« 人馬一体の自転車グッズとunder the weather in English | トップページ | 江戸の携帯化粧パレットは、女の衣であり素である »

2008年5月27日 (火)

ポルシェを捨ててプリウスに乗ろう!(ですか?)

 消費者の“自動車離れ”が言われるようになって久しい。日用のゲタである軽自動車や1000ccクラスの車ばかりが売れる現象はもう10年近くにもなるだろう。お金の有無にかかわらずマイカーレスの若者が増えた。マイカーレスであることに劣等感をもたずにすむようになった。マイカー所有者も、とりたてて優越感を持つことはできなくなった。

 こんな背景が都会では正しいとして、Wiredvisionの記事『「ポルシェの男性」よりも「プリウスの男性」のほうが好き:米国女性の調査』が気になった。女性はスポーツカーやSUV(多目的スポーツ車)を語る男性より、高燃費車を語る男性が好きだという。ほんとうだろうか?

【hmm…なアドバイス115.ポルシェを捨ててプリウスに乗ろう!(ですか?)】
米General Motors(GM)社などが実施した調査からもそれは明らかだ。
この調査によると、10人中9人近くの女性が、おしゃべりするなら
『ポルシェ』に乗っている男性よりも『プリウス』に乗っている男性の
ほうが好ましいと回答している。

出典

204_12  Hybridsynergydrive
 ポルシェ550スパイダーで激突死 VS. プリウスに乗り、環境を語る

 俳優のイメージでいうと、ジェームス・ディーンがポルシェ550で激突死したときから、およそ半世紀後に(古い話ですまん)、レオ様はプリウスでアカデミー賞(Gグローブ賞だったか?)会場に乗りつける。片や全盛期の中での奔放無法な生き様と突然死、片や演技も渋くなった俳優兼環境活動家。そうとうなギャップがあるが、見事なまでに車を通じてギャップを語れる。実に象徴的だ。

【ポルシェを捨ててプリウスに乗ろう!】
 このWiredvisionの記事の原典の調査『It's What's Inside That Counts』にもあたったが、かな〜りイメージ先行調査で、“知り合いの女性10人に聞きました!”のノリに近い。10人中8人の人が“greener(エコにやさしい)”な車に乗る人に魅かれる、などと答えている。最近の状況として、原油の高騰でガソリン価格がアップし、生活防衛をしなくちゃという意識がある。さらに調査主体がGMなど業界団体と政府、大学が三位一体になってつくった“Challenge X”という省燃費車の開発プロジェクトなのである。バイアスのかかった調査として割引は必要である。

0527challenge

 それでも、表にせよウラにせよ、今の米国の消費者意識を反映していると思う。“もうでっかい車の時代じゃないでしょ”という意識があるのは、少なくともホンネの一部になってきているのではないだろうか。アル・ゴア元副大統領は環境問題で名を上げたけれど、御本人はでっかい家に住んでいるなんて、とってもナンセンス!というまともなホンネ層が増えてきたのではないだろうか。

 だとすると、“ポルシェを捨ててプリウスに乗ろう!”というメッセージ、石油の国アメリカのターニングポイントを示す画期的な調査として歴史に刻まれるかもしれない(ちと大げさかしら)。

【マイカーレスの原因=モノ語りの欠如】
 ポルシェで夭折の自動車物語から50年を経て、プリウスの自動車物語である“環境トレンディ”へと変化した。その消費者意識の変化、モノ語りとコト語りの変化で語れそうだ。

 その昔、自動車は「語られる」存在だった。エンジンサウンドがどうだとか、エギゾーストがどうだとか、オレと車には語らいがあるだとか。それがだんだんとモノを語るよりも、モノに乗ったときの“気分”を語りたい、という風に変わってきた。

