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2008年4月23日 (水)

袋小路のひろ作で、昼間っから手挽きの蕎麦を。

こんなに満足した昼ご飯、ほとんど記憶にない。手を入れて、丹精をこめて作るものはやはり旨い。旨いのはもちろんだが、なんでこんなに満足しちゃうのだろう。

 今日のランチはCherryさんと連れ立って新橋『ひろ作』に行った。袋小路の先の先、新橋界隈は近場なのですが、かなりわかりにくい場所だし、ランチをカキ食うようなサラリーマンは来ないから説明してもムダである。むしろ教えたくない。

【hmm・・・なアドバイス86. 袋小路のひろ作で、昼間っから手挽きの蕎麦を。】
 なんて偉そうなことを書いたが、実は美味しいものにはウンチクと執念の塊である同僚Emmyさんと相棒Cherryさん二人で連れ立って行く予定でした。ですがEmmyさん、つまらない社用ができたそうで、わたしゃピンチヒッター。邪魔者でしたがお邪魔してよかった。

 「郷さん、カウンターに座れないとテーブルで相席になります!」 Cherry said.
 「え?何人座れる店なの?」 Go asked.
 「9名なんです」 Cherry declared.
 「たったの?」 Go shouted.

 コースというので2回転としても18名、それしか食することができないのだ。そりゃ急ごう、ということで、お昼時間をちとフライングして、ソソクサと出かけると、まだ暖簾が出ていない(笑)。 

0423_hirosaku_pict0001 お宅、的ですが。

 門構えからして旨そうなのである。「旨いものを食わせるところはそういう門構えがある」と言っていたのは、わたしのコンサルの師匠Y氏であった。奥さんだろうか、顔をのぞかせて早めに入れてくれました。カウンターの一番奥にCherryさん、その隣にわたし。

0423_hirosaku_pict0002  蟹、2匹(一匹は隠れてます)

 柄の短いところがプロだな、と思った雪平鍋に目がいった。何十とあり、みんなぴかぴか。ご主人と思しき人、手際よく昼献立を準備している。もちろん、味とステータス(ミシュラン日本料理部門で☆ひとつ)から言えばご主人なんて表現はできません。料理人、が正しいのでしょうが、奥さんの雰囲気といい、@ホームなんです。「オレんところは旨いんだぞ」「かかってこい!」という肩入れないのがいいのです。まぁわたしが庶民だからそう感じることもありますが。

【前菜からてんぷら、そしてお強へ】
 まず前菜の小鉢。鴨と思しきですが間違ったらごめんなさい。箸をつけるのがもったいない美しさ。箸をつけるともったいない美味しさ。辛味とお肉、カリカリの小海老が幸せなハーモニー。そしてお刺身。鱧かなぁと思いましたが、これも花の香りとシャキっとした感触が口の中にじんわ~り広がり、ああなんて美味しいの!

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 そして山椒塩でいただくてんぷらです。ホタルいかに旬の野菜を塩でいただく。ほくほくして美味しくて、さすがのCherryさんも絶賛。次いで出てくる鯛飯。これがまた生姜の味がご飯と絶妙にからまって絶品。餅米でしょうが、“お強(こわ)”と呼ぶとぴったりくるような。あとで色々な方の書かれるブログを見ると、「鮨ガリが刻み込んで」いるそうです。どうりであの味。懐かしさと旨さと上品さ。

0423_hirosaku_pict0007 0423_hirosaku_pict0008  

【自家で挽いたお蕎麦です。】
 そしてメインの蕎麦です。これは見ているだけで美しい。細め、しゃきっとして口の中でお蕎麦が広がるというか・・・説明が下手です。あとで知りましたが、蕎麦リエさんたちのブログによれば、このお蕎麦、北海道産の玄蕎麦を自家製粉(石臼を回している)がゆえに、量が作れない。だからランチをたくさん提供できない。だから色は黒くて、粒粒が蕎麦の中にそのまま残っているということです。

