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2008年2月10日 (日)

ディトアーズ/Detours わたしはアルバム派

 シンガーソングライター、シェリル・クロウさんの新譜『ディトアーズ』を聴いて幸せになりました。2週間前、このアルバム発売までの“まわり道”をテーマに書きましたが、わたしは日本先行発売から“まわり道”して輸入盤の発売を待ちました。その甲斐がありました。

    Pict0420 HMVで買った輸入盤

 輸入盤を買ったのは「オリジナルのアルバムとして聴きたい」というこだわりからです。日本だけ先行発売して“ボーナストラック”を付けるという戦略(このアルバムの日本盤もそうです)、アルバムのメッセージをゆがめると思うから。バラで曲を買う人も多いのに何をかいわんやですが。

 今日はこのアルバムのレビューを通じて「アルバム」と「バラ売り」について考えます。

【hmm・・なアドバイス25.ディトアーズ/Detours わたしはアルバム派】
 まずざっとアルバムレビューを。テーマは「愛と社会メッセージ」。その2つをポップな曲づくりで調和させています。ポップな味付けは、ファーストアルバムのプロデューサーとの共作ゆえ。『ディトアーズ/Detours』は彼女の最高傑作だと思います。

  1.God Bless this Mess
    Mess(混乱)した状態とは米国の国家のイメージ。曲のビデオクリップはその
  象徴でワシントンスクエアを舞台に。嘆きの詩とアコースティックなメロディライン
  はやさしい。アルバムを象徴する曲でしょう。ビデオはこちら(約2分)。

 

  2.Shine over Babylone
  アルバム全体のメッセージを背負う。社会性の高い歌詞と力強いメロディ。

 3.Love is Free
   米国南部を襲ったハリケーンを歌ったファンキーな曲。「貧乏でもHはタダ」(笑)

  6.Out of Our Heads
  パンク&ポップスの融合するユニークな一曲。大好き。

 7.Derours
  “「人を愛しなさい」と教えをたれたママ、彼女は紙ほど薄いハートの持ち主” 

10.Diamond Ring
  ダイヤモンドリング~♪の愛を想う気持ちで登り詰める熱唱。心に残る傑作。

11.Motivation
  いわゆるシェリル・クロウ路線なリズム&メロディとスピード感。名曲。

13.Love is All There is
  セカンドヒット間違いなしのポップスが13曲目にもあるのが驚き。

14.Lullaby for Wyatt
  Lullabyとは子守歌、Wyattとはシェリルの子ども(養子)。人類愛のやさしさ。

【アルバム全曲のプロット】
 このアルバム、愛と社会メッセージをポップスでくるんだ作品です。曲目にも曲順にもアーチストの意図が見えてくる。

    Photo_2

  タテ軸には「愛」、ヨコ軸は「社会メッセージ」。解説しなかった曲を含め、全14曲をメロディと詩から全曲をプロットしました。①の社会メッセージばりばりの曲から始まり、②、③と愛が高まり、再び社会メッセージの強い曲調になり、⑥~⑩まで愛を高めてゆき、我が子(養子)を歌った普遍的な愛の曲⑭で終わるわけです。

 曲順にもカバレッジにも、社会メッセージと愛を「あまねく伝えたい」というアーチストの意図が十分に感じられます。“通し”で聴いてほしい-創り手のその意図がよくわかります。

【曲ごとのバラ売りしか売れない】
 一方、多くのアルバムは、すでにアルバムとして意味をなさない。iTunesストアではアルバムは売れず、曲ごとのバラ売りだけが売れる。倖田來未さんのようにシングルを先行させて、あとでまとめて“アルバム”というのさえあり。 曲のバラ売りの加速化、なぜなのか?

 iTunesに代表される曲ごと販売の浸透
   (クラシカルさえ曲ごとに買えるのはいかがなものか?)
 そもそもアルバムとして売れなくてもいい
   (アルバムは関与する人々が多くて原価が高くて儲からない)
 CMソングやドラマの主題歌・劇中歌からのカットの増加
   (“ワビ・サビだけがいい曲”です。このあたりにも原因ありそう)
 携帯の着メロや聴き放題サービスの影響
   (携帯小説というバラ売りを見れば、さもありなん)
 細切れの時間の中でのリスニングが増えた
   (細切れ時間で、携帯メール、携帯ゲーム、DSをやるように・・・)

 小遣いが足りないなどの要因もあるだろう。ちなみにiTunesストアでは最初バラで買っても、あとでアルバムとしてまとめ買いできる(バラ買い料金をアルバム料金から差し引く。日本以外)。それでもアルバムが売れないわけですが。

【hmm・・なアドバイス】
 たぶんこういうことは言える。作品メッセージをどう受けとめるか―それさえ消費者主導になった。作品を消費者の都合(時間、習慣、金、嗜好)で理解することが当たり前になってしまった。音楽に限らず、本もTVも舞台も美術も、細切れ消費が目立つ。アイスのトッピングならともかく、アルバム=芸術作品なのに・・・。

 わたしはアルバム派。アルバムとして聴きたいし、それがアーチストへの礼儀だと信じます。とりわけ来年のグラミー賞を独占する(間違いなく!)作品、『ディトアーズ/Detours』ならなおのこと。今日は以上です。

Peterstroud Sherylcrow
Peter Stroud

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コメント

やなたかしさん、コメントありがとうございます!
なんとまぁ、親近感ありありです。マーケティング&シェリル・クロウという組み合わせ、あんがい多いのかも知れません(笑)。ロングテールの威力を実感しました。
あらためてわたしのシェリルフェチを丸出しにすると、Tuesday~だけはMDしかないのですが、それ以外はすべてCD所有、ブートレグもいくつか。今作は最高傑作です。買いましょう!

投稿: 郷/Marketing Friend | 2008年2月12日 (火) 09時30分

HMVの撤退を検索してたどり着きました。
私はIT系のマーケティングが業務なので、たいへん興味深く読ませていただきました。
で、おまけにシェリル・クロウのファンとは!
私も彼女が大好きで、やっと全アルバムがiPodにそろい、(ほぼ)毎日聞いております。
前作では、Wild flower 、Live it up がお気に入りでした。
きっと新作も手に入れると思います。

加えて、アルバム派とは、、。
私も、アルバムを1枚聞くことがアーティストとの付きあいである! と思ってたりするので、つらくとも1枚を聞いてみることにしてます。

でも、iPod のシャッフル再生は楽しい部分もありますね。

長くなりました、どうも失礼しました。

では!

投稿: やなたかし | 2008年2月11日 (月) 00時27分

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