 ユーミンが“中央フリ〜ウエイ〜♪”と歌ったように、昔は”クルマと体験”は一致していた。わたしが友人と自室で酒を呑んでいると、夜遅く帰ってきたアニキが「これから海を見に行くぞ」と言いはなつと、湘南までセリカ・リフトバックでヒタ走り、男同士でパンツで泳いだなんて、エセ青春映画だって今や撮ってくれないシーンだ。体験が車とくっついていた

 ところが自動車は体験シーンから欠落しつつある。ドラマの小道具にさえならなくなってきた。商品とは語られないと流行らない。語るに落ちるモノは売れない。だから自動車は売れない。マイカーレスの原因は“語られの欠如”にあるのではないか。

【マーケティングも、サイコー過ぎるのではなないだろうか?】 
 「This is サイコーにちょうどいいHonda」という、5/7/8人乗りの車『FREED』の中吊り広告を見ましたよね。

0527_freed

 08年5月29日発売予定のホンダの新車。新車発売でヒタ隠しのティーザーキャンペーンではない。すでにホンダのHPにはコト細かに紹介がある。それでフト思った。自動車をつまらなくしたのはマーケティングのせいもあると。

・わかりやすいスローガン
・コト細かな商品説明
・商品説明はモノを語るより使いかたイメージを

 0527crsm0000000000
全長4200mmくらい 

 車のマーケティングは、至れり尽くせりのコンセプトや商品機能をわかりやすく説明し、そして親切な買い方を提供することをし続けてきた。消費者が語ることも考えることも代行してきた。イメージ形成を誘導してきた。それを感じた消費者は、語り尽くされたモノ語りをあきらめ、自分が語りたいことを見つけようとした。それがプリウスなら(誰にも共感を得やすい)環境問題だったのではないか。

【hmm…なアドバイス】
 でも個人的には、小型車なのに前にガソリンエンジン、後ろに電気モーターを搭載したAudi A1のパワートレーンのユニークさは語りたい。環境と性能をアイデアで均衡させた素晴らしいコンセプトだと思う。

Metroprojectquattroaudia1tokio2007c Metroprojectquattroaudia1tokio200_2

 こんなアイデアを商品化する“デザイナーのコト”は知りたいです。今日は以上です。

|

« 人馬一体の自転車グッズとunder the weather in English | トップページ | 江戸の携帯化粧パレットは、女の衣であり素である »

コメント

車ユメ次郎さま。
コメントありがとうございます!
結局どんな商品もDrive your Dreamぢゃないと
つまらないですよね。

自動車や自転車はもちろん、
バッグには夢と現実を詰め、
板紅には美意識と自意識を込め、
楽器の挫折者はいつかステージを夢見るし、
食はもちろん、クスリだって夢商品です。
イラストにも恋という夢があります。