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 とにかく旨いです。丸い蒸篭の蕎麦、ああこれだけかぁと思うと、とても名残おしい。追加はできるそうです。でも追加をすると、後からやってくるお客さまに「今日は蕎麦が終わり何ので」と断ることにもなりますが。蕎麦湯をいれずに味わった蕎麦汁は濃いめ。白濁した蕎麦湯を入れると美味でした。

 最後にわらび餅with黒蜜。これがまた美味しくて。わたしは甘党ではありませんが、思わず、はしたなくも黒蜜だけペロリとしました。美味しい。

0423_hirosaku_pict0012 お箸がまた風流。

 ありがとうございました。こんなに美味しくてくつろげたお昼って、最近では記憶にない。以上、1800円でした。この料金、嘘かとおもいます。

【隠れ家でもあり、アットホームでもあり、日本料理の代表でもあり】
 ランチなのにホッと落ち着ける隠れ家的雰囲気はあります。でも隠れ家、というよりはやはり日本料理店です。職人の技がしっかりとある。昼は道楽というには、力をこめて臼を挽くので、食べるほうもプロ、作るほうもプロのようなところもあります。

 ところがお強のご飯、ひとつ、よそったものをこぼしたのか、何か入れてしまったのか失敗されていました。ご主人は苦笑い、奥さんは肩をすぼめるように、冷蔵ケースから仕込んだお強を取り出してよそうと、ご主人は器をまた蒸篭にかけてなんて光景がありました。

 ミシュラン1つというステータスなのに、どこかアットホーム。そして美味しくてとても満足です。

【hmm・・なアドバイス】
 お店には顔ありといいます。それは装飾ではなくて、高い安いでもなく(清汚はきちんとしないとだめ)、ましてメニューの訴求でもなく、日々磨いているな、お客さまと向かい合っているな、と思わせるところです。

 売れないお店を見分けるのはかんたんでしょう。どこかモノ欲しげな顔が店頭にある。お客さん、来ないなぁという嘆きが見えて透ける。かたや、来るのがあたりまえというオスマシ顔のお店もある。ひたすら調子のよい(だけの)おテント様のような顔もある。ビジネスモデルの素晴らしさだけを訴えるマニュアル顔もある。何も考えていない抜けた顔もある。

ひろ作さんのただずまい、味、そして雰囲気、何も裏切らないものがありました。お店というのは不思議な生命体でもあるなぁと思いました。今日は以上です。

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コメント

Cherry殿。
コメントありがとう。だから、このブログを書く前に、君に検閲してもらいたかったんだよ。でも時間もないし、食べたらすぐ書かないと、消化しきっちゃうからね。
しかし、ほんとに教えたくないね。でも昼ご飯に1800円出す奴は、当社には6名くらいしかいないよ。君とEmmyさんと僕と…誰もいないな。まず社長は出さないと思ふしね(笑)。

投稿: 郷/marketing Michelin | 2008年4月26日 (土) 20時57分

そうそう、それから、お肉はおそらく合鴨で、
お昼は1回転だそうです。一日9名のみ!

投稿: Cherry | 2008年4月25日 (金) 17時07分

うふふ。ご満足いただけてよかったです。

たぶん、あのお造りは鯛ではないかと思いますよ、私は。
春ですから。
そして、ただのお造りではなく、
大徳寺納豆で食べるところもポイントです。

天麩羅は、たらの芽と蛍烏賊とのびるかしら。

お蕎麦の大根も辛味大根でしたね。
「むむ、辛いな?」と思い
よーく奥さんの手元を見ていたら、
タッパーから取り出す辛味大根が見えました。やはり。

これを読んだ方の予約で入れなくなってしまったら
いやだなぁと思いつつ、でも教えたい!という
微妙な心境です。

投稿: Cherry | 2008年4月25日 (金) 14時23分

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