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2007年10月19日 (金)

“うふふ”マーケティングこぼれ話 顧客接点改革

今週の『郷好文の“うふふ”マーケティング』のテーマはトースターであった。

わたしの子どもの頃のトースターの姿は、2枚入ってレバーを下まで押して、焦んがりするのをじっとまって、やがてチン!という音と共に勢いよくトーストがポンと上に上がるタイプ。実家は畳の間だったので、ちょっと大きめのちゃぶ台(食卓)の上にトースターを載せて焼いたものである。

 Img450a44f297257  たとえばこんなやつです。
 出典 http://www.rigna.com/detail.1337.html

そのトーストにバターをのせ、さらにソントンのチョコレートクリームないしピーナツクリームを塗った。かなり甘くて、しかも決して美味しくなかったが、安かったからだろうか。今だとカロリーも高いので敬遠だけれども。レバーを押し、じっとまって、チン、ポン!がトースターの記憶である。

 F_choco F_pea  ソントンのクリーム

時代と共にそうしたプロダクトの記憶の原型は変わる。オーディオのように5年から10年でがらりと変わるモノもあれば、洗濯機や冷蔵庫のように、30年経っても大きく変わらないものもある。ひとつの世代で似たような記憶を持つことを、「プロダクト世代」と呼んでみたい

【“うふふ”マーケティングこぼれ話 顧客接点改革】
ひとつのプロダクト世代で似たような記憶を共有する。その世代がプロダクトに対して似たような接点を持つと言い変えてもいい。

たとえばミシンを例に取ると、足踏みミシンのプロダクト世代、電動ミシンのプロダクト世代、電子ミシンのプロダクト世代、そしてミシンを持たないプロダクト世代に分かれる。それぞれ20年から30年ぐらいのスパンがありそうだ(大雑把だが)。

【プロダクト世代】
ひとつのプロダクト世代のくくりの中での商品開発が、いわゆる普通の商品開発。商品の拡充、ラインナップの充実、あるいはモデルチェンジである。一方プロダクト世代を乗り越えて、新世代を創ろう!という野心的な商品開発が、ウォークマンやiPodである。

実は商品開発にはもうひとつのアプローチがある。前(前々)の世代が共有していた価値観のうち、失われてはいけなかったものを、もう一度取り戻すというものである。ユーザーのライフスタイルや生活価値観に重きを置いて、使い手の心からの商品開発である。

横道にそれるが、そのわかりやすい例はNECのモバイルギア。この名機から取っ払ってしまった機能は、ほんとうはユーザーが奪われたくなかった機能だった。ほとんど後継されなかった。

 Nec1  名機だった。

小さくても打ちやすいキーボード、横長画面でワープロだけでなく表計算まで使えた賢さ、乾電池駆動で動くモバイル派の心をくすぐるモデルだった。だがNECはこの傑作の機能を、同社のPCに移入することをしなかった。ユーザーの熱い支持にもかかわらずに。それゆえに、その次の世代のモバイルPCでは、パナソニック(Let'sノート)や富士通(Loox)の後塵を拝することになった。

【トーストメッセンジャーで実現しようとしたこと】
Sashaさんが『トーストメッセンジャー』でやろうとしたのは、トースターが持っていた本来の機能や生活感をとりもどそうというものだった。朝のフレッシュな感覚、朝日の差す食卓、焼くというレバーの機能、チンとポン、(バターやペーストの)スプレッドというカロリーコントロールからの自由さ、そして笑顔。これがSashaさん『トーストメッセンジャー』でねらったコンセプトだったとわたしは思う。

焼くという機能を、こんがり焼ければいいとか、熱量があればいいという機能主義を捨てて、「く焦んがり焼けないかな~♪」とワクワク待つ、本来のトースターの夢を描いた。Sashaさんに倣って、ちょっと発想の遊びを。

   Photo  
    こんがりオヤジ、早く焼けろ♪と焼き加減を知らせてくれる。

置く場所。トースターを食卓の上に復権させよう!なぜならオーブントースター型になって、いつのまにかトースターはカップボードの中に入ってしまったでしょう。食卓の上に復活!が次のアイデア。

  Photo_2  
  ありえませんよね(笑)

だが狭いワンルームなら、これはアリだろうか。

    Photo_3  
   壁掛け型トースター(壁掛けCDプレーヤーに倣った)

Sashaさんのトースターは、プロダクトを使うことが幸せになるシーンづくりからの商品開発。それも、ちょっと前の(チン・ポンのトースター)世代の記憶をベースにする優しさがそこにある。

【顧客接点からのマーケティング・コンサルティング】
わたしもSashaさんと同じく、お客さまが幸せになるポイントからの商売開発支援(コンサルティング)をこころがけている。それをわたしは「顧客‘接点’改革」と称している。

 Photo_4

どんな商売も顧客との接点にその価値や課題がある。売り手の思い入れも、買い手の評価もそこに凝縮されている。そこから見て、何がニーズの本質なのか?ニーズの本質はどの程度理解されているのか?課題は何なのか?それらを解きほぐし、顧客接点の現状と夢から、事業のすべての機能を改善し顧客志向にする。これが顧客志向の企業(事業)をつくるわたしのアプローチである。

だが、この図の左右にある、個別の業務改革やシステム刷新からやってしまって、結局ちぐはぐな改革ばかりしているのが、多くのコンサル会社であり、ほとんどのシステム会社である。これが実に切ない。今日は以上です。

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