字が入ってくるのである。間違って縫製すると「楽都仙台バッグ」ですか?と言われてしまってはオチである。そうだ、Panasonicに教えてVieraヒルズで使ったバナーをエコバッグにしてもらおう。良いアイデアだ。今日は以上です。

  Pict0020  ぜひバッグに。

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2007年10月13日 (土)

カフェ+αの可能性/トラベルカフェ

先日、同僚のCherryさん からメールが飛んできた。「TNさんて20代ですか?」 TNさんも同僚である。さっそくメールを返した。「(Cherryさん+MKさん)÷2+2歳=TNさんの推定年齢」  

こんなふざけたメールを返すのは(根がふざけているからだが)、CherryさんもMKさんもTNさんも皆女性で、20代と言われればそうだし、そうではないと言わればそうではないボーダーにいるからだ(これなら失礼じゃないよね)。

用向きは「ある雑誌へのインタビュー記事で、海外留学なり修行なりをした30代の女性を求めている」というものだった。残念なことにある理由でぽしゃったが、TNさんはまさにその体験者。女一人旅、欧州某国でホームステイ+修行を積んできた。その経験、きっとどこかで花が開くと思う。

【ラストリゾート Vol.256 カフェ+αの可能性/トラベルカフェ】
そんな人を応援するカフェが2007年10月20日からオープンする。

日本初の留学カフェ 『ラストリゾート トラベルカフェ』 
ラストリゾート×トラベルカフェは、ホームステイや語学留学、ワーキングホリデー、永住移住など、海外生活&留学のトータルサポートを提供している「ラストリゾート」と、旅をテーマとするカフェ&バーを運営する「トラベルカフェ」のコラボレーションカフェです。

引用元 http://www.lastresortcafe.com/concept.html

 0172488_0110月20日から。

顧客の対象は「旅行じゃない、海外」を経験したい人。100%有機栽培コーヒーを中心に、紅茶やジュース、パスタやホットサンドもあるメニューをもつカフェとして、アトレ亀戸の5階に48席でオープン。もちろん海外留学や修行に関係ない人も、普通のカフェとして使える。留学関連書籍や海外の学校・ホームステイの映像を流し、関連のカタログやリーフレットの配布もあるところは、普通のカフェと違う顔を持つ。

【亀戸から世界へ】
さらに海外ホームステイモニター募集などイベントもあるので、カフェ発の留学生ネットワークもできる。「自分の可能性を確かめたい」「本場の技術に触れたい」「外国語をマスターしたい」「海外で働きたい」「日本はイヤだ」・・・いろいろ動機はあるだろう。根本には自分の壁を破ろう!という意志がほしい。

 92981_pc_m  「亀戸から世界へ」・・・・両さんと共に?
 出典 http://www.enjoytokyo.jp/img_bl/adachi/92981_PC_M.jpg

【カフェビジネスの破壊力】
ラストリゾート・トラベルカフェは2つの運営企業の共同事業である。ラストリゾートは、ホームステイや語学留学、ワーキングホリデー、永住移住など、海外生活&留学のトータルサポートする会社である。実はわたしはワーキングホリデー一期生(オーストラリア)だが、申し込みから滞在、アパート探しまでひとりで全部やったのは自慢。だが現地で知己もなくては心細い。滞在カウンセリングを受けるという手はある。

もう一社のトラベルカフェは、ちょっと変わったカフェ会社である。社長の永嶋万州彦氏はドトールコーヒーから独立し、カフェ開業のコンサルタントをされていた人物。これまでカフェ概念を破壊しまくっている

同社の考えるカフェは、お茶を飲むだけの場ではない。亀戸店だけでなく海外に扉を開くのがひとつの特徴。元町通店(バンクーバー)、フレスカ青山一丁目メトロピア店(スカンジナビア)、池袋西口店(ニューカレドニア)、天王洲アイルシーフォートスクエア店(ノルウェー)、お台場店(山梨県北杜市・・・海外ではない)など、海外とのビジネスタイアップ企画がカフェに融合している。

さらに「サラリーマン&OLミュージシャン応援プロジェクト」ではCDデビューをプロデュースし、新宿サザンテラス店では「モデルスタイルBBカフェ」という人気モデルがプロデュースしたカフェを期間限定(2007年9月3日より4ヶ月間限定)で開いている。
http://www.travelcafe.co.jp/news/index.shtml

 Chn23_rpt738_p1100658500  
 「モデルスタイルBB」カフェの美々なる面々。

 「心と体におしゃれを補給」をコンセプトに今をときめくモデルたちがカフェを独自の感性でコーディネート、店員として働く」そうである。メンバーの一人の牧瀬里穂さんもメイドをするのだろうか?

 705  
 牧瀬里穂プロデュースブランド【Sucre】 アクトレスチューブ(通販商品)
 http://www.travelcafeshop.com/shop/goods/goods.aspx?goods=705

同社はカフェに旅行や観光、買物、ファッション、ウェディングを融合させる。なぜそんな企画ができるか、同社にはクリエイター、元総料理長、トラベルアドバイザー、画家、ボディケアプランナーなど多彩なスタッフが参画しているからであろう

【勝手にアドバイス】
スターバックスとTSUTAYAがタイアップして、有楽町丸井8階にカフェ+ブックストアの複合店を開いた。それもいいなと思ったけれど、トラベルカフェの「カフェ+α」の破壊力は凄い

 0172488_02 Last Resort=最後の手段ではなく雄飛の起点として。

海外へ飛び立つ若者には、亀戸のラストリゾート トラベルカフェでコーヒーを飲み、このカフェの「壁を突き壊す破壊力」も感じてから飛び立ってもらいたい。今日は以上です。

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2007年10月12日 (金)

"うふふ”マーケティングこぼれ話 家族のメモリー

タイトルも物語も覚えていない、昔見た映画のワンシーン。たぶんアメリカ映画である。その家では靴箱(紙製の商品の納まる箱)に子どもの思い出の品を収めて、トランクルームの天井に近い棚の上に、いくつも並べて保管していた。母親らしき人が踏み台に乗って、そのうちのひとつの箱を下ろし、箱を開けた。何かを取り出した。じっと見て、大事そうになでた。そんなシーン。

  Dsc03133 おっと隠れてた。

記憶はそれで途切れている。なぜかそのシーンが記憶の隅に残った。

靴箱というしっかりとした作りの箱だから、そのエコな廃品利用にも感心したが、あのサイズにストンと収める始末の良さにはっとしたのだった。だいたい靴箱は同じサイズだから、1年でひと箱か、数年でひと箱かわからないが、整然と並べられる姿は「成長」というたとえがあった。靴が大きくなれば、自然と靴箱も大きくなるから、足のサイズの成長という意味でも、人間の成長というメッセージが伝わってきて、ジン、としたのである。

そして母がメモリーを保管する姿、見入る姿に、家族のメモリーへの敬愛があった

【"うふふ”マーケティングこぼれ話 家族のメモリー】
中身はきっと他愛ない(成人したら恥ずかしくて見たくない)テスト用紙やスケッチブックや工作やお守りやぬいぐるみ・・・である。がらくた。ある人以外には無価値な品々。だからメモリーを保管するのは、ミカンの段ボール箱でも構わないし、今どきならホームセンターで売っている乳白色のストレージボックスだって構わない。引き出しにずんと入れたって構わない。それはそうだと思う。

だけれども、それではどこか、あの靴箱のメモリーの愛にはかなわない。段ボールは丈夫なだけだし、プラスティックのケースには冷たさしか感じられない。あれでは収められるメモリーはどこか居心地が悪いのではないか?容器だけの問題ではないのだが、そんな気がする。

