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2007年12月22日 (土)

IT IS ― ツァイトガイストなLED照明

工業デザイナー深澤直人氏がイタリアの照明器具メーカーアルテミデ社のためにデザインした、IT ISと名付けられたLED照明が日本でも発売された。価格は¥48,300円(ヤマギワ)。ちなみに海外では250ユーロぐらいだから、直近のレートで約40,000円。

Ss212b  すっきりデザイン。

深澤デザインらしいミニマルなシンプルさ。世界最大のデザインコンペティション「Red dot Design Award」でベスト・オブ・ザ・ベストを受賞したテーブルランプ。今日はこの商品からLED照明の自由さに照明をあててみたい。

【勝手にアドバイス Vol.300 IT IS ― ツァイトガイストなLED照明】
こんなに、はかないフォルムでありながら、アームは90度可動し、水平すれすれまで光源を下げることができる。一方でヘッドは180度ぐるぐると回転し、どんな位置にも光源を置ける。「光の向きや高さ」を自在に変えられるデスクランプなのだ。
引用元 http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_1092/

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このExciteの記事を読んで、そういえば『NAOTO FUKASAWA』(Phaidon社刊)に、このランプのページがあったのを思いだした。深澤マニアのわたしのこの本は英語版で、しかも氏の生サイン付きである。そこにこうある。

This light was created using two disks the same size as a CD, each with a diameter of 12 cm and a thickness of 10 mm, as well as an arm - a square 10 x 5 mm bar with hinges on each end, which joins the disks by their respective centers.
(拙訳 このライトはジャストCDサイズの直径12cm、厚さ10mmの二つの円盤のようなディスクで創られた。2つのディスクの中心部を、角材形(10mm x 5mm)のアームがヒンジでジョイントする) 

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 出典 『NAOTO FUKASAWA』 P181

CDサイズというFound object(環境の中にあるモノを見出し、デザインに溶け込ませる)に始まり、2枚のディスクの中心部をジョイントでつなぐというシンプルなバランス。しかも上も下も円盤は同じ厚みだ。良~くみると、台のほうには丸いスイッチが見える。照明部の方にも同じ位置に、丸いLEDの照明部がある。スイッチと照明までが相似形

【照らす動きもまたユニーク】
日本の国会では懲りない議員によるUFO実在論争が続いているが、この円盤はやはりUFOをイメージしたに違いない。舞い降りたUFOから地球人民を照らすイメージ。それを新しい照明(LED)で表現した。これは深澤氏の遊び心ではないだろうか(わたしの勝手な推測である)。

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照光のポイントはアームにより台座が0度~90度までチルトができること、照明部は180度反転することである。バランスがよく取れるものだと感心。LEDという光源が熱を発生しない性質があるゆえ、被照明物に限りなく近づけることもできる。たとえば趣味の帽子手づくりをするときも、手元を自由に照らせる。さらにテーブルから壁を照らして間接照明として使うこともできる(右の写真)。

実はもうひとつ円盤がある。それはLEDの丸い光の輪。それを指して“IT IS!”(これだよ)と命名したのではないか。

本体の重量はわずか2kgである。台座、アーム、照明部の重量バランスはむつかしかったはずだ。ひっくり返らない商品にするには、相当のエンジニアリングがあったに違いない。深澤氏もこのように書いている。
The techincians always say in unison: 'The simpler the shape, the harder the job.'
(技術者はいつも声を揃えていう。“形状が単純になればなるほど、俺たちの仕事はむつかしいものになる”)

  Artemide01 アルテミデのHP

【勝手にアドバイス】
デザイン賞のred dotのサイトでIT ISを表して「Suitable - form and zeitgeist」とある。ツァイトガイストとはドイツ語で「時代精神」という意味である。「そのかたち、時代精神が、受賞にふさわしい」と訳せそうだ。

照明器具はその時代を映す。電気の初期は電球とソケット、蛍光灯の発明は灯りの用途を広げデザインも変えた。そして今LEDが光源となり、照明デザインの自由度が飛躍的に高まりつつある。その“時代精神”の匂いを的確に嗅ぎ取るのがプロダクトデザイン。嗅ぎ取るとこういう良い形になる。今日のブログは以上ですが、ちょっと付け足しを。

勝手にアドバイスも今日で300回目(パチパチ)。1年以上前、「勝手にアドバイスしちゃおう」という軽いノリで始めて300回。拙なる文をお見守りいただきどうもありがとうございました。心より感謝。
内容は“勝手”なので、間違いや思い違いも多かったはずで、ちょうど今日も、アップルストアのNYC店の件で間違いを指摘されました。誠にて、すみませんでした。以後気をつけます。ご指摘ありがとうございます!
個人や中小企業さんには、なるべく(掲載後が多いですが)連絡するようにしております。間違い・不快な点はご連絡ください。訂正・修正します。また300回って馬鹿だな(笑)・・・の通りすがりのコメントも励みになります。

さて今日は同僚兼相棒のCherryさんの誕生日&記念日でもあります。Cherryさんを直接知っている人も、このブログで登場するなと間接的に知っている人も、おめでとう!とハモりましょう!ではまた明日。

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コメント

Cherryさん、おめでとう。
作務衣でウェディングっておもしろい(笑)ちと違うか。
でもね、田舎ウェディングなら作務衣とか百姓衣装がいい。披露宴も「普段着で来てください」と招待状を出すと、「・・・オラ、畑からきたぜよ」で長靴に麦わら帽子でやってくる(笑)ダメかなぁ。
ちょっと前にとてもブログになりそもないネタがあって(農業ファッション)。でも田舎でウェディング・ファッションならおもしろいかもよ。ネタありがとう!

投稿: 郷/marketing-refrain | 2007年12月26日 (水) 11時29分

ありがとうございます。
きさんの妹さんが勤めている「星のや」、最高でした。

瞑想がテーマのお風呂があり、
最初白い光の差すお風呂を抜けると、
小さな真っ暗な入り口が。
そこに恐る恐る入ると、真っ暗な空間が広がっていて・・・。
とにかく、すごいお風呂でした。

お部屋も、和だけれどモダンで、ステキでした。
お布団だけれど、ベッドのような、
ソファーだけれど、掘りごたつのような。

滞在中は、作務衣に着替えて、ぶーらぶら。
作務衣の上に、フリースの上着を着たり、
足袋型の靴下に、下駄を履いたり。
和洋mixでした。

記念と言う口実ができたので、また行きます(笑)

投稿: Cherry | 2007年12月26日 (水) 10時59分

コメントありがとう!まゆさま。
300回人生劇場歌ったかなぁ(笑)。
節目は曲がるものだから、曲がってゆかないようにしないと・・・と思う一方で、最近うふふじゃない方向に曲がってますよ、と指摘されたよ。
いえいえ、わたしゃマーケティング・ぶれ・・・が素地なんで、ぶれを楽しんで書きます。あっりがとう!!

投稿: 郷/marketing-brain | 2007年12月26日 (水) 10時44分

この場をお借りして~
郷さん300回おめでとうございます&Cherryさんおめでとうございます(ちょっと遅れちゃいましたが~)

節目だとか記念日だとかの瞬間に居合わせることが出来るのは座布団のはしっこにちまっと座って幸せのおこぼれをもらう猫のような気持ちです
これからも楽しみにしていますので頑張ってくださいね~

投稿: まゆ | 2007年12月25日 (火) 10時04分

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