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2007年12月23日 (日)

アドベントカレンダーのデザインの裏には。

明日はクリスマスイブ。もうギフトは買いましたよね。今からの衝動買いではさすがの宅急便サンタも翌日配送はむつかしい。煙突の入口まで持参するか、直接ツリーの根元設置しかないでしょう(笑)。

クリスマスまでのカウントダウン・グッズといえばアドベントカレンダー(アドベントカードともいう)。12月25日の4週間前の日曜日から24日までの期間をアドベント(待降節)と呼び、クリスマス支度を初めてからクリスマスイブまで、指折り数えるためのカレンダーである。

まさにカウントダウンの中で、とても気が利いたクリスマス・アドベント“ピル”を見つけた。

【勝手にアドバイス Vol.301 アドベントカレンダーのデザインの裏には。】
“This Christmas mailing was intended as a “therapeutic Advent greeting”. The Advent calendar, which follows the agency’s corporate design, was given the shape of a pharmaceutical box containing “24 creative Advent rations”.
引用元  http://en.red-dot.org/2449+M56d93df20d7.html
(拙訳 このクリスマス郵便は“治療用アドベント・グリーティング”を意図したものだ。dietrabanten社によるアドベントカレンダーは、クリエイティブな24のアドベント食糧を医薬品のカプセルパッケージに包んだ)。

  2007010112a

何ともまあ!アドベントという文字がパッケージにあるけれど、中には12粒×2枚のブリスターパック(指で透明な部分をぐいっと押す薬品パッケージ)で、カプセルもどきのグミが入っている。

  2007010112b

「もうひとついい?」「だめよ。一日一錠、いえ一粒ずつだから」なんて会話が聞こえそうなパッケージング。これはdietrabanten社というデザイン会社が賞向けに作ったものだから、Advil(有名な鎮静剤)ならぬAdventという黄色いパッケージになっているが、ちゃんとクライアントのためにデザインすれば、楽しいアドベント・グミやアドベント・チョコができる。Red
dotのAwards in the category corporate design
での受賞作。

【dietrabantenのデザイナー2人】
デザインしたのはFriederike Hujerさんで、アメリカの大学を卒業後フリーランスのデザイナーを経てdietrabantenへ。テキストアイデアを出した2人のうちのひとり、Doris Pipo-Rißさんもdietrabanten社所属。

Friederike_hujer Doris_pipori

こういうデザイン、きっかけはどんなだろうか。「アドベントっていくつだっけ?」「モチ24よ」「わたしのAdvilも24錠入りよ」なんて。これはわたしのまったくの創造話で、実は違うのだと思う。なぜなら宗教が裏にあるから。

【Raumgestalt/ラウムゲシュタルトのアドベント・ティーバッグ】
24 individually wrapped teabags add up to an Advent calendar. Little things to appeal to adult tastes. Enjoy the surprises! Every year there is a difficult selection.
引用元 http://raumgestalt.dialoop.de/modules/frontend_en/index.php?parent=15&callback=getItem&item_id=100
(拙訳 24個、それぞれティーバッグスタイルで包まれたアドベントカレンダー。バッグの中には大人の味覚にアピールするものが。楽しい驚き!毎年、セレクションは違います

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 出典 http://stylestore.allabout.co.jp/mojo/ProductInfo/product_id/3579/AAGTXT/

これもドイツから。生活雑貨デザインのラウムゲシュタルトのアドベント・ティーバック。製品化されているアドベント・カレンダーで、箱の中には24個のティーバッグが入る。だがティーバッグは包装紙になっていて、中にはチョコレートやメッセージカード、オーナメント、キャンディーなどが入っている。毎日何が入っているのか開けるのが楽しみなカレンダー。日本では5000円ぐらいで輸入販売されている。

