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2007年11月19日 (月)

女尊男卑の上海のウェディング

大気汚染にはヘキエキした上海2泊3日の旅だったが、おもしろいこともたくさんあった。

始めて訪れた1997年、ちょうど10年前とは様変わりの上海だった。ビルディング、広い道路、そして自動車の数、人いきれ・・・上海の人口は97年の1300万人から急速に増えて、2007年には1800万人に達した模様。これは実人口であり、6ヶ月以上滞在の出稼ぎを含めると2000万人近くになるという説もあるから、過去10年間に千葉県の人口分が丸々増えた勘定である。

その膨張さを圧縮して体感した2泊3日だった。今日はその余韻が明日になって冷める前に、わたしのメインイベントだった「上海ウエディングドレス工場見学記」だけ書いておきたいと思う。

【勝手にアドバイス Vol.279 女尊男卑の上海のウェディング】
知人のGさんが工場長/董事をされているワタベウエディングがその訪問先である。哺東地区郊外のウェディングドレスなどを縫製する工場に案内していただく。上海中心部からトンネルを抜け哺東地区を走ると、わたしが見た土地しかなかった10年前とはまったく違う光景が広がる。フィナンシャルセンター、高層マンション、欧州資本の商業施設、そして広い道路・・・共産資本主義というか計画資本主義というのか、とにかくその事業推進力には恐れ入った。

40分かからず5階建てのワタベウェディングの工場に到着。ここで花嫁の夢が縫われるのだ。数々の表彰状のあるミーティングルームに案内され、工場のこと、中国のウェディング事情をうかがう。お話もそこそこにさっそく見学を開始した。

 Logo 日本人の国外結婚最大手

まずウェディングドレスの素材となる布地やレースなどの材料を検品し在庫する部署から。検品所の次の在庫部には大量の「夢」材料がある。ま、男にはどれも同じ白やピンクに見えるが、女は違う瞳を持っているのだろう。同行したTomoyoさんとYukaさんは瞳孔が開いていた(大げさです_笑)。

オーダーの大半は日本のブランチから。日本の花嫁の差別化は、いと詳細なので在庫も増える。必要量を裁断し、型紙作成と裁断部に回す。

わたし自身が最近、ある縫製体験をしたので、型紙を作る部署が興味深かった。ドレスの大半は日本向けだから、送られた採寸データをCADに出力し、型紙をプリントアウトし、ざくざく切る。サイズはあるが、標準デザインから少しだけこだわりで変化をさせる。小さな要望で全体のシルエット(型)が変わるのも珍しくないとのこと。一生に一度!と思うからこそ・・・だが、大変な商売である。

さて縫製のセクションに行く。そこにはミシンこそずらりと並ぶが、作業の大半は手縫いである。和気あいあいな雰囲気で、班の女性工員が並んで縫う姿はほのぼのとしている。それも「ウェディング」という夢のある職業だからだろうか。離職率は中国で例を見ないほど低く、その代わりオバサンが多いとのこと(笑)。

ワタベブランドやOEMでドレスを製作する部門にはデザイナーがいる。憧れの職業。社内のコレクション向けにもデザインをするが、トルソにハギレで、さまざまなヒダヒダやモワモワがデコレーションされていた。企業秘密の関係で、このあたりは写真が撮れなかったのでぼやかしで。

   Pict0225

工場見学の末尾に書いておきたいのはタキシード部門の小ささだ。ウェディングドレス部門を100だとすれがせいぜい5から10ぐらいだろうか。男はあくまで女の引き立て役なのだろうか?

【女尊男卑の上海のウェディング】
工場見学終了後に次第にその謎が解けた。最初に答えを書いてしまうが「アルバムを重視する」である。

中国で縫製するウェディングドレスの需要先は、いくら経済発展をしたとはいえ(何十万もするので)依然として日本輸出が主体である。中国向けはレンタル用のドレスが主体。そのレンタル・ドレスには二つの用途がある。ひとつは披露宴での着用、もうひとつが撮影用である。そんなの当たり前と言われそうだが、撮影用としての執着心がまったく違うのだ。

お店を訪れドレスを選び、撮影の日を予約する。それにも時間がかかるのは予約が混んでいるからだ。何ヶ月後かの撮影となる。たっぷり1時間半はかかるお化粧と着付けを経て、アルバム撮影の段取りへ。ワタベウェディングはホテル・オークラ系列のホテル内に店舗を移し、スタジオがあるのでそこで撮影というケースが多いが、スタジオを持たない店舗ではロケ地を決めて、カメラマン・照明・ボード持ちをそろえてロケを張るのである。以下、あるサイトからの引用。

撮影した写真は227枚。すでにフォトショップでデジタル加工されて、店舗内のパソコン内に保存されていた。私たちは、この中からアルバム用の写真を24 枚だけ選ばなければならない。つまり、10枚に9枚は廃棄することになるのである。ポスター用やフォトフレーム用の写真は、この24枚の中からを選ぶことになる。
引用元 http://tnkoumei.typepad.jp/china/

私達がワタベのショップに伺ったときも廊下で美しい花嫁が撮影モード。花嫁のポーズの作り方のうまさといったらまさにモデルである。一方で新郎はといえば、花嫁をストストと追いかけるだけで、かわいそうに一枚も撮ってもらえていない(笑)。オロオロする男性を見ると、もちろん初めてではないが(笑)結婚のむなしさに触れた。

   Pict0229  ワタベウェディングのスタジオ。

さて200枚の写真をどうするのか。ワタベに限らず婚礼店舗には、ひとつひとつの接客テーブルにPCと液晶画面が備えられている。一度に撮られた200枚からアルバムづくりをするために繰り広げられるのが、女尊男卑の上海婚礼である。

【勝手にゴホゴホと咳き込んでアドバイス】
歴史を紐解けば国際都市であり、文化大革命の頃には流血もあった。だがそうした歴史をリニアモーターの超スピード(400km超)で吹っ切るように、計画的にすべてを過去のモノにしている。それが今の上海である。

だからこそ結婚事情にもスピード変化がある。元々アルバムづくりを大切にしてきた市民性があるにせよ(国際都市上海ならでは)、200~300枚もデジタル画面に写してマウスで選ぶのは(そんなハードとソフトが出現した)つい最近に違いないのだ。新しいモノで国土を一掃する国民性ゆえである。

こういう国に「もうちょっと考えたら」とは言えない。それがわたしからのアドバイスである。それは上海の誰もが、バブルが弾けるまで誰からのアドバイスをも聞かないからだ。今日は以上です。

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コメント

谢谢评语(ありがとうコメント)
最近わたしは結婚していないから、アルバム作りとは縁遠いのよ。次に結婚するときは考えます。
個人的には(音楽は)ライブアルバムが好きです。だから結婚アルバムもライブ(披露宴)でのハプニング映像に惹かれます。

投稿: 郷/marketing brain | 2007年11月21日 (水) 14時01分

日本でも、同じように200枚くらいも写真を撮って、その中から厳選の30枚程度をアルバムにするというのは、普通のようですよ。デジカメだから、バンバンとって、
プリントするのにはお金がかかるから、少しだけ。残りも含め、全部データでもらえます。しかも、式翌日に。そのデータをもとに、結婚しました!はがき作ったりとか。

投稿: Cherry | 2007年11月20日 (火) 10時12分

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