  Image01
  靴箱をメモリー入れとしてい販売する会社があります。
  http://www.d-department.jp/cgi-bin/omc?req=closeup/059.html

【男と女のメモリーの違い】
メモリーは子ども時代だけでなく、青春時代のメモリーもある。男は青春メモリー、いわゆる愛のエビデンスを大切にする生き物である。そこが女と違う。

エビデンスとは愛の手紙や封筒をはじめとする物々である。チョコレートの包装紙、手提げ袋、映画のパンフレット、半券、もちろん写真・・・などいわゆる「証拠物品」を捨てられないがゆえに、あとで波瀾万丈の目に遭う。だがそれがわかっていても捨てられずに墓穴を掘る。特にそれを眺めて想いにしたる・・・そういうことはないのに。単に捨てられないだけなのである。ああ・・・それが男というサガ。

   Hasami エビデンスは捨てるべきなのだ・・・。

対してポイっと捨てるのが女。なぜかんたんに捨てられるのかナジりたくもなる。アダムとイブの違い以上に現代ではそれが問題視されるべきなのだが、未だ科学的な心理分析は少ないのが残念である。辰巳渚さんがかつて「捨てる技術」というベストセラーを書いたが、彼女はオンナである。だから男にはとても書けない本である。

ところが女は自分の子どもとなると、メモリーが捨てられないのである。靴箱とは限らないが、何もかも何かに入れて残す。男は女を愛するが、女は我が子を愛する。男は愛のエビデンスにこだわるが、女は自分の子の成長にこだわる。この重力よりも強い法則ゆえに、種々の家庭内犯罪が生じるのである。

    P03   D0601 @700円~ 

【機能主義一辺倒の男のメモリー】
1970年代から今まで、日本の電機メーカーがやってきたことは男の論理である。すなわち、どうメモリーを残すか?という規格争いの歴史であった。言ってみればオレがオレのやり方で、メモリーを残してやるという消費者軽視があった。

歴史を見ればこのとおり。カセットテープに始まり、MDからCD、ベータとVHSと8mmビデオ、SDにメモリースティック、CDRにHDDにDVDにブルーレイ・・・・。どう残すか?という一点で競争を繰り広げてきた。性能よりも使い勝手よりも何よりも、シェア争いの歴史であった。まさに男の論理である。

今のハードウエア販売も「ホームサーバーのポジション争い」である。パソコンかテレビかブルーレイかロケーションフリーのようなデバイスなのか、さらに音楽業界からもHDDコンポという売り込みがある。業界を上げて、ばらばらに家庭のメモリーを吸い上げよう争い繰り広げられている。

放送と通信の融合」というテーマもそうだ。通信帯域とコンテンツが勝負を決する!(ホントですか?)。ネットワークの仕組みに対して、御上からお墨付きをもらいさえすれば、中身も利用者もあとからついてくる。そんな風に聞こえてしまうですが。

男は「捨てられないメモリー」を残すことにこだわり、実は箱の中身(メモリー)を見ていない。メモリーにはらうべき敬愛をはらってこなかった。今だってはらっていない。これからもはらいそうにない。

【せめて3つのメモリー技術を!】
ビエラだけでなくアクオスもブラビアも、みんな21世紀の「電子ちゃぶ台(家庭の真ん中のポジション)をねらっている。電子ちゃぶ台でほんとうにたいせつなのは何か?それは家族のメモリーへの敬意である。ひたすら大容量でメモリーを残せばいいというシステムではない。それには少なくとも次の3つの技術要素がある。

 残す技術=どんな形式のデータも、それが何十年後であっても昔の形式に変換できる
 見せる技術=「データをめくるような」探し方ができる(Apple iPodのCover Flowのように)
 捨てる技術=辰巳さんに教わろう(見たいものだけが見えるインタフェース=実際は捨てない機能)

  Ipod_cover_flow  
   Cover Flow

 
【取材メモリー】
今回の「ビエラにリンク!」の取材ノートにはマルマンのB6スケッチブックを使ってみた。一冊130円ぐらいで売っている品だ。これが手にすっぽりとはいるし、手前にどんどんめくれる。紙も厚い。取材活動にはぴったり。今日は以上です。

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2007年10月11日 (木)

小雪&綾瀬はるかが六本木ヒルズをジャック!――伝えたいことは何?

今日はビジネスメディア誠で連載する『郷好文の“うふふ”マーケティング』へのリードです。

小雪&綾瀬はるかが六本木ヒルズをジャック!――伝えたいことは何?
ジャック広告といえば、電車1台を特定商品の広告で埋め尽くす「ラッピングライナー」が有名だが、同じ広告ばかり観ていては飽きてしまう。“埋め尽くす”意味があるジャック広告とは?を考えに、六本木ヒルズに行ってきた。

明日は記事に関連して“メモリー”に関するこぼれ話を書きます。

    Pict0038
    さすがは六本木、外人多し。宣伝担当もTVにのめり込まんばかりに in English.

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2007年10月10日 (水)

4人なのか6人なのか、それが問題だ。マークX ZiO

吾国内新車販売台数は1990年の777万台をピークに、今年2007年は530万台と予想されている。ざっと3割以上縮小する見通しである。90年と言えばバブル真っ盛りの頃で、ゲタ履きでベンツを買いに来る客がいたとか、ずいぶんと高額のクルマもキャッシュで売れた。

あの時とは違うよ・・・それは確かだが景気が良いと言われる07年もミニバブルである。だが今回のバブルでは車はさっぱりなのだ。もはや成熟商品であり、軽自動車や高級車は売れても、中型車は売れ行きが悪い

そんな背景のさなか、トヨタが中型車の主力ブランド『マークX』に投入した新車、『マークX ZiO(ジオ) 』がとても気になった。欲しい、というわけではなく、この車の広告が気になったのだ。この車、何人乗りなのか?」

【勝手にアドバイス Vol.255 4人なのか6人なのか、それが問題だ。マークX ZiO】
なぜ「何人乗りなのか?」という疑問が湧くか。その理由は、トヨタが広告でそのことを(たぶん)ワザとあいまいにしているからだ。ほら、この写真では4人乗り・・・でしょ?

 Photo

「ワゴンより贅沢に」「ミニバンより優雅に」「セダンより自由に」というキャッチが示すこの写真では4人乗り。トヨタでは「独立4座」という洒落た表現をしている。ひとりひとりのスペースが贅沢に見える。前後のスペースは、クラスが上のクラウンより広いのだ。だがこの車は6人乗りである(2列目のシート形状により7名乗り)。

 Photo_2 001 
 ミニバンモード(わざと見えにくく?)  

外観は、6/7人乗りには見えない(見せない)スタイリッシュなデザインである。これをあなたは便利といいますか?それとも潔くないといいますか?

