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2008年4月29日 (火)

ぶらぶらできる本屋へのオマージュ

 わたしはたいした読書家ではない。平行遅読でちょこちょこ読む人。おまけに「著者にすまないから古本は買わない」とおっしゃる同僚のTomoyoさんほどグラつかない信念の持ち主でもない。一昨日オークションで『軽い機敏な仔猫何匹いるか』という古本を購入してホクホクしています。早く来ないかな。

 そんなわたしのようなヤカラばかりだから、新刊本は売れない。書店がどんどん潰れているという記事を見て、今日は本屋さんをテーマに。

【hmm…なアドバイス91.ぶらぶらできる本屋へのオマージュ】
老舗中の老舗、東京旭屋書店の銀座店と水道橋店が閉鎖を決めた。売り上げ低迷が理由だ。銀座店は1965年11月の開店で42年以上も営業を続けてきたが、今月25日に閉店する(水道橋店は6月下旬)。銀座東芝ビルの1階という場所柄、サラリーマンの利用者も多く「寂しい」「残念」の声が続々だ。引用元

Asahi05 Asahi04 ホステスさんも見かけた。

 銀座東芝ビルの1階にあった旭屋書店。このビル自体が売却されたことと関係があるだろうが、立地は素晴らしくよかった。良すぎたせいで待ち合わせばかりに使われて、来店者数は多かったがお買い上げ少ないという百貨店的な本屋だった。

【書店数激減のトレンド】
 アルメディア調査によれば書店数の激減は顕著だ。01年から凸凹はあるが数百店ずつ閉店している。

2001年  20,939店
2002年  19,946店
2003年  19,179店
2004年  18,156店
2005年  17,839店
2006年  17,582店
2007年  16,750店
2008年  16,404店 ※2008年2月末現在

 激減は今さら語るまでもないと出版業界の人には鼻で笑われそうだが、酒屋と一緒で、近所のちっちゃな店舗はほんとうに見かけなくなった。雑誌でさえコンビニやスーパーで買うし、ベストセラーやまともな本(という表現ありか)はAmazonで買うのだから、業態として小規模書店の存在価値はほぼゼロになった。それは古本屋にもあてはまり、今どき半日かけて古本屋めぐりをして一冊の本に出会いたいと思う人は、冒頭の回文の本よりレアだ。

【規模は必要だが、それだけでなく】 
 書店ランキングで旭屋は全国10位である。ちなみに07年上半期の順位を示す(日経調査)。

 1.紀伊國屋書店
 2.ジュンク堂書店   
 3.丸善
 4.文教堂書店   
 5.ブックファースト
 6.有隣堂
 7.三省堂書店
 8.くまざわ書店
 9.八重洲ブックセンター
 10.旭屋書店

 これを見て中堅だからヤバいと思うなかれ。第3位の丸善が大日本印刷から経営支援をうけるくらいなので、一部をのぞけば経営努力で汲々という状況だろう。

 さらにちなみに、セブンイレブンの07年の雑誌・書籍・新聞の売上額は1,430億円で、トップの紀伊国屋書店の1,181億円(06年8月期)を軽く超える。合併しても店舗自体は労働集約的な業態であるし、集中購買で単価を大きく引き下げられる経済合理性もきかないだろう。だから規模も追求できず閉鎖という流れに傾きがちだ。

【書店、お先真っ暗なのだろうか?】
 町の書店はダメ、中堅書店もダメだが、Amazonなどが業績いいのでは?だが未公開なので詳細わからず、替わりに取次会社を見よう。書籍卸最大手の日販の業績は連結売上こそ増収だが、減益傾向にある。連結売上とは書籍取次以外のさまざまな事業の合計だ。単独売上つまり書籍取次では年々減収減益。第二位の東販も同じ傾向で、やっぱお先真っ暗じゃないか。

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 ネットの台頭で単なる知識収集では本を買わない。だから新書本に代表される、話題を追う低単価で回転率の良い本を出す。だんだん似た企画になる。企画が似てくると食い合いで売れなくなる。読者は拡散する。編集者や執筆者、カメラマンやイラストレーターにしわ寄せがくる。まさに縮小スパイラルだ。

【hmm…未満のアドバイス】
 こうなると“セレクト力”や“書店員のお奨めPOP”でしのごうとなる。それも悪くないが、しょせん小さな改善にすぎない。本屋の枠内から発想がでない。そんなときは別の業態の成功事例を参考にしよう。

“本屋のセブンイレブン”はできないのか?
 中堅・中小書店の品揃え・運営を徹底的に標準化して、セブンイレブンよろしく単品管理をする。売れ筋を常に把握し絞り込んで、本部一括と店舗独自仕入れの比率を決めて、棚割りや陳列や接客を標準化。12時まで開いてお取り寄せも便利。おでんも売る(嘘です)。これを全国展開する。

 「あの本屋にはないだろうな」と思ってみんな中小本屋に行かない。だがコンビニブックストアなら「たいていあの本はある」「お取り寄せサービスがかんたん」なら行くのではないだろうか?

ネットの無料モデルを見習って“サンプル本屋”はどうか?
 「立ち読みはダメ!」じゃなくて「立ち読みだけ」という本屋。どうせ半分近くが返品なら、いっそ本をサンプル展示品にしてしまう。売らないかわりに出品広告料を出版社から取る。本や雑誌にICタグを付けて、どの本が手に取られたか計測できればクリック広告とおなじく課金収入だ。買うときは本屋備え付けのキオスク端末からか、Amazonでもどこでもいい。

【ちょっとhmm…なアドバイス】
 だがこんなアイデア、愛書家のTomoyoさんから怒られてしまうだろう。わたしも気乗りがしない。そこでフト思ふ。本屋の価値って何だろう?

 “ぶらぶらできること”ではないだろうか?わたしは企画やセミナーのタイトルを考えるとき、背表紙や目次からヒントをもらうために歩く。発想に煮詰まったとき、見えない知恵のシャワーを浴びるためにぶらぶらする。

 Tennai422_2 ジュンク堂新宿店

 ところが多くの書店は気ぜわしく、立ち止まれもしない。通路も狭い。効率だけ重視だ。ジュンク堂のようにぶらぶらしやすく椅子も多い良店もあるが、たいていはダメだ。米国のBarnes & Nobleはよかった。実にぶらぶらと落ち着ける本屋で大好きだ。今日は以上です。

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