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2008年1月30日 (水)

京友禅の823SHから見る孫氏の戦略

 今日は別のテーマを書こうと考えていたのですが、昨日のソフトバンクの携帯春モデルのリリース記事を読んで「いやぁこれはいい!」とヒザを打ってしまった。「SoftBank 823SH」向けの京友禅の携帯、いいですね!

     20080130_823sh2

 和モノ・和柄に惹かれる人が増えてきた(わたしがそうです)。アパレルもバッグも帽子も小物も和物。刺し子まで密かな流行になっている。そのトレンドをうまくキャッチしたのがこの携帯。

【hmm・・なアドバイス17.京友禅の823SHから見る孫氏の戦略】
  「JAPAN TEXTURE」は、折りたたみタイプの本体表面に取り外しが可能な
  上質なテクスチャーを採用した商品です。本物の上質感にこだわり素材に
  友禅を取り入れた「JAPAN TEXTURE 友禅」と、漆を採用した「JAPAN
  TEXTURE 漆」という2つをモチーフに、テクスチャーを企画しました。

  引用元 http://www.softbankmobile.co.jp/corporate/news/press/2007/20080128_08/

       Dsc07416b_o_ 美しい!

 価格なんかまるでわからないままに「これは良い!」と思った。漆モデルも実に美しい。着せ替えのテクスチャを提供する木村染匠、着物制作だけでなく京都友禅生地を挟んだ合わせガラスに特徴がある(823SHは合わせガラスではないようだ)。
    20080130_823sh3 漆も良い。

【京友禅の染色工程】
 京友禅携帯に感化されて、京都友禅協同組合で染色工程を見てみた。意匠図案を元に正絹の白生地に青花液で模様を描いてゆく。下絵の線の上に糸目置き糊を置き、これが染め上がりに線として表現される。その後色挿しという着色工程に入り、蒸しを繰り返す。

 ①P0208401  ②P0208402  ③P0208403
 伏せ糊置きを行い、色を挿した模様全体を糊でおおう。仕上げには彩色、箔、刺繍、紋などを付ける。かなりの手間なのである。

 ④P0208404  ⑤P0208405  

【着せ替え携帯、昔からあれど・・・】
 着せ替え携帯は前からある。たとえばボーダーフォン時代の着ぐるみの着せ替え携帯(V501T 2005年夏)は「グミ」「ブル」「タイヤ」「波」「チーズ」「吸盤」「マーメイド」「恐竜の卵」「芝」。
   L_sa_t2 こんな牧歌時代もあった。
   引用元 http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0505/19/news052.html

 ソニー・エリクソン・モバイル製の「SO703i」には“着せ替えアロマ”パネルもあった。

  L_sa_sdoco02
  引用元 http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0701/16/news062.html

 友禅のような手間のかかる美しい“布と携帯の融合”、その着想は初めてだろう。

【孫氏の成長戦略】
 従来の着せ替えは個々の商品のアクセント/差別化にすぎない。だがソフトバンクの和モノへの展開はちょっと違う。もっと大きな戦略からの位置づけが見えてくる。

 以前孫子(いや孫氏)の戦略の基本は「バーナムの森」だと書いた。これはマクベスに出てくるエピソードで、兵力が少ないのを隠すために兵士に枝木を持たせて、あたかも森が動いているかのように見せる戦略である。ソフトバンクは、ドコモとはもちろん、auと比べても事業資源は小さい。だからこそ“予想ガイ”など話題を先行させて消費者へアピールし、あたかも森が動いているように思わせるのである。言わば枝葉で勝負していた。

 だが今回の孫氏の戦略は用意周到で抜け目がない。学生同士の月額基本料を3年間無料にする発表を先行させて話題をさらう。これは以前のホワイトプランと似た手口。だがその後のポジショニング展開が凄かった。属性特化(学生向け料金ゼロ)、ブランド特化(ディズニー・モバイル)、用途特化(株式ケータイ、フルキーボード、そしてカールツァイス搭載)、嗜好特化(友禅と漆という和モノ)と、現在の携帯セグメントを全方位を攻め込み、しかもそれぞれインパクトのある商品・サービスをそろえた。

 マーケティングでいうポジショニング戦略とは、細分化した市場で存在感を出すアプローチである。基本的には、ポジションを特化して突破口を開き、細分化市場制覇がねらい。ソフトバンクにはそれぞれの細分化市場を正面突破する勢いがある。脱帽です。

【hmm・・なアドバイス】
 京友禅と漆というインパクトのあるデザインから感じたのは、ソフトバンクの“テーマ設定力”の高さ。それぞれのセグメントでハードと利用シーンのテーマ設定力が高い。

 それに対してauのボヤっとした発表はちょっと。ドコモも解約トレンドを脱し、携帯は品切れ続出らしい。勢力図の変わる可能性さえ出てきたと思う春モデル。春ですから生まれかわりの予感さえ。今日は以上です。

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