【乗車人数はぶれる】
マークX ZiOのウェブサイト広告も「人数」はあいまいである。「星空研究会 X-Seater」という告知をして、動画広告を展開中。40代後半ぐらいの男性4人が出てくる。学生時代に星空研究会をつくっていた。彼らはそれぞれにロマンチストである。久しぶりに4人がそろって星空を研究することになったが、ほんとうに星が好きな人、星が好きなのを口実にする人などが混じっていることがわかった。

 Photo_3

そこへ、4人に共通する学生時代のマドンナ、上杉かおるから一通の手紙が届いた。「まだ活動していますか?清里の流星群を観にきてください・・・」

 Photo_4  Photo_5

今は第2作目配信中。この一枚のハガキがそれぞれの流れ星を思い起こさせる。「かおるさんは、実はオレを一番好きだった」という、星空のような妄想にみんな取り憑かれているのだ。いいなあ、わかるよ、男は妄想好きなのよ。原作は弘兼憲史さんなので男の機微をずんと突いている。でもこの物語でも乗車人数は微妙である。

【団塊世代=欲張り物欲世代】
実は、消費者自身も何人乗せるべきか、揺れている。この車は40代から60歳ぐらいがメインターゲットだが、子供が自立して乗せる必要がなくなりつつある世代。でもたまには子供を乗せたり、テニスクラブの仲間を乗せることはある。確かにそういうときは3列が便利である。

そろそろ自由になるから、スポーツカーに乗りたい。でも現実的となると踏み切れない。だけどカッコ悪い車に乗りたくない。時々娘もくるし、ゴルフにもゆく。そうだ、オレはもう一度星空を観るというあのときに目覚めたい。なら6人乗りも荷室も広い方がいいな・・・。アンビバレントな欲求。

こうした一貫性の少ない「あれもこれも欲張り」な物欲丸出しが、大量消費時代の申し子たる団塊世代の特徴である。それに合わせて商品化したのがZiOだと思う。トヨタは「提案型商品」と言うが、わたしから見れば「ニーズすり寄り型商品」である。デザインは悪くないが、潔ぎよさが感じられない。

【マークⅡの終焉で消えたもの】
マークXの前身の車は「マークⅡ」という車。もともとはコロナ・マークⅡと言われ、ファミリーカーのコロナと高級車のクラウンの間を埋める車格で、1968年の登場以来ベストセラーを続けてきた。

  200pxcorona_mark2_1st  初代マークⅡ(よく覚えています)

若い頃はカローラで車入門、そろそろマークⅡ、いつかはクラウン。社会階級と収入と車のレベルアップが一致しているのが、自動車メーカーの商品開発前提であった。それが機能しずらくなったのは、あのバブルの1990年が境だと思う。
 
  200pxx801990  マークⅡといえばこれ(1990年/バブル年モデル)

マークⅡBLITというワゴンを最後に2007年6月に生産終了し「X」になった。これはユーザーがトヨタ車のブランドと共に成長するという方程式の終焉でもあった。それ以来、ユーザーの嗜好は収入とも社会階層ともリンクしなくなってしまった。

【勝手にアドバイス】
自動車への消費者の思いが薄れた、自動車以外にお金を使うようになった・・・と言われるが、大きな視点から観れば、消費者は賢く正しい方向に動いている。

今どきは「エコ車」か「趣味車」しか売れない。それは成熟した市場のあり方であり、正常な(マイナス)成長でもある。いつの時代でもマーケットは先行するものだが、自動車業界は巨大な市場と供給機構ゆえに、ユーザーの先行性に著しく遅行しているだけなのである。変化に合わせるのではなく、変化を先取りするのがメーカーの役割なのに・・・。今日は以上です。

 20071009at1d09046091020071f
 こういう発想は好き(HONDA PUYO 柔らか燃料電池車)

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2007年10月 9日 (火)

Gay Bomb/ゲイ爆弾 イグノーベル賞を笑う

医学生理学賞、物理学賞・・・と今週(2007年10月8日の週)次々に発表されるノーベル賞。文学賞には村上春樹氏も取りあげられているので、ひょっとしたら・・・ということもある。しかし大方の庶民はノーベル賞は雲の上の人、縁が薄い。ましてマーケティングという売らんかな思考とはほど遠い、高邁な出来事である。

そこでわたしはイグ・ノーベル(Ig Nobel)賞に注目してみたい。ご存じノーベル賞のパロディ版だが、設置されてからかれこれ17年目になる。今年わたしが注目したのは日本人の受賞(牛の糞からバニラ)ではなく、米空軍の研究である。Aha!という意外性とおもしろさがある。タイトルは長い。

「男性の同性に対する性的欲求を刺激する物質を散布し、戦場における敵兵の戦意喪失をはかる研究」、通称「Gay Bomb(ゲイ爆弾) 」。

【勝手にアドバイス Vol.254 Gay Bomb/ゲイ爆弾 イグノーベル賞を笑う】
この研究を考える前に、イグ・ノーベル賞の設立趣意をおさらいしよう。"first make people laugh, and then make them think”(人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究) これが"ignoble"(下卑た)賞の趣旨である。

まさに最初に笑わせてくれて、ぐっと考えさせてくれるのがGay Bomb研究。煎じ詰めて言えば、戦場で催淫剤を込めた弾頭を爆撃機から投下(あるいは戦車や迫撃砲などで打ち込むのもあり)。それが戦場の兵士の一線に炸裂する。落とされた弾頭から、催淫効果のある薬品がまき散らされ、それを吸引した男性兵士が同性を好きになるというのだ

  _40722745_b52pa203 「ゲイ爆弾・・・投下!」なんて発声、笑いそう。

【発端はまじめ(らしい)】
1994年に米国オハイオ州にある空軍基地のライト研究所(the Wright Laboratory)で「非殺傷型化学兵器の多角的な可能性」という文書が作成された。 「致死兵器」以外の兵器開発をしようという、まっとうな取り組みである。

だが文書といってもたったの3ページで、ミスタイプも多いと言われる。研究者はこの研究に7.5ミリオンUSドル(約10億円)の要求をしたが却下された。なぜなら香りやガスの爆弾やあるいは注射や薬物投与で、性癖が変わるという研究成果は、まだ本家のノーベル医学生理学賞でもないからだ(笑)。

  0552689600 やはりレインボー(笑) 

もしも催淫効果が出たとして、男性同士をいつまで好きにさせる効果が持続するというのだろうか?感謝祭前やクリスマス前などにばらまいて、休暇をカレと楽しむ数日間?(笑)。その間に平和ムードが高まり、休戦協定が結ばれるのならいいが、時間切れでクスリが切れたら、かえって凶暴にならないだろうか?

この文書には他にも馬鹿げた提案があり、兵士の口臭を臭くさせる兵器(皆が臭いあまりに、活動を中止したくなる)、敵部隊にむかって蜂が猛攻撃をしかけるようなケミカルを放出するなど。楽しい。

2006年にサンシャイン計画(生物兵器に反対する国際的なNGO)が行った情報公開法に基づく情報開示請求により明らかにされたのがこの文書。こういう文書を後生大事に保管する米国の文書アーカイブもすごい。イグ・ノーベル賞がこれを取り上げることができたのは、ふざけてもマジメだからだろうか。

   _44157081_ignobel_203 マーケティング賞はないのだろうか?

【イグノーベルなマーケティング発想】
もちろんこの開発を民間転用しても、LGBT(レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)市場への影響はほとんどない。前述のように「同性を好む嗜好はむしろ遺伝」と言われるからだ。だがゲイバーはその出会いの場を今やウエブサイト(SNSなど)に奪われ、新宿などその一帯のお店は閑古鳥と言われる。ならばジョークで「今週、店内にゲイ爆弾サンプルを撒きます♪」というのはアリだろう。

満員の通勤電車にこのケミカルを放射すれば、一般的な意味での痴漢は減るかもしれない。だが同性の痴漢が増えるのであれば逆効果でもある。

まじめなマーケティングである。この話をぜひ映画化してもらいたい。スプラッシュ・ヒットは間違いない。ゲイ爆薬の開発・・・その汗と涙と愛の開発メン物語(笑)。映画化権をペンタゴン(米国国防総省)に求めるという発想もおもしろい。映画化されて、その劇場がどんなカップルで埋まるか想像するのも楽しい。

業績にはまずいかもしれないがオフィス革命にもなる。オフィスにGay Bombを撒く、仲の悪いみんなが仲良しになって、ガチガチの成果主義をやめて、和気あいあいと仕事をして、そのうちに戦意(業務遂行)喪失になる・・・。あれ、これって良いこと?それとも悪いこと?

