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2008年1月21日 (月)

“一回性”という成長の原動力

今日は隔週で書いているぷろこんエッセイからの転載です。
  配信は まぐまぐ と めろんぱん からしています。

 その後の人生を変えてしまう出来事を経験すること。これを「一回性」と
 いいます。脳には、いつ、どこで訪れるか分からない一回性の体験を、
 大切に刻印し整理していく働きが備わっています。この機能こそが僕たち
 の人生を豊かにつくっていくのです。

 引用元 『脳を活かす勉強法』 PHP出版 茂木健一郎著

           ★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 成長の原動力とはなんだろうか?

 やりたいという気持ち、その環境に自分をおくこと、継続すること、きっかけ
をチャンスにし、やがて飛び立つ。そんな成長のシナリオを思いうかべれば
「気持ち」「環境」「継続」「きっかけ」「飛び立つ」・・という成長の各段階の
"シーン”があるはず。ポジティブなシーンだけでなく、「挫折」とか「意地」と
いった苦しいシーンも、きっといくつも散りばめられている。

 たとえば、わたしはこうして文章を書き続けています。1年以上前、ブログを
書き始めたきっかけは他愛ないものでした。マーケティングのことをもっと考
えようと思ったときブログという表現を思いつき、同僚のCherryさんに言いまし
た。ちょうどカフェでサボってお茶の飲んでいるときでした。「ボク、ブログを
書こうと思っているんだ」 そのときのシーンはまざまざと覚えています。
Cherryさんが「いいんじゃないですか」と言ったところでそのシーンは終わって
います。

 それが「気持ち」のシーンだとして、「環境」のシーンはブログのテンプレート
に初めてふれて、自分を表現するサイトをつくった場面でしょう。ブログの「継
続」には数多の苦難(おおげさですが)はありました。体調が悪い日、電波が
飛ばないエリアに入るギリギリ10分前のアップ、酸っぱい匂いの安いビジネス
ホテルでのネットワーク設定の苦労・・・いろんなシーンがあります。ウェブ
ポータル・サイトの編集長からメールをいただいて「ウェブサイトに文章を書き
ませんか」というのも「きっかけ」のシーンになりました。

 まだ成長もしていないし、身のまわりを見回してももっとご苦労されている
人はたくさんいるのでおこがましいことを書きました。むしろ読者の心にきっと
多くのシーンがあるはずです。それにおきかえて考えてみてください。

 こうしたシーンは静止画像というよりも場面記憶のフラッシュみたいなもの。
達成した歓喜のシーンもあれば、何気ないけれど引っかかるシーンもある。
何度思いだしても心を削られる残酷なシーンもあるでしょう。

 人間はそうしたシーンの積み重ねで成長するのではないだろうか。シーンが
成長の原動力なのではないか。そんなことを常々考えていました。

            ★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 なぜあるシーンが心に残っていて、なぜ繰り返し表れるのか、どうして自分
にそこまで干渉してくるのかわからなかったのですが脳科学者の茂木健一郎
さんの著書の中で“一回性”というキーワードに出会って、ヒザを打ちました。

 あるとき一回しか経験できない決定的な経験をする。それがその後の人生
に影響を与える。二度繰り返せないし、一回こっきりだからこそ、脳に深くそ
の体験がきざみこまれる。きざみこまれた体験を自分なりに反すうして、深め
ていく。それに執着するからこそ自分を高めていける。勇気をあたえてくれる。
そこから行動が生まれる、というのが茂木さんの著書『脳を活かす勉強法』の
中の“一回性”のくだりにある主張です。 

 一回性というとポツン、ポツンとコマ切れのシーンがバラバラにあるような感じが
します。でも脳がまったくバラバラのシーンばかり収集してないはずです。ある
起点になった「気持ち」に響くシーンを取捨選択し、収集して整理してくれるのだと
思います。

 整理してもパッチワークのようにバラバラな色合いのままか、ぴったりハメ合わ
せるジグソーパズルのように整然としているか、成長のテーマやその人の性格
にもよるのでしょう。それでもきっと脳は、一度しか起こりえない体験を、ちゃんと
整理してくれるというのです。

            ★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 茂木さんの考えかたはすばらしいアプローチですが、「一回しか経験できない
決定的な経験」とは、個人的なものにも聞こえます。グループ活動や組織活動
の中でその経験はどう活かせるのか?

 コンサルタントという仕事から考えてみましょう。クライアントの多くは情報を
共有するとか、成果を共有するとか、情報共有システムへの入力に非常に
抵抗します。その理由を今までわたしは、クライアントの社員が「面倒だから」
「同僚からも上司からもフィードバックもなく入力のモチベーションがあがらな
いから」「わからんちんに伝えても益なし!」といった思いからだと考えていました。

 それはそれで正しいのですが、まだ理由の一部なのでしょう。茂木さんの主張
をもう一度書きます。

 「脳は一回性の体験をきざみこむのをよろこぶ」

 つまり脳は、そもそも他人とのウワベだけの情報共有や追体験をイヤがるもの
なのだというものです。実は脳は情報共有をシブシブやっているのかもしれない。
自分の一回性の体験じゃない、他人の体験をシブシブ読んでいるのかもしれない。
自分のシーンでないことなので、脳が深めて整理することをイヤがっている。
なるほど、どおりで皆さん、情報の共有が進まないワケで・・・。

 情報共有をしましょう、成果をヨコ展開しましょう、そんなマネジメント用語を
したり顔でわたしも話していました。だが脳がよろこばないことをせっせと話して
いたとすれば、進まない理由も納得ができます。

 脳がよろこんでこそ仕事に創造性がやどる。よろこばせる情報共有でないのに
軽々しく「情報共有」とか「ヨコ展開」してください、とは言えないと思いました。

            ★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 でもこう考えることはできそうです。個人的な一回性の体験は、他人と共有する
のはむつかしい。しかしシーンとシーンをつなぐところ、つまりプロセスは共有できる
のではないか。プロセスはルールでもあり、行動でもあり、共通言語でもある。
プロセスの中での体験として「こんなことがあったよ、すばらしい体験だった」という
共有ができれば、響きあうことはできるのではないか。

 個々のシーンがあって、それをバネにしてプロセス(実行)にうつす。このふたつが
“一回こっきり”の創造的なセットになったとき、人生が豊かになる。“一回性”という
キーワードから響いたことをツラツラ書きました。今日は以上です。

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