【もうひとつラウムゲシュタルトから、アドベントロール/ろうそく立て】
One light-coloured felt pad, a green felt wreath for the lights of Advent and lots of little red stars together make up the Advent Ring. On the left, the first advent light, on the right, the parking space for the three still to come. All easy  to roll up for storage for transport or for the following year...
(拙訳 明るい白色のフェルトのパッドとリースを模したグリーンのフェルト。そこに降誕の光を灯すろうそくと、赤い星をちりばめてアドベントリングをつくります。左には最初の主日に灯りをともし、三本の火がやってくるのを待ちます。アドベントロールは丸めて保存ができますので翌年も使えます

   101   

4本のろうそくが付属しているアドベントカレンダー。なぜ4本かはあとで書くとして、ほんらいのアドベントカレンダーの楽しみは火を灯すことにある。この商品、価格はわかりません(輸入されていないと思う)。

   112_1

【シュトレンとろうそく】
ドイツ人デザイナーたちによる3つのアドベントカレンダーを取り上げた。その内2つにお菓子が入る。それはドイツではシュトレンというドライフルーツ、バターの入ったパンをクリスマス前に焼いて、薄く切って食べるという風習からである。今どきは買ってくるそうだが(日本で家庭で餅をつかないのと同じ)、アドベント・カレンダーにお菓子をいれるのは意味がある。

200pxrosinenchriststollen_angeschni  シュトレン

そのシュトレンを食べる日はクリスマスまでの4回、主日(しゅじつ)にあたる日だ。宗派により違いはあるがだいたい日曜日とされる。ゆえにアドベントロールのろうそくは4本、最初の日曜に左の隅のろうそくに火を灯し(紫色のろうそく)、横にある3本分のスペースは、主日がクリスマスまで3回あることを示す。こまかく言えばろうそくの色は異なる主日があるが、この商品ではみな白い。ただ上下にもうひとつずつろうそく立ての穴がある理由はわからなかった。このパラグラフはWikiなどを参考にした。

【勝手にアドバイス】
アドベントカレンダー、カワイイ!というノリで楽しんでもいいのだけど、基本的にはキリスト教の風習なので、風習のいわれを楽しむのもいいと思う。なぜ24なのか、なぜ4なのか。なぜお菓子なのか。意味がないわけではないのだ。

何気なくおもしろいデザインでも、良く見ると優れたデザインには、その国や歴史を背負ったものがこめられている。うわべだけのデザインではない。クリスマスのアドベントに商品開発の奥行きを感じた。今日は以上です。

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コメント

コメントあっりがとう、Cherryさん。
コメントバックが追いつかないよ(笑)。あとで見てみます。
なるほどお茶目なことをするんだ、アメリカの防衛司令部は。そこへゆくと日本の防衛省はクリスマスもきっと接待漬けですナ。ホステスのサンタさんの方がきっと好きなんだね。

投稿: 郷/marketing-plane | 2007年12月26日 (水) 11時12分

クリスマスと言えばサンタさん。
北アメリカ航空宇宙防衛司令部(通称NORAD)は
普段は24時間体制で宇宙の衛星の状況や地球上の核ミサイルや戦略爆撃機などの動向を監視しています。

それが、ノーラッドはノーラッド・トラックス・サンタ(NORAD Tracks Santa)として、毎年サンタクロースを追跡している。冷戦の真っ只中の1955年からコーナッド(CONAD、中央防衛航空軍基地)が開始したものを受け継ぎ、2004年で50周年を迎えている。

サンタクロースが世界各地でプレゼントを配っている様子をみんなで追いかける、その名も「サンタ追跡」ツアー。Google マップでサンタさんの現在地をネット中継します(5 分毎更新)。
http://www.noradsanta.org/jp/home.htm

google EarthとYou Tubeを使っていて、
地図上のサンタカメラをクリックすると、
トナカイとサンタの動く姿が!
音声は、ニュース風で、「サンタさんは毎年万里の長城で、歴史ある建造物に感動しています。」みたいな、のが
聞こえます。

まじめな機関が、夢のあるお仕事。おちゃめです。

投稿: Cherry | 2007年12月26日 (水) 10時35分

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