商品開発とは“夢の翻訳”なのではないか。
作り手のことばと、買い手のことば、
通じないことが多い。

あなたの夢、これですよね?とぱっと見せるのが
デザイナーさんはうまいと思います。

わたしの思うマーケティングもそんなことの
小さなお手伝いをすること、だと思っています。

投稿: 郷/marketing-dreamer | 2008年5月29日 (木) 17時02分

マイカーレスの原因=モノ語りの欠如にあるとのご指摘、考えさせられました。
私は、車は、Drive Your Dream(トヨタさんのコピー)を車の基本マーケティングと信奉しています。
私の夢の実現過程で、浮き沈みの人生を表す道具の一つが「車」だったのです。
恋人との愛を語らい、夫婦のコミュニケーションを語らい、家族への愛を表現する語らい・・・。
私の記憶コピーは「CD一枚の旅へ出かけない?」(とDINKSが語る昔のキャデラックCM)です。
商品説明は“モノを語る”より“コトを語る”=使いかたを強化してしてきたと思います。
いつ頃かから、自動車のカタログ・TVCMに「使う姿」が入ってきました。
車は使うものなので、さりげなく、使うシーンで、ユーザーにイメージ喚起を促してきたのではと思う次第です。
郷さんの指摘された、モノ語りの欠如は、メーカーさんが語りかける素材が、今のユーザーさん(およびマイカーレスの人)にマッチしていないのでしょう。
以前、郷さんが書かれた「マークXジオ」のCM。最近では「ひとつ豪華に行きますか!」になりましたが、私にはピンと来ませんでした(自分が貧乏になったせいもあります)。
今時、車で豪華を語る人は少ないように思っています。
富裕層の方は、ブランドや車のスタイルで語るなんてしそうにありません。
語ること自体がなさそうです。(ビンテージカーは別ですけど)
若い方の車離れは、郷さんが自転車党になられたように、皆さんの夢の実現に、車が入ってこなくなったことによるものと考えています。
プリウスにしても、ハイブリッド単一ブランドだから意味があると思います。
○○ブランドのハイブリッド仕様では、意味が成立しません。
交通インフラの整備された都会のシティランナーは、車を使うなんて?ときっとお考えと思います。
だから、消費者意識を調べようとしても、まず協力してくれないでしょう。
環境・健康・持続性を求めるなら、車は要らないと考えていると思います。

投稿: 車ユメ次郎 | 2008年5月29日 (木) 10時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ポルシェを捨ててプリウスに乗ろう!(ですか?):

» 【海外】「アマゾン全体は500億ドルで購入可能」、英首相アドバイザーの発言がブラジルで物議 [【究極の宗教】Physical Mankindism【PM】 by Humitaka Holii (堀井文隆)]
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1211884241/ [続きを読む]

受信: 2008年5月28日 (水) 04時16分

» 樹脂化、モジュール化で [車の技術]
244 名無しさん@3周年 04/05/01 19:17 ID:xLN0X9NM吸気系なんかは樹脂化、モジュール化で部品点数削減して軽量化してるね。 このへんはどこのサプライヤーが強いのか? ミクニ、ケーヒン、デンソー、アイシンそれとも愛三? 重要なコア技術はなんだろう。機能統合化だから何らかの接続工法なのか?... [続きを読む]

受信: 2008年5月28日 (水) 05時18分

» おすすめのヘアサロン神戸情報を案内/ビューティーきれいナビ [ヘアサロン神戸についてのオススメ情報です]
ついにヘアサロン神戸をここだけ・・・ [続きを読む]

受信: 2008年5月28日 (水) 16時32分

» 日産スカイラインGTR 登場!! [日産スカイラインGTR 登場!!]
ついに5年のときを経て、本物の国産スポーツカーが帰ってきた!!日産スカイラインGT-Rの進化に迫る!! [続きを読む]

受信: 2008年5月30日 (金) 21時08分

» すすきkei Bタンボ・軽の燃費教えれ! [車の節約情報]
60 阻止押さえられちゃいました New! 2007/10/28(日) 09:02:42 ID:SqXf0ITE【地域】東北 【年式車種ギア】15年式すすきkei Bタンボ FF-5FMT 【街乗燃費】15km/? 【郊外燃費】17km/? 【高速燃費】15km/? 4000rpm以上上げないようにしているのですが 【最高燃費】18km/? 田舎道ドライブで記録 【最低燃費】13km/? 冬�... [続きを読む]

受信: 2008年6月 2日 (月) 06時02分

» ラリーフィールドで使用する車の選定 [軽スポーツ]
モータースポーツフィールドで使う車には選定する上でいくつか条件がある。その条件とは、・部品の供給・エンジン動力性能・軽さなどである。部品の供給は、サスペンションだけでなく、強化ブッシュ、クラッチ、LSD、クロスミッションやエンジンチューニング関係、タイヤやホイールなどがある。近年では改造範囲も広く特に駆動系パーツについては間違いなく成績アップに繋がる。... [続きを読む]

受信: 2008年6月 4日 (水) 07時44分

« 人馬一体の自転車グッズとunder the weather in English | トップページ | 江戸の携帯化粧パレットは、女の衣であり素である »