 Art_ignobel_prize_ap これを目指したい(ノーベル賞は無理だから)。

【勝手にアドバイス】
イグ・ノーベル賞の趣旨は「笑って、考えさせる」だった。ビジネス脳を柔らかくして発想トレには、もってこいの賞である。

ウツやら失調症やらでストレスが高まっている職場をぐぅ~っと和らげるために、ビジネス・イグノーベル賞をつくりませんか?実業界の、笑えてでもマジメな取り組みや発明を表彰するんです!ほら、ビジネス川柳ってありますよね。あのノリと同じ。知価社会では効率一辺倒では勝てない。笑いから発想もやる気も生まれる。今日は以上です。

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2007年10月 8日 (月)

プロダクトで作る自分史

世代論の本は売れない」というのは出版界の定説である。ニートやフリーターが社会問題化して注目を浴びれば、そのときは売れる。それに乗じて下層社会や格差社会について本も出すと、今度はさっぱり売れない。こういうサイクルがあるという。

たしかに、商売から見ても「世代論がどう商売につながるのか」が知りたい。世代論がたとえおもしろくても、それでどうやって自社の肥やし(商品開発)にするのか、具体論がないのでは・・・。だから本が買われない。だがほとぼりが冷めた頃に、また世代論で本を出すのも、また懲りない出版業界である。

そんな現実があるが、小学館の「日本を変えたプロダクト図典 プロダクトで作る自分史」には興味をもった。

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【勝手にアドバイス Vol.253 プロダクトで作る自分史】
これは1984年生まれ、今年の新卒入社一年目の年齢を選択したときの「プロダクトでたどる自分史」である。

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やりかたはかんたん。「あなたの誕生年を選択」で誕生年を選択する。そこがスタート地点であとは時系列にプロダクト発売が列挙される。CMや出版や映画もざっとわかるのも便利。自分が生まれてから今までのプロダクトの歴史を一覧化するサイトである。

左側には誕生年の1984年にあったニュースや出来事がコンパクトに書かれ、右側は誕生年と世代名称のメモリがついている。流行歌や流行語もざっとわかり、84年の流行語は「オシン」「くれない族」、映画は「インディジョーンズ 魔宮の伝説」などがあらわれる。

【詳細な商品データーベース】
このサイトはトレンド誌『DIME』などを発行する小学館が運営しており、だから実に詳細なデータベースが裏側にある。商品データーベースのサイトをクリックすると、収録されているプロダクトの一覧が出て、ひとつを選ぶと商品説明がでる。

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 お世話になった塩ラーメン。

難があるとすればまだ登録商品(ブランド)に偏りがあるところ。この商品があって、どうしてあれがないの?という疑問が多い。国会図書館ではないから、あらゆるものを蒐集はできない。不偏不党で充実してほしいとは思うが収益事業となるか・・・。ですが、こんなデーターベースのサイトはマーケティング屋には感激である。がんばってください

【プロダクトの歴史の活用】
プロダクトの歴史をどのように活用できるだろうか?

まず自分のプロダクトの歴史を振り返ってみよう。自分がどんな人間なのか、振り返ることができそうだ。で、自分についてやってみました。ちなみにわたしは人から年齢を聞かれると「aboutでいいですか?と答えることにしている。下図は、そのアバウト帯が斜めに走っている。

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左側のタテ軸は年齢推移を、右側の黄色いタテ軸は、今の年齢を示す。ヨコ軸は西暦の年代が入る。そして世に言われる世代ごとにくくりがある。それが2本の斜めの線で仕切られた帯となる。帯の上に「あれはよかったな、そういえばあったな」と気になったプロダクトをデータベースからコピペしました。

ふ~ん。自分が何に影響を受けてきたかの歴史がわかりますね。同世代ならだいたい一緒なのだろうか?
きっと微妙に違うだろう。隣あう世代にウケたプロダクトと、自分の世代の違いを考えるのもおもしろそう。

他の世代との交流も見えてくる。たとえば新人類なら、新人類ジュニア世代の影響(自分の子供たち)も受けている。だからプロダクトの歴史がクロスするとか。年が離れた結婚をしているなら、夫婦のギャップもプロダクトでわかったりして(笑)。いろんな分析ができる図である。

この図は『顧客理解の技術』(ファーストプレス)の「世代・社会事象相関図年表」を参考につくりました。好著です。

【マーケティングへの適用】
マーケティング的には「ペルソナ・マーケティング」と言われる手法への適用ができる。それは、もっとも買って欲しいターゲット像をつくり、それにフィットする実在のお客様や被験者を見つけて、インタビューや観察を徹底的にする。その嗜好や行動をつまびらかに知ることにより、そのターゲット層への戦略をつくるというものである。

「プロダクトの自分史をつくっていただけませんか?それに基づいてディスカッションしましょう」 こんなアプローチができそうだ。

【勝手にアドバイス】
世代論だけで人間がわかるほど、人間は単純な存在ではない。まして家族構成や購買頻度、収入階層といった、いわゆるSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)マーケティングで人間はわからない。だがこの「プロダクトでたどる自分史」から感じるのは、人は世代トレンドに大きな影響を受けているということである。そして世代以外のどんな影響を受けるのか、そういう仮説を考えさせられる。

もうひとつは、「惹かれたり」「購入したり」「嫌ったり」した商品をピックアップしてもらうだけのリサーチができないか。これはとても単純だが、顧客の価値観の分析に可能性がありそう。テイストによる消費者心理のセグメント、みたいな意味である。これは引き続き考えてみたい。今日は以上です。

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2007年10月 7日 (日)

エコサイクル・マイレージから絹代さんへ

説明がつかないことに打ち込めることを、別名「幸せ」という。

なぜそれをやると自分が楽しいのか、口ではうまく説明できない。でも理屈抜きで楽しい。苦しいときもあるが、続けられる。そういう趣味をもてれば良い。それが仕事であれば尚良い。誰かを愛することもそうだろう。

わたしの場合、ある晴れた平日の午後に、雷に打たれたように自転車に乗りたくなった。まだ幸せと言えるほどはないが日曜サイクリストの仲間入りをした。

 Cycle04  前輪

【勝手にアドバイス Vol.252 エコサイクル・マイレージから絹代さんへ】
まだ新しさの残るロードレーサーにはサイクリストらしい装備はまったくできていないが、どうしても参加してみたいと思ったのが「エコサイクル・マイレージ」である。

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走った距離と時間を、エコサイクル・マイレージのホームページに毎日書き込むだけで、同じ距離を自動車でガソリンなどを燃やして移動した場合と比べて「どのくらいCO2を削減したことになるのか」、「どれだけのカロリーを消費し、 余分な脂肪を燃焼させたことになるのか」を調べてみよう。
引用元 http://ecomile.jp/what/index.html

さっそく参加を申し込み、走行距離を計るサイクル・コンピュータ(走行距離計)を購入した。ネットで買わずに近所のサイクルショップで買うのも、宅急便車を使わない地球貢献。ママチャリで出かけた。思いのほか本格的なサイクルショップが近所にあったのも発見だった。品揃えもしっかりのそのお店のTVでは「TOUR OF JAPAN」のDVDを映していた。食い入るように観てしまった。

