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2008年6月26日 (木)

“作る”と“食べる”がつながる、ながしま農園の野菜づくり

  今日はビジネスメディア誠で連載する“うふふ”マーケティングへの“注水”です。

“作る”と“食べる”がつながる、ながしま農園の野菜づくり
わずか1.2ヘクタールの農地で120品目もの野菜・加工品を生産・出荷。
非効率とも思える多品種少量出荷にもかかわらず利益を上げているのが、
三浦半島 にあるながしま農園だ。暖房や化学肥料を導入した農家が原油高で
苦戦するなか、自然農法にこだわり続けて成功しているながしま農園の姿は、
これからの農業 を考える人々にとって大きな示唆を与えてくれるはずだ。

続きはこちら。

 きっかけは京急百貨店の“楽eco”のことをビジネスメディア誠に書いたこと。その取材のとき、京急百貨店広報の宮崎さんが「長島さんてホント熱いンですよ」と言うのを聞いて、「あ、これはいつか行かないと!」と直感しました。

 “農業でしかも食”とくれば、料理研究家の相棒Cherryさんが必須です。長島勝美さんにハガキを送り、日程を合わせて、天気の良い日に二人で伺いました。長島勝美さんは何せ語り部なので、そのこぼれ話が多くて。そのウチのいくつかを紹介します。

【シェラザードに行けなくて】
 当日は午後2時に伺う約束。Cherryさんとわたしはおおよそ同じ時間の電車に乗っていこう♪というアバウトな約束で現地集合。ところが!賢いというか食い意地が張っているというか、Cherryさんは先乗りしていた。メールが来た。「アタシ、ながしま農園の野菜をフンダンにつかうフレンチレストラン『シェラザード』にいます」 なんと優雅に先乗りランチだ。きたないぜ。

Dsc00074 料理をα350でパチリ。

 シェラザードは農園の手前にあり。30分くらい後に京急YRP野比に着いたわたしは、携帯メールでやりとりをしてレストランに合流しようと。天気もよい日、うららかに歩き出しました。ところが行けども行けどもシェラザードがない!おいまだか、と思ってCherryさんに電話した。

 「今、“長沢中学校”の前だよ。ガキどもがランニングしている」
 「じゃあもう少しです!」
 「そうか。じゃあアトでね」

 という連絡をしてから、歩けども歩けどもレストラン見えず。道沿いの飼い犬たちに吠えまくられるし、自動車のディーラーはあれどレストランはなし。三度くらい“君はどこにいるの?”という電話をして、たっぷり通り過ぎていたのがわかった。何百メートルもどってたどりついたシェラザード。マダムの顔をちらりと見たときにはもう約束の時間。ああ!美味しい野菜料理にありつけなかった!

 いつも段取り良しがCherryさん、かなり行き当たりばったりがわたし。汗をぬぐいつつ、長島さんに「こんにちは。レストランの前にいます」と電話しました。

【長島さんとご対面】
 ほどなく軽のバン&つなぎで軽快に表れた長島さん。どうも、どうも、という感じで、すぐに農園に着きました。出荷分を仕分けする出荷所です。そこが入り口になって、段々と坂を上って土地が広がっています。

 ビジネスメディア誠に書かなかったことのひとつに“鶏卵タマゴのエピソード”があります。ながしま農園ではタイ国から農業研修生も受け入れている。

 あるとき研修生たちが「タイではタマゴを産ませる鶏(レイヤーという)が1日2回タマゴを生む」という。え?2回生むってそんな馬鹿な・・・と勝美さんは不思議に思い、知り合いの鶏卵農家に聞いた。するとやはり日本のニワトリは日に1回だという。あり得ないんじゃない?とタイ研修生にさらに訊いた。

N041201_2 出典

 だが間違いではないという。タイでは鶏卵ケージ舎を“いつも昼間のように”ド明るく照明を照らす。明るさゆえにニワトリの体内ホルモンが“昼だ”と感知して、朝も晩もタマゴを生む。それゆえに寿命は半分くらいになる。タイの鶏はかわいそうだ。ところが勝美さん、こうも話す。

 「タマゴは値上がりしないし、自給率が高い(90数パーセント)と誇ってるけど、ホントじゃないですよ」

 鶏卵の母体となるニワトリはオランダとドイツから輸入に頼り、その率はなんと94%!それを育てる飼料は輸入100%。これって国産ですか?偽装うなぎはあざといですが、ニワトリも国産と胸をはれるとは思えない。

【5ヘクタール・エピソード】
 農園の広さをどう表現するか、そんなところにも“農業政策の前近代さ”が見えてきた。ながしま農園は『第12回環境保全型農業推進コンクール』で農林水産大臣賞を受賞している。その受賞関連の神奈川県の資料には“5ha”とある。おかしいな、勝美さんは1haとか2haと言っていたよな、第一、5haなんてありそうもないが・・・と思って確認した。勝美さんからメール返信があった。

  (県の)環境保全型の資料の方には理由がありまして、当農園は年間120
  品目を作り畑の回転率は良いと言うことで県の担当者が延べ面積で換算
  して書いた資料です。

 神奈川県の方で“気を利かせて”、年間出荷品目を合計して“延べ面積”として5haとした。ほんとうは1.2ヘクタールだが、4期作分に水増ししたわけだ。間違いではないかもしれないけれど、1.2haで120品目分の収穫量が生産効率が良過ぎて、コンクール資料としてマズいと“自主判断”したという。さすがはお役所、“常識力”がありますね。

Dsc00122  
 勝美さんとわたし。写真はCherryさん。

【まだまだ書けなかったことがある】
 上の写真は“珊瑚礁のクズ”を畑に撒いているという話でかがんだ。台風などの後に、南国の岸に珊瑚礁のクズが浮かぶ。これをすくって“空荷”の船に載せて運んでくるそうだ。直径数ミリの珊瑚礁のクズが、畑の堆肥の定着に一役かう。

 ながしま農園から出荷する野菜も、京急百貨店が家具やら家電やら販売したモノを配達したあとの空荷のトラックで集荷している。その容器も、樹脂の通い箱か、リユースの(無料の)段ボールだ。エコも効率も考えていますよ、出荷するときまでずっと。

 さて、今回の農園取材では相棒Cherryさんは相当に満足した。“ほんとにおもしろかった”と言っていた。

 帰りがけにわたしは勝美さんに言った。 
 「今日はありがとうございました。拙いエッセイ、書かせていただきます」 
 すかさずCherryさん、いつになく真顔で言った。
 「郷さん!良いモノ、書いてくださいね!」

 文は拙くても勝美さんの想いが伝わればいい(と言い訳)。ビジネスメディア誠のメインの読者=30代男子です。現役ばりばりの20代、30代の世代から、たったひとりでも“オレ農業やろうかな!”と目覚めさせること。それができれば、今回のエッセイは成功です。今日の種まきは以上です。
 
 ※訂正 ながしま農園の野菜の経営面積は2.5ヘクタールです。
  上記の文中、1.2とあるものを訂正いたします。
  長島さんから「経営面積は施設45a路地2.5ha、1.2haは三浦半島の
  農家の平均経営面積」という連絡をいただきました。
  謹んで訂正いたします。今日は訂正することばかりでした(6月27日記)。

 おまけ:2006年6月26日のこのブログの誕生日からちょうど今日で2年です。まだ青2歳。

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