Handled with Careのデザイナー、Reiko Kaneko
どこもかしこもクリスマス化粧をしている。ワケがあって昨日銀座に出かけたが、ふと気づくと、松屋銀座はビルごとルイビトンだった。いくらクリスマスとはいえ、見る方が気恥ずかしかった。前日にエコプロダクツ2007に出かけて、環境保護を進めるの真剣なまなざしや、物欲にとらわれない人の良い表情をたっぷり見たあとだったから、ビルごと物欲なんて・・・(まぁクリスマスですからね)。
それはそれとして。クリスマスツリーの飾り付け、もう済みましたか?いろんなオーナメントあれど、主役はバブル、丸っこい金銀の飾り付けでしょう。そのバブルでユーモラスな品をイギリスに見つけた。どうやら日本人と英国人の混血らしいデザイナー、reiko kanekoさんの作品。ウィットがありながらとても実用的。ウィット&実用的なグッズにはなかなか巡り会えない。
【勝手にアドバイス Vol.296 Handled with Careのデザイナー、Reiko Kaneko】
The British/Japanese designer playfully and elegantly adds narrative and mischief to home products. Intent on provoking a smile, she adds a surreal touch to the familiar.
(遊び心あり、エレガントさあり、家庭用品に茶目っ気たっぷりな物語を込める英国人/日本人のデザイナー。シュールなタッチでじんわりと笑いをもたらしてくれるデザインが特徴)
引用元 http://www.designboom.com/shop/baubles.html
Reiko’s objects play with wit, inviting you to participate in deciphering the narrative and idea behind the work. The objects charm and seek to play and build on everyday pleasures.
(reikoのオブジェはウィットがあって、作品のウラにあるアイデアと物語を解読しませんかと誘われてしまいます。オブジェは魅惑的で遊び心をかきたてて毎日を楽しく!)
引用元 http://www.eastlondondesignshow.co.uk/exhibitors/Reiko_Kaneko/
こういう風に映るのはわかるがこれは陶器製で、最初からユーモラスな顔を描いている。3個ずつのセットで94ドル(英国外の販売価格)でdesignboomで販売している(がもうクリスマスには間に合わない)。1個ずつでも売っている(14.95ポンド)。
【タマゴの兵隊達、ソファのお友達、足にょっき】
Reikoさんは若いけれど、すでに代表作と目されるのが「egg solders」。朝っぱらから笑わせてくれそうなシュールなエッグ・ホルダーである。プロトタイプの写真と販売向け商品の写真を載せた(08年1月より発売)。兵士たちがタマゴに立ち向かって殻を破ろうとする姿が微笑ましい。
次は寒がりやさんにはお奨めな一品。Ultimate Sofa Comanionと名付けられたクッションで、手足がクッションの中に差し込める。寒いとき手足を突っ込める相手がいない人に。39ポンド/個。
わたしのイチオシはこれ。Blaue Blumeと名付けられたカップ。足にょっきをつかむなんて、ん~・・・好きです。28ポンド。在庫切れ中。いずれもこちらのHPから購入可。
【よく考えてみると・・・】
これらの作品、よ~く考えると深い。egg soldersでは、何に向かって兵士たちは戦うのだろう?兵士の装備をして三人で立ち向かう相手、実は半熟の卵みたいなヤワ。相手もまた殻だけ堅く見せたがる人々で、中身は平和な人なのかもしれません。じゃあなんで戦争をするの?
足にょっきはそのものずばりだと「すけべ!」。Blaue Blumeはドイツ語で“青い花”。「ロマンチシズム」「欲望」という意味もある。その青い花の意味を伝える日本の『青い花』(志村貴子作の漫画)では、少女同士の愛を描いている。う~ん・・・・そんな意味もあるのか。ウィットに奥行きのあるデザイナーである。
【Reikoさんはどんな人なのだろう】
ReikoさんのCV(学歴、業務履歴)を見ると、Central Saint Martins College of Artで3Dデザインを学び、2005年に卒業した。卒論のタイトルがいい。「Beyond the Smile/笑顔の向こうに」・・・なるほどね!と思いました。卒論通りのご活躍。
2004年から展覧会や展示会に出ている。2007年のロンドンでのHandled with Careという展示会(35ヶ国から163人のデザイナーによる展示作品500作品以上)からの2枚。
【勝手にアドバイス】
諧謔(かいぎゃく)という言葉をとんと聞かなくなった。「気の利いた冗談、ユーモア」と辞書にはあるけれど、かいぎゃくとわざわざ言うときは、噛みしめるとウラにあるおかしさに気づく、そういう苦くて甘いウィットである。
ある若い男がいて、若いときに偉大な作家になりたいと話していた。「偉大な」とは
どういう意味かとたずねられ、「世界中の人に読まれるもの、人々が心の底から
反応するようなものを書きたい。人々が苦しみと怒りで泣き叫ぶようなものを」と
答えた。その男はいま、マイクロソフトでエラーメッセージを書いている。
(ワインバーグの文章読本より)
情熱と愚直は紙一重。物欲とエコはオモテウラ。どっちに転がるか、ウィット次第なのでしょう。でも(自分の心も含めて)まっすぐで動かせないときはウィットでいこう。今日は以上です。
訂正 Blaue BlumeのデザイナーはMs.Tina Tsangですというコメントを頂きました。
(汗かきかき) すみません、この末尾にて訂正いたします。ありがとうございました。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
コメントありがとうございます。
またしてもポカ(笑)訂正文を差し込みました。
お許しください。確かにKanekoさんじゃない
お名前もちらりと見たのでした・・・ちゃんと
確認しないで書いてすみませんでした。
投稿: 郷/Marketing-Poka | 2008年1月 6日 (日) 18時53分
Blaue BlumeはTina Tsang (Undergrowth)のデザインですよ
http://www.designboom.com/snapshot/gallery.php?SNAPSHOT_ID=9&GALLERY_ID=525
投稿: | 2008年1月 6日 (日) 12時36分