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2007年10月17日 (水)

新月伐採の智恵 その2

わたしの経験の中で、最近最もドキドキするのは締切である。

締切マモル君のわたしなのだが、連載には土壇場の書き直しがつきまとう。前回はケガの功名のようにおもしろいテーマで切り抜けた。明日(2007年10月18日)ビジネスメディア誠に掲載予定の一文が、またまた土壇場になって書き直しをする羽目になりそう()。吉岡編集長殿、またまたすみません!

今度は前と違ってポジティブな理由である。テーマに取り上げた商品のデザイナーさんに、インタビューができそうなのである。お願いしていたのだが、なかなかご返信がいただけなかったのであきらめていた。だが「トリップに出ておりました」という書き添えと共にメールが届いた。何しろ海外なので。間に合えばコメントを反映して書き直す所存です。間に合わなければブログでカバリングします。ご購読、よろしくお願いいたします。

閑話本題・・・新月伐採の話の続きを。

【勝手にアドバイス Vol.259 新月伐採の智恵 その2】
ラテン語で「luna」はギリシャ神話の中の月の女神ルナであり、その変形である「lunatic」は、精神異常という意味だが、「月に影響された」という意味が原意というのはよく知られる。月から発する霊気に当たると気が狂うと言われたからである。吸血鬼が満月が苦手で、狼男も満月で風体が変わるというところを見ると、それもまんざらではない。

月齢、つまり月の満ち欠けの図を示した。

 Photo
 出典 http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/moonage.htm

今月は新月は11日であり、満月は26日。新月伐採に適するといわれる期間は「下弦」から「新月」までなので10 月は3日から11日までだった。ちなみに11月も12月も、2日から10日のようである。厳密に守れば、月の内(週休2日を入れて)1/3しか伐採ができないということになる。ビジネスとしては許すまじき稼働率である。

【T.S.DRYグループの取り組み】
それでもエルヴィン・トーマさんの本『木とつきあう智恵』を読んで、新月伐採というコンセプトで事業化して森林を救い、林業を再生しようという動きが各地にある。なぜだろうか。ここではその代表例のひとつである天龍木材を扱う「T.S.DRYグループ」を取り上げたい。

国産材は慢性的な相場の低迷で、樹齢四十年程度の木材では山主に十分な利益を還元できないのが現状です。山の管理が行き届かなくなり、山は荒れ果て、すでに県内の山は死にかけています。良質な天竜材を育む山を守るにはどうしたらいいか? 消費者、山林家に利益を還元するために最良の方法は何か? 共通理念の元「T.S.DRYグループ」が誕生しました
出典 http://www.ts-dry.com/profile/tsd.htm

Webtopmoon

ねらいは国産材の振興であり、外材には値段で勝てないので付加価値をつけるしかない。そこで栽培から伐採、乾燥、出荷、物流、施工まで徹底的にこだわる事業化を、木材販売業者が集まり、試行錯誤で実践し、共同体として協同組合を作った。それがT.S.DRYグループであり、Tは天龍木材のT、Sは杉のS、DRYは天然乾燥材という意味を持たせたという。だが、杉はSiderではなくCedarなので、Sugiなのであろう。

【T.S.DRYグループの基本方針】

1.天竜地域以外の木は扱わない
2.枝葉から水分を飛ばす「葉枯らし」を三ヶ月以上行う
3.50年生未満の木は扱わない
4.製品は天然乾燥させる
5.新月伐採法に従った伐採を行う
6.伐採時期を明確にする履歴管理を一本一本に行う

出典 http://www.ts-dry.com/profile/tsd.htm

天竜以外の木材を扱わないという差別化、葉枯らしを3ヶ月以上、さらに製材後の天然乾燥(一般的には乾燥室で強制的に数日間で乾燥させる)、50年未満の木を使わないという思いいれが素晴らしい。
 
 Photo_2 P1020439   
 燻煙乾燥(出典は不明瞭)   焦げている。

 01 Wphoto2 
 TSグループの取り組みは、葉枯らしから天然乾燥へ。

新月伐採については二つの時期の伐採で取り組んでおり、厳密な新月伐採材と、伐採期間をやや緩やかにしたものをT.S.DRY材と命名して区別している。その流通にはバーコードラベルと読み取り装置を導入したトレーサビリティを導入するなど、まじめな取り組みも評価できる。