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TOUR OF JAPANは、1日に100kmから150kmもの距離を走るレース。2007年5月に全国の7ステージで行ったその大会には44万人も動員している。それに比べて日曜サイクリストの環境貢献は次のごとく、とっても小さな一歩ですが。

 本日までの 走行距離 20.17km
  走行時間  1時間0分(時間はテキトーな入力)
  消費カロリー 278.46キロカロリー
  自動車で同じ距離を走行すると排出されるCO2は0.0046391トン

   
 Pict0015  エコマイレージの記録装置(1800円)

【自転車界のマドンナ 絹代さんの奮闘】
TOUR OF JAPAN」の記事を読んでいて、自転車界のマドンナを知った。絹代さんはモデル、タレント、エッセイストで、5年ほど前のある日、取材中に自転車という「落雷」に打たれて、「ミヤタスバルレーシングチーム」の広報担当にもなった(2006年まで)。

 Toj2c Kinuyo_2   。

はじまりは、人。
仕事で知り合った“自転車”でつながる人たち。皆、エネルギーに溢れ、全身で人生を楽しみながら生きていた。それは自転車のおかげ? その中に、私が知る他の誰とも、どこか違う男性がいた。とろけるような笑顔の彼は、過去すごい選手だったという。この人、いったい何だろう?

引用元 http://www.panaracer.com/new/column/old/03wheel_2_16.html

TOUR OF JAPANに参戦するミヤタスバルチームに関わりだした頃の文章(同チームの広報ブログ)より。それまでは美貌のモデルでありタレントだった。だが2002年にTOUR OF JAPANのテレビ番組に出られたときから取り憑かれてスタッフになった。このエッセイからは始めて給水のボトルを手渡す初々しさも伝わってくる。

そして、私たちは、なぜスタッフをやっているのだろう。他に、もっと条件の良い沢山の選択肢があるはずなのに。どうしてこんなことしてるの? ここに何があるの? 何が狙いなの? (中略)
今年は、何か日本の自転車界を変える一歩を、と、もがいた1年だった。遠くの夢と目の前の作業に追われ、関わる人々のそれぞれの思惑の中を、右往左往した。悩み、立ちすくんでは、目を覚まさせられ…また進み、立ち止まり…1年をかけて、私はいったい何歩進むことができたのだろうか。

引用元 http://www.panaracer.com/new/column/kensouroku34.html

 P1020101_1  東京シティサイクルで司会も
 出典 http://miura-sv.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/p1020101_1.jpg

最近のブログではシクロクロス(自転車のオフロード競技)大会も支援する絹代さん。ネットも使えない山奥からも発信している。ずっと雷に打たれたまま。自転車レーサーたちの何かを伝えたい、何かを共に成し遂げたいともがく。

【勝手にアドバイス】
2007年は格差バブルの一方で、環境意識がぐんと高まった年になった。エコ+デザイン、エコ+自転車、エコ+美人・・・エコ+「XXX」がいよいよビジネスとしても、活動としても表舞台になる機運が高まっている。打たれた人にも光があたるといい。わたしにとってもエコ+マーケティングはテーマだし。

小さなアドバイス。エコサイクル・マイレージはぜひブログパーツにしてブログからも更新できるようにしたい。エコサイクルでブログをつなぐ(ブログパーツ.comにはなかった)。小さくても積もれば、いつか。今日は以上です。

 20070413_b
 不機嫌な騒動の渦中のおひとり、富永美樹さん(フリーアナウンサー)も自転車乗り。
 乗ってすっきりしましょう!
 http://www.cyclestyle.net/column_tominaga/09.html

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2007年10月 6日 (土)

USBアナログプレーヤーに学ぶ2つの温故知新

少し前だが、神保町の裏道にある喫茶ミロンガでお茶を飲んでいた。タンゴの曲がかかる隠れ家的な喫茶店。隣に若い女性が座った。と思いきやすぐに立ち上がって別の席に移っていった。

わたしの目の前に座る男も、若い女性の向こうのテーブルの人々も、口に煙りの出るものをくわえていたからだろう。百害あって一利なし。だから女の子も逃げるんだ、ODJ君。などと苦々しく思いつつ「さあ、出ようか」と席を立つと、若い女性が座りかけた席に忘れものがあった。
 
Titlelogo 
Disk Union(音楽ショップ)のロゴの、手さげ袋だ。30cm四方のサイズだから、いわゆる(というか懐かしいというか)レコードなのだ。わたしは「お嬢さん、忘れ物ですよ」と彼女が移った席を探して手渡した。彼女は微笑んで「すみません」と受け取った。

【勝手にアドバイス Vol.251 USBアナログプレーヤーに学ぶ2つの温故知新】
今ごろレコードぢゃないでしょ、と思うだろうが、レコードのジャケットの美しさは到底CDのブックレットの比ではない。レコードの溝を掘るサァー・・・という音にも味わいがある。忘れっぽい彼女がどんなレコードプレーヤーをお持ちか知らないが、USB接続のアナログ-デジタル変換プレーヤーも出回るようになってきたから、かんたんにiPodで聴くこともできる。

 Ttusb10  ION(アイオン)のUSBアナログプレーヤー

USBケーブル1本でアナログレコードの音源をPC/Macに録り込むことができます!ステレオ・ミニ入力端子も搭載! グレード・アップした話題のUSBターンテーブル「TTUSB10」のご紹介です。アンチ‐スケート・コントロール機能を搭載し、より安定した再生を可能にしました。
引用元 http://www.pro-audio.jp/ion/ion_ttusb10.html

 Ittusb_step1(初代製品)  
 
接続はかんたんなソフトウエアの操作で、溝(アナログ)からWav、MP3(デジタル)へ転換ができる。タンゴレコードの蒐集家でもあるミロンガでは、所蔵している何百枚?もの、味わいのあるタンゴのレコードがライブラリ化できる。米国製でプロオーディオ・ジャパンから発売中。価格は24800円。

 Pict0017 the Rolling Stones in concert 1969.  

愛蔵のこのレコードもデジタル化できるはずだが、ラスト曲の『Street Fighting Man』のところで音飛びがあり(Sleepy London town・・ガガ・・Sleepy London town・・ガガ・・・)いつまでもミック・ジャガーが寝ぼけたロンドンから抜け出せない。なんとかならないのだろうか?

IONからはコンパクト・カセットテープをPC接続でデジタル化する機器も発売中。こちらは19800円。
http://www.pro-audio.jp/ion/ion_tape2pc.html

【商品開発はライフスタイル開発】
単にノスタルジーにかられたわけではなく、商品開発はライフスタイル開発の繰り返しなのである。次の図はセミナーで使うプレゼンの1ページをもってきた。

 Usb_2

左隅のCDコンポは顕在ニーズであり、吾輩にとっても普通の聴き方である。その上の初代ウォークマンは「歩きながら音楽を聴く」という潜在ニーズを発掘して、ライフスタイルを変えた。iPodはさらに一歩進んで音楽ライブラリをPCやネット上に所有するというライフスタイルを開発した。

そして真ん中上、IONのUSBプレーヤーは「温故知新ニーズ」、レコードをデジタルで聴き保存できるというライフスタイルを開発した。昔のメディアを持つ中年にスポットをあてたノスタルジーなニーズである。

【勝手にアドバイス】
だがレコードを買った若い女性にとってはどうなのか?彼女にとってレコードとは埋もれた青春ではない。ノスタルジーを愉しむという現在形のライフスタイルなのである。パソコンでレコードを聴くという、デジタルなノスタルジーなのである。

