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2008年2月 4日 (月)

お弁当とデリバリーを結ぶ企画発想

 今日はぷろこんエッセイからの転載です。
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 「企画立案で大事なことは、まずは常識にこだわらないこと。そして、
 生活者視点ですね。例えば、毎日スーパーに行っていると、180円の
 ホウレン草を見て『最近値段が上がってきたなあ』と実感する。そういう
 日常的な感覚の積み重ねが、新しいアイデアを生む苗床になるんだと
 思います(後略)」

                          夢の街創造委員会株式会社 中村利江社長
 引用元 http://job.goo.ne.jp/topics/special/iketeru/002.html

             @@@@@@@@@@@@@@

 お弁当やピザ、お寿司、最近はお酒までデリバリーしてくれる『出前館
を運営するのが“夢の街創造委員会”というユニークな名称の会社。その
名前に惹かれて、上場(大証ヘラクレス)前から注目していました。“ネットと
ビジネスの種を結ぶ”と、同社のコーポレイトメッセージにありますが、ネット
でちょこっと出前を頼めるのは、ひとつの夢の街のかたちです。

 その夢のかたちにいかにたどり着いたのか?それがわたしの興味であり、
今回のテーマです。夢の街づくりのカギを握ったのは現社長である中村利江
さんであり、氏の語られた冒頭のコメントに、夢のかたちにたどり着くお客さま
視点のビジネスの原点と発想プロセスがあります。

 それは次の3点でまとめられます。まず商品や消費を見るとき“常識にとら
われないこと”、判断する上でのよりどころは“生活者視点”、最後に何度も
フに落ちるまで“考え抜くねばり”。

             @@@@@@@@@@@@@@

 中村さんは根っからの優れたプランナーで、学生時代に女子大生を集めて、
モーニングコール事業を起業した。女子大生からの電話で起こされるなんて
シャレですよね。ターゲットはきっと独身男性や単身赴任のオトー様だったの
でしょう。彼女のお客さま視点、天然モノだということがわかります。

 その後リクルートでハウジング事業部の仕事で実績をあげ、結婚。子育て
一段落のあとに、お弁当のほっかほっか亭を展開するハークスレイに入社
した。大ヒットした「290円牛丼弁当」という企画もしたが、1999年当時、外食
産業全体が低迷期であった。デフレと新機軸無しの板挟みになっていた時期
だった。ハークスレイの関西地区で企画担当をしていた中村さんも、売上
アップの突破口を模索していた。

 あれこれ考えた末の答えが「お弁当のデリバリー」でした。

 どのようにそこにたどり着いたか。それはさておき、デリバリーで加盟店を
活性化しようと思い立ったのち、まずほっかほっか亭自前でネット出前サイト
の構築を図ろうとした。ところが当時スタートアップしてまもない『出前館』を
知り、ほっかほっか亭が自前・単独でやるよりも加盟した方がいいと判断して、
自前開発プランをいさぎよく捨てた。

 その後コンサルタントとして独立し、出前館の運営会社の夢の街創造委員会
のコンサルティングをする中で、「あなたが社長をした方がいい」と乞われて
副社長に就任し、現在の代表取締役に至る。

 成功物語はこんな感じですが、どんな思考をして「お弁当=デリバリー」に
行き着いたのだろうか?

 以下、わたしが実践している思考のプロセスにあてはめてお弁当=デリ
バリーのケースを考えました。実際に中村社長にお聞きしてフレームワーク
を作ったわけではありません。ひとつのケーススタディとして、普遍性を感じ
ていただければ幸いです。

             @@@@@@@@@@@@@@

 まず基本図(図1)。左の四角形のハコに入るのが「商品やサービス」。
ウチの商品やサービスの一般名称を入れます。“ほっかほっか亭の弁当”では
なく“お持ち帰り弁当”です。そこから矢印(→)を右に引いて先のハコが「お客
さまのしあわせな状態」となります。両方のハコの間にあるのが、お客さまが
商品とサービスに求めるニーズや気持ちです。できるだけ数多く列挙します。
商品とサービスを列挙し、それが“お客さまの最もしあわせな状態”の言葉に
圧縮され、さらにビジネスモデルのワンワード、「キーワード」を発想します。
 Lunchdelivery01

 実際にお弁当=デリバリーの流れに沿ってやってみましょう。

 まず四角形を描いてその中に“お持ち帰りお弁当”と入れる。その四角形から
矢印(→)を引き、右側のブランクの四角形につなげます。二つのハコの真ん中、
お客さまのニーズと気持ちを「お弁当の場合なら何なのか?」という視点から
挙げてみましょう。

 ・・・・
 ・容器サイズは大中小しかない
 ・日替わりがあるとうれしい
 ・外食は混んでいる
 ・会議室で食べたい
 ・みんなでワイワイ食べたい
 ・ちゃかちゃかっと食べたい
 ・早メシしたい
 ・食べながらネットみたい
 ・安くあげたい
 ・買いにゆくのが面倒
 ・だいたいメニューは一緒
 ・弁当屋の待ち時間がいや
              ・・・・

 ランダムで構いませんが、ルールはお客さま視点です。お持ち帰り弁当に
おける生のニーズや気持ちをできるだけ挙げましょう。挙げていくと「これは
もっともだけど」「これはあんまり」などが見えてきます。どれかしらこれだ!と
“光りもの”が見えてくればシメたもの。

 何が“光りもの”か、企画者の価値観や経験、センスで判断しますが、その
決め手は“生活者視点”です。「光る」か「光らないか」、売り手でも買い手でも
ない“生活者視点”がミソです。

 お弁当=デリバリーのケースでは、光りものは「会議室」「早メシ」「日替わり」
「時間」などになります。それらをギュっとすると“持ってきてもらえるとうれ
しい”というお客さまのしあわせな状態が見えてきます。そこから“デリバリー”
というビジネスモデルのキーワードにまとめるわけです。

Lunchdelivery02

 改めて“凄い”と思うのは、ほっかほっか亭の弁当は、従来「お持ち帰り弁当」
だったわけです。「デリバリー」というキーワード、同社の事業理念を真っ向
から否定しています。しかしお客さま視点はたいていそんな結論になります。

             @@@@@@@@@@@@@@

 もちろん一回でハマるアイデアが出ないときもあります。あきらめないで粘り
強く考え抜くのがたいせつです。ノートに書いて幾度も振り返ってもいい。ひとり
でやるよりふたり、三人寄れば文殊の知恵で三人でやるもの効果的。“うふふ”
な発想のコンサルタントが欲しいときはお呼びつけください(笑)。粘り強くお客
さまの真ん中にあるニーズの鉱脈を掘りつづけるのが企画の本質です。

 このフレームワーク、汎用的な使いかたもできます。商品・サービスのところを
“今の自分”として、お客さまがしあわせな状態を“自分がしあわせな状態”に
読みかえます。2つのハコの間には「自分のスキル」「やりたいこと」「できること」
「経験」・・・を書きだしてみる。そこから光りものを探しましょう。

 「いくらやっても何も光が見えてこないじゃないか!」とヒラめいたとしても、それ
はわたしの責任ではないハズですが(笑)。

 今日は以上です。

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