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2008年6月 9日 (月)

“Ora Unica”と“駅”と企業ロゴ

 昨日(08年6月8日)は腕に時計をせずにあるセミナーのために、銀座に出かけた。休日なのでそれもありかなと思ったし、腕時計はもはや“手首のアイコン”。携帯にも駅にも街にも、時を刻むものはどこにもたくさんある。それにわたしの腕時計のデザインは“平日のアイコン”のようなモノなので休日に似合わない。

 フトdesignboomを見ていたら「これはいい!」という時計デザインがあった。今日は1週間のスタートの月曜日ですが、休日にぴったりの時計デザイン。というか、こんな時計のモードで平日も生きてみたい。

 0608_oraunicasqu1 これでも時計です。

【hmm…なアドバイス125.“Ora Unica”と“駅”と企業ロゴ】
with his design, guidone aimed to create a way of telling
time which is in line with ‘the irregular traits of our time’.
the hour and the minute hands are transformed into a single
line drawn on two faces which rotate one inside the other.

引用元 

0608_oraunica2 針は一筆書き

そのデザインでguidone氏は、私たちの時間を不規則なひと筆書きで表す
ことで今何時?を示す手法を創造しようとした。時と分は一本のぐにゃぐにゃ
な線で表され、それは(よく見ると)内側と外側の2つの針になっている

 子供がぐいっといたずら書きしたような線が文字盤にあるだけで、他に何もない。作品(まだ製品化されていない)のタイトルは“Ora Unica”、イタリア語で“たった今”ないし“ひとつの時間”という意味。たった今と言われても、何時かわからないじゃない。

 いえいえ、よく見るとこの一筆書きのぐにゃぐにゃ線は2本にわかれていて、一本が短針(時)、一本が長針(分)になっている。次の画像を見てほしい。

0608_3oraunica2007  短い一筆は時を。

 
0608_2oraunica2007長い一筆は分を。

 じぃっ〜と見ると時間がわかってくる(笑)。

【時間を裏切り、アイコンを否定するデザイン】
 時が進むにつれて幾何学な針模様が変形するのは、まるで銀河系の“平行時間”を可視化するようだ。時計は視認性が命と思う常識屋をこっぱみじんにする難読性。時間というものはチクタクと3つの針が刻むものと思うている良識家を裏切る不規則性。これで腕時計はまさに手首のアイコンになった。

2 competition展示風景

 これをデザインしたのはイタリアの若手デザイナーdenis guidoneさん。‘adom o’ eva creations’ design competition受賞作品のこの時計、いくらで売り出されるのだろうか?そもそもこのまま製品化ができるのだろうか? そこは怪しいのだ。無意識なのか意識的にか、腕時計のもっとも重要な“ブランド”をOra Unicaは否定しそうだから。

【腕時計 “駅”が示したこと】
 これと対極にあるデザイン、深澤直人氏がセイコーの“パワーデザインプロジェクト”でデザインした腕時計『』を見てみよう(2002年)。

2002_eki_main 引用元

 駅の時計を模した“日常の意外性”をテーマにした腕時計。駅を背景にして時計を手にする写真のインパクトが、状況証拠のような強烈な記憶となった。駅時計なのでとっても視認性が高い。この時計デザインは、製品化されていた。セイコーからではない。深澤直人氏+松江幸子氏『』は無印良品から発売された。

20051219_89544
 写真は商品を購入したハッシュさんのブログから。

 よく見てほしい。ロゴがないのだ。購入者のハッシュさん、「個人的にはロゴ(SEIKO)は残した方が気分が出るなぁと思うけど、無印良品から出るが故にここは削らざるをえない部分」と書いている。

 無印だからしようがないのかもしれないが、“SEIKO”というブランドのロゴが消えてしまったことは、この商品の魅力をかなり損なった。駅の時計の“SEIKO”と同じロゴがあるからこそ、おもしろかった。“SEIKO”がないと“駅”というイメージに結びつきにくい。

【hmm…なアドバイス】
 この時計デザインで確信犯的に深澤氏がねらったのは、“企業ロゴ=ブランド”を、“企業ロゴ=生活風景”に変えることだ。企業ロゴは日常風景になりうるという主張。それを嫌ったのでしょうか、SEIKOは自社で商品化しなかった(いや単にロットが小さいからだけかもしれない。これは憶測です)。

 “Ora Unica”にもどろう。“Ora Unica”の文字盤にはたして企業ロゴを入れられるだろうか?デザインが破綻しないだろうか? 100歩ゆずって“agnes b.”のような文字体ならいいかも。

3 ちと苦しいですか?(笑)

 Ora Unicaもまた無印良品でしか商品化できないとするなら、企業ロゴを前提としないデザインやその商品化のことを、ちょっと考えさせられた。今日は以上です。

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