深澤直人の扇風機
今や一家に数台所有もあたりまえになったのが扇風機。それは中国製の激安のものが出回ってきたからでもありますが、各部屋のエアコン普及のせいでもあります。エアコンの冷気を対流させて部屋中を自然に冷やし、省エネ効果をアップさせるわけです。
その用途にぴったりなだけでなく、さすがは深澤直人氏のデザイン!とうなったのが±0の新製品。
【hmm…なアドバイス97.深澤直人の扇風機】
扇風機は最近、エアコンの風を室内で対流させるために使われるケースが
増えてきました。背が低くてインテリアを壊さない手頃なサイズの扇風機が
欲しいという要望に応えて、±0はかわいい扇風機をデザインしました。
引用元 ±0
±0ショップから4月中旬でしたか、“新製品が登場”というティーザー(じらし)なメルマガをもらいましたが、答えは扇風機でした。やりましたね!というすっきりデザイン扇風機。
『ベーシックでありながらデザインで差別化をはかりたい。だから、扇風機に対して誰もが持つ形のイメージを踏襲しつつ、全体がガードで覆われたような、コロンとしたスタイルを作り上げました』というコメントはFound object(日常のあたりまえの価値に気づくこと)の深澤さんならでは。
デザインのポイントは、扇風機のガードを後ろまで包んだことで、モータ部とガードと羽根に一体感を作ったところにある。『扇風機の羽根とガードは、人々の記憶の中にある扇風機を象徴するアイコン』とも書いている。羽根・ガード・ベースがすべて異素材だが同じ色であることも差別化。
確かにそうですけど、埃や油がついた羽根やガードを掃除することも、あの頃の記憶のアイコンでもあります。
【機能もまたシンプルだが、絞り、凝っている】
機能も巧みである。ランダムなリズム風と弱・中・強の三段階の風量調節。そしてタイマーの巧みさも心にくい。
1時間タイマー 強い風(15分)、中くらいの風(15分)、弱(30分)
2時間タイマー 強い風(30分)、中くらいの風(30分)、弱(60分)
4時間タイマー 強い風(60分)、中くらいの風(60分)、弱(120分)
ホワイト、ブラック、ライトブルーの3色。価格は15,750円。±0ショップで発売中。
【秋田道夫氏は何というだろうか?】
プロダクトデザイナーの秋田道夫氏がブログで『2000年代のデザイン5点』という一文を書いていた。
2000年代の日本の代表的なプロダクト(デザイン)を5点選んで下さいと
問われたら、わたしは深澤直人さんの携帯電話「INFOBAR」と±0の加湿器、
柴田文江さんのオムロン体温計、山中俊治さんのOXO大根おろし、そしてわたしの
デバイスタイル一本用ワインセラーと答えるでしょう。
秋田さんは、わたしと同じinfobar2のミドリ(深澤直人デザイン)携帯を愛用されているようです。高名なデザイナーさんと一緒なのはちょっと嬉しい。その深澤フェチ?の秋田さんの感想は知らねども、この扇風機の美しさ、加湿器(MoMAの永久コレクション)に匹敵するのではないだろうか?わたしの一押しは黒です。
いわずと知れた深澤加湿器。
なぜかオレンジに惹かれる。それはヴィックス・ドロップの色のせい?
【hmm…なアドバイス】
あらためてデザインを考えさせられた深澤デザインの扇風機。ふたつ、思いました。
ひとつは、深澤デザインは使用シーンやユーザーマインドに溶け込む。いつか見たもの、あったものと、どこかでつながっているけれど、でも新しい。そこが凄い。
デザインすることを意識してデザインされた商品とは、まったく違う。せっかく良いデザインでも、デザインばかりが前面にきてしまって、商品が濁ってしまう。コンセプトがうざい。わかっているよ、いいたいことは。そういいたくなるデザインのモノが多いのに、彼のデザインは“そこにポンとある”。
もうひとつは、ホントに短命なデザインが増えた。ソフトバンクのジャパン・テクスチャの携帯電話はとても美しいし、ドコモのAmadanaケータイも美人です。こんなに素晴らしいデザインでも売り切りなんですか?携帯商品は“デザイン消費”のもっとも苛烈な例ですが、ちょっと残念。
50個ずつの日本。
ジャパンテクスチャの携帯。08年4月30日より発売
より良いモノを生み出すために新製品が輩出されるのは、モノづくりの日本の宿命。しかしいくらなんでも、商品も短命ならデザインも短命すぎるモノもある。発想豊かなデザイナーだって短命になる。
そういう短命の仕組みから、深澤デザインはスッポリと抜けだす永遠さがある。そこが凄い。今日は以上です。
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