 Mooncircleneu2   Mooncirclets2  

【コスト削減を優先するも・・・】
榊原商店の榊原正三さんは「苦しい時ですが、若い木の伐採をこらえ将来の付加価値を高めることが林業関係者、消費者双方のためになるのではないでしょうか」とT.S.DRYのサイトで、語る。まじめにビジネスをすることは、伐採コストや在庫コスト、加工コストにも跳ね返る。その対策として抜本的なビジネスプロセスの改革である。

 Tujyokeiro
 Sakakibarakeiro

 出典 http://www.sakakibara.biz/ryutu/file_1.html

【勝手にアドバイス】
新月伐採ないし類似の木材の販売・流通・購入に際して、必要なことを3つ、材木業素人なりにアドバイスさせていただきたい。

1.量的な流通量の拡大が必要
 まずは流通量の拡大、それが必要である。新月伐採木はレア、だからコスト削減、ではいつまでも赤字である。新月伐採に共鳴する山と山、製材所と製材所を「市場」として全国的にネットワークすることが必要だと思う。科学的か否かは別として、月齢をにらんだ伐採を維持しつつも、数ヶ月後の相場を意識して需給情報を開示し、伐採・乾燥・製材する市場を形成したい。山と山をネットでつなぐというイメージである。

2.責任の連鎖が必要
 建築業界、住宅業界、信用が厚い業界だろうか?耐震偽装だけでなく、建材や住設においても、消費者が高い信用をおける業界とは言いにくい

だからこそ「トレーサビリティ」を徹底したい。それは「責任の連鎖」である。素材を買っておしまい、建てておしまい、ではなく、「誰から買い、誰が設計し、誰が施工し、誰が修繕したか」、責任をとるためにもトレーサービリティが必要である。それには新月伐採木という「誠実さ」を起点にするのがいいのではないか。

3.知識の増幅が必要
 建設業は供給者と需要者間の、あまりに大きい知識ギャップに依存している。素人は建築はわからないし、建てた後は土台の下も壁の内側も見えない。見えても評価ができない。そういう知識ギャップのもとで高額商品の購入しなくてはならない。他に類似するものはないのが特徴である。

 だからこそ、「せかされずにじっくりと知識を増やし、後悔しない買物をすること」が、他のどんな消費行動よりも必要ではないだろうか?新月伐採の研究成果の普及はもちろん、木造住宅の良さなどをもっとアピールしたい。住宅消費においては、売り手も買い手も、売買行為を軽く考えすぎていると思う。

最後に、この新月伐採を「オカルト」と言い切ることは簡単である。だが科学者アルバート・アインシュタインがはこう言ったのを忘れてはならない。

われわれの経験のなかで最も美しいものは神秘的なものである

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 本文とは無関連です。 今日は以上です。

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コメント

ミシガンまゆさま、コメントありがとう!
人は満月にHしたくなるわけですね、でもそれは牝のことですか?男性は満ち欠けにかかわらずかもしれませんが(笑)。
この本を読んで、昔読んだライアル・ワトソンの『スーパーネイチャー』を思い出しました。科学者ワトソンのオカルト話といわれましたが、かなりの事象がワトソンの本以後、実証されたとも言われてます。
オカルトが科学されることによって「事実」に昇格するのがこの世のならい。
ああ!しかしコメントバッグがない。インタビュー掲載はムリかもしれません。

投稿: 郷/マーケティング・ブレイン | 2007年10月18日 (木) 08時24分

inミシガンの最後の夜です

月の満ち欠けはうさぎの交配にも使うんですよ~ 満月の夜がやっぱり「出来」やすいのです…うさぎに限らず、人間も月の満ち欠けが関係あるっていいますよね
あとね、雨の日(というか、気圧の低い日、かな)も同じなの

そういう「不思議」なことって美しいし、もしかしたらそんな偶然だけが真実なのかなあ、とも思います@超感覚派

投稿: まゆ | 2007年10月18日 (木) 06時34分

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