つまり、温故知新の商品開発には過去形と現在形がある。世代や商品規格のギャップを埋めるところには、たいがいこの二つが混在している。USBプレーヤーからそんな教訓を得た。

 Pict0013 このデジタル化はアナログ・ノスタルジーかしら。

なおサウンドバーガーについてはこちらを。空想のiPhone shuffleについては勝手に空想してください。きっとライフスタイル開発のトレーニングになりますから(うふふ)。

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2007年10月 5日 (金)

“うふふ”マーケティング こぼれ話 ワン書体印鑑てんまつ

  ワンコやニャハンコのおかげで、連載3回目にして、早くも締め切りへの耐性がついてきた。というのも、ほんらい掲載予定の原稿が、入稿日当日になってサイトにアップできなくなったからだ。

あんなに精魂を込めて書いたのに!内容は「うふふ度」は低いけれど、書いておきたかったテーマである。それがある理由からとりあえずペンディングにした。今週発売中止になった写真週刊誌の『フライデー』のような理由ではないし、内容面でもない。あえていえば矜恃(きょうじ=潔さ)に関する理由です。

だが代わりの原稿がいる!デビューして3週目で欠号や遅延はしたくない。でもどうしよう!・・・あと十数時間しかない(マイナス睡眠時間)。

【“うふふ”マーケティング こぼれ話 ワン書体印鑑てんまつ】
少し書き出していたネタがあった。その前日に、吉岡編集長(わたしが連載しているビジネスメディア誠)からのタレコミ『ワン書体印鑑』のプレスリリースがそれだ。ネタがおもしろかったので、ブログに載せたいと思っていた。よし、これを書こう!

・・・と、ひいひい言いつつ書き、無理を言って締め切りを延ばしていただいた。編集長殿、ありがとうございました!おかげさまでおもしろい一文になりました。しかし文筆業を生業としているわけではなくマーケティング・コンサルタントをしているので、書きモノの締め切りには慣れていない。

モウロウと思いだしたのは、敬愛する向田邦子さんのエピソード。遅筆で有名だった女史は、スタジオに入ってから書くこともよくあった。いつぞやはスタジオ脇に駐めてあったオートバイの荷台を机にして書いた、という。いやそれは記憶違いで、女史が経営していたお店(赤坂見附「ままかり」)の厨房で、ご飯のはんぼ(お櫃)をひっくり返して机にした、だったかも知れない。両方とも追い詰められたわたしの妄想かしら。ならばお許しを。

   246_1  最高・最愛のエッセイスト。上の絵は猫?

【つくねの写真もバタバタで】
ついに全国?デビューになったCherryさんの飼い猫の写真がよかった。真一文字の猫です(笑)。

名前は「つくね」。同僚のCherryさんは料理研究家らしく、猫でも名前はつくねである。わたしのウチでは猫は飼っていないので、うふふなハンコの話を書くためには「猫写真が必要だ!」と直感した。その夕刻遅く、お客様のオフィスを訪問する直前、Cherryさんに電話をして「つくねちゃんの写真を数枚ほしいのよ、これこれシカジカの理由で・・・」

   Dsc00077 つくねくん。ほんとは賢いんだ。

すぐに携帯で送ってくれたのは「真一文字の猫」。客先でもう・・・思いだして笑いかけて。「これオモシロい!採用!」とミーティング後に打電。しかしCherryさん、何時間もかけてかしら、20枚ぐらいつくねを撮ってくれた。ありがとう。

【ブログ向けにこんな遊びもしていた】
敬愛する毬詠さんの美写真サイトから、またまた猫の写真を(無断に)拝借しました。すみません!

  Mariesann_yoshiokasan

それというのも、毎夜終電と言われる吉岡編集長、きっとお疲れだろうなあ、伸びもされているだろうなあと思って。

【TOMOYOさんの慧眼】
「ところでgoさん、話が変わりますが、なんだか最近文章に親密さが加わってきました!」 とTOMOYOさんからはお褒めのお言葉をいただいた。「今までは喫茶店で向かい合っておしゃべり、でも最近はカウンターで隣あってという感じで・・・」。

おっと、あまり近寄り過ぎると、火傷するぜお嬢さん!(なんて・・・文章、がですからね)。

だが書き手とコンサルタントに共通するのは、高見から見下ろしがちという癖である。講釈をたれがちなのである。書き手にはその気がなくても、読み手はそう感じてしまう文章になる。

ハンコの急ぎ書きの今回は、高見に上る時間がなかったのかもしれない

だが、その「上らない」感覚こそ、顧客視点の起点であり、消費者に支持されるビジネスモデルづくりの秘訣なのである。その感覚は、かなりフラジャイル(=Fragile、はかない)。つかまえたと思うとスルリと逃げる。ビジネスどっぷりのたいていの殿方には持てない感覚なのである。バイクの荷台やハンボにそれが宿っているのかもしれない

ああ、多くの皆さん(女性ばかり)にお世話になった号(郷)でした。今日は以上です。

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2007年10月 4日 (木)

犬も猫もみなハンコになる―ワン書体印鑑

今日はビジネスメディア誠で連載の『郷好文の“うふふ”マーケティング』へのリードです。

犬も猫もみなハンコになる――ワン書体印鑑
まさに“うふふ”なハンコである。一見、座っている猫や、横を向いた犬なのだが、よく見るとそこには名字が……こんな印鑑やシヤチハタがあったら、ちょっと使ってみたくならないだろうか?

 ご購読、よろしくお願いします。今回もCherryさんと吉岡編集長にはお世話になってしまった(おもしろ写真の出所はCherryさん)。ランチでは許していただけないのだろうか?

 明日はハンコとこの原稿に関するこぼれ話を書きます。

 Dsc00071   
  Cherryさん家の猫(つくねちゃん)

 Dsc00045
 明日は雨です。足も上がってるのでたしかです。

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2007年10月 3日 (水)

愛から選んだ手帳 COATEDスリム

手帳を選ぶのは付き合う相手を選ぶのに似ている。

たとえそれが女心と秋の空にふさわしい9月からスタートするものだとしても。お付きあいは一年に時限だとしても。

付き合う相手を品定めするように、手帳を選ぶときはもっとも大切にしたいことはなんだろう?と思う。容姿(手帳ならカバーかしら)、ページの見やすさ(話しやすさ)、中身の構成(学歴?利発さ?)、めくりやすさ(話しやすさ)、サイズ(自分の身の丈とくらべて・・・)、堂々と持ち歩くことができるか(昼も夜も手をつないで)、そして価格(・・・・!)。

今日は一年間付き合うことを決めた手帳を中心に。

【勝手にアドバイス Vol.250 愛から選んだ手帳 COATEDスリム 】
恋愛にたとえたのは個人的な理由もあるが、店頭に立つと花を競うようにさまざまな手帳が「買ってください」と口を揃えているからである。だが、わたしはひと目ぼれした(いつもそうだ、おっと余計だ)。それがCOATEDの手帳である。

   Photo

どこに惚れたのだろうか?そのチョイスには実質的なわけがあった。

いつも寄り添うように胸にしまえること。具体的には手帳の幅である。昨年買った手帳も気に入っていたが、ひとつ難を言うと幅が広すぎて胸におさまりにくく、机の上とかカバンの中とか、相手と離ればなれなりがちだった。今年の手帳はずっとスリムなのでいつも胸の上に一緒になっていられる。

もうひとつの大きな理由は「ホログラム」。手帳にホログラムは珍しい。角度を変えるたびに文字や柄が3Dになって、笑ったかと思うとふくれ面・・・秋の空のように表情が変わるのである。

