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2008年4月20日 (日)

酒販店コンサルティング

 昔から中小企業診断士試験の三題話といえば、理美容店、ベーカリー、そして酒販店でした。いずれも労働集約的だし、商品の差別化がなかなかできない業態だ。だから中小企業が生き残る道は何か?という設問がつくりやすい。

 そのうち酒販店を見ると、街のちっちゃな酒販店の淘汰の次に、酒の量販店(酒DS)がどんどん潰れている。私の家の近所で上場企業だった某S社も5年ほど前に倒産、ひそかに閉店やむなしと思うG店もある。今年大阪では『酒の楽市』『スピード』が倒産。酒販免許の自由化のあおりではあるがお酒を呑まない人口が増えた背景もある。今日は中小企業診断士の原点に帰って、酒販店を考えたい。

【hmm…なアドバイス83.酒販店コンサルティング】
1月には「スーパーディスカウントストアー スピード」を近畿や千葉に
持つスピード(大阪府枚方市)が民事再生法適用を申請。他にも「ヴイ」
(新潟市)や「ヒーロー」(山口市)など、全国で倒産が続いている。
90年前後から「町の酒屋さん」のシェアを奪って優勢に立った酒の量販店は、
00年前後から店舗拡大を急ぐ。その背景には「酒の小売りの自由化」があった。

引用元

0420_shuhan_asahi図も引用元は同じ。

【酒DSの競合はコンビニではない】
 朝日comの記事では酒DSの倒産要因をコンビニの酒販売参入によるもの、としている。しかしわたし自身、コンビニにお酒を買うことは稀だし、酒呑みが高くてこだわりのないコンビニでお酒を定期的に買うわけがない。怪しいので調べるとさすがインテージには詳しいデータがある。

0420_shuhan_sci4 インテージより。

同社のSCI消費者調査ボードによれば、やはりコンビニでの酒販なぞ微々たるモノ。90年代後半は酒DSの最盛期。2000年代から下落してどんどん縮小しているのがわかる。一般酒店も見るも無惨だが、伸びているのはスーパーだ。酒購入の主役はスーパーでありコンビニではない。そのスーパーで何を買うか?もちろん圧倒的に発泡酒と第三のビール。次図参照。

0420_shuhan_sci5

 ビールは泡と共に去り、意外にしぶといな焼酎、消えていないぞワインとウイスキー。スーパーでは泡酒だとして、チャネル全体ではどうか?それが次図ですが、安い泡酒しか売れていないのと購入量縮小は長期トレンド。呑まない人が増えている。若い世代はほんとうに呑まない人が増えていますからさもありなん。

0420_shuhan_sci1

【わたしは仕方なく酒DSへ行く】
 スーパーで泡酒を買う理由は、ケース買いで重い商品だから、車で食品と一緒にワンストップ。そして価格差も酒DSと大差ない。さらに重要なのは「酒DSは顧客満足度が極度に低い」からである。

 わたしはバーボンを酒DS買うけれど、それは安いからだけだ。ほんとうは行きたくない。みんな茶髪で接客語はしゃべれない。レジでは金券の扱いも知らない。宅配を依頼すると「店ちょー!」と叫ぶ。接客指導があるのかハナハダ疑わしい。そんなレベルの店が多いので、酒DSに行ってよかったなぁという満足感は(相当の)バーゲンの時しか無い。要は価格しか訴求ができてない。

 なのに価格はスーパーと大差ない。品揃えに大差もない。スーパーが接客やサービスにあれほど心血を注いでいるのに・・・それで潰れないわけがない。経営の怠慢である。

【オーガニックワインのマヴィ】
 オーガニックワインを販売する『マヴィ』では、その名の通り農薬を使わない土壌で造るワインだけを売る。フランス20軒を始め、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガルのワイナリーと直接契約をして「全て自家で情熱をもって丁寧に行う確かな生産者のワインだけを輸入」する。

0420_shunan_organic

 ここの店主の田村さん、良いことを書いている。「フランスではワインを販売するのに免許などありません。量販店はもちろんのこと、ガソリンスタンドでさえワインを販売しています」。量販店は価格で、ガソリンスタンドは利便性で買われ、「ワイン専門店では品質と付加情報」で買われる。マヴィでは店舗でのワインの知識や温度管理、さらにオーガニックな生産者情報、これを自社の三本柱に据える。

 そもそも酒販免許という規制がある方がおかしかった。規制のおかげで経営に工夫が不要だった。小売り自由化後はどうだったか。量販だけを追求した結果、経営への工夫の機会を逸した。お酒ほど嗜好性の強い商品も少ないのに、お客さま視点をもちきれなかった。誰でも売れるようになってほんとうの競争が起きた。それが倒産増の酒因、いや主因である

【hmm…なアドバイス】
 ここからが中小企業診断士の出番。バーボン呑みコンサルタントとして、酔い(良い?)アドバイスです。オーガニックや幻の銘酒という仕入れで差別化ができるのが一番ですが、一朝一夕にそれはできないので、売り方の提案をひとつだけします。

 それは、デリバリーへの注力。需要層の高齢化と若年層の酒離れを考えると、中高年需要層の囲い込みがてっとり早い。売れ筋に限定して“時価”をネット上に公開し、さらに携帯メールで送るのもいいし、FAXによる販促もいい。意外に悪くないのは宅配サービスとの組み合わせ(スペース制約を考えなければピザがいい)。ねらいはデリバリーのアイドリングをなくすことだが、お酒との接点商品の宅配は、販売効率が高いケースは多い。

 「どうやってお客さんのメールアドレスや電話番号をゲットするの?」という問題はある。それはある意味かんたんだ。顧客リストづくりにはポイントカードはだめ。なぜならポイントがたまらないと“顧客”にならないし、カードに氏名・住所を書いてくれないことも多い。だからこのように奨めましょう。「これを書くとお得ですよ」「なぜ?」とお客さんが言う。「原酒が当たるかもしれない」「しぼり酒を優先販売します」「新製品の試飲ができます」と言われれば酒呑みはコロリである。顧客が「ああ、それいいなぁ」という思い、それが原点だし、究極です。

 おまけで「こだわりの柿の種」を提案したい。国産の有機米、国産の落花生、国産の芥子。辛みの調節が自在で100グラム単位で量り売り。新潟の中小企業と提携して産直で卸しがいい。いつも新鮮で美味しい柿の種を食べれる幸せ。わたしが責任を持って仕入希望の酒販店をブレークイーブンの量・場数まで開拓します。やりたいという酒販店の方、ぜひわたしまでご連絡ください。中小企業診断士から、今日は以上です。

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