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2007年12月21日 (金)

“うふふ”マーケティングこぼれ話 アップルストア、テルミン、

今日は、ビジネスメディア誠に掲載した「Think Store Different アップルストアの秘密」のこぼれ話です。

【ゲートウェイ2000というDifferentなPCメーカーがあった】
コンピュータ・スーパーストアComUSAの撤退発表日と、アップルストア Fifth Ave店の開店日(2007年12月6日)が同じだったのは象徴的である。世界市場を見渡せばまだ巨大な市場はある。だがそれは台湾Asusの300ドルパソコンEee PCに代表されるコモディティ化したコンピュータ市場である。先進国市場ではコンピュータが「量販から“質販”へ」転換ポイントになった日として記憶されるかもしれない。

今年起きた、もうひとつの象徴的な出来事を挙げたい。それはインターネットの黎明期に牛小屋から高性能なPCを送り出してきた米国のベンチャー会社、ゲートウェイ2000である。

牛小屋ゆえの牛の白黒模様のデザインが有名だった。日本では秋葉原の外れ末広町の交差点に直営ショップがあった。そのハイパフォーマンス・マシンもまぶしかったが、それを誇らしげに説明する店舗スタッフもまぶしかった。

 

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 本体はとっくの昔に処分したが、まだ手元にあるマウスパッド。

EDO-RAMなど説明はよくわからないし、カタログは翻訳調で出来はよくなかった。各マシンには粗末なコピーの仕様書しかなかった。だがベンチャーの香りがするあのショップは好きだった。パソコンやネットの世界が、あそこから眺めると違っていた。何度か訪れた後に1台のデスクトップマシンを購入した。確か1996年だった。誇らしかった。

その後ゲートウェイは、2001年頃から業績を急速に悪化させ、海外から次々に撤退した。日本事業も閉鎖した。2004年にeMachines社を買収したが、特徴ある製品が多いとはいえず、結局2007年8月台湾のエイサーに買収されると発表した。

アップルストアのDifferentな挑戦に似た雰囲気が、当初の店頭販売にあったゆえに惜しい。牛小屋のコンピュータショップでも、肉販売(PC)だけでなく、乳搾りでミルクを売りチーズもつくり(アップルなら“ジーニアスバー”)、牛の繁殖や牛飼いの育成(同じく“スタジオ”)などをはかればよかった。そうすれば角(創業理念)まで売らなくて済んだのではないか。ゲートウェイこそ、PC界の中でDifferentでいくべきだった。

【量販店から質販店へ】
PC大好きサラリーマンの殿堂と言えばビックカメラやヨドバシと相場が決まっているが、個人的には量販店に行く疲れる。たとえばノートPCの衝撃吸収ケースひとつ買うのも、どのサイズがぴったりなのか、自分で測らないとわからない。聞くことはできるが店員はいつも忙しそうだ。

一方、銀座のアップルストアには(まだ何も買わず)何度も訪れているが、その都度サービスの良さには感心する。「彼らは横からやってくる」。2000年当時の2ジャンル4商品しかなかった頃と比べものにならないほど商品は増えたとはいえ、量販店が扱う商品の数の数十分の一なのがメリットになっている。陳列、商品説明、そして体験に合理がある。

「量販店」は量販が使命。だから各社の製品で陳列台は上から下までぎっしりだ。量販ゆえに店員も覚えることが多すぎて、こまかな対応ができない。たとえばブルーレイの説明ひとつ、わかりやすく説明できる店員は少ない。それでも売れるからいいのかもしれないが・・・。イベントはまだしも、アップルのように特定メーカーの学習コースを1年中持つことはできない。もっとも量販スペースを学習サービスに割くことはないだろう。

だがヨドバシのアキバ店でカップルを対象に店づくりにシフトしたように、実はトレンドは変化している。郊外型の単独量販店は撤退に向かいモールにシフトしているし、都心や中心市街地でのサービス強化店に重心が移りつつある。基本的は量販店も「質販店」への転換が底流にある。

【テルミンこぼれ話】
テルミン奏者には美人が多いと書いたが、竹内さんのアップルストアイベントでも紹介された佐藤沙恵さんがとりわけ素敵でした。次の写真はHPより。 

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テルミン大学教授という肩書きも潔くていい。ご自身のHPには「楽器の珍しさを強調するのではなく、器楽としてのテルミン演奏を追究している。演奏以外にもイベント全体の演出を自ら手掛け、趣向を凝らしたライブ活動を行っている」とある。コンサート、CD制作、教室講師、著作、と1人数役の活発な活躍である。尊敬します。

実は銀座アップルストアでのテルミンイベントまで、わたしはほとんどテルミンについて知らなかった。あとで同僚のCherryさんやYukaさん、OKさんに聞くと、みなさん名前は知っていた。「映画もありましたよね」・・・知らぬはわたしばかりなりだった。けれどあの不思議な音色を生でかぶりつきで聴いた。「星に願いを」、グリンカの「ひばり」、ラシーヌ賛歌などいずれもよかった。        

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本式のテルミンは高いが普及版がある。マトリョーシカをもじったマトリョミンである(44,000円ぐらい)。テルミン・アンサンブルのマーブルの演奏も素晴らしかった。合奏のときマトリョーシカの下部に聴診器のチューブの端を当てて、自分のマトリョーシカの音程を聴きながらという「聴診器スタイルの演奏」はおもしろい。演奏も感動しました。

【今日の最後に】
わたしは「告白」は(まだ)していませんが、隠れ度を告白してみたい。

 隠れその1 個人で買ったレッツノートの天板に、iPod nanoに付いてきたリンゴのシールを貼った。
 隠れその2 会社では不文律でPCをチョイスするが、あえて白い筐体を選んだ。それはもう1年半以上前で、当時PC陣営では天板に白いカラーを持つ製品は2、3しかなかった。

200店の届く勢いのアップルストア、2008年の大きなトレンドを作ることになると思う。iPhone上陸がその鍵だと思う。今日は以上です。   

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    Cherryさん撮影のアップルストア・サンフランシスコ店(iPhone発売直後)

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コメント

コメント、ご指摘ありがとうございます。
赤面です(笑)。かなりチェックしたつもりですが、おっしゃるとおりのようです。しっかりお読みいただいた印であります。ご親切、ありがとうございます。以後、気をつけて書きたいと思います。
次号の末尾にて訂正いたします。

投稿: 郷/marketing-brain | 2007年12月22日 (土) 14時59分

拝読させて頂きました。

重箱のスミのようで、申し訳ないのですが、
2007年12月7日にオープンしたのは、「Apple Store West 14th Street」です。
http://www.apple.com/pr/library/2007/12/06retail.html

ちなみに、「Apple Store Fifth Avenue」は、2006年5月18日オープンです。
http://www.apple.com/pr/library/2006/may/18retail.html

投稿: ととと | 2007年12月22日 (土) 00時42分

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