【ホログラムな手帳という意味】
ホログラムに惹かれたまっとうな(?)理由はある。いつも問いかけてくるような気がしたからだ。観るたびに表情が変わるということは実に象徴的である。物事をさまざまな視点から観なさい、観かたがまだたりないよ、そう語りかけてくれるようなのだ。とくにウラ表紙の視力検定の図。デザイナーはそれをねらったと思う。

   Yureru2  Yureru01  揺れている心ではない。

手帳はなりたい自分を想うもの。アイデアを書き留めるもの。出会いから奇跡を呼ぶもの。そして自分をいつも取り戻すもの。決して「ねえ、わたしのこと、好き?」というホログラムな問いかけではない。

【カラーの選定理由】
ただ色の選定は迷った。このCOATEDの手帳は、名古屋の東急ハンズでだが、三色が陳列されていた。赤、青、黒である。青の清冽さには惹かれた赤の峻烈さにも惹かれた。だが最後まで迷って、昔知っていた黒の似合う女性を想いだした。そして黒にした。

【COATEDというデザインは誰が?】
この手帳の制作デザイナーは誰なのか?とても気になっている。実はまだ突きとめていない。すみません。しかしこの手帳、実はデザイナー業界の方々には御用達ブランドらしいのだ。

コーテッドは東京を拠点に活動するデザイン会社。ダイアリーやノートを中心としたオリジナルのステーショナリを数多く手掛けています。特に、機能的なダイアリーのデザインにはデザイン業界の関係者からも評価が高く、リーピートするファンも多い。
引用元 http://www.webo-kobe.com/items/stationary/coated3/dialy.html

   Cut450 K795965353 

こういう紹介はあれど(もちろんワザとだが)ホームページもブログもない。PRに手が回らないのかもしれないが、ワザとだとわたしは思う。口こみだけで売るのが主義なのでしょう。いやそれで売れているから、面倒なのでHPはつくらないのかも知れないが。売れる女はオトコをうざいと思うものだから。

COATEDの手帳と言えば引用した画像のような大型のモノか、蛇腹のモノかどちらかがスタンダード。わたしのはスリム手帳。価格は2300円ぐらいだった。

【勝手にアドバイス】
理想的な付き合いとは(モチ)相思相愛である。愛する、そして愛される。そして愛する。このサイクルのぐるぐるである。

サイクルといえばPDCAサイクル。それをもじってL-PDCMサイクルも囁かれる。Love、そしてPlan(どうしようか)、Do(一般デート)、Check(で、どんな人)、marriage(ま、いいか?)。

いずれにせよ一年間、余すところ無く(ページ数を余らせて縁を切ることなく)付き合おう。今日は以上です。

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2007年10月 2日 (火)

infobarからinfobar 2で変わったこと。

そのうちにiPhoneが日本で発売されたりして

そう言ったのはCherryさん(=仕事の相棒ですが引き裂かれました・・・)だった。「そのうちに」という言葉のまくらは、深澤直人氏のinfobar2がなかなか発売されないんだよ、というわたしのつぶやきだった。試作だけ出して、いつまでも出ないから(iPhoneに鞍替えしても)仕方ないと。しかしMixiのinfobarのコミュニティでは、夏ごろからだんだんと噂が現実的な姿を帯びていた。

そして遂に2007年11月発売の発表!infobar難民が救済される日がくる。電池切れ度が高いがカワイイinfobarオリジナルのユーザーたるわたしだが、まだ2を予約していない。ごめんなさい。予約ができる店舗とそうでない店舗があるのは聞いた。だが、実は黒白の「イチマツ2」を待っている。これ・・・春に出ますか?

  Pict0002   ただいま(ほぼ日で)充電中。

【勝手にアドバイス Vol.249 infobarからinfobar 2で変わったこと。】
今日はinfobar(最初のモデル)からinfobar2までに、何が変わったのか?という視点から商品やデザインを考えてみたい。

 Infobar2  イチマツでないならミドリがほしい。

機能の説明はもういいだろう。ひとことで言えば「今日的な機能はだいたい搭載されている」。大画面(有機EL)、高画質カメラ、ワンセグ、そしてオサイフ。もっとも機能について語られなくても売れる、とても不思議な携帯である。

基本的なデザインコンセプトはオリジナルと2では変わらないから、2003年から2007年の4年分の業界や社会変化をしょっている。それは機能や筐体デザインにとどまらず、デザイナーの仕事の領域、からだと外部のインターフェース、さらにデザインとセグメンテーションの関係である。そんな切り口で考えてみたい。

初恋の人が4年の歳月をへて、ちょっと丸くなって、ふたたび目の前に現れた(笑)。心がわりはいかがだろうか?

【携帯デザイナーの仕事の領域】
この4年間の中の変化ひとつ目は携帯デザイナーの仕事の領域を変えたという点である。infobar2のプロトタイプが発表された後に発売されたiPhone、その前後からボタンレスのツルンとした携帯電話が発売されてきた。もちろんそれは多くのデザイナーには予想内だった。

ユーザーにとっても通信事業者にとっても、ツルンのiPhone型のデザインとインターフェースの魅力は大きい。表示ソフトウエアだけを変えることで機能が変わるというパッケージング、余計なものがないシンプルなデザイン。だがそこれは携帯デザイナーの仕事の領域を変えた。ツルンの表面の外側にはデザインは不要だからだ。

それに対する深澤直人氏の答えはあった。彼はソフトウエアにも手を出したのだ。正確に言えばアイコンのデザインである。来るべきiPhone型の電話時代に備えて、筐体デザイナーはその内側にも手を出さなければならない。これが深澤氏の解だったのではないか。

  Photo  アイコン。

【生活インターフェース】
ふたつ目はインターフェース。オサイフ、ワンセグなどの機能が追加されたせいで、確実に変化したのが「生活インターフェース」である。

音楽を聴く、コンビニの店頭で携帯をタッチする、改札でタッチをする、携帯をヨコにしてテレビを見る。耳にあてる、カメラで撮影する以外に、携帯はタテヨコ斜めに活用されるようになってきた。今の携帯のデザインはinfobar2もそうだが、基本的に「電話型」である。頬に寄せて喋るかたち。だが喋る機能はもはや携帯の単なるひとつの機能に過ぎない。いずれもっと大胆なカタチのデバイスが出回るだろう。

Wiiのリモコンのように振る機能を活用して、たとえばタテに振るとワハハの笑い声、ヨコに振るとイヤよイヤよ・・・という音声を添付できる、目覚まし時計になってブルブル震えながら逃げ回る(?)そんなものいいかな。

【消費者のデザイン・セグメンテーション】
三つ目は、消費者のデザイン心を呼び覚ましたこと。これこそinfobarのもたらした最大の功績である。

infobar前の時代は携帯といえば折りたたみで、折りたたみでないものは特定用途かおじいちゃん向けぐらいだった。色にも気が配られていたとは言えない。デザインケータイが起爆剤になって、携帯だけでなく、身の回りのモノへのデザイン心がかき立てられた人は多い。雑貨のデザイン覚醒元年と言ってもいいかもしれない。

その結果、デザインが顧客セグメンテーションの切り口になった。あるデザインを好む・わかる人と、好まない・わからない人を区別することができるようになった。デザインは感性に過ぎないと思われていたが、今やわたしたちはデザイン・セグメンテーションをし、されるようになった。メーカーも販売店もデザインをひとつの要素に生産・出荷計画を立てるようになった。。

infobarからinfobar2への4年間の変化を消費者の視点からみると、携帯デザイナーと「カバーの内側」でも付き合うようになったこと、聞いて喋る電話から携帯は「生活のインターフェース」になったこと、そしてデザインでわたしたちは区別する「デザイン・セグメンテーション」、この三点である。

その引き金を引き、また強めようとしているのがinfobarからinfobar2への流れである。今日は以上です。

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2007年10月 1日 (月)

わたしの理想的なマーケティング

今日は隔週で刊行しているぷろこんエッセイからの転載です。
 ご購読はこちらからお願いします。 まぐまぐ めろんぱん


わたしの理想的なマーケティング

Eating is a multi-modal process (involving all the senses). Any comments
concerning food being just about taste are misguided. Try drinking a fine
wine from a polystyrene cup or eating a beautifully cooked piece of fish
off a paper plate with a plastic knife and fork, it is not the same. 

