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2007年11月23日 (金)

“うふふ”マーケティング こぼれ話 帽子を探して

帽子デザイナーの山之井さんのお宅(下丸子)に到着したのは午後1時半。それから6時近くまで、Cherryさんとわたしのお騒がせ初心者2人、結構時間がかかってしまった。別室の上級の生徒さん(帽子がお似合いそうな可愛い女性)にも迷惑をかけてしまった。夕方遅くなってしまい、個展が開かれている蒲田駅前のカフェ『まやんち』にもうかがえなかった。

そこで日を改めて、まやんちにお邪魔して展示作品40点を拝見した。あるわ、あるわ・・・とわたしは思ったが、山之井さん曰く「40個展示しているんですが、とてもそう見えないんですよ」。いえいえ、形も色もバラエティ豊かで、真ピンクのハンチング帽はともかく、わたしにもかむれそうなUnisexもたくさんあった。そもそも40個をどんなスピードで製作されるのだろうか。

  Pinkhat  Pict0196 
  例のピンクのハンチング。         裏地がまた・・・おしゃれ!

購入したいと思ったが、いろいろ出費がかさみそうな予感があり、ぐっとこらえた。クラフトアーティスト展示即売会に行ければと思っています(at横浜赤レンガ倉庫 2007年12月7日~9日 ブースNo.102)。
 
     Akarengavol8 手づくりアートのプレゼントが探せます。

【まやんちにも、ひたむきがあった】
この個展を開く「まやんち」はマンションの2階にある‘隠れカフェ’兼お菓子教室スペース。カフェもお菓子教室も切り盛りする八代まゆみさんが店主でもある。ランチもやればカフェもある。教室もやる。帽子デザイナーさんに個展スペースもレンタルすれば、アルバイトもやとっている。お菓子教室の生徒さんは18歳から60ン歳までのお菓子好き。4人一組の良心的なレッスン形態。それをほぼ一人でやってのけるスーパーウーマン。すごいご活躍ですね、と言うと・・・。

 「お店をお休みにしても、やることが減らないんです」

休みの日でもなぜかTo Do Listsだけがどんどん増えてゆく。仕入、メニュー、店装、教室、HP、アルバイト雇用・・・。友人に一人でやるなんて無謀だと言われました・・・と話すものの、2006年12月20日のオープンからそろそろ1周年。いろいろご苦労は数知れずだろうが、八代さんも山之井さんに似て、笑顔+快活派なのでここまで切り拓いてきたのだと思う。こうべが垂れる。帽子が落ちる。1周年おめでとうございます

  Pict0203  スコーンあり。 

紅茶ポッドも帽子をかむっていた。「帽子のようにティーポットに被せて保温の役目を果たすティーコジー」(まやんち店主ブログより引用)はユザワヤで布を買った手づくりだそうだ。余談だが、横浜出身のCherryさんはユザワヤ派、池袋育ちのわたしはキンカ堂で、手づくり用品をよく買いに行った。

  Vfsh0081 紅茶ポットの帽子(まやんちブログより)。

【絆は自他に厳しいところに生まれる】
「ひとりでは限界がある」と思いながらも、前を向いて日々限界に勤勉に挑んでいると、いつの間にか人の輪ができる。何かのきっかけがやってくる。「東税健保の会誌に掲載されたのを見ました」「ブログに取り上げさせていただきました」「女もすなる帽子づくりをしたいのですが」。こんなきっかけはとても小さいけれど、響きあって輪も広がるのが今どきのWeb時代の良いところである

帽子展示と料理教室。山之井さんと八代さんの絆は、風雪の中でお互いを温めあうビバークに似ているが、決して馴れ合いではない。ドカ雪に備えて装備や心構えは厳しく要求し合う、そんな約束のある助け合いである

【帽子づくりに手袋探しを見た】
山之井さんの帽子のこと書き出して、最初に頭に浮かんだのは「手袋」である。

  “ほしいものを手に入れるためには、我慢や苦痛をともなう。しかし、自分の我がまま
  を矯めないでやっているのだから、不平不満も言いわけもなく、精神衛生上大変いい
  ことを発見したといえます

  「手袋をさがす」 『夜中の薔薇』 向田邦子著

文章の達人向田さんにしてはストレートな表現が目立つこのエッセイは、やりたいことを、周囲のオトナたちの諫めに反して貫く決意表明がテーマである。寒風の中、「自分がどうしても欲しい手袋が見つかるまであきらめない」という表現で、寒くてもヒビ割れても自分探しを貫く姿が、山之井さんとかぶった。

わたしの文章構想力の低さゆえに、手袋の話と帽子づくりをからめることができなかったが、その2つがわたしの中で響き合っていた。

 Cherry
 相棒Cherryさん(無許諾掲載で怒られるのでちょっと小さめに_笑)。

【仕事のきっかけは類似しています】
山之井さんとわたしには類似点もある。それは仕事のきっかけである。

山之井さんは本屋で読んだ「仕事の教室」で帽子を発見し・・・と書いた。わたしも、前職の末期に某地方都市に出張した際、ある本屋に立ち寄りそこで中小企業診断士のテキストを開いた。そのとき経営コンサルタント職を“発見”した。正確に言えば「それになろうと考える自分を発見した」。出だしはかなり軽いのである。

それ以前からコンサルタントというちょっといかがわしい雰囲気をかもし出す人々と交流はあった。仕事に興味があった。だがまだ「やろう」と思うものではなく興味をただ沈殿させていた。それになろう、それをやろうと思うときは、沈殿がだんだん膨張し、ある日堰を切ったように飛び散る必要がある。沈殿という興味とトリガーがセットなのである。

山之井さんにとっての帽子もそうだったに違いない。絵を勉強していたからこそ表現欲が根底にあって、それが満たされない仕事にうっ屈して・・・飛び散った。

わたしは「帽子っていいな」という雷鳴に頭を打たれたその週末に、近所のリサイクルショップでひとつ購入した。打たれる前には自分を変えたい、自分がひたむきになれることに身体をあずけたい、そんなうっ屈があった。心のうっ屈が身体に伝わって「頭から変える」帽子になった。

【いくつになっても自分を変えることはできる】
わたしは今頃自分探し?と言われる年齢ではある。だが向田さんの「手袋をさがす」の最後のくだりにこうある。

 “でも、この頃、私は、まだ、合う手袋がなく、キョロキョロして、上を見たりまわりを
 見たりしながら、運命の神さまになるべくゴマをすらず、少しばかりけんか腰で、
 もう少し、欲しいものを探して歩く

このエッセイは1976年、氏の47歳の時の作品である。いくつになっても自分を変えることはできる。今日は以上です。

 Natalie24 帽子も似合うナタリー・マインズ(Dixie Chicks)

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» あのぅ〜、目出し帽が欲しいんですけど…(゚∇゚ ;)!? [気になること\(^▽^)/カモン!]
灯油が爆発的に高い!!ストーブ使いたいけど、俺の給料じゃやって行けねっス。。。 [続きを読む]

受信: 2007年12月21日 (金) 22時52分

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