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2007年10月16日 (火)

新月伐採の智恵 その1

オフィスで空咳をする人がいる。風邪ならば仕方ない。だが一年中、誰かが咳をしているのは、最近流行りの百日咳など感染病の疑いもある。

一説によると経理マンには咳込む人が多いといわれる。決算期の作業がたいへんで、咳が出て、気管支炎などで発熱して休む人も多いそうだ(しっかりした統計があるわけではないが)。昨今は四半期決算だから、一年中咳き込まなくてはならない。たいへんだ。おもしろいのは元経理マンであっても、その症状が体に染み付いており、決算期になると咳が出るという

これをわたしなりに分析すると実は「シックオフィス」なのではないかと思う。家庭で「シックハウス」と言われる、化学材料を用いた壁材、床材が原因の諸症状である。オフィスはもっと野放しである。

【勝手にアドバイス Vol.258 新月伐採の智恵 その1】
そんな話から入ったのは、あるお客様から「新月伐採」の話を聞きて、さっそくその発端となった本『木とつきあう智恵』を読んだからだ。それはどんな内容か。

オーストリアには「新月の頃に伐った木は虫がつかないし、長持ちする」という言い伝えが昔からあります。近代林業の中では迷信だと無視されていましたが、営林署員だった著者は実際に試し、それが真実であると確信するようになっていきます。そして我が子がシックハウスになったのをきっかけに、「新月の木」しか扱わない製材所/工務店を営み、多くの現場で新月伐採された無垢材のすばらしい性能を実証していくのです。
出典 http://www.jiyusha.co.jp/mokrok/books/173-7.html

  1737  エルヴィン・トーマ著/宮下智恵子訳 地湧社

新月(ほとんど月が見えなくなる日)の日に木を伐採すると、割れず、そらず、腐らず、虫が付かずという理想的な木材になるというのだ。狼男のなせる技なのだろうか?

  5249404  もうすぐハロウィーンですね。

【新月伐採の智恵】
新月伐採(正確には下弦から新月までの期間に木を切り倒す)で木材を作る家を作った事例を、同書から挙げてみよう。

 「裂け目が入らない」
 新月伐採の木材で建てた家を建てた。ちょっとしたミスから1本だけ新月伐採以外の梁をつかった。1年後に「偽の梁」には裂け目が入ったが他の木にはなかった。6年後も同じだった。

 「割れない」
 サンルーム用木製サッシを無垢の新月伐採木であつらえた。高さ5m(!)の2重構造の断熱ガラスである。ガラスは大きければ大きいほどちょっとしたゆがみでもすぐにヒビがはいる(だからアルミで製造する)。だが新月伐採のサッシは1年経ち、4年経っても、びくともしなかった。

 「虫害がない」
 同じ放牧地内で同じ月に新月の日に伐採終了した木と、月が満ち始める日に伐採開始した木があった。数ヶ月後、後者の木はキクイムシだらけになり、前者の木は何の虫害もなかった。2つの伐採地は80mしか離れていなかった

 「浴室の床材としても使える」
 新月伐採をしたサクラ材ならば浴室の床に使うことができる。浴室にある鏡はユニットバスではシャワーを浴びると途端に曇る。だが床・壁・天井に木材を使うとまったくガラスが曇らない。それは木材が呼吸をするからである。

 「ラッカーを塗った木材は埃を集める」
 天然樹脂の油だけを引いた床は埃がつかないが、ラッカー(ホームセンターで売っているものと同様)を塗った階段がいつも埃だらけで、拭いても拭いても埃を集める。それは静電気のせいだ。

昔の実家は戦後すぐに建てた古い家だった。柱と言えばどこにも割れ目があった。木には虫がつく。だから防虫剤や殺虫剤を撒く業者が成立している。浴室の床に木材とは驚きだった。ラッカーやニスを塗ると、なぜ埃ぽいのか疑問をもっていた。他にも数々のエピソードや実例があり、感動的な本である。