「食べることは全身の感覚をつかう、多様なプロセスである。味覚だけで食を
語れると思ったら大間違いだ。旨いワインでもポリスチレンカップで飲んだり、
美味なる魚料理でも紙皿とプラスティックのナイフとフォークで食べるのでは、
味は変わる」

レストラン「The Fat Duck」 シェフ ヘストン・ブルメンタール氏のHPより 

   The_fat_duck だまし絵のよう。

      ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

数ヶ月先の予約しかとれない英国の有名レストラン「The Fat Duck」のシェフ、
ブルメンタール氏は、料理は「Sensory Design(感覚デザイン)」だという。 

その一端は「iPodで海のせせらぎを聴きながら、海の幸を食べる」という奇抜な
アイデアに表れている。そのメニューをオーダーすると、海の幸を料理した
プレートと、もうひとつ、iPod shuffleを載せたプレートが運ばれてくる。テーブル
で耳にはイヤホンをいれ、両手にはナイフとフォークを持ち、海の音を聴きな
がら、海の幸を味わう。視覚、味覚、触覚、嗅覚だけでなく、聴覚を入れて
五感で食べるのである。

 42507fatduck_ipod
 http://japanese.engadget.com/2007/04/25/ipod-shuffle-appetizer/

もうひとつ、デザートメニューの例。プレートを運ぶ前にウエイターはアロマボトル
をテーブルに置く。バラの香りがテーブルに拡がる。嗅覚がバラになじんでから、
結晶化されたバラの花びら(食べられる素材でできている)のデザートが運ばれる。
これを一枚ずつつまんで食してゆくそうだ。

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サーブの順序と逆だが、アミューズでのプレートも裏切りがあっておもしろい。
「こちらはオレンジとビーツのゼリーです」と出されるプレートには、オレンジ色の
四角いゼリーと、紫色の四角いゼリーがタテにならぶ。オレンジ色だからオレンジ
味でしょ、と思うが・・・口に入れるとオレンジ色の方がビーツで、紫色の方がオレ
ンジだという(出所 http://septlondon.exblog.jp/3077301/)。遊び心が満点。

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ブルメンタール氏にとっての食とは、ユーモアというセンスも入れた全身の感覚
味わう、多感な料理なのである。

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ブルメンタール氏の事例を聞いたのは、先日聴講した日経デザインフォーラム
セミナー、ロンドン芸術大学のDesign Laboratoryを率いるプロダクトデザイナー、
ブレント・リチャーズ氏の講演だった。

レストランでありながら、口に入れるものだけでない驚きをつくる。それをリチャーズ
氏は「感覚デザイン」と表現していた。感覚をデザインする?いったいプロダクト
デザインとは、何をする仕事なのだろうか?

リチャーズ氏は他社事例や、自ら手がけた事例を並べた。bug digital radioと
という虫のようなカタチのラジオは、まったくラジオには見えない商品だ。Earth-
wareという瓦か陶器のベンチは、ベンチの概念とはまったく異なる形状だった。
Cool Experienceというケーキ屋さんのショーケースではグラスファイバーも
使った、ケーキ屋というよりブティックのような店舗づくりだった。商品と売り方に
物語をもたせた、というようなことを言われた。あとはヘストン・ブルメンタール氏
の感覚デザインの話だった。

デザイナーなのだから、商品デザインをする。それは当たり前だ。だが商品の
うわべだけを変えるのがデザインではないはず。それじゃスケッチ屋さんだ。
中身の機能や構造にもタッチしなくてはならないし、そうなると製造ラインからの
変更にも口だししなくては。いやいや、素材の見直しもあるかもしれない。

待てよ、そもそもリチャーズ氏の講演のテーマは平たい地球と丸い地球」だった。
地球が丸いということが冒険家に実証される前、地球は平たく、端っこがあった。
丸いなんていうことを信じる人は多くなかった。命知らずの冒険家がいたからこそ
真実がわかった。

リチャーズ氏は「クリエイティブ・シンキング」という言葉を挙げ、冒険家こそが
常識の枠を否定できる
、開拓者としてリスクを取って行動できる冒険こそが
デザイナーの仕事
であると言った。

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かつてわたしは、同僚からこう言われたことがあった。

「(郷さんは)クリエイティブをするのか?仕組みづくりをするのか?」

その同僚の問いには答えづらかった。どちらも必要なことだが、どちらかに
限ることは違うのではないか。そんな気がしたからだ。

クリエイティブとは「発想」寄りで、商品開発や売り方の開発をするというイメージ。
マーケティング・プランナーはこちらである。一方、仕組みづくりとは「マネジメン
ト」寄りで、売り方や顧客との接点の仕組みの改善というイメージである。いわゆ
る業務改善型コンサルタントはこちらである。

「どちらもすべて請け負うことだ」。そう言いたいけれど、デザインからマーケ
ティング、そしてマネジメントまで一貫してできる天才は多くない。デザイナーの
山中俊治さんも同じ講演で、そんな人は「Appleのスティーブ・ジョブスぐらい」
と話していた。

多くの会社で「デザイン」「生産」「マーケティング」「販売」「マネジメント」は、別々
の歯車が回るかのようにバラバラである。だから一貫したプロセスを根付かせる
のはとても大切なことである
。これはわたしの仕事観に近い。

だが、一貫性だけでは、自分は何者で、マーケティングは何をサービスするのか、
クリエイティブをするのか?仕組みづくりをするのか?あるいは他のことをする
のか?という問いには真正面から答えていないような気がする。

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理想的なマーケティングの話をしよう。それはシェフのブルメンタール氏がやる
ように「テーブル上の認識を変えること」なのである。

食は舌だけで味わうものではなく、トータルな体験である。iPodプレートは奇を
てらったように見えるが、お客さまの認識を変えるひとつの表現。バラの花びらも
そうだ。常識の枠を外し、経験を否定し、リスクを取ってテーブル上の認識に揺さ
ぶりをかける。ちょうど中世の海洋冒険家のように。

もうひとつは説得である。感覚デザインといいながら、感覚だけではだめである。
ブルメンタール氏は「脳が食をどう演算するのか?」という科学的なアプローチも
している。科学的に人を説得することも冒険家の仕事である。でないと冒険に援助
が得られないから。

わたしの思うありたい仕事のアプローチは次のようなものである。

 人とモノやサービスの関係を考える
 人の意識の中心を見抜く
 人の認識を変える

「テーブルの上」は「市場」や「チャネル」「商品機能」「顧客体験」「顧客行動」など
になる。「人」はお客様であるが、時に従業員でもあり経営者でもある。

「認識を変えること」を顧客視点で実施する-シンプルだが、それが理想的な
マーケティングだと思う。

今日は以上です。

  Facade_small_v1  Cherryさんのあこがれ。

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