週刊マイミュージックスタジオ、そしてデアゴスティーニ仮説
お伺いしている某社のプロジェクトメンバーにデアゴスティーニ好きがいる。買っているのは主に自動車のシリーズらしいのだが、目を輝かせて「毎週買うのがホント楽しみなんだ・・・」とのたまう。それこそ舌なめずりしそうな様子。
「ハーレーダヴィッドソンってありましたよね。スケールは1/6でしたっけ?」とわたし。
「あった!あれはもっと大きかったんじゃないかな」と彼の答え。後でネットで調べたら1/4スケールで、全長597mm、6.9kg!大迫力の一品。
他にも色々ある。ディズニーランド、昭和タイムズ、刑事コロンボ・・・デアゴスティーニ好きはとことん好きだ。惹かれない人は「何それ?」でしょう。わたしも後者だ。だがモノではないデアゴスティーニが発刊されて興味を持った。2008年1月から刊行される「週刊マイミュージックスタジオ」である。
【勝手にアドバイス Vol.298 週刊マイミュージックスタジオ、そしてデアゴスティーニ仮説】
楽器が弾けない、音符も読めない。でも、自分のイメージで音楽を作ったり、アレンジしてみたい……。そんな音楽初心者のあなたでも、週刊『マイ ミュージック スタジオ』があれば、パソコンを使ってさまざまな音楽作りが楽しめるようになります。
引用元 http://www.de-club.net/mms/
DTM(デスクトップ・ミュージック)ソフトウエアと教則本を週刊でお届けするかたちになる。楽曲制作のソフトウエアは「Singer Song Writer(SSW)」という定番ソフト。
SSWを使った作曲やアレンジ、音楽CD作成、着メロ作成などを学べる。付録のSSWは、その号に必要な最低限の機能が利用できるようになっており、4~5号おきに機能を追加。50号まで集めると全機能が使えるようになる。
引用元 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/04/news092.html
手が込んでいるじゃないですか。SSW8.0は標準版ならおよそ30,000円、プロ版ではおよそ42,000円である。それをステップバイステップで機能追加していくのだ。「創刊号490円+通常号1,190円 ×79号 = 94,500円」(=差額約64,000円)、だが50号で基本編は終了、51号以降は応用編なので「58,800円」(=差額約29,000円)。基本編までなら安いだろう。
【週刊マイミュージックスタジオで学べること】
順調に学べればこんなことができる。
* 自分の楽器の伴奏作り * 携帯電話の着メロ作成
* 鼻歌で音符入力 * 楽器を使わずに本格的な音楽制作
* ホームビデオ等への簡単なBGM作成
* 作曲・編曲・譜面作成 * PCバンドを一人で結成
* リミックス * デモテープ作成
基本的な使い方から、鼻歌入力、メロディに効果音入れ、音源の追加、オリジナル曲の作成へ。マイケル・ジャクソンや桑田佳祐の“曲作りの癖”もある。音色も902、26ドラムセットの効果音も。楽器は不要でWindowsVistaかXPがあればいい。弦ではなくキーのブラインドタッチができればなお良し。
だが・・・告白しよう。わたしは楽器はできない。できそうに見えるのに・・・と言われたことは何度かあるが、小学生の頃、音楽室の電子オルガンはフタの開け閉めの音を楽しんだ。中学校の頃トライしたギターでは、指に弦のスジは出来たが音のスジは遂にまっすぐにならなかった。
【購買対象者はどんな人なのだろうか?】
このシリーズ、購買対象者は誰なのか?パソコンオタクか?楽器好きか?デアゴスティーニは正式発売の前に、テストマーケティングとしてエリアを絞って販売もする。特に従来とは異なる読者層を開拓するシリーズではやる。実は「マイミュージック スタジオ」も2007年の7月頃から神奈川県下、浜松、広島あたりで先行販売し、6号で「休刊」した。それはテストマーケティングだったのだろうし、なにしろあの「初音ミク」の大ヒットがあって音楽づくりに挑戦したい人が顕在化している。
出典 http://blog.so-net.ne.jp/yassblog/2007-07-01
この写真のブログを書くHiroさんも創刊号を“試しに”買った。プロフィールを見ると「ヘタの横好きで楽器をする」とある。多かれ少なかれ楽器をやる方で、できれば作曲もしたい、そんな人が買うようだ。もっともMixiのコミュを調べると、『神奈川県限定でテスト販売している、「週刊マイミュージックスタジオ」のコミュです』では7名しかいなかったけれど。
【デアゴスティーニ仮説】
1週間に1回(隔週のものもある)必ずやってくる趣味の本やパーツ(そしてソフトウエア)がデアゴスティーニのサービスモデルである。逆に言えば規則正しく必ずやってくるのが好きな人、用意万端+ルール通りに事が運ぶことが気持ちよいと思う人に向いているのではないだろうか。デアゴスティーニを買う人はそのコレクションや好みを自慢をしたがる。几帳面な性格と自慢したい心理。そんな“デアゴスティーニ心理”がなければ、忘れず毎週買わないのはないだろうか(定期購読契約もあるけど)。
わたしはコレクションは苦手だが、手作りは大好きだ。だからなのかデアゴスティーニを買ってみようと「まったく」思わない。ある巻を買い忘れると戦艦大和の砲台が前しかないとか、ハーレーダヴィッドソンの前輪タイヤが無いとか、パーツがそろわないのは嫌だ。それならむしろ、翌週を待たないで部品を自分で作りたい。せっかちというより、人のペースに乗るのが嫌なのだ。
そう考えると、デアゴスティーニが何を売っているか見えてきた。これはあくまでわたしの仮説である。デアゴスティーニが売るのは「規則正しさ」や「全部揃える几帳面さ」であり、それを心理的に強化するのがファンづくりなのではないか。
【勝手に自分にマイナス?なアドバイス】
もうひとつわかったことがある。わたしがデアゴスティーニを好きになれないのは、人のレールに乗るのが好きではないのだ。自己流というか無手勝流というか、行き当たりばっ旅というか。毎週お届けされるより、自分のペースが好き。
え?だからいつまで経っても楽器が出来ないって?ああ・・・それもその通りだ。やはり買わなきゃダメなのだろうか・・・余韻を残して今日は以上です
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