 Erwin トーマさん。

【伐採、保存、出荷条件】
このような木材を得るためにはいくつか条件がある。特定の季節(冬がベスト)の特定の月相(新月)に伐採する。葉枯らし(伐採後に横たえておく)を数ヶ月行い乾燥させる(梢を下向きにするのがポイント。木は根から幹に水分を吸い上げるから)。防腐剤、殺虫剤はもちろん不可。塗料も接着剤も使わずに木の特性を活かして建築する(釘もできるだけ使用しない)。

初期投資は割高かもしれないが、そこに住む人は健康に過ごせるばかりでなく、機密性の高さが光熱費を下げ、寿命の長さがリフォームコストを下げ、結局はランニングコストも安くつくという。もちろん木を扱うことに経験のある設計士と建築者が必要なことは言うまでも無い。

 Thoma_jirei
 http://www.thoma.at/html/english/index1.html

【科学的な説明はいまだに未了】
だが、なぜ新月の期間に伐採した「ノイモントホルツ(新月伐採木)」だとこれらの特性を示すのか、科学的にそれが立証されているのか?そこにはまだ国内外で「?」があるようだ。

森林からのニッポン再生』などの著作のある森林ジャーナリストの田中淳夫氏は、新月伐採のセミナーに出席した感想として「比較実験の実験水準やら、サンプル数、さらにはマクロおよびミクロレベルでの客観的な実験方法・分析・考察と、データのの信ぴょう性については全く触れられておらず、逆に科学的な検証としては、「意味無し」という答えを出していることに、本人たちが気付いていない」と書かれている。
出典 http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2007/05/post_e19d.html

飛騨で新月伐採をしたところ7割は虫害も割れもなかったが、3割はやられたという声もある。「オカルトを科学では説明できない」とさえ言う人もいるが、原木業や製材業を営む人に聞けば、科学的な根拠はなくても、一定の時期に伐採をするという経験則もあるのもまた事実である。

NPO新月の木」では新月伐採とそれ以外の木で製作した木のお椀の実験(下図左)ではヒビが入り、黴・虫に強いのは含有成分の違いではないかという仮説のもとに行った実験(同中)では違いがわかり、さらに同条件の木材を地中に埋め込む実験(同右)をして、新月伐採木が優れていることも示した。だが、実際の家ではないので、ほんとうに正しいのか、科学的に立証することに加えて、住まい手への定点ヒアリングも必要である。その意味ではもう少し時間を要するのであろう。
http://www.shingetsuno-ki.jp/main-index.html

 Npobowl Npo_2  Npo

【だが読後の初感は・・・】
ああ!新月伐採の家がほしい!建てたい!」圧倒的にそう思った。マンション住まいのわたしだからなのか、元々日曜大工も木も好きだからだろうか。木への愛着はある方だ。新月伐採という不経済なやり方を信奉するのは、善意でなくてはできないのではないかと。

わたしたちは建材が化学的な処理を施されたおかげで、喘息になったり皮膚アレルギーになってきたという事実がある。科学的に化学建材が悪いことを証明しようとして、それが証明されるまでに何軒の化学の家が建っただろうか?まして構造計算では、長年のインチキが暴かれ、さらに続いている。

一方で、新月伐採を単にマーケティングの差別化策にしているビジネスがないだろうか? 「新月伐採だから素晴らしい」という、呪術的なマーケティングはNO!である。消費者にメリットをきちんと説明することは当然である。

明日は、その取り組みの一部を紹介しつつ、新月伐採についてもう少し考えてみたい。今日は以上です。

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コメント

ともよさま
コメントありがとう!ほんと、桜材でお風呂は
うふふですよね。素晴らしいお風呂になりそう。
ぢゃ一緒にお家建てよう!(なんてまたセクハラ)

投稿: 郷/marketing brain | 2007年10月17日 (水) 17時38分

すばらしい!
めっちゃ農学魂が揺さぶられました。

新月伐採の住宅、建ててみたいですね。
ウチの実家はコンクリート(積水ハウス社製)なので
次もし私が建てる事になったら(!)
新月ハウスをぜひ検討したいです。

桜材の床のお風呂、素敵ですね。
檜のお風呂にはとても手が届かないけど桜のお風呂はどうかしら?
お湯が桃色に色づいたりして。うふふ。笑

投稿: トモヨ | 2007年10月17日 